• 検索結果がありません。

昆虫の摂食行動の内分泌支配の概略

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "昆虫の摂食行動の内分泌支配の概略"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

昆虫の摂食行動も,他の生物と同様に内分泌系により支 配されている。ペプチド性因子はその中心的役割を担い, エネルギー恒常性を維持している。栄養分依存的なメカニ ズムとしては,他の生物と同様,インスリン様ペプチド (ILP)と脂質動員ホルモン AKH (グルカゴンの昆虫におけ る機能的アナログ)により血糖値や体液中の脂質レベルを 調節する。その上流や下流では,他のペプチド性因子が機 能し,ホルモンリレーを作り,様々な栄養条件に対応でき るようになっている。また,摂食行動に重要とされている 各組織には,内分泌細胞が存在し,ペプチド性因子と摂食 行動との強い関わり合いが予想できる。これらのペプチド 性因子は,腸管の蠕動運動を調節することが知られている ので,腸管の蠕動運動や口の動きなど摂食行動にかかわる 運動はペプチド性因子が直接制御していると考えられる。 つまり,ホルモンによる統合的な調節メカニズムが摂食行 動を制御しているのであろう。 1.はじめに 従属栄養生物は,体外から栄養分を摂取することにより, 正常な成長をすることができる。つまり必要な栄養分を体 外から摂取することにより,正常な成長が制御されている ということになる。このように正常な成長を成し遂げるた めには,栄養分を正しく摂取するための行動も正確に制御 される必要がある。昆虫をはじめとする節足動物の特徴と して,脱皮を繰り返して成長することがあげられる。脱皮 の直前には摂食行動を止め,脱皮後には摂食行動を再開さ せる。このように,節足動物は脱皮周期と同調して摂食行 動のONとOFFを切り替える。また,明期,暗期のサイク ルでも摂食行動のONとOFFの切り替えが起きる。さら に,摂食するタイミングに関しても,食べる食べないが数 時間単位の周期で見られる(図1)39, 41, 42) 上述の周期的な現象のうち脱皮周期や日周期は,内分泌 系で支配されていることが知られている。脱皮周期は,脱 皮ホルモン(エクジソン)を中心とした内分泌系により調節 されている32, 61)。また,日周期も,光の情報などが内分泌 系すなわちホルモンの産生分泌活性に変換され,それに よって様々な日周期にかかわる生理現象の分子メカニズム が調節されている。このように周期性が認められるほとん どの生理現象は内分泌系で支配されているのだが,短時間 で作られている周期性の摂食行動に関しても同様に内分泌 系で支配されている。つまり,満腹か空腹かの違いは内分 泌系に影響を与え,最終的に栄養状態の恒常性が保たれて いる。 後述するが,これらの周期性を支配している内分泌系は, 摂食行動のONとOFFを調節するメカニズムに対し,あら ゆる階層で影響を与えているような複雑なメカニズムに なっていることが徐々に分かってきた。本総説では,この 内分泌系の制御メカニズムのうち,特に栄養分に依存する 摂食行動に関わる内分泌性物質,ペプチド性因子に着目し た摂食行動の調節機構を概説する。 2.昆虫の摂食行動を調節するペプチド性因子 2-1.摂食行動を制御する内分泌性因子の研究の現状 昆虫の摂食行動制御の研究は哺乳類の研究に比べると進 んでいないような印象である。しかし,哺乳類の先行研究 からのアナロジーだけでなく,キイロショウジョウバエ (Drosophila melanogaster)などモデル昆虫を用いた研究 成果から哺乳類へのフィードバックがあるので,どちらが 進んでいるとも言えない。 アナロジーの研究として,例えば,脊椎動物の視床下部 から産生分泌されているNeuropeptide Y(NPY)に対する 昆虫の構造的および機能的なアナログであるNeuropeptide F(NPF)やshort neuropeptide F(sNPF)は,昆虫におい ても哺乳類と同様に摂食行動制御に非常に重要な役割を果 たす16, 45) また,脳神経系以外でも,脊椎動物と同様に腸管から分 泌されている摂食行動調節因子もある。例えば,脊椎動物 で摂食行動調節に重要なコレシストキニンのアナログとし て,サルファキニンがあり31),昆虫の摂食行動を調節する 因子として重要なホルモンである5, 64) このように,昆虫の摂食行動の研究は哺乳類をはじめと した脊椎動物の研究のアナロジーにより発展している。そ の一方で,後述するようなアラタ体制御因子などは,昆虫

昆虫の摂食行動の内分泌支配の概略

永 田 晋 治・清 家   瞳

総説

Shinji NAGATA, Hitomi SEIKE, 東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻(〒277-8562 千葉県柏市柏の 葉5-1-5)

Received 27 January 2021, Accepted 14 February 2021 図1 周期的に観察される摂食行動 昆虫の摂食行動で は,脱皮の周期や,明暗の周期さらには,数時間毎に認 められる摂食周期が観察される。 摂食期 摂食期 摂食期 脱皮 食べる 食べる 食べる 食べない 食べない 脱皮 脱皮 摂食期 脱皮周期 (年∼日) 日周期 (24 時間) 摂食周期 (数時間)

