白鴎大学論集 第26巻 第1号
論文
原価差異分析に関する一考察
藤 浪 英 也
AstudyofCostVarianceAnalysis
FUJINAMI Hidenari 1.はじめに II.標準原価の意義と原価標準の設定 m.原価差異の算定および分析 IV.この論文による差異分析手法V.まとめ
1.はじめに
標準差異とは、原価計算基準によれば「標準原価計算制度において、標 準原価と実際発生額との間に生ずる差額」とし、また、ここに標準原価計 算制度とは、「製品の標準原価を計算し、これを財務会計の主要帳簿に組 み入れ、製品原価の計算と財務会計とが標準原価をもって有機的に結合す る原価計算制度である。標準原価計算制度は、必要な計算段階において実 際原価を計算し、これと標準との差異を分析し、報告する計算体系であ る。」としている。 この標準原価計算制度において差異分析を行う場合に、いわゆる『BOX 図』やシュラッター図を用いることが多いが、これらの図は一度憶えてし まえば簡単に差異分析を行うことができるが、原点から離れれば数値が大 きくなるという通常の数学的座標とは異なる場合があり、初学者には理解 しがたい部分がある。 この論文においては、原価差異を分離して差異分析することを試みた。 すなわち、原価計算基準に従い、管理可能原価部分と管理不能原価部分と に分解し、それぞれ差異分析を行うことにより、合理的な差異分析が表示 されることを提言するものである。H.標準原価の意義と原価標準の設定
1.標準原価の意義 標準原価とは、財貨の消費量を科学的、統計的調査に基づいて能率の尺 度となるように予定し、かっ、予定価格又は正常価格をもって計算した原 価をいう。ここに能率の尺度とは達成されるべき原価の目標を意味し、原 価管理を効果的にするために設定される。原価差異分析に関する一考察 労務費等の直接費および製造間接費について、さらに製品原価について算 定されるので、標準製品原価は、製品の一定単位につき標準直接材料費、 標準直接労務費等を集計し、これに標準間接費配賦率に基づいて算定した 標準間接費配賦額を加えて算定することにより、製品製造原価を迅速に計 算することができるのである。 これを算式で示すと下記のようになる。 一定単位当たり製品標準原価 二標準直接材料費+標準直接労務費+標準問接費配賦額 これらは標準原価にもとづくものであるから、当然実際発生額とには差 異を生ずることになる。この差異を分析することによって、その発生原因 を原価管理に反映させることができるのである。原価計算基準においても 「標準差異が生ずる場合には、その大きさを算定記録し、これを分析す る。その目的は、原価差異を財務会計上適正に処理して製品原価および損 益を確定するとともに、その分析結果を各階層の経営管理者に提供するこ とによって、原価の管理に資することにある。」と述べている。 2、原価要素による標準の設定 原価要素の標準は、原則として物量標準と価格標準との両面を考慮して 算定する。 (1)標準直接材料費 標準直接材料費は、直接材料の種類ごとに、製品単位当たりの標準消費 量と標準価格とを定め、両者を乗じて算定する。 標準直接材料費 = 標準消費量 × 標準価格 (2)標準直接労務費 標準直接労務費は、直接作業の区分ごとに、製品単位当たりの直接作業 の標準時閲と標準賃率とを定め、両者を乗じて算定する。 標準直接労務費 一 標準直接作業時間 × 標準賃率
(3)製造間接費の標準 製造間接費の標準は、これを部門別(又はこれを細分した作業単位別、 以下これを「部門」という。)に算定する。部門別製造間接費の標準とは、 一定期間において各部門に発生すべき製造間接費の予定額をいい、これを 部門間接費予算として算定する。その算定方法は、実際原価の計算におけ る部門別計算の手続に準ずる。部門問接費予算は、固定予算又は変動予算 として設定する。
皿.原価差異の算定および分析
1.標準差異 標準差異とは、標準原価計算制度において、標準原価と実際発生額との 間に生ずる差額をという。また、この標準差異は、有利差異または不利差 異として計算されることになるが、この論文では、この有利差異または不 利差異を計算上明確にするために、下記の算式により算定することとする。 標準差異 二 実際原価 一 標準原価 この標準差異が、(一)ならば有利差異を、(+)ならば不利差異を示す ことになる。これは、実際原価が標準原価より少ない場合は、実際原価が 予定されていた標準原価より少なくて製造したことを示すのでマイナス (一)が表示され合理的な表示となる。 2.標準原価計算制度における原価差異 原価計算基準によれば、標準原価計算制度において生ずる主要な原価差 異は、材料受入価額、直接材料費、直接労務費および製造間接費について 算定分析すると記述されている。 (1)直接材料費差異原価差異分析に関する一考察 この直接材料費の差異を、いわゆる『BOX図』において物的消費数量 と消費価格を分析してみると下記のような図になる。 標準差異を図に示すと下記の図1のようになるのだが、ここで問題とな るのが結合差異と呼ばれる部分である。この部分を価格差異とするか、ま たは数量差異として取り扱うかによって、価格差異および数量差異の金額 が異なることになる。この処理については諸見解があるが、この論文で は、原価計算基準に従い価格差異とすることにする。これは、その差異が 管理可能か管理不能かという観点から、市場価格は原価管理者にとって管 理不能であるので、価格差異に含むことにした。原価計算基準によれば下 記のとおりである。 「価格差異とは、材料の標準消費価格と実際消費価格との差異に基づく 直接材料費差異をいい、直接材料の標準消費価格と実際消費価格との差異 に、実際消費数量を乗じて算定する。」また「数量差異とは、材料の標準 消費数量と実際消費数量との差異に基づく直接材料費差異をいい、直接材 料の標準消費数量と実際消費数量との差異に、標準消費価格を乗じて算定 する。」 価格差異 (実際消費価格 一 標準消費価格) × 実際消費数量 数量差異 (実際消費数量 一 標準消費数量) × 標準消費価格
図1 BOX図
実際価格 120 ‘≠26リ 標準価格 100 価格差異 結合差異 数 旦 標準直接材料費 黒差 異 1000 1006チ16り 標 準 消 費 里 110 実 際 消 費 里これをBOX図で表すと下記の図になる。 図2 原価計算基準によるBOX図 実際価格 120 価格差異 ひ2の 標準価格 100 標準直接材料費 数 差 異 1,000 100‘≠1の 110 標 実 準 際 消 消 費 費 里 呈 (2)直接労務費差異 直接労務費差異とは、標準原価による直接労務費と直接労務費の実際発 生額との差額をいい、これを部門別又は作業種類別に賃率差異と作業時間 差異とに分析する。 賃率差異とは、標準賃率と実際賃率との差異に基づく直接労務費差異を いい、標準賃率と実際賃率との差異に、実際作業時間を乗じて算定する。 作業時問差異とは、標準作業時間と実際作業時間との差額に基づく直接労 務費差異をいい、標準作業時間と実際作業時間との差異に、標準賃率を乗 じて算定する。 賃率差異 (実際賃率 一 標準賃率)× 実際作業時間 作業時間差異 (実際作業時間 一 標準作業時間) × 標準賃率
原価差異分析に関する一考察 図3 実際賃率 1200 ひ200ゾ 標準賃率 1000
直接労務費のBOX図
賃率差異 標準直接労務費 作 業 時 間 差 異 ゴ00‘+10ソ 110 標 実 準 際 作 作 業 業 時 時 間 間3.BOX図の問題点
このBOX図は図の内側に標準価格(標準賃率)および標準消費数量 (標準作業時間)が実際額のそれらより内側に書くことになっている。こ のため下記のような事例においては、通常の数学的座標とは異なる表現と なる。 事例1 標準価格>実際価格 : 標準消費量く実際消費量 図4 事例1 実際価格 実際発生原価 90×1100=9,9旦go
‘∠1の 価格差異 一1000 標準価格 数 100 量 群原麺 差 異 100×100=10,000 1000 ぴ1の 0 標準価格 10,000 価格差異 一1,100有利差異 数量差異 1,000不利差異 総差異 一100有利差異 実際価格 9,900 1膿糞⇒
套 亘 110 実 際 消 費 量この図に示すように横軸は直接材料の消費量を示しているが、原点より 離れるほど金額は大きくなっている。しかし、縦軸は直接材料の消費価格 を示しているが、この縦軸は実際消費価格のほうが標準消費価格より小さ いのに、原点から離れている上方に置かれている。 また、下記に示す事例2から事例4の場合も、金額の違いは図の違いと して表現されることはなく、同じ図となって表現されることになる。この BOX図は『数学的な座標とは異なるものである』として理解することに なるのだが、金額が異なっているのに同じ図形を用いる。ゆえにこれらの 図は、数学等で学習した座標とは異なるものとして学習することになる。 またあとで述べる製造間接費に関して、公式法変動予算を差異分析する場 合に用いるシュラッター図も特に固定費に関しては座標としてとらえると 矛盾を生ずることになる。 事例2 標準価格く実際価格 : 標準消費量>実際消費量
図5 事例2
実際価格 実際発生原価 120×90=10,800 120奮
在2の 価格差異 1800 標準価格 数 100 量鮮原価
差 異 100×100=10,000 △1000 ‘∠1の 0 標準価格 10,000 価格差異 1,800不利差異 数量差異 一1,000有利差異 総差異 800不利差異 実際価格 10,800 1膿萎⇔
里 90 実 際 消 費 量事例3 標準価格>実際価格 原価差異分析に関する一考察 標準消費量>実際消費量
