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Teamsは目標を達成したか : 授業「数学」編

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Academic year: 2021

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1 はじめに 新型コロナ感染症の影響により、2020年度春学期「数学」の授業は Teamsによるリモート の授業(Teams12回及び対面授業3回)を行った。授業実施後の学生による授業評価(自由 記述)における改善してほしい点は次の7点(人)であった。(投稿のまま) これら学生意見のとおり、私の「数学」の授業では、問題はノーヒントで解くように求めた。 2種類の課題のうち、テキスト(教科書として選定した数学問題集)に基づいた課題ではない 方の特別課題は、対面授業で解説したものもあるが、最終的に解答は示さなかったし、示さな い考えであった。これらの授業評価を読むと、「一体どんな(ひどい)授業だったのだろう?」 「Teamsでかなり手を抜いたのではないか」など考えて当然である。今から、コロナ禍におけ る「数学」の授業をどのように行ったのかを報告する。それはポストコロナにおける授業の在 り方についての私の考えである。可能な限りのデータを示して記述したい。 ここで、「数学」の授業の受講者数は次のとおりであった。 ①数学の授業はかなり難易度が高いと感じた。にも関わらず、説明や解説がしっかり書いてな い教科書1冊と教授からのワード1枚分の解説のみ、解説は無いときもある。遠隔の授業で すし、もう少し難易度を下げるか、解説を十分にする、教科書をもう少し解説が十分なもの にするべきだと感じた。ほとんどの授業が解説と教科書だけで理解するのが難しく、あまり にも生徒に対して投げやりの授業だったと感じました。 ②数学が得意ではない私にとって難易度が高かったので、受講する生徒全体の様子を見ながら 難易度を調節してほしいと思いました。 ③難しかった。 ④Teamsの課題の提示をもっとわかりやすくしてほしい。ヒントなどはファイルなどに入れ てほしい。 ⑤答え合わせが出来るようにしてほしいです。 ⑥解答を配布して欲しかった。 ⑦答えが知りたいと思った。

Teamsは目標を達成したか 授業「数学」編

冨田 哲浩

神戸親和女子大学発達教育学部児童教育学科 教授 要旨 新型コロナの影響で急遽開始された Teamsの授業では、定型と特別の2種類の課題を与えつつ 行った。目標「考えることの大切さとわかったときの喜び」を達成できたのかを、学生授業評価を 通して報告する。 キーワード:Teams 数学課題 基礎力 発想力 思考力 学生授業評価

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また、4月当初に、児童教育学科の受講者のうち20名が中学校数学教員免許を取得するため の講座「基礎数学」にも受講登録していた。 さらに、春学期終了後に認めた成績は次のとおりであった。 〇単位認定・・・42名 ●単位不認定・・5名(1名は課題未提出、4名は科目登録しただけ) このことから、以下の本文の資料等は、単位認定を行った42名を集計したものである。 2 科目「数学」のシラバス 2020年度のシラバスに掲載の本授業の目的と目標は次のとおりである。 (1)授業の目的 講義と演習を通して、教養として身につけておくべき数学を修得する。 特に、高等学校における基礎的内容を中心に学習することで、知識だけでなく理解力を高め る。さらに、数学に関するクイズ形式の問題により、将来担当する児童生徒の興味関心を高め ることを自ら経験するとともに、数学の有名な公式・定理等の内容にも触れることにより、幅 広く知識の拡充を図ることで、数学の総合的な思考力を養う。 (2)到達目標 初等教育の学習四分野を基準として、高等学校数学の基礎的内容を、①数と式、②関数、③ 図形、④資料の整理の四分野に整理した教材を、系統的に学習し、高等学校で学習すべき基礎 的事項における自分の得意、不得意を明らかにしつつ理解力を深め、知識の定着を図る。 以上をまとめると、本授業は高等学校の必履修科目までの内容を素材として、 の 2点を目的として設定したのである。 3 使用テキストと授業計画(当初) (1)テキスト 『ジュニア演習 数学Ⅰ・A(書き込み式)』 数研出版 B5版91ページ(600円+税) 特長として、①問題が全部で161題に精選されており、解答記入スペースが設けてある。 ②問題は「教科書レベルの基本 40題」、「教科書の章末レベル標準99題」、「受験の基礎レベ 学科 児童教育 総合文化 心理 ジュニアスポーツ 計 1年生 28 4 5 0 37 2年生 0 0 0 0 0 3年生 0 2 1 1 4 4年生 0 3 3 1 7 合計 28 9 8 2 47 Ⅰ 自分で考えることの大切さを体得し、論理的に物事を考える思考力を養うこと Ⅱ 自分で考えて「わかったときの喜び」を体感し、理解しようとする意欲を向上すること