(2)

に特徴的なペプチド性因子やホルモンとして見出されてい るが,これらも摂食行動にかかわるということが分かって きている。しかし,その知見は様々な種から集積した断片 的なものであり,昆虫における共通性は見出されていない のが現状である。つまり,昆虫の摂食行動の研究は発展途 上である。 2-2.Omicsによるペプチド性因子の種類 上述の通り,摂食行動を調節する因子のメインはペプチ ド性因子である。つまり,摂食行動の調節を担う因子はゲ ノム上にコードされている。現在,ゲノムおよびトランス クリプトームの解析により,多くの昆虫種から様々なペプ チド性因子が同定されている。 これまでに,昆虫にはおよそ50種類のペプチド性因子が あることが分かってきた9, 13, 54)。種にもよるが,似たような 数のペプチド性因子を使って様々な生理現象を調節してい ることが予想される5, 58)。脊椎動物のペプチド性因子は,現 在もなお新規に同定されつつある。一方,昆虫からはペプ チド性因子がもう新規に同定されることはなくなってきた。 今後も,恐らくおよそ50という種類の数は大きく変動しな いだろうと考えられる。その理由は,受容体の数にも関係 する。つまり,ペプチド性因子の受容体と考えられるG タ ンパク質共役型受容体(GPCR)の数も50個程度であり,そ のほとんどのリガンドが決定されているためである11, 54) この総説では,いくつかのペプチド性因子の摂食行動制 御との関連性を紹介する。紹介するペプチド性因子のうち, 比較的小さいサイズのものを表1に示した。この表1に現 れるペプチド性因子は,現在の昆虫の研究において摂食行 動や代謝を調節する重要な因子とされている。しかし,種 によってその重要性やゲノム上のコピー数や有無は異なる ため15),各因子の摂食行動への貢献度合いも変わってくる。 そのため,ある特定の昆虫種にとって,どのペプチドが摂 食行動に重要か,ということを断言することは難しい。 2-3.摂食行動の制御様式 上述の通り,昆虫におけるペプチド性因子は有限個の ファクターであり,たかだか50個程度である。その中で も,羽化ホルモン(Eclosion hormone: EH),前胸腺刺激

ホルモンや,脱皮行動誘導ホルモン(Ecdysis-triggering hormone, ETH)のように,脱皮変態にかかわるホルモン は,摂食行動にはかかわりがないと考えられる3, 27)。このこ とから考えると,摂食行動を調節している因子は40個を下 回ると考えられ,これらの因子がどのように摂食行動を調 節しているのかということは非常に興味深い。ところが, これまでの研究の知見では,摂食行動の調節にかかわる制 御因子となるペプチド性因子の中で,鍵分子と言える中心 的な因子というものは見出されていない。 例えば,先に登場した昆虫の摂食行動を正に制御してい ると考えられているNPFをノックアウトしたとしても,摂 食行動が消失することはない45, 62)。せいぜい食餌量が何割 か減るくらいしか影響がみられない。その反対に,摂食行 動を負に制御している因子であるサルファキニンをノック アウトあるいはノックダウンしたとしても,過食により死 に至ることはない35, 64)。つまり,摂食行動の調節機構は, 単独の因子で制御していると言うメカニズムでなく,様々 な因子が協働的に調節しているメカニズムなのであろう。 これらのことからも,摂食行動の内分泌制御メカニズムが, 脱皮変態のような不可逆的な生理現象である内分泌制御の メカニズムとは少々性質を異にしていることがわかる。 2-4.基本的な栄養分調節ホルモン それでは,なぜ冒頭にも述べたような周期性のある摂食 行動が認められるのであろうか。それは,摂食行動に影響 を与える調節要因として,①容量依存的な要因と,②栄養 分依存的な要因があり,それらがお互いに影響を与えるた めと考えられる(図2)39, 57) ①のメカニズムでは,主に腸管の張りに関係する。腸管 の容量には限界があり,それを超えて食べることは基本的 にできない。これは,腸管に感覚器が存在し,それが腸管 の膨満感を認識するためである10)。おそらくそこにも何か の因子が働くことが予想できる6, 53)。また,成長が進むにつ れ,腸管の張りだけではなく,体全体の張りも影響が出て くる。昆虫では,脱皮を繰り返すことにより体サイズを大 きくし成長する。しかし,脱皮と脱皮の間期では,外骨格 のサイズはほとんど変わらないため,体サイズが外骨格に より規定されてしまう。そのため,栄養分が体に満たされ Peptide NPF sNPF AKH ETH EH Corazonin Ast-A Ast-B Ast-C Allatotropin DH44 Proctolin Sulfakinin AEAQQADGNKLEGLADALKYLQELDRYYSQVARPRFa SNRSPSLRLRFa pQLNFTPNWGTa SDFFLKTAKSVPRIa FDSMGGIDGVQVCLNNCVQCKTMLGDYFQGQTCALSCLKFKGKAIPDCEDIASIAPFLNALE pQTFQYSHGWTNa AYTYVSEYKRLPVYNDFLa AWQDLNAGWa pQVRYRQCYFNPISCF GFKNVALSTARGFa MGMGPSLSIVNPMDVLRQRLLLEIARRRLRDAEEQIKANKDFLQQIa RYLPT pQLASDDY*GHMRFa 表 1 主な昆虫の摂食行動調節ペプチド ( トノサマバッタLocusta migratoria のペプチド ) a: アミド化修飾 ; pQ: ピログルタミン酸残基 ; Y*: 硫酸化チロシン残基 複数サブタイプがあるものは、その中の 1 つを示している。 Sequence

