1 朝比奈真由美：日本保健医療福祉連携教育学会第 13 回学術集会の開催にあたって この度，第 13 回日本保健医療福祉連携教育学会学術集会の学術集会長をお引き受けいたしました。 このような機会をいただき，学会理事長，学会理事，ならびに学会員の皆様に感謝申し上げます。 千葉大学では 2009 年 10 月 11 日に第 2 回学術集会を開催しました（学術会長は大学院看護学研 究科の酒井郁子教授）。その時のテーマが「プロフェッショナリズムの育成と IPE」でした。千葉大 学での IPE がスタートして 3 年目，我々は学内外への IPE の普及活動と千葉大学 IPE プログラムの 作成を同時進行させていました。学術集会では参加者の皆様の熱い思いによる様々な実践報告，教育 効果の評価研究の報告に加えて，出来立てほやほやの千葉大学 3 年次学生用のワークショップ「対 立と葛藤の解決を学ぶ授業」のトライアル実施をさせていただいたことが印象的でした。 千葉大学で 2 回目の開催となる今回のテーマは「IPE カルチャーの醸成 ～他職種への理解とリス ペクトを育てる生涯学習～」です。前回から 11 年を経た現在，世界の各地で IPE が共通言語として 通用するようになり，日本では医療者教育のコアカリキュラムに IPE が取り入れられるまでになり ました。また，千葉大学では 2015 年専門職連携教育研究センターが開設され，IPE を指導する教員 や専門職の育成や IPE に関する研究活動を充実させてきました。前回のテーマが “ 医療者個人のプロ フェッショナリズムの育成に役に立ちますからみんなで IPE に取り組みませんか？ ” というイントロ ダクション的なメッセージであったのに対し，今回はドーンと大きな規模で “ 組織丸ごと，一生涯に わたり専門職連携能力を向上させていきましょう ” というメッセージです。 臨床前 IPE の成果を実際の臨床現場で発揮するにはまだまだ限界があります。学生や新人医療者が 実際の現場でベテラン医療者の中で対等のチームメンバーとしてコミュニケーションをとれるように するためには，学習者側の未熟な技量の向上努力と同時に，学習現場である臨床現場で各指導者間の 良好な IP 実践が行われていることが不可欠です。千葉大学では 2015 年から診療参加型臨床 / 臨地 実習における IPE をトライアル実施してきました。そこで明らかとなってきたのは，学習者がベテラ ン医療者のチームに 1 人入って診療ケアを見習いする（従来の実習形態）よりも，指導者に支援を 受けながら学習者のチームが一人の患者に関わるという実習形態の方がより主体的な学習ができると いうことです。各指導者は，自職種の学生のみを指導する（従来の実習指導形態）のではなく，指導 者同士も連携し，他職種の学生を指導する必要が生じてきます。そこに難しさがありますが，それこ そがまさに “IPE カルチャーの醸成 ” であり，“ 生涯学習の実践 ” なのではないかと思います。 COVID-19 流行により今後の予測ができにくい状況でありますが，いろいろな状況を想定しつつ学 会準備を進めています。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
日本保健医療福祉連携教育学会 第13回学術集会の開催にあたって
1
0
0
全文
関連したドキュメント
infectious disease society of America clinical practice guide- lines: treatment of drug-susceptible
平日の区福祉保健センター開庁日（開庁時間）は、ケアマネジャーが区福祉保健センター
また、学内の専門スタッフである SC や養護教諭が外部の専門機関に援助を求める際、依頼後もその支援にか かわる対象校が
ピンクシャツの男性も、 「一人暮らしがしたい」 「海 外旅行に行きたい」という話が出てきたときに、
に本格的に始まります。そして一つの転機に なるのが 1989 年の天安門事件、ベルリンの
本部事業として第 6 回「市民健康のつどい」を平成 26 年 12 月 13
文学部では今年度から中国語学習会が 週2回、韓国朝鮮語学習会が週1回、文学