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ル22題」の3部構成となっており、項目ごとに教科書の公式・定理がまとめられている。 ③別添として、63ページにも及ぶ極めて詳しい解答冊子が付いている。 以上の特長3点から、問題の量、難易度の幅広さ、学生が携帯することを考えた時のサイズ、 ノート不要、価格が高くないことを総合的に考えて、高校必須科目「数学Ⅰ」「数学A」を再 学習するにあたり、本授業に適したテキスト(問題集)と判断した。 もう少し詳しく述べる。春学期の90分、15回の授業については多くない。数学Ⅰと数学Aは 高校では必須科目であり、標準単位数は数学Ⅰが3単位で数学Aが2単位である。1単位につ き50分で年間35週が標準だが、実際には高校現場では32週程度の実施となっていることを考慮 すると、この2科目にかける時間数は、50分×5単位×32週=8,000分である。これを90分× 15回=1,350分で再学習しようというのだ。そのため使用するテキストは精選された問題であ ることが求められるうえに、学生が自分で取り組む予習と復習にも使えることを考えると、基 礎的な内容と学習の幅を広げる問題を精選して掲載しているこのテキストが適しているといえ る。高校数学をほぼ忘れてしまっている学生には難しい問題が多いという印象を受けるかもし れないが、逆に、高校数学を忘れた学生を基準にしたテキストの選択では、高校数学をしっか り再学習しようという学生は満足できない。私は力をつける方向の選択をしたのだ。 また、テキストは91ページと薄く、B5サイズなので学生の持つバッグにも入るし、600円 という価格が高いという印象にはならないと考えた。 (2)授業計画(当初) 学生が購入したテキストを用いて、授業15回各回の学修テーマ(内容)を定め、授業 1回90 分に対する予習や復習をしてもらう問題番号を割り当てることとした。 予習問題は高校の教科書レベル、授業で扱う問題とその復習問題はテキストの標準レベルの 問題を割り当てた。テキストに掲載されている受験基礎レベルの問題は、受講者に中学校数学 教員免許を取得希望している学生も含まれており取り組ませたいところだが、受講者全体の高 校数学の理解状況を考えて扱わないこととした。 また、学生の興味関心を引き出し、数学の思考力を身につけることを目標とするため、身近 な素材を用いた問題を与えることとした。授業で扱う内容の中心はテキストを使っての「数学 Ⅰ」と「数学A」の演習としたので、ここで受講者に与える特別課題は、授業2回につき1問 程度とし、内容を 3つの視点(基礎力を確認する問題、発想力を要求する問題、論理的な思考 力で解く問題)から2問ずつ学生に考えてもらうことを計画していた。 4 コロナ禍による事業内容等の変更 2019年度春学期終了時には誰も予想していなかったし、2020年が明けてからも訪れてほしく なかった重大なコロナ問題の発生であった。学生を前にした対面授業を行うことはできず、パ ソコンによるリモート授業になった。リモート授業としては、「Teamsによる授業」と「ZOOM 予習問題数 授業で扱う問題数 復習問題数 授業15回の問題合計 31題 34題 15題

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による授業」が考えられたが、本学では「Teamsによる授業」が開始された。 私は Teamsの授業では課題は出せるが、これまでの経験してきた対面授業による指導と同 じ効果が出せるのかどうか大いに不安があった。一方、学生もリモート授業は初めての経験で あることから、無理が無茶にならないように、学習内容は基本を中心に進めることとした。 しかしながら、本授業の目的である論理力の錬成や、理解力を高めようとする意欲の向上を 制限せずに貫くこととした。何度も自分に問いかけたが目標は変えないと決心した。今回うま くいかなくても次年度に活かせるはずだと。そこで、目標達成のための課題の内容をどうする のか、そして課題の提出方法について考えることにした。 当初は、対面授業でテキストへの書き込み状況を点検することで「予習」を確認する、授業 で投げ込み課題を配布して考えたことを書かせることで興味をもたせ思考力を高めようと考え ていた。しかしながら、リモートによる授業となり、課題は Teamsで提示できるが、その課 題をどう提出させるかが問題なのである。一般の文書ならば比較的短時間に多くの量を打つこ とができる学生も、数式を含む文章は簡単に打てないのではないかと推測した。 実際、次の数学の文章を学生はどれくらいの時間で打つことができるのだろうか。 これは、Wordを使っているが、このように公式を特化して打つのでなく、課題の答案とな ればさらに面倒で、間違いなく手で書いた方が早い(に決まっている。)分数の2-でさえ、こ の形に打ったことが少ないのではないかと思ったのである。そこで、私の授業では次のように 進めることにした。  私からの課題はA4で作成し Teamsで送るが、提出は郵便を使うことにした。つまり、 返信用封筒を自宅等に送り、できた課題を郵送してもらうことを前後半の2回に分けて行う。  学習定着状況確認のための試験を中間と終わりに2回行うことにしたが、試験時間を決め て問題を解かせ、授業終了時に Teamsで解答を返信させるには、数式そのものを打たせる ことは困難だろうから、答えの数値のみ返信させることにした。特に、答が分数になる場合 は避けられないので、例えば「3分の2」ならば「半角で 2/3としてよい」ことにした。 以上のようにすればスムーズに進むだろうと考えたが、実際に今回の授業を進めてみた結果、 次のようなことがわかった。  Teamsで課題を提示するには、作成した数学の問題を Word文書のまま添付すると、読 み込めない学生が数名出てきた。そこで Word文書を PDFに変換して添付するとうまくいっ た。  Teamsの課題は学生が印刷し、解答を手書きして返送してもらおうと考えたが、中には プリンタがないためか、別の用紙に問題を書き写して提出した学生が6名いた。  数学の内容になるが、「3分の2」を「2/3」で表記するようにしたが、『3/2』と打つ学 生が数名出た。確認テストでは答えだけの返信にしたので、この学生は正しく「3分の2」 と答えを出したが『3/2』と打ってしまったのか、計算を間違えて「2分の3」と答えてい るのか判定ができなかった。厳しいようだが数学のテストなので「×」と採点した。