(3)

る脱皮直前には,外骨格内部の膨張により外骨格からの圧 力が増大し,これが摂食抑制の因子となる。この外骨格か らの圧はおそらく脱皮変態へのシグナルにもなると考えら れる47)。そのため,脱皮変態にかかわるホルモンは,摂食 行動には関係ないと述べたが,脱皮前では摂食行動の休止 が認められるため,この脱皮直前というタイミングでは脱 皮変態のメカニズムが摂食行動制御のメカニズムに影響を 与えると考えられる。 一方,②のメカニズムである体内の栄養分の調節機構と いうのは,体内の栄養状態から発信されるシグナルにより 調節されるメカニズムをいう。摂食行動の本質は,不足分 を補償するための行動であるため,足りない栄養分や,必 要な栄養分を補うように摂食行動をする。具体的には,体 液中の糖質や脂質の調節に関わるメカニズムが重要となる と考えられている。すなわち,体液中の糖質量(血糖値)や 脂質量などの変化に依存した摂食行動の制御メカニズムが あると考えられている28)。昆虫種によって,血糖値や脂質 レベルは異なるのだが,他の生物と同じで,或る一定のレ ベルを保とうとするメカニズムが働く。いわゆるホメオス タシスである12)。当然であるが,この制御機構は,全生物 種において内分泌系が中心的な役割を担うため,昆虫にお いてもペプチド性因子はこの制御システムで中心的に機能 する。昆虫においては,この制御因子が摂食行動にも影響 を及ぼすというメカニズムがある,ということである。 2-5.昆虫の体液中の血糖と脂質の恒常性 昆虫の場合,血糖はトレハロースとされているが,体液 中にトレハロースよりも低い濃度でグルコースも含まれて いるため,どちらが体内において栄養状態の指標となって いるかは,議論があるところだ60, 63)。ここでは,そのこと には触れないが,上述の通り,昆虫の血糖値(トレハロー スであってもグルコースであっても)と脂質レベルの調節 には多くのペプチド性因子が関わる。基本的には,脂質動 員ホルモン(Adipokinetic hormone: AKH)とインスリン 様ペプチド(Insulin like peptide: ILP)で調節されてい

る28, 42)。また,体液中には脂質が一定レベルで含まれてい る。この脂質レベルもAKHとILPで調節されている(図3)。 2-6.AKHとILPの由来 摂食行動の制御メカニズムの話から少々はずれて,余談 にはなるのだが,AKHとILPが同定されてきたヒストリー が面白いのでついでにここで書いておく。 まず,AKHであるが,AKHはバッタの飛翔筋にエネル ギーを供給するためのホルモンとして同定された34)。バッ タは群れると行動様式が随分と変化し,いわゆる群生相と なる。特に,群生相のバッタは蝗害と呼ばれるほど農作物 の甚大な被害をもたらす。アフリカにおけるサバクトビ バッタ(Schistocerca gregaria)の蝗害も有名だが,日本 でもトノサマバッタ(Locusta migratoria)による蝗害は 何年かに1回は起きている。この蝗害の際に,バッタは集 団で大移動をし,かなりの距離を飛ぶことができるように なる。長距離飛行をする際には,体液中の脂質レベルが上 昇するため,この脂質が長距離飛行のエネルギー源と考え られた59)。この体液中への脂質動員の現象を制御すること から脂質動員ホルモン(AKH)という名前が付けられた。 つまり,AKHは,この長距離飛行のエネルギー供給を促進 するホルモンとして発見された。その後,AKHが脂質を脂 肪体から体液中に動員するのと同時に血糖値も上昇させる ことが分かった7, 17, 25)。このように,AKHは,長距離飛行 など特殊な条件下で大きなエネルギー需要 の際に分泌され るホルモンと考えられていた。しかし,最近では,通常状 態においてもAKHがトレハロースと脂質を脂肪体から体 液中に動員し,体内で特にトレハロースの血中濃度の恒常 性を維持するために機能することが分かってきた28, 42, 46) 一方,ILPに関してであるが,こちらのヒストリーも興 味深い。昆虫のインスリン様ペプチドとして最初に同定さ れたのは,カイコ(Bombyx mori)の頭部からである37, 38) カイコの脱皮変態を制御する脳ホルモン(脱皮ホルモンで あるエクジソンの上流で働くホルモン)を同定する際に, カイコの頭部30万頭分から抽出精製単離されたものであ る37)。脱皮変態の生物検定は,カイコの亜種であるエリサ ン(Samia cynthia)を使っていた。検定系はいたってシン プルで,除脳した蛹に試料を注射する方法である。試料に 活性があると羽化への初期段階に見られる形態変化が見ら 図2 摂食行動の2つの主な要因 体の大きさや張り, 圧による容量依存性の要因と,体の栄養状態や食餌の栄 養条件などによる栄養分依存性の要因が,摂食行動に影 響を与える。 図3 昆虫における栄養分依存性の摂食行動の内分泌系 による調節概略図 昆虫の血糖値や脂質レベルは脂質動 員ホルモン(AKH)とインスリン様ペプチド(ILP)によ り,調節される。AKHと ILPの上流では,様々なペプチ ド性因子がこれらのホルモンの分泌を調節している(ホ ルモンリレー)。 容量依存性 食周期 成長 栄養状態 外部要因 栄養分依存性 血糖値 脂質レベル 腸の張り 外骨格からの圧力

