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在宅療養を希望する患者の支援 ~患者自身が設定した目標達成への介入~

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Academic year: 2021

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第32回群馬緩和医療研究会

日 時:平成 27年 9月 12日 (土)13:00∼17:00 会 場:ベイシア文化ホール 小ホール テ ー マ:患者・家族の意思決定を支える 当番世話人:内藤 浩(独立行政法人地域医療推進機構 群馬中央病院) 共 催:群馬緩和医療研究会・ファイザー株式会社 後 援:群馬県病院薬剤師会

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1.自宅療養を選択した意思決定を支える援助 高山 善孝,山本 真純,佐藤 幸子 (独立行政法人地域医療機能推進機構 群馬中 央病院) 【はじめに】 自宅療養を希望していても疾患に対する恐怖 心や家族への遠慮から入院治療を続けている現状がある, 今回,患者と家族が低血糖により自宅療養を諦めていた症 例を目にし,多職種で情報を共有し,低血糖を改善するこ とで患者と家族自らが自宅療養を選択し,その意思決定を 支援した一症例を報告する.【患者紹介】 A氏, 80台男 性.病名 :進行胃がん.多発肝臓転移,多発リンパ節転移, 意識消失がみられ当院救急搬送となり,低血糖と診断され 入院となる.【看護介入】 A氏は「先の事を えると家に 帰りたい,でも怖いし,家族に迷惑がかかる」と話され,社 会的不安から精神的苦痛を感じているが,低血糖の恐怖心 から える余裕がなく,自宅療養を諦めている可能性が えられた.そこで多職種で情報を共有し低血糖の改善に努 めた.低血糖が改善すると A氏は「身辺整理や,遺言書が書 きたい,家に帰りたい」と話し,妻も自宅療養を希望された. 主治医より在宅静脈栄養法を 用し退院可能と説明があ り,指導を開始,A氏と妻の理解度をスタッフ間で共有し, 内容を調整ながら繰り返し指導を行い,外出や外泊を通じ A氏と妻は「帰れそうです」と話された.A氏に体動困難が みられたため担当者会議を実施し自宅退院となった.再度 自宅で意識障害を起こし当院へ救急搬送されたが,A氏は 「用事が済んだ,これで全部安心」と話され数日後に永眠 された.妻は「家で過ごせて本当に良かった」と話された. 【 察】 A氏の社会的不安を理解した上で身体的苦痛 を改善するために多職種で情報を共有し連携をとりながら 症状の改善に努めた.その結果,A氏が抱える社会的不安 を見つめなおすことができ,A氏と妻自身が自宅療養を選 択する意思決定を促し,精神的苦痛の軽減が行えたと A氏 の言葉から える.また,A氏と共に自宅で過ごせたこと が,妻のグリーフケアにつながったと妻の言葉から える. 2.在宅療養を希望する患者の支援 ∼患者自身が設定した目標達成への介入∼ 真下 法子,青木 敏之,茂木真由美 (群馬県立がんセンター 緩和ケア病棟) 【目 的】 在宅療養を希望する患者の支援を通して,患者 の希望や意思を尊重したケアを実践し,患者が自 らしく 生きるための支援について える.【方 法】 緩和ケア 病棟入院中の一事例について検討を行った.【倫理的配 慮】 当院の倫理規定に基づき,逐語は個人が特定されな いように配慮した.【結 果】 A氏の意思を尊重し,直接 介入と見守る姿勢で関わりを続けた.症状は悪化傾向であ るなかでも,患者は在宅での療養を可能にするための日常 生活の工夫や,気持ちの折り合いをつけたことで患者自身 の目標を達成することができた.予定していた外泊が眠気 や 怠感の増強により行うことができなかったが,「今日外 泊やっぱり無理だった,でもやめて正解だったと思う」と 患者の意思で行動できた.【 察】 A氏の「退院」とい う希望を実現するために,入院生活を送る上で目標として いることを看護師が把握し共有することは,意思決定を支 える看護師の支援として大切である.看護師が外泊に行け なかったということに視点を向けるのではなく,患者の意 思で行動できたことを認めたことにより A氏にとって安 心感が生まれた.その結果,退院という希望を失わずに毎 日を生活することができたのではないかと える.【結 論】 患者が目標としていることを看護師が把握し共有す ることは,意思決定を支える看護師の支援として大切であ る. ― 59―

抄 録

2016;66:59∼64

参照

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