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5 授業目標達成のための課題 数学の基礎力を確認しつつ、思考力を養い、「わかったときの喜び」を体感させるため、① テキストを活用した課題と、②多くの知識を必要としないが発想力や思考力を問う特別な内容 の課題の2種類を与えることとした。 ①【テキスト課題】 コロナ禍による緊急事態宣言を受けて、当初の学修内容に手を加えることとし、テキスト 『ジュニア演習数学Ⅰ・A』の中で、自学予習する問題として計画していた予習問題31題から、 11回分(A4で各1枚)を作成して新たな課題とした。考慮したことは、次の通り。  〈テキスト課題〉を11回分としたのは、大学の授業が開始されたのが4月27日(月)から で、本授業の初回は昭和の日4月29日(水)であったが、教科書の発送作業が27日となりか なり遅れていたことから、初回はテキストからの課題は見送った。 さらに、2回の学習確認テスト(実践演習と呼んだ)を計画に含めたことと、最終の授業 15回目は本授業の目的を考えて、「発想力」と「論理力」を磨く問題を扱うこととしたため、 テキストからの課題は全部で11回となった。  リモートで課題を与えて授業を行うため、当初は対面授業の中で、解説・誘導を行いなが ら進めようと考えていたが、学生が自分で考えないといけないことから、「自学予習」させ ようと考えていた問題からさらに精選し、どうしても学ぶべき内容をA4×11枚に収めた。  授業時間90分で解けるように配慮したが、学生はテキストの全ての問題の詳細な解答を持っ ているので、「自分で考える」ことを要求する+αの問いを数か所加えることとした。 〈テキスト課題〉を通して学生の取組状況からわかったこと  計算の基礎力が大きく不足している学生がいる テキストの基本(教科書レベル)から選んだ問題を課題として出した答案から、いくつかの 誤答例を挙げることにする。 〈①テキスト課題〉の提出状況 授業回 2 3 4 5 6 7(テスト) 分 野 式の計算不等式 絶対値・2次関数 2次関数の最大最小 2次不等式・内心 2次関数の応用 図形の性質 提出者数 39 40 35 25 26 42 提 出 率 93% 95% 83% 60% 62% 100% 授業回 8 9 10 11 12 13 14(テスト) 合計 分 野 三角比 三角形を解く 三角形の面積 命題・背理法 場合の数 整数の性質 総復習 提出者数 31 31 25 30 29 30 40 423 提 出 率 74% 74% 60% 71% 69% 71% 95% 77%