摂食行動

AKH

ILP

AST-A Bursicon Bursicon DH44 ホルモンリレー 恒常性維持 Upd2 Upd2 sNPF sNPF

血糖値・脂質レベル

AST-A

(4)

れるので,それを観察することにより評価した。その生理 活性物質として,最終的にインスリン様ペプチドであるボ ンビキシンが同定された訳である。実際には,同定したボ ンビキシンは原料であったカイコには効果がなく,エリサ ンに対してのみで活性が認められたため,説明の非常に難 しいホルモンとなった。この原因は現在でも謎であるが, このボンビキシンは無脊椎動物で最初に同定されたインス リン様ペプチドであり,現在では,インスリンと同様に昆 虫の血糖値,代謝系調節において重要な働きをすることが 分かってきた44, 49) 2-7.AKHの特徴 AKHは脳に付随する神経系の側心体(Corpora cardiaca: CC)で産生され分泌される19)。上述の通り,AKHは血糖値 を上げ,体液中の脂質レベルを上昇させる役割をもつ。通 常の昆虫のペプチド性因子の場合,様々な機能をもつのだ が,このAKHは,エネルギー恒常性と代謝系に特化した ホルモンである。このような機能を有することから,AKH は昆虫のグルカゴンと言われるようになった。ちなみに, グルカゴンとはアミノ酸配列が全く異なる。 AKHは,例外はあるものの,8残基からなるペプチドで あり,N 末端がピログルタミン酸,C 末端がアミド化され た小さな分子である19)。また,分子内のトリプトファン残 基が保存されているという特徴もある。昆虫種では構造が 高度に保存されており,1つの種で1〜4つのAKHのサ ブタイプが見出される。ちなみに,トノサマバッタでは4 種類のサブタイプのAKHが見出されている。 AKHの受容体は,GPCRであり,脂肪体でのみ発現して いる20)。このことは,AKHが脂質やトレハロースを脂肪体 から体液中に動員させる活性がある事実と一致している。 2-8.ILPの特徴 すでに述べたが,カイコからILPとしてボンビキシンが 同定されている。構造はインスリンと同様,A 鎖とB 鎖の ヘテロダイマーであり,A 鎖とB 鎖はジスルフィド結合で 架橋されている。アミノ酸配列上の相同性は昆虫種間では あまり高くないものの,分子構造を作るためのシステイン 残基は,分子内で位置と数が種間で高度に保存されてい る49) また,ILPは1つの昆虫種で,複数のサブタイプが存在 する。カイコでは40種以上のサブタイプが同定されてお り54),キイロショウジョウバエでは8種のILPが見出され ている39)。もちろん例外もあり,バッタ目のトノサマバッ タやサバクトビバッタでは,1種類しかILPが同定されて いない29) カイコの場合,ILPは脳内の4対の分泌細胞から産生さ れ,軸索を通ってアラタ体から分泌される36)。一方,キイ ロショウジョウバエの場合,サブタイプにより産生組織や 発現時期が異なる。ILPの種類によって,発現組織がまち まちである割に,ILPの受容体は,他の動物種と同様,チ ロシンキナーゼタイプの受容体がそれぞれの昆虫種に1種 類しか存在しない43, 49)。ちなみに,脳や脂肪体で産生分泌 されているILPが研究としてもメインである。 機能はインスリンと同様であり,主に代謝制御に関わる 機能を有する。昆虫のILPの機能の特徴としては,ボンビ キシンのように,脱皮変態に関わるだけでなく,卵巣成熟 や性行動などにも関わるとされており,多機能である46, 49) 2-9.