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2012年度論文賞の受賞論文紹介:ビッグデータ時代に向けて

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(1)ビッグデータ時代に向けて 田中 信吾 (株)東芝 研究開発センター ネットワークシステムラボラトリー 〔受賞論文〕 Gigabit/10 Gigabit Ethernet に対応した高効率 TCP/IP オフロードエンジン 田中信吾,山浦隆博,山口健作,菅沢延彦,谷澤佳道 ( (株) 東芝 研究開発センター ネットワークシステムラ ボラトリー),渋谷尚久((株)東芝 デジタルプロダクツ&サービス) 情報処理学会論文誌,Vol.52, No.12, pp.3715-3728(2011).  本研究は通信プロトコル処理のいわゆるハードウ ェア化技術であり,研究当初においてもそのアプロ ーチ自体は必ずしも新しいものではない.しかしな がら,モバイル端末と大規模クラウドデータセンタ というコンピューティング形態が今後主流になると 考えたとき,限られた容量のバッテリーによる動作 2012年度論文賞の受賞論文紹介. が必要なユーザ端末側,高い省電力性が求められる データセンタ側の双方で,今後ますますエネルギー 効率の高いコンピューティングが求められ,伝送デ ータ量が増加の一途をたどる通信プロトコル処理に. 図 -1 ダイレクトストレージアクセス技術の概観. おいてもその例外ではないだろうと思われた.そこ で,そのようなエネルギー効率の抜本的改善という. ードウェア化するダイレクトストレージアクセス技. 視点から,従来のオフロードエンジンを改めて眺め. 術(図 -1 参照)を考案し,これを本通信ハードウェ. たところ,実はまだまだ改良の余地が大いにあると. アと密結合することで,ホスト CPU を介さないス. いうことに気付き,これは取り組む価値があると考. トレージからネットワークへのファイルコンテンツ. えたのが本研究を始めたきっかけである.. 転送を実現する技術開発を行っており,インターネ.  TCP/IP はさまざまな機能,異常系を持つ非常に. ット向け大規模ビデオ配信サーバへの製品適用を進. 複雑なプロトコルである.この複雑な機能をハード. めている.また,さらにその次の研究テーマの発掘. ウェアとソフトウェアのハイブリッド構成でスク. のため,筆者自身は昨年より米国スタンフォード大. ラッチから再構築するのはまさに苦労の連続であ. 学に客員研究員として滞在し,大規模 Web2.0 サー. り,特に終わりなきデバッグには多大な労力を費や. ビスやビッグデータ解析などに向けたハードウェア. したが,幸いにして事業部より製品応用のオファー. ベースの超高速データベース処理の研究を行ってお. があり,研究開発を加速することができた.優秀な. り,来るべきビックデータ時代に備えた新たなデー. チームメンバにも恵まれ,無事に開発を完遂,放送. タ処理技術の開拓を試みている.これらについても. 局向け映像送出サーバ製品への適用も果たし,その. 今後研究成果を継続して発表し,同分野の発展に寄. 時点での研究内容をまとめたのが本論文である.ま. 与することができれば幸いである.. ずは DICOMO2010 シンポジウムで発表したとこ. (2013 年 5 月 14 日受付). ろ,光栄にもいくつかの賞と論文誌への推薦をいた だいたので,その後内容を加筆して論文誌に投稿し た.発案した提案方式についても国内外で複数の特 許提案を行い,続々と登録されている.  現在,さらにファイルアクセス処理を効率よくハ. 814. 情報処理 Vol.54 No.8 Aug. 2013. 田中 信吾 [email protected]  平成 13 年東京大学大学院修士課程修了,(株)東芝入社.通信・ス トレージ関連の研究開発に従事.現在(株)東芝 研究開発センター ネットワークシステムラボラトリー研究主務,米スタンフォード大学 客員研究員..

(2)

図 -1  ダイレクトストレージアクセス技術の概観

参照

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