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根号のついた数 √2は中学3年で学び、絶対値は高校の必須科目数学Ⅰの最初に学ぶ。例1 は分数計算で分母を払った。例2は分数のたし算の通分で例3は式の展開が正しくできていな い。これら例1から例3までは根号のついた数の計算がゆえにこのような間違いが起こるのだ と考えられる。例5は本人は「解いたつもり」で、例4と合わせて絶対値がわかっていない。 これらの答案から、数学における意味内容が正しく理解されていないことがわかる。わかっ たのは途中の計算を書いた答案を郵送させて確認したからであって、答だけをメール送信させ たのではわからない。単に計算ミスかなと処理してしまう。 そして、さらに大切なことは、このような計算をして正しい理解のできていない学生に、リ モートの授業でやり取りすることは非常に困難なことではないかと私は思うのだ。学生に応じ て間違いを指摘し、正しい計算・数学を伝えることは Teamsでは難しい。 ②【特別課題】 受講生には児童教育学科の学生が多く含まれており、全員ではないが将来小学校の教員とし て児童の教育に携わる者もいることから、「学校は考えることを学ぶところ」であるという私 の教育観に基づき、Teamsで行うこととなった時点で、数学の興味関心を引き出し、思考力 を身につける問題を、毎回の授業で与えることとした。対面授業よりも一層、発想力・思考力 に重心を置いた授業へと転換することとした。 〈特別課題〉として選んだ問題は次表のとおり。身近にいない学生が授業を放棄しないよう に基礎的な力で解ける問題を入れ、発想力・思考力を問う問題とのバランスを重視した。 課題 番号 基礎力 発想力 思考力 問題の内容 1 〇 巨大な数6×1022を、日本語と英語で読みを記述する。 2 〇 1=2の証明の間違った箇所を指摘する。 3 〇 3桁×3桁のひっ算において隠された場所の数を探す。 4 〇 パスカルの三角形に隠れたフィボナッチ数列を探す。 5 〇 10個のうち2個ずつの重さの和から特定の重さを求める。 6 〇 4つの真の命題から、正しい推論はどれか。(命題の真偽) 7 〇 ヒントの図を参考に、三平方の定理を2通りで証明する。 8 〇 図形を並べ替えたとき、消えた1マスを探す。 9 〇 新聞購読について、正しい推論はどれか。(集合の考え) 10 〇 正しい作図の書き方を考えて、それを文章で説明する。 11 〇 開平計算として、√2の例を見本に、√3を計算する。 12 〇 公務員試験でよくみられる暗号を解いてみよう。 13 〇 3つの数3、4、9を使わないで150番目の数は? 7進法。 14 〇 等差、等比数列の和と、分数の和を求める。 15 〇 正方形の中の四角形の面積を求める。

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各問題の提出状況と解答内容は次表のとおり。 6 〈特別課題〉の提出・解答状況からわかること (1)基礎力は向上したか? 数学の基礎といえば「和差積商の四則計算ができること」があげられるが、この点で受講生 の中には基礎力に不安がある者がいるということを〈テキスト課題〉のところで述べた。ここ では計算力に加え、「数学の正しい言葉使いができること」について確認する。 〈テキスト課題〉の 11「命題・背理法」の中に次の問題があった。それは、『命題「2つの 三角形が合同ならば、その2つの三角形の面積は等しい」について、逆・裏・対偶の命題と真 偽を述べ、偽ならば「反例」を1つあげよ。』という課題である。逆や裏の反例として「三角 形の面積が等しくなくても合同である三角形もある。」とか、「1辺1㎝の正三角形と、AB= 授業回 1 2 3 4 5 6 8 番 号 1 2 3 4 5 6 7 8 内 容 巨大数 1=2 ひっ算 フィボ 重さ? 命題 三平方 1マス 完解数 28 29 3 24 23 6 24 11 完解率 67% 69% 7% 57% 55% 14% 57% 26% 半解数 11 2 36 - - 3 2 - 誤答数 1 10 0 10 10 17 1 16 提出計 40 41 39 34 31 26 27 27 提出率 95% 98% 93% 81% 79% 62% 64% 64% 未提出 2 1 3 8 9 16 15 15 基礎力 〇 〇 発想力 〇 〇 〇 論理力 〇 〇 〇 〈②特別課題〉の提出・解答状況 授業回 9 10 11 12 13 15 計 番 号 9 10 11 12 13 14 15 内 容 新聞 作図 開平 暗号 7進法 数列 面積 完解数 4 11 26 29 14 9 10 完解率 10% 26% 62% 69% 33% 21% 24% 40% 半解数 - 10 1 - - 13 - 誤答数 30 5 2 4 20 0 6 提出計 34 26 29 33 34 22 16 提出率 81% 62% 69% 79% 81% 52% 38% 73% 未提出 8 16 13 9 8 20 26 基礎力 〇 〇 4 発想力 〇 〇 5 論理力 〇 〇 〇 6