昆虫の摂食行動でのホルモンリレー制御 AKHとILPのバランスで決定された栄養情報により摂食 行動が決定される,すなわち摂食行動はAKHとILPによっ て栄養分依存的に調節される。この摂食行動の基本的なメ カニズムとしては体内の栄養分の補償系であるため,血糖 値が減少することがトリガーとなり,不足分の糖質を,食 餌で賄う。不足分は補償するメカニズムが働くが,摂取し た過剰の栄養分は排泄あるいは貯蔵される。つまり,体内 で要求されている栄養分の不足が感知されると,摂食行動 が惹起され,過剰が感知されると摂食行動は抑制される。 この過不足分,実際には,体液中のグルコース濃度の変 化が,ある特定の神経細胞に感知され,恒常性維持のメカ ニズムが作動する。この場合の神経細胞は,いわゆるグル コースセンサーと呼ばれている。例えば,キイロショウ ジョウバエの脳内には,1対のCN 細胞と呼ばれる細胞が あり,そこでILPとAKHの分泌を調節している。CN 細胞 という名前は,この細胞がペプチド性因子であるコラゾニ ン(Corazonin)とsNPFを産生することから付けられた24) CN 細胞を介して制御されるメカニズムから,sNPFが AKHとILPの分泌を同時に調節することが明らかになっ た。つまり,体液中のグルコース濃度の変化は,sNPFの 分泌に影響を与え,それらが,ILPとAKHの分泌をコント ロールしているという仕組みである48)。この際に,CN ニューロンを機能欠損させたハエでは,絶食後にはグル コースを選好するようになる。ちなみに,コラゾニンはこ の糖の選好性には関与していないので,sNPFとILPのホ ルモンリレーにより,糖の選好性がコントロールされてい ることになる48) CN ニューロンのほかにも,グルコース感受性ニューロ ンと考えられる細胞としてDH44という利尿ホルモン (diuretic hormone : DH) の一種を発現しているニューロ ンがある14)。このようなグルコース感受性の神経細胞はま だいくつか同定されているため,体内の血糖値変化により, 複数のシステムが動いていることが予想できる24)。このほ かにも,例えば,Allatostatin A(AST-A) や,脱皮後の外 皮 硬 化 を 制 御 す る バ ー シ コ ン(Bursicon)や,Upd 2 (Unpaired 2)がILPの分泌を調節している23, 56, 65) 同様に,AKHの産生を調節する因子として様々なものが 知られているが2, 21),ペプチド性因子による調節はあまり分 かっていない。どちらかというと,血糖値の変動や,CCに おけるカルシウム濃度変化などによりAKHの産生分泌が 影響を受ける26)。ペプチド性因子の制御としては,上記の ILPと 同 様 に, 末 梢 の 組 織 か ら 分 泌 さ れ るAST-Aや Bursicon,Upd2 によってその分泌量が調節され,ILPと AKHのバランスが保たれていることになる2, 22)。このよう に,AKHとILPは,内分泌系のネットワークではハブとな り,上流と下流で他のペプチド性因子とのホルモンリレー により連携することで,協働的に体内の血糖値を調節して いると考えられる (図3)。 3.昆虫の摂食行動を調節するほかの因子 3-1.摂食行動を制御するアラタ体制御ペプチド これまでに述べた通り,昆虫の摂食行動は内分泌系によ

