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イネデンプン合成関連遺伝子CRCTのバレイショにおける機能解析

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Academic year: 2021

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イネデンプン合成関連遺伝子CRCTのバレイショにおける機能解析 〇永山大貴¹・林龍之介¹・横山音¹・志村華子2・森田隆太郎・深山浩・藤野介延2 1 北大院農、2 北大院農研、3 東大院農、4 神戸大院農 キーワード:バレイショ、塊茎形成、デンプン 【背景】 主要作物の 1 つであるバレイショ(Solanum tuberosum L.)は、地下茎・ストロンの先 端部に食用部位となる塊茎を形成し、ここにデンプンを多く蓄積する。近年、高濃度 CO2 条件下で発現が促進され、イネ(Oryza sativa L.)の葉鞘においてデンプン合成に関与する CRCT(CO2-Responsive CCT)遺伝子が発見された(Morita et al . 2015)。バレイショに も、この遺伝子のオーソログStCRCTが存在しているが、その機能は明らかになっていな い。本研究では、バレイショにおけるStCRCTの機能解明を目的に実験を行った。 【材料・方法】 1) StCRCT の プ ロ モ ー タ ー 下 流 に GUS 遺 伝 子 を 持 つ 形 質 転 換 バ レ イ シ ョ (StCRCTPro::GUS )を作出し、StCRCT が発現する器官・組織の可視化を行った。 2) StCRCTを過剰発現する形質転換バレイショ(OX)を作出し、StCRCTの過剰発現 がバレイショの形態に及ぼす影響を検討した。野生型(WT)とOXを無菌培養・ポ ット育成し、形態観察を行った。また、WTとOXを節培養し、小塊茎形成誘導培地 の組成を変え、StCRCT過剰発現が塊茎形成に及ぼす影響を検討した。 3) StCRCT過剰発現によって発現が変動する遺伝子を探索するために、無菌培養したW TとOXの茎頂部から RNA を抽出して RNA-seq を行った。RNA-seq で検出された 発現変動遺伝子(DEGs)に対して GO 解析を行い、DEGs がどのような生理的プロ セスに関与しているかを調べた。

- 20 - 育種・作物学会北海道談話会会報 61 (2020)

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【結果】 1) StCRCTPro::GUSを用いた実験では、主茎の師部や内皮、ストロン・塊茎・葉柄・ 根に GUS による染色が見られた。 2) 培養・ポット育成条件化のStCRCT過剰発現体(OX)において、野生型(OX)と 比較して、矮化・節間伸長抑制が見られた。また、OX の塊茎形成率はWTと比較し て、有意に上昇していた。 3) RNA-seq により、OX ではWTと比較して、673 個の遺伝子の発現量が上昇し、172 個の遺伝子の発現量が減少していた。DEGs には、デンプン合成に関わる糖代謝関 連遺伝子も含まれていた。また、GO 解析の結果、有意差が見られた GO term は、” coenzyme A metabolic process”、” oxidation-reduction process”、” response to auxin”、” response to chemical”であった。 【考察】 StCRCT 過剰発現体(OX)では、野生型(WT)と比較して、矮化・節間伸長抑制・塊茎形 成促進が見られた。この形態変化は、植物のオーキシン代謝に変化が生じた際に見られる ことがある(Wang et al . 2018)。RNA-seq と GO 解析の結果から、StCRCT過剰発現によ って複数の糖代謝遺伝子やオーキシン応答性遺伝子の発現量に変化が生じていた。これら のことから、StCRCT はバレイショにおいて、糖代謝遺伝子やオーキシン応答性遺伝子の 発現量に影響を及ぼすことで、塊茎形成やデンプン合成に関与している可能性が考えられ る。 【引用文献】

Morita et al .(2015) Plant Physiology . 167 : 1321–1331,

Wang et al. (2018) American Journal of Potato Research. 95: 395–41

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参照

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