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因子分析法による時間分割X線吸収端構造の解析を用いた触媒反応機構に関する研究

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Academic year: 2021

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因子分析法による時間分割X線吸収端構造の解析を

用いた触媒反応機構に関する研究

著者

生島 博

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図 1 データ行列Dの分割 行列Dは、行成分はエネルギー 範囲、列成分には時間経過によって得たデータとした。

2014 年度 修士論文要旨

因子分析法による時間分割 X 線吸収端構造の解析を用いた

触媒反応機構に関する研究

関西学院大学大学院 理工学研究科

物理学専攻 水木研究室 生島 博

我々の研究では自動車排気ガス浄化触媒に用いられているパラジウム微粒子において、一酸化炭素(CO)と窒 素化合物(NOx)吸着・脱離反応の詳細な機構解明へ向けた研究を行っている。触媒反応においてはそれぞれの素 過程を明らかにするために時間分割測定することが非常に重要である。X線吸収端微細構造(XAFS)の実験は、 内殻準位からの電子励起を測定することで選択的に原子局所構造の情報を得ることに優れている。我々は、分散 型光学系を使った時間分割XAFS測定を行い、触媒の酸化還元中における反応素過程の解明を目指ししている。 本研究では、時間分割型XAFS 用に特化した因子分析法を開発し、それを解析に適用することで、触媒反応の 素過程を明らかにする。 因子分析法とは相関関係の背後に潜む構造を分析するために用いられる統計的分析方法である。具体的にはす べてのスペクトルを表現するのに、最低何個の要素が必要かを判別し、その各要素に対応するスペクトルを導き 出すものである。作成した因子分析ソフトウェアは、M. Fernández-García 氏が開発した XAFS 実験への因子分析 法の適用に準じている[1,2]。分散型光学系を用いた時間分割 XAFS 実験より得られたデータに対して、スペクト ルの新たな解釈のためにこの因子分析法を用いた。 因子分析法では図 1 のようにデータ行列Dを主成分(因子)の吸収係数を含む行列Rと各状態の存在比を示す情 報を含む行列Cへと分割することができる。 本実験ではパラジウムの微粒子に対して、 CO(5 %)、NO(5 %)のガスを 100 秒ごとに交互に流 しながら、分散型光学系による時間分割 XAFS に よって、CO/NO 触媒反応中におけるパラジウム粒 子の局所構造、電子状態を測定した。粒径や温度 などの条件を変えて測定を行った。右図の試料は Pd(2wt%)/Al2O3(粒径3 nm)を使用し、温度は 400 ℃で一定にした時の結果である。吸収端は Pd K 吸収端を選択した。 本解析では、XANES 領域に範囲を絞っ ている。作成したソフトウェアを用いて 吸収端近傍のスペクトル(24300~24600 eV)において 184 点のデータ点により構 成される 0.9 秒ごとに取得した 1000 本の スペクトルに対して因子分析を行った。 これにより安定な状態と考えられている Pd(II)とPd(0)の状態のほかに新たに2つの 状態が存在することが示唆される。解析 により、CO 由来の炭素がパラジウムに固 溶したものによる Pd-C と、Pd(I)であると 考えた。このように開発したソフトウェ アにより時間分割測定で取得した膨大な データから、因子数を決め解析ができる ことを示すことができた。 参考文献

[1] M. Fernández-García et al., J. Phys. Chem. 99, (1995)1265.

[2] R. Malinowski, Factor Analysis in Chemistry 3rd

edition, WILEY-INTERSCIENCE (2002).

図 2 Pd K 吸収端 XANES 領域での因子分析による存在比率の推移。CO、 NO を交互に流入することによる酸化還元のため、各要素の構成比率が 変化していることが見て取れる。時間ごとのガスは上部に記載してい る。要素 1:PdC,要素 2: Pd1+,要素 3: Pd2+,要素 3: Pd と考えている。

図 2  Pd  K 吸収端 XANES 領域での因子分析による存在比率の推移。 CO、

参照

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