(5)

り調節されており,AKHとILPがメインで体液中の血糖値 や脂質レベルを調節しつつ,体内の栄養状態のバランスを 整えている。AKHとILPの産生分泌の上流にはAST-Aな どが調節因子として見出されている4, 58)。このAST-Aをは じ め と す る ア ラ タ 体 制 御 ペ プ チ ド(Allatoregulatory peptide)は摂食行動を調節する重要な因子でもあるので, 簡単に紹介する。アラタ体制御ペプチドは,アラタ体で分 泌される幼若ホルモン(Juvenile hormone: JH)の生合成や 分泌を制御することとなっている。JHの分泌を正に制御し ているのがアラトトロピンであり,負に制御しているのが, アラトスタチン(Allatostatin: AST)である。アラトトロ ピンは前額神経球(Frontal ganglion, FrG)や腸管,脳神 経系で発現しており,腸管の蠕動運動の抑制活性をはじめ とした多機能なペプチドである4, 33, 40)。ASTは3種類あり, 構造的な特徴からAST-A(FGLa/AST),AST-B(MIP), AST-C(PISCF/AST)がある。 近年,オミクス解析により, AST-Cの構造的な類似性からAST-CC,AST-CCCが見出 されているが66),AST-CCとAST-CCCは,特にJHの制御 に関する機能についての研究は行われていない。 キイロショウジョウバエにおいては,これらアラタ体制 御ペプチドとJHとの関連性は明らかにされていない46)。そ のため,昆虫におけるアラタ体制御ペプチドの生体内での 主な機能は,アラタ体でのJHの生合成と分泌の制御ではな く,腸管の蠕動運動の制御であり,最終的に摂食行動に影 響を与えると考える方がよさそうだ。 3-2.昆虫の摂食行動の調節にかかわる器官 上述したが,アラタ体制御ペプチドは腸管の蠕動運動を 制御することで結果的に摂食行動を調節する。アラトトロ ピンやASTは,脳神経系だけでなく,中腸などの他の組織 の分泌細胞で産生され,分泌される14, 33)。つまり,アラタ 体制御ペプチドは,いわゆる脳腸ペプチドであり,腸管の 蠕動運動を制御するとともに,AKHとILPの上流および下 流で機能している(図3)。 中腸だけでなく,脳神経系においても,アラタ体制御ペ プチド以外の様々なペプチド性因子が産生分泌されている 重要な場所がある。例えば,AKHを産生している側心体や, 脳で産生されたILPを分泌するアラタ体などは,体液中に AKHとILPを放出するために重要な組織である。このほか にも,中枢神経系(Central nervous system: CNS)におけ る脳の次の神経節である食道下神経節(Subesophageal ganglion: SG)は,口部の顎の閉鎖筋にかかわる神経軸索が 投射し,顎の開閉運動を制御している(図4A)55)。食道下 神経節もまた,内分泌細胞がたくさんある神経節であるた め,メカニズムは明らかになっていないものの,口の動き も内分泌系で制御している可能性がある。 さ ら に, 前 額 神 経 球 や 口 胃 神 経 系(Stomatogastric nervous system: SNS)は側心体,アラタ体,脳と直接的に つながっている重要な神経節である(図4B)。前額神経球 や口胃神経系は腸管(特に前腸)の蠕動運動を制御している ことが生理学的な解析から明らかになっており8, 50),ここも 内分泌細胞が多く存在しているため,蠕動運動を支配する ことで摂食行動が調節されていると予想できる。また,前 額神経球から,口胃神経系経由で,食道下神経節に投射す る神経もあるため,これらが連携して摂食行動を調節して いるようだ。つまり,昆虫の摂食行動にかかわる内分泌系 は,口部の運動と腸管の蠕動運動を調節することにより制 御していることが分かる。 これら昆虫の摂食行動を調節する神経系の発見のなかで は,前額神経球が一番歴史が古く,1830年代には前額神経 球を摘出すると摂食行動が抑制されることが示されてい た18)。この前額神経球の中には,鱗翅目昆虫では,およそ 30程度の分泌細胞があり,そこからアラタ体制御ペプチド やNPFなどが発現されている。これが,脳に影響を与えた り,前腸の蠕動運動を調節したりすると考えられている。 つまり,脳神経系で作られた局所回路が摂食行動を制御す るメカニズムにおいて重要と考えられる51, 52) 一方,腸管由来のペプチド性因子は,腸管から分泌され る消化酵素の制御にも重要であることが知られており,摂 食行動だけでなく,食べたものの消化まで制御しているこ とが分かる。腸管は,餌由来の栄養分の情報を体内に伝達 させる重要な器官である。その情報は内分泌系を介して体 内に伝達される。すなわち,腸管は餌の栄養情報を伝える 重要な内分泌器官と考えられる30) ここでは紹介しきれないが,腸管から分泌されているペ プチド性因子は昆虫種によって少々異なる。また,中腸の 中でも前部・中央部・後部でそれぞれ発現しているペプチ ドも異なる。中腸は部位ごとに少しずつ機能が異なるとい われており,それと対応して発現しているペプチドが異な るのだと考えられる。 つまり,神経系と腸管がうまく内分泌系で連絡しあって, 餌を食べてから消化するまでの一連の行動を制御し,さらに は体内のエネルギーの恒常性も維持していると考えられる。 3-3.内分泌組織としての脂肪体 脂肪体と脳神経系の直接的な関連性が昆虫にあるかどう かは明らかではいないが,脂肪体は,エネルギーを貯蔵す る重要な組織である。また,AKHの標的組織であり,脂肪 体からトレハロースや脂質がAKH 刺激により分泌される。 脂肪体はILPの産生組織でもあるため,脳神経系以外でも AKHとILPの調節が行われる1, 28, 43) 脂肪体から分泌されるペプチド性因子はあまり明らかに されていないが,ILP 以外にも神経系に働く因子はありそ うだ。 4.まとめ ここでは,昆虫における簡単なペプチド性因子を中心と 図4 昆虫の摂食行動に関わる脳神経系 (A)脳の背側 から見た脳神経系。FrG:前額神経球;SG:食道下神経 節;SNS:口胃神経系。(B)脳の腹側から見た脳神経系。 CC:側心体;CA:アラタ体。

FrG

(A)

(B)

SG

SNS CC

CA

(6)