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1、∠B=90°、BC=√3の三角形ABC」といったものが反例としてあげられていた。こ れでは「反例」が理解されていない。高校まで数学において機械的に取り組めば一定の成績を 得られるような学習をしてきたのではないか。数学で使われる基本的な言葉の正しい理解がで きていない。それは次の場面でもとらえることができた。 〈特別課題〉の課題10は作図の問題で正解率が26%しかなかった。その問題は、1つの円を 与えて、『4本の直接を描いて11個の部分に分けてください。直線の描き方を説明してくださ い。』という問題であった。円に4本の直線を引いて正解の図は描けているが、その状態を言 葉で説明できないのだ。解答例をあげると「それぞれの直線が3つの接点をもつように引き、 6つの頂点ができるように線を引いた。」「1つの直線に3つの直線がかぶるようにする。」と の説明があった。意味不明である。この説明文に従って図を書いてみてほしいものだ。もう一 度言うが、図は正しく描けているが、言葉にできないのだ。数学は決まった数学言語を使う必 要があり、それを訓練しなければならない。以後の誤解を排除するために、このような例をそ の場で拾い上げて教室全体に示して学習すると効果てきめんだが、誤答を学習素材にすること は、学習者に気を配る必要があり、Teamsであろうとなかろうと難しい部分ではある。 (2)発想力を強化したか? 発想力を引き出す課題に議論を移す。次の課題8は予備知識不要だが、発想力を緻密に働か せないと解決の糸口がつかめない問題である。 この問題は歴史的に有名な内容であるが、AからEの図形について図1と図2とを漫然と見 比べているだけではわからない。問題が間違っているのではなく、上手にごまかしているのだ から、どこで1マス分を消えたようにわからなくしたのかを、順々に考える必要がある。 この問題は学生にはまったくヒントを与えなかったので、正解者11名26%という結果であっ た。正解者は、ごまかせない直線とごまかしのできる直線(斜線)をしっかりとらえており、 正に、数学的思考を緻密に行ったということができる。お見事であった。しかし、リモートの 授業なので、対面授業でのように「正解!!」と言ってもらえず、強い感動はなかったかもしれ ない。お気の毒でした。一方で、この問題にヒントを与えることは愚かだと思われないだろう 課題8 図1の1マス(網掛け)は、図2ではどこに消えてしまったのか説明しなさい。 図2 C A D B E 図1 B A D C E

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か。ヒントを与えることはほとんど答えを与えることになってしまうので、ヒントでわかって も頭脳がしびれたりしないと思う。 次の課題4も予備知識の要らない問題で、この問題も歴史的に有名であることから、学生の 中には高等学校の授業で聞いたことがあるかもしれない。 この問題は、答を独力で見つけるには難しく、難問だと思う。しかし、受講生の正解が24名 57%となった。この数値は、実は手放しでは喜べないところがある。理由は、私が難問だと思っ たことでヒントを与えてしまったのだ。「パスカルの三角形のてっぺんの1がフィボナッチの 最初の1です。続きの数は、たし算で探してください。たし算だけです。」と。ヒント付きで も難問だが、受講生の発想力が強化されたのだろうか?

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最後に、発想力が必要だと思うが、結果が意外だったのは次の課題12であった。 これは公務員試験によく登場する暗号解読の問題であるが、受講者正解率は69%であり、提 出のあった33名での正解率は88%もあった。学生はこのようなテレビのクイズ番組に出そうな 問題は得意なようである。様々な場での経験も発想力の強化につながるかもしれない。 (3)思考力を鍛えたか? 数学といっても簡単な内容で はあるが、答えるには計算の規 則を見切り、しっかり思考力を 働かせる問題を与えた。これは 課題3なので、最初から2回目 の Teamsの授業の課題だ。 ※が15か所あるので同じ数字 が何回か使われることはすぐに わかるが、チャットで質問が相次いだ。「すべての数字を使わないといけないのですか?」な るほど、そういう質問もあるかもしれない。数字を全部使うように指示していないことは気づ いてほしいところだが、受講生をほってはおけないので全員に周知した。「すべてを使うわけ ではありません。」 この課題3は、すぐに答えの1つが見つかる。実にあっけなく、人によっては一瞬だろうと 思う。でもそこで考えてほしい。「この問題はこんなに簡単に見つかる答えを求める問題なの だろうか…他にも当てはまる解はないのだろうか…。」この考えに至った人こそ私のねらいの 道へ進んだ人である。しかしながら、そのような学生は少なかろうと思い(加えてまだこの時 期は、皆が初めて体験するリモート授業で戸惑っていることだろうとの推測が優先して影響し てしまい)、「解は1つではありませんよ。」と Teamsで全体に流してしまった。するとすか さずチャットの嵐。「答えは何通りあるのですか?」この質問に答える気はなかったのに、「わ かりました!答えがもう一つありました。感動です!」などというチャットが届いて、「いか ん、これではしょうがない。正解数を教えるか」と思い「解は5通りあります。」と流したら、 その後、チャットは沈黙状態に突入した。さすがに5通り全部を見つけるのは根気が要るので ある。最終的にこの課題3の提出状況だが、受講者の93%の提出があり、複数の解を提出した 人があったが、正解を4通り以上見つけ出した人(完解として集計した)は3人(7%)であっ た。 私は受講者全体に「解は5通りあるよ」と流したのに、多くの受講者は探さなかった。いや、 探したけれど見つからなかったのかもしれないし、2つ目を見つけて満足したのかもしれない。 課題12 ある暗号で 「AcGhEiCcDe」 が 「ウミノサチ」 を表すとき、「ヒラメ」を表し たものは次の①~⑤のどれですか。 ① AbJjCd ② FjDdDg ③ FgIiGj ④ FfIlGg ⑤ FgIkGg 課題3 下の掛け算の※印に、0~9の数値を入れて完成させて ください。 ※ ※ 3 × ※ ※ 3 3 ※ ※ ※ 3 ※ ※ ※ 3 ※ ※ ※ ※ ※