図6 事例3
実際 格 実際発生原価90×90=8,100ゴ
ω1の 価格差異 一900 標準価格 数 100 旦灘原伽
里差 異 100×100=10,000 △1000 ‘ZVOソ 0 標準価格 10,000 価格差異 数量差異 一1,000有利差異一900有利差異 総差異 実際価格 一1,900有利差異 8,100 ブ1⇔團
事例4 標準価格く実際価格 標準消費量く実際消費量図7 事例4
際 格 実際発生原価 120×110=13,200 120曾
ひ2の価格差異 2200 標準価格 数 100 旦 灘原麺 里差 異 100x100=10,000 1000 ‘チ1の 0 標準価格 10,000 価格差異 数量差異 2,200不利差異 1,000不利差異 総差異 実際価格 3,200不利差異 13,200 100 110綱
また、これらの図はほぼ同時期に学習する、売上原価を計算する場合に おいて、棚卸減耗費や商品評価損がある場合の期末商品棚卸高を計算する 図に似ているので、これも誤解を生じやすい点になっている。 図8 期末棚卸高の図 価格 帳簿棚卸高 100円×100=10,000
愚100
時価90 ‘Z110ソ 商品評価損 10円×90個=900円 実地棚卸高 90×90=8100 棚 卸 減 耗 費 100円×10個 = 1000円 ‘∠、10ブ 帳簿 0 10,000 減耗費 評価損 一1,000 −900 実地 8,100 90 100金額 実 帳地倒簿
棚 棚 卸 型 _晶一 「司 同 期末在庫を計算する場合は、評価益は計上されず、また実地棚卸高は帳 簿棚卸高より少なくなるはずなので、売上原価を計算する場合に作成され る期末商品棚卸高を計算する図8では、必ず実地棚卸高が帳簿棚卸よりも 内側に置かれ、また商品評価損が発生する場合には、時価は帳簿価格より も内側に置かれることになる。これは標準差異の場合とは異なり座標と整 合性を持ったものである。 この期末商品棚卸高の図は、数学的座標と整合性のあるものなので理解 することは容易であるが、BOX図やシュラッター図は数学的座標とは整 合性がないので、差異分析のための特別な図であるとして理解することに なる。原価差異分析に関する一考察
IV.この論文による差異分析手法
本論文は、より数学的座標に近い分析方法を試みた。今まで述べた事例 のBOX図は同じ図表を用いながらその置かれる数値は、ある事例では原 点から離れるほど多くなり、また別の事例は少なくなる。同一図表内でも 数量は原点から離れるほど多くなるが、価格は少なくなるという事例もあ り、また反対に数量は原点から離れるほど少なくなり、価格は多くなると いう事例もある。この矛盾点を解消しようと試みるものである。 1、標準原価計算制度における差異分析について 同種の事例を説明する場合には統一性のある座標でなければ混乱を生ず る可能性がある。また原則的には原点を「0」とすれば原点から離れるほ ど数値は増加し、原点により近いものの数値は少なくなるべきである。こ の原則的な座標の表示方法を差異分析に用いる場合には、数量的差異分析 と金額的差異分析を分解して表示するほかないと考えた。そこで「図4」 の事例1を本論文の提言するところにより、数量的な差異と金額的な差異 とに分解し表示すると図9−1および図9−2のようになる。 直接材料費の差異分析は下記の算式で表わされる。 事例1は消費数量の増加(浪費)を価格の下落によって補われた場合で ある。市場価格は管理不能と考えられ、消費数量の差異が企業努力の成果 となる。 消費数量差異 = (実際消費量 一 標準消費量) × 標準価格図9−1 消費数量差異(管理可能差異) 標準価格 100 実際価格100×1100ニ11,000 数 差 異 100x10=+1000 0 実際消費数量100×110ニ11,000 標準消費数量100×100=10,000 消費数量差異 1,000 不利差異 100在16り 110
調
消費価格差異 = (実際価格 標準価格)× 実際消費量 図9−2 消費価格差異(管理不能差異) 標準価格尋
100 (△10) 実際価格 90 110×一10=一1100 価格差異 0 110 実際消費価格90×110=9,900 標準消費価格100×110=11,000 消費価格差異 司,100 有利差異 総差異 消費数量差異 消費価格差異 総差異 1,000 −1,100 実 際 消 費 量 一100 有利差異原価差異分析に関する一考察 また「図5」事例2の場合は下記のようになる。 図10−1 消費数量差異(管理可能差異) 実際消 数量価格90×100ニ9,000 標準価格 100 数 ゑ 差 異 100×一10ニー1000 90但10ブ 100
團
標⇔
準 消 費 ヨ 里 図10−2 実際価格奮