した内分泌系による摂食行動の調節メカニズムの概要を紹 介した。 これまでに述べた通り,昆虫において摂食行動は体全体 のシステムであるが,これまでの研究成果はいずれも断片 的なものである。また,キイロショウジョウバエでの研究 は進んでいるが,昆虫の特徴的な摂食行動をとらえたこと にはならない。冒頭でも述べたが,昆虫は様々な環境に順 応できるがゆえに現在の地球上で大繁栄した。そのため, 環境からの様々なストレスに対して摂食行動も対応させる 必要がある。乾燥や餌が枯渇する条件では,長時間の飢餓 に耐えうる機能を摂食行動のメカニズムと関連させなくて はならない。昆虫種すべての摂食行動メカニズムを明らか にすることは不可能であるが,共通点や特異点などを抽出 しやすくするために何か工夫が必要となるだろう。 そのような現状で今後,この分野で必要な命題として, 以下の数点があげられる。 1)栄養分選好性の問題;昆虫は単食性だけでなく雑食 性も多く存在する。必要な栄養分を得るために,どのよう に餌を選好しているかは,やはり内分泌系に支配されてい るかと予想できる。これを明らかにすることは当面の目標 である(最低でも筆者のグループの目標である)。 2)脂肪体から神経系に作用する因子の発見;AKHと ILPはエネルギー恒常性を維持するために重要なペプチド 性因子である。AKHは側心体で産生され,脂肪体が標的で ある。脂肪体は神経系とは連絡がないため,神経系に連絡 するためには,体液を通過するような液性因子が必要とな る。現在,脂肪体由来の因子としてはILPが代表的なもの と同定されているが,他の因子もあるはずであり,今後そ の同定を進める必要がある。 3)複合的な内分泌系の統合的なメカニズム;まだ鍵分 子が見出されていないが,そのようなものはないと説明し てきた。そのため,食べる食べない,という制御,さらに は何を食べるか,がどのようなメカニズムで制御されてい るかを明らかにすることは今後の命題となる。 4)キイロショウジョウバエ以外の昆虫種での解析;キ イロショウジョウバエの情報も断片的である。300万種いる といわれている中で,1種だけを調べることは,昆虫の全 体のメカニズムを明らかにしたことにはならない。現在, 次世代シーケンサーなどパワフルなツールにより,非モデ ル生物の研究がやりやすくなった。比較ゲノム,比較内分 泌学的な手法により,今後,摂食行動のメカニズムの理解 が深くなることを期待している。 参考文献

1) Agrawal, N. et al.: Cell Metabolism, 23, 675-684 (2016) 2) Ahmad, M. et al.: Wiley Interdisciplinary

Reviews-Developmental Biology, 9 (2020)

3) Arakane, Y. et al.: Mechanisms of Development, 125, 984-995 (2008)

4) Audsley, N. et al.: Journal of Insect Physiology, 54, 969-980 (2008)

5) Audsley, N. & Weaver, R. J.: General and Comparative Endocrinology, 162, 93-104 (2009)

6) Ayali, A. & Lange, A. B.: Journal of Insect Physiology, 56, 834-843 (2010)

7) Ayali, A. et al.: Physiological Entomology, 21, 167-172 (1996)

8) Ayali, A. et al.: Journal of Experimental Biology, 205, 2825-2832 (2002)

9) Baggerman, G. et al.: Journal of Biological Chemistry, 277, 40368-40374 (2002)

10) Billingsley, P. F. & Lehane, M. J.: Biology of the insect midgut, 3-30 (1996)

11) Broeck, J. V.: Archives of Insect Biochemistry and Physiology, 48, 1-12 (2001)

12) Cannon, W. B.: Physiological Reviews, 9, 399-431 (1929) 13) Clynen, E. & Schoofs, L.: Insect Biochemistry and

Molecular Biology, 39, 491-507 (2009) 14) Dus, M. et al.: Neuron, 87, 139-151 (2015)

15) Elphick, M. R. et al.: Journal of Experimental Biology, 221 (2018)

16) Fadda, M. et al.: Frontiers in Endocrinology, 10, (2019) 17) Faivre, E.: C. R. Society Biology Paris, 5, 101-104 (1863) 18) Gade, G.: Trends in Comparative Endocrinology and

Neurobiology, 1163, 125-136 (2009)

19) Gade, G. & Auerswald, L.: General and Comparative Endocrinology, 132, 10-20 (2003)

20) Gade, G. & Beenakkers, A. M. T.: General and Comparative Endocrinology, 32, 481-487 (1977)

21) Galikova, M. et al.: Genetics, 201, 665-683 (2015)

22) Heier, C. & Kuhnlein, R. P.: Genetics, 210, 1163-1184 (2018) 23) Hentze, J. L. et al.: Scientific Reports, 5 (2015)

24) Kapan, N. et al.: Cellular and Molecular Life Sciences, 69, 4051-4066 (2012)

25) Kaufmann, C. et al.: Insect Biochemistry and Molecular Biology, 39, 770-781 (2009)

26) Kim, S. K. & Rulifson, E. J.: Nature, 431, 316-320 (2004) 27) Kim, Y. J. et al.: Proceedings of the National Academy of

Sciences of the United States of America, 103, 14211-14216 (2006)

28) Koyama, T. et al.: Cellular and Molecular Life Sciences, 77, 4523-4551 (2020)

29) Kromermetzger, E. & Lagueux, M.: European Journal of Biochemistry, 221, 427-434 (1994)

30) Lemaitre, B. & Miguel-Aliaga, I.: Annual Review of Genetics, 47, 377-404 (2013)

31) Maestro, J. L. et al.: European Journal of Biochemistry, 268, 5824-5830 (2001)

32) Marchal, E. et al.: Peptides, 31, 506-519 (2010) 33) Matsumoto, S. et al.: PLoS One, 14 (2019)

34) Mayer, R. J. & Candy, D. J.: Journal of Insect Physiology, 15, 611-620, (1969)

35) Meyering-Vos, M. & Müller, A.: Journal of Insect Physiology, 53, 840-848 (2007)

36) Mizoguchi, A. et al.: Molecular and Cellular Endocrinology, 51, 227-235 (1987)