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しかし、小学校から慣れ親しんできた「掛け算のひっ算」だから、そんなに見つからないほど の難しい問題ではないと思う。あっけなく見つかる解以外のもう一つを見つけることができれ ば、その考え方で他の数値についても、なぜ調べようとしないのだろうと思う。確かめる数字 の種類は限られている。そしてもっとも気になるのは、1つ見つかればそれで課題をクリアし たと考えた受講者がいたように思われることだ。確かめられないが、私としてはこのことが残 念でならない。私の思いが伝わらない。対面授業なら、その場で解はまだあるからもう少し頑 張って考えようと声を張り上げて激励するのに。そうするときっと「あっ!見つかった!」と いう声が教室のあちこちから飛び出すはずなのに…残念。 もう 1問、様々なケースを考える必要のある思考力養成問題である。 この課題9を考えるには、集合の考えを活用することになる。問題文は易しいので意味は分 かりやすい。にもかかわらず、課題提出者34名のなかで正解者はわずか4名(10%)であった。 結果的に提示した課題の中で最も難しいものの1つとなった。 正解者が少なかった理由は、〈判断〉の①から⑤の中で「確実に正しい」ものを選ぶのにあ たり、〈わかっていること〉を厳密にとらえることができるかどうかであって、必ずしもそう とはいえないという、出てきた意見を疑ってかかることが苦手なのだと思われる。 〈わかっていること〉を読むと『参考図』を書くことになるだろう。(参考図は問題には与 えられていない。)この『参考図』を活用して〈判断〉が確実にいえるかどうかを考えること になる。その時、〈判断〉の①や⑤を正しいのではないかと考えてしまうのは、「命題」で『反 例』を考えることが苦手なことと同じではないかと思う。要は騙されやすい人なのだ。逆にい うと、真実を見極める力がないことになる。数学はこういうところをしっかり身に付けるため の学問だといえる。 7 Teamsにおける受講生とのやりとり(チャット集計) Teamsでは受講生とのやり取りはチャットで行うと便利である。いつでも送信できるので、 学生は課題の提出締め切りが授業終了時でなければ、授業時間帯に学習すしないといけないわ けではない。自分の空いた時間に課題を見て、わからなければ質問を投げればいいのである。 一方、教授する側は授業時間帯にパソコンの前にいるが、Teamsでは誰が学習しているか わからない。どうも全員が取り組んでいるのではないとわかったのは、私のスマホに Teams 課題9 ある町の新聞(A新聞からD新聞の4紙)の購読状況について、以下のことがわかっていると き、①~⑤の判断のうち確実にいえることはどれですか。 〈わかっていること〉・A新聞をとっている家は、B新聞もとっている。 ・A新聞をとっている家は、C新聞もとっている。 ・B新聞とD新聞の両方をとっている家がある。 ・C新聞とD新聞を両方とっている家はない。 〈判断〉①C新聞をとっている家で、B新聞をとっていない家がある。 ②B新聞をとっている家は、A新聞をとっている。 ③B新聞をとっている家の中で、C新聞をとっていない家がある。 ④B新聞をとっている家は、C新聞もとっている。 ⑤D新聞をとっていて、B新聞をとっていない家がある。

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を設定した時からである。チャットは曜日も時刻もかまわずに届くのである。その様子を明ら かにしたのが次の2つのデータ集計である。まあ、ご覧いただきたい。学生の生活時間帯は様々 なのである。 なお、「数学」の授業の概要は次のとおり。  授業は水曜の2限(10:40~12:10)であった。  Teamsによる第1回授業は4月29日、最終の第15回は8月5日であった。  7月の第11回~第13回の3回は対面授業を実施した。(出席者は28~30名)  6月10日第7回は途中確認テスト、7月29日第14回は第2回確認テストを実施した。 (1)曜日別受信回数 学生とのやり取りのなかで考えたことなどを記すことにする。  返信用封筒による課題の返送は、第1回が5月中、第2回が7月中としたが、最終授業が 8月5日で、教務への成績提出締め切りは8月19日であることを考慮して、課題は8月11日 (火)まで待つことにした。学生は自分のペースで進められるようにした。  最終に確認すると4名の課題が未提出であったので、Teamsのチャットで課題提出の催 促をしたところ、うち3名がすぐに提出した。  集計表を見ると、学生は概ね授業日水曜の前後に課題に関するチャットを送ってきたこと から、 授業日あたりで課題を意識したことがわかる。 なお、 課題は授業日の数日前に 日 月 火 水 木 金 土 合計 4月 19 20 21 ⑥ 22 23 ② 24 ① 25 9 26 ① 27 ④ 28 ① 29  ⑪ 30  1 ② 2 ① 44 5月 3 ① 4 ③ 5 ② 6  ⑪ 7 8 9 ① 18 10 11 12 ② 13 14 ① 15 ① 16 ③ 7 17 18 19 ③ 20 ③ 21 ② 22 ⑤ 23 ② 15 24 ③ 25 26 ① 27 ④ 28 ① 29 ⑤ 30 14 6月 31 1 2 ⑩ 3 ③ 4 5 6 13 7 8 ① 9 ① 10 テ ⑩ 11 12 ② 13 14 14 15 16 17  18 19 20 0 21 ① 22 ① 23 ② 24  ⑩ 25 ⑦ 26 ⑥ 27 27 7月 28 29 30 1  2 3 ② 4 ① 3 5 6 ① 7 ④ 8対面 ⑮ 9 10 ③ 11 23 12 13 14 15対面 16 17 ① 18 1 19 20 21 ① 22対面 23 24 25 1 26 27 28 ⑥ 29テ  30 ⑤ 31 ④ 1 40 8月 2 ② 3 ③ 4 5  ⑦ 6 ① 7 8 13 9 10 11 ① 12 13 14 15 1 16 17 ① 18 ① 19 20 21 22 2 合計 8 14 41 99 43 32 8 245 率 3% 6% 17% 40% 18% 13% 3% 数字・・・日づけ、 ●数・・・授業回、 〇数・・・チャット回数、 テ・・・テスト

