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[講演要旨] 三浦半島における関東地震起源の津波堆積物の認定と歴史地震

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Academic year: 2021

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(1)歴史地震 第26号(2011) 109頁. [講演要旨]三浦半島における関東地震起源の津波堆積物の認定と歴史地震 島崎邦彦(1)・金幸隆(1)・千葉崇(2)・石辺岳男(1) ・松岡裕美(3) ・岡村眞(3)・都司嘉宣(1)・佐竹健治(1) (1)東大地震研(2)東京大学大学院新領域創成科学研究科(3)高知大学理学部 Identification of tsunami deposits in Miura Peninsula originated from Kanto earthquakes and historical earthquakes Shimazaki K., Kim H. Y., Chiba T., Ishibe T., Matsuoka H., Okamura M., Tsuji Y., and Satake K.. 1.はじめに. 堆積物であるかどうかを、堆積物の粒度分析や珪藻. 関東地震の履歴解明のために、神奈川県三浦半島. 分析によって検討した。 粒度分析から、イベント層間では上方細粒化し、. の南西端に位置する小網代湾奥の干潟においてハン ディジオスライサー調査を行い、1923 年、1703 年、. イベント層を挟んで、上方粗粒化する傾向が認めら. およびそれ以前の関東地震によるものと考えられる. れる。また、珪藻分析から、イベント層間において、. 津波堆積物を発見して既に報告した(歴史地震, 25,. 海生浮遊性の珪藻が徐々に増加する傾向が認められ. 116-117, 2010)。本報告ではまず、これらの津波堆積. た。また、最上部の津波堆積物の上部には、下部で. 物が関東地震起源のものであると考えられる根拠を. は認められなかった淡水生の珪藻が見られ、急激な. 述べる。次に、堆積物中の年代測定試料から推定さ. 環境の変化があったものと思われる。これらの事実. れる、関東地震の発生年代の上限および下限を検討. は、イベント堆積物が関東地震による地殻変動と同. して、歴史地震資料と比較する。. 期していることを示し、関東地震起源のものである と認められる。. 2. 関東地震による津波堆積物 小網代湾、湾奥の干潟の深さ 3 m 程度の堆積物中. 3.津波堆積物の年代. から、貝殻片・砂層・小礫・粗粒砂からなる淘汰の. イベント堆積物のうち、最上層が 1923 年、中間層. 悪いイベント層が 3 層見いだされた。これらのイベ. が 1703 年に対応することは、木片などの 14C 年代値. ント層は、陸側に向けて概ね層厚が減少すること、. や放射性鉛・セシウムの分析から結論される。よっ. 下位の内湾性泥質砂層の侵食が見られること、一部. て最下層は 1703 年より前の関東地震の津波堆積物. に上方細粒化や粗粒化を示すが一般に淘汰が悪く、. と考えられる。最も確実なことは、この層の直下か. 海陸両起源の堆積物を含むなど、津波堆積物の可能. ら得られた 14C 年代、西暦 1060‐1260 年(2σ、暦. 性を示す。. 年較正済み)以降に発生したことである。多数の歴. この地域では、1923 年大正関東地震と 1703 年元. 史地震が候補となる。しかし、二次堆積による年代. 禄関東地震により隆起したことが知られている。す. の逆転を除き、残った試料の年代測定値からは、西. ぐ南に位置する油壺湾の験潮記録からは、1923 年大. 暦 1300‐1430 年、1460‐1650 年より前の可能性が. 正関東地震時に 1.4 m ほど隆起し、地震後現在に至. 指摘される。これらが二次堆積ではないと言い切る. るまで、年間 3.6 mm 程度の速度で沈降しているこ. ことはできないものの、津波堆積物の堆積を除き、. とが観測されている。この地域では、関東地震時に. 堆積速度に大きな変化がないと仮定するのが自然で. は土地が隆起し、地震間では土地が沈降すると考え. あろう。限られたデータの範囲内では、1703 年より. られ、これに伴って湾内や干潟の水深が変化してき. 前の関東地震が 1293 年(永仁元年または正応六年). たと思われる。これを利用して関東地震起源の津波. に発生したと結論するのが最も妥当である。. - 109 -.

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