37) Nagasawa, H. et al.: Science, 226, 1344-1345 (1984) 38) Nagasawa, H. et al.: General and Comparative

Endocrinology, 53, 143-152 (1984)

39) Nagata, S.: Bioscience Biotechnology and Biochemistry, 83, 33-38 (2019)

(7)

40) Nagata, S. et al.: Peptides, 34, 98-105 (2012)

41) Nagata, S. & Nagasawa, H.: J Insect Physiology, 52, 807-815 (2006)

42) Nagata, S. & Zhou, Y. J.: Advances in Insect Physiology, 57, 137-172 (2019)

43) Nässel, D. R. et al.: General and Comparative Endocrinology, 221, 255-266 (2015)

44) Nässel, D. R. & Vanden Broeck, J.: Cell Mol Life Sci, 73, 271-290 (2016)

45) Nässel, D. R. & Wegener, C.: Peptides, 32, 1335-1355 (2011) 46) Nässel, D. R. & Zandawala, M.: Progress in Neurobiology,

101607 (2019)

47) Nijhout, H. F. et al.: Wiley Interdisciplinary Reviews-Developmental Biology, 3, 113-134 (2014)

48) Oh, Y. et al.: Nature, 574, 559-564 (2019)

49) Okamoto, N. & Yamanaka, N.: Current Opinion in Insect Science, 11, 21-30 (2015)

50) Penzlin, H.: Journal of Insect Physiology, 17, 559-573 (1971) 51) Penzlin, H.: in Comprehensive Insect Physiology, 5,

371-406 (1985)

52) Penzlin, H.: Comprehensive Insect Physiology, 5 (1995) 53) Robertson, L. & Lange, A. B.: Journal of Insect Physiology,

56, 893-901 (2010)

54) Roller, L. et al.: Insect Biochemistry and Molecular Biology, 38, 1147-1157 (2008)

55) Sasaki, K. & Asaoka, K.: Neuroscience Letters, 374, 166-170 (2005)

56) Scopelliti, A. et al.: Cell Cycle, 15, 1538-1544 (2016) 57) Simpson, S. J. et al.: Regulation of a meal: chewing insects

(1995)

58) Spit, J. et al.: Canadian Journal of Zoology-Revue Canadienne De Zoologie, 90, 489-506 (2012)

59) Stone, J. V. et al.: Nature, 263, 207-211 (1976)

60) Thompson, S. N.: Advances in Insect Physiology, 31, 205-285 (2003)

61) Truman, J. W.: Current Biology, 29 (2019)

62) Van Wielendaele, P. et al.: Insect Biochemistry and Molecular Biology, 43, 102-114 (2013)

63) Wyatt, G. R. & Kalf, G. F.: Journal of General Physiology, 40, 833-847 (1957)

64) Yu, N. et al.: General and Comparative Endocrinology, 188, 196-203 (2013)

65) Zhao, X. & Karpac, J.: Current Biology 27, 1941-1955 (2017)

66) Zandawala, M. & Orchard, I.: Insect Biochemistry and Molecular Biology, 57, 1-10 (2015)

Abstract 

Fundamental knowledge of endocrine control of feeding behavior in insects

Shinji Nagata and Hitomi Seike

Department of Integrated Biosciences, Graduate School of Frontier Sciences, the University of Tokyo.

Feeding behavior, particularly feeding motivation, is

modulated by endocrine control in insects. The predominant endocrine factors capable of governing energy homeostasis to maintain nutrient-dependent regulation are Adipokinetic hormone (AKH) and Insulin-like peptide (ILP). AKH and ILP modulate the substantially constant sugar and lipid levels in the hemolymph. Interestingly those two hormones are also regulated by other peptide hormones by relaying the hormone stimulation from the disturbing nutritional condition. Endocrine factors secreted from several organs in insects that control gut contraction can also modulate feeding behavior. Together, systemic orchestration of endocrine factors is essential for precisely modulated normal feeding behavior in insects.

Keywords: insect, feeding behavior, peptide hormone, Adipokinetic hormone, insulin-like peptide, Allatoregulatory peptides

参照

関連したドキュメント

活性は前胸腺 を 培養 し,そ の後エ クダイ ソン 分泌量 を RIAで 測定.破 線 は,2日 の前胸腺を休眠蛹に移植 し, 1日

私たちの行動には 5W1H

*海外派遣にかかる渡航や現地滞在にかかる手配は UNV を通じて行います (現地生活費の支給等を含む)

日頃から製造室内で行っていることを一般衛生管理計画 ①~⑩と重点 管理計画

浸透圧調節系は抗利尿ホルモンが水分の出納により血

るにもかかわらず、行政立法のレベルで同一の行為をその適用対象とする

Transportation, (in press). 15) Department of Transport Western Australia: TravelSmart: A cost effective contribution to transport infrastructure, 2000. 16) Rose, G., Ampt, E.:

かくして Appleton の言及は, 内に概念的先駆者とし ての自負を滲ませながらも, きわめてそっけない.「隠 れ場」にかかる言説で, Gibson (1979) が