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Teamsにアップしたところ、学生の中にはすかさず確認する熱心な者もあった。  第7回の授業で1回目の確認テストをしたが、解答に手ごたえがあり安心したのか、課題 は継続していたのに1週間学生の音信(チャット)はなかった。これを境に、大きな変化で はないがテスト後の課題提出状況は下がってしまった。  第14回の授業は、数学Ⅰ・A全範囲での2回目の確認テストを行った。授業開始1時間前 にテスト問題を Teamsに掲示したところ、内容に関する質問が続いた。やはり成績が気に なるのだろうか、熱意のある質問が多かったが、数学の基本があやしいと感じる質問もあっ た。例を挙げると、『問題 2つのサイコロを投げるとき、出た目の和が偶数になる確率は いくらか。』という問題に対して、チャットで『2つのサイコロは区別するのですか?』と いう質問があった。ヒントを与える水準の質問ではないことから、『確率を求めよという問 題ですね。』と返信した。すると、学生から『わかりました!』との返信があり、私はほっ とした。 (2)1日の時刻別のチャット回数 カ  数学の授業時間帯は10:40~12:10であり、上表ではその時間帯を二重枠で囲んでいるが、 学生の3人に 1人はその時間帯に課題に取り組んだようである。 キ  しかし、集計から学生は1日の中で自由な時間にチャットを送っていることがわかる。 ク  この数学の授業の受講者42名中35名が1年生であることを考えると、1年から好きにさせ てしまい、これでよかったのかとも考えてしまう結果であった。 ケ  とはいえ、当初よりこの数学の授業の目標が、時間を意識しないで、わかるまで課題を考 えることであり、理解した時の喜びと、そこにたどり着く思考力を身に付けることなので、 ねらい通りの結果ととらえることが私にとっては都合がいいかもしれない。 8 Teamsは目標を達成したか 春学期の授業の在り方は、対面授業が当たり前であった教授側にも大きな変革をもたらした。 対面授業ができないことから Teamsによる授業になったが、教授側の研修と学生側の ICT環 境整備が進み、途中から ZOOM に切り替えた授業もあれば、Teamsの様々な機能を活用した 授業に取り組む教員が出てきたため、学生の満足度も高くなったようだ。しかしながら、私の 時刻 5:00 6:00 7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 回数 ② ③ ⑤ ⑨ ②   ⑯ 率 8% 36% 時刻 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 回数 ⑯ ⑬ ⑯ ⑲ ⑮ ⑫ ⑩ ⑨ 率 26% 19% 時刻 21:00 22:00 23:00 24:00 1:00 2:00 3:00 4:00 回数 ⑧ ⑩ ⑤ ① ① ① 0 0 率 10% 1% 二重線枠・・・授業時間帯

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「数学」は、途中3回の対面授業の参加者は受講生の半数余りであり、3回の対面授業以外は 最後まで Teamsによる授業を通した。Teamsの機能のうちで使ったのはチャットだけであっ た。ということで、最もシンプルで厚みのない授業に対して受講者はどのような反応を示した のか。もとより教材が難しいという意見は出ると思っていたが、意外に受講者の評価はありが たいものであった。この「数学」の授業のねらい(目標)を直接説明していなかったのだが。 (1)受講生による【授業評価】 本学で実施された授業評価の「数学」に対する肯定的(?)な意見(自由記述)を紹介する。 以上の意見(感想)があった。「数学」の授業で課した2つの課題のうち〈テキスト課題〉 は詳細な解答冊子がついていたので、それがよかったとの感想もあったが、「面白かった」、 「よかった」という感想はおそらく15題の〈特別課題〉に対するものだと思われる。繰り返す が、受講生には特別課題の答えは最後まで伝えなかった。対面授業で解説したときも、解答へ の道筋を話し、「正解へのレールに乗れるよう導いただけ」であった。このように、終着駅に は自分で行くしかない状況で、「自分で考えた」ことを満足している受講生がいたことが伝わっ てくる。Teamsで「数学」の授業の目標の一つ「数学を考える」ことは何名かの意欲的な学 生が達成してくれたようである。私は一人でも多くの学生が、程度の差はあれども、自分で考 えることが楽しかったと感じてほしいと思っている。そのためには、授業をする側の熱意が直 に伝わる「対面授業」の方がより多くの学生に満足してもらえるのではないかと思えてしかた がない。 ①質問するとすぐに返信が返ってくる点がとてもありがたかったです。 ②公式の理屈などを知ることができて、理解が深まりました。 ③基本的であるが初めて聞くような話がたくさん聞けて数学を楽しいとまた感じられて嬉しかっ た。説明がとても分かりやすかった。 ④基本的な問題だけでなく応用問題や少し変わった問題もあったため楽しみながら取り組めた。 ⑤おもしろい問題ばかりでよかったです。 ⑥復習や少しひねった問題ができてよかったです。 ⑦高校の時にやった内容もあり良い復習になったと思いました。また、今までやったことのな い問題もあり新しい考えが身に付いた感じがしました。 ⑧当たり前だと思い込んでいたものにも疑問が持てるところが面白かったです。 ⑨問題が解きやすいようにヒントを載せてくださったり、必要な連絡事項を伝えるのがとても 速くてマメで、とてもありがたかったです。 ⑩数学はひたすら問題を解く授業なのかと思ったら、考えることがかなり必要でしたが、クイ ズみたいで久しぶりに数学が楽しいと思えながらできました。 ⑪ワークには載っていない工夫されたいろいろな問題を解くことができた。 ⑫少し難しく感じた時もあったけど、数学に対して「ああ、こういう理論か!」と理解を深め ることができました。 ⑬たくさんの数学の問題を解き、応用編など基礎問題だけでなくていろんな問題を解くことが できて楽しかったです。 ⑭教科書から出ている問題は答え合わせができたのでよかったです。

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(2)まとめ これまでに明らかにしてきたことで、次の結論に至った。 ① 学生の数学の基礎力にはかなりの差があることが Teamsでも確認できる。郵送で提出さ れた問題の答案を見るとより鮮明になる。ただし、学生の理解度を把握しつつタイムリーな 助言を与えることは、同時期の授業でないと対応が困難である。 ② 発想力・思考力を引き出すことは、学生に学習意欲があれば Teamsで問題なくできる。 ただ、素晴らしい発想力の生じたことに対する熱いほめ言葉は直接に与えたいと思う。 ③ 課題の正解の紹介と解説は Teamsでもできる。今回の授業では当初のねらいをもってし なかった。Teamsでの解答解説になると学生は数学の相当長い文章を読むことになる。 ④ ZOOM による授業の場合、録画しておけば何度も見ることができて、学習の定着が図ら れ、理解度も増すに違いない。しっかり理解したい学生には動画があることは大きな学習の 助けになり、学力向上につながるだろう。しかし、いつでも学習できるので、さあ授業だと いう緊張感が薄れ、通学授業という講義形式が形骸化しないだろうか。 ⑤ 数学の問題を解いた時の「感動」とまでは至らなくても、授業評価を見ると問題を考えた ことの喜びは感じられたようだ。Teamsでも十分に効果があった。 ⑥ 数学の授業評価を見ると、授業は対面でないといけないという意見がなかった。学生の柔 軟さが「コロナ禍だから」と遠隔授業を受け入れているのだろうか。私としては至極残念。 最後にもうひとつの感想を掲載する。これは、受講者に〈特別課題〉のどの問題が興味をも てたかというアンケートに対する返信で、 ある学生が3回目の対面授業 (このあと再び Teamsの授業に変更になった)に対する感想を記したい。 学校には教える側にとって本当にありがたい学生がいる。やはり、教員はやめられないと思 う。今後も遠隔授業が続くようでは、数学で感動してほしいという「熱」が Teamsなどの電 波では学生に伝導しないと考える。そして、私が私でなくなるんじゃないかとも思ってしまう のだ。 とても楽しく学ぶことができました。興味深く、考えて答えを導く楽しさを改めて思い出し ました。公務員試験には数的推理もあります。頭の使い方など参考になる部分が多く、履修し てよかったと思いました。授業は数回しかありませんでしたが、とても面白かったです。特に、 最後の正五角形の講義はお話すべて思い出せるほど大好きです。

参照

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