120 (+20) 標準価格 100 消費価格差異(管理不能差異) 価格差異 20×90=1800 実際消費価格 標準消費価格 消費価格差異 総差異 消費数量差異 消費価格差異 総差異 120×90=10,800 100×90= 9,000 1,800不利差異 一1,000 1,800 800 不利差異 90 実 際 消 費 量 このように分解してみると実際消費量を基準として差異を分析すること となるのがわかる。 次に製造間接費の分析を行う。製造間接費は固定予算と変動予算があり、公式法変動予算による分析を行う場合は、下記のようなシュラッター 図を用いて差異分析をするのが一般的である。この図も固定費部分にっい ては本来の数学的座標の概念とは異なる部分がある。固定費配賦額は、グ ラフとしての表示では操業度が増加すると金額が減少するかのように見え る。また、予算差異を分析する場合において、金額の多寡にかかわらず実 際発生額は実際操業度における標準予算額よりも常に上方に置かれる。 図11 製造間接費の図(シュラッター図) 金額 400
ズ
固妻
k
O 予 算 差 異 実際操業度に 能率差異 1111 1変 [ 動 変 賦線 1費 III 1 1 一 曜 1 1 1 固定費配賦線 『 能率差異 1111 II 操 標 準 操 業 度 120 実際操業度による標準予算 実 際 操 業 度 100 操業度差異 基 準 操 業 度 150 y=一a x+b の公式を固定費に当てはめると下記のようになってしまう。 実際操業度の固定費=一固定費配賦率×藻業度 + 固定費原価差異分析に関する一考察 能率差異 = 標準配賦率 × (実際操業度 一 標準操業度) 操業度差異 = 標準配賦率 × (基準操業度 一 実際操業度) 固定予算であるので、予算差異は実際発生額と固定費の予算額の差額と なる。 予算差異 = 実際発生額一 固定予算額 その結果が図12および図13である。図12において能率差異と操業度差 異の分析を行い、予算差異は図13に示したように分離して示した。この 図から予算差異は一次元のグラフで表わされることがわかった。 図12では標準操業度は実際操業度より小さく、また実際操業度は基準 操業度より小さいものとして表示している。しかし実際操業度が標準操業 度より少ない場合では図11で示したようにシュラッター図では表示上変 化はない。このため座標として原点から遠くなるほど数値が大きくなると いう原則からは異なるものとなる。 図12 固定予算における能率差異、 業度差異の分析その1 金額i
r
男
費k
o 標準操業度く実際操業度く基準操業度 固定費 図13 予算差異の分析操 操業度差異 能率差異 II 1 1 固 賦線 ll 1 [ 1 1 1 実 標 基 準 際 準 操 操 操麓幽業瞬養
度畿
単、萎
1 董謁は
1固 ノ ー
塁障1鐡次
ド ド 予 1 算 1 兀算 1額1 で
額 I IL」 表
現 o で き る しかし本論文は図14に示すように原点から離れるほど座標の数値は大きくなることを重視して提言を行った。このため、操業度のそれぞれの数 値が座標上に正しく表示されることになる。 図14 固定予算における能率差異、操業度差異の分析その2 金額 固 定 費
ズ
k
O 実際操業度く標準操業度く基準操業度 固定費 操業度差異 ノ I I 固定 賦線 1 蓄 [ I I I I I 能率差異 一 一 一 一 一 実 標 際 準婁⇔1
度 基 準 操 業 度繭
100 120 150 この図14から読み取れるように能率差異は(一)の有利差異となる。 次に標準原価計算制度における公式法変動予算について検討してみる。 公式法変動予算においても固定費を分離して分析を行うと、上記図12お よび14に示すものと同じであることが分かる。そこで変動費部分につい て分析を行ったのが下記に示す図15である。操業度の変化に応じた変動 費の配賦額の上に定額の固定費を示したのが、この図15である。固定費 は予算差異を分析する場合に必要であるので、さらにこの図15を能率差 異と予算差異に分離したのが図16および17である。図15 金額 固定費 原価差異分析に関する一考察 公式法変動予算における能率差異、予算差異の分析 蹴生額 金額 標準予算線 二固定費+変動費 // !! ノ! // !! ! 変動 / / ! ! /! 能率差異 賦線 /
言匙継
1 固定費 1 際 鈴 1 操 コ 『._【一_.._..一一._.一_一1業 1 度 1 実 1 に 際 1 よ ド ド ぼ ロ る陽業 1標
1 度 1 準 1 費に 1 予 I I l よ 1 算 1 る 1 額 て I L∠」_ 予 算 差 異 は 次 元 で 表 現 で き る 0 実 標 準 際 操 操 業 業 度 度 0 実 際 操 業 度 図16 能率差異の分析 金額 能率差異 変動 賦線 0 標 準 操 業 度 図17 予算差異の分析態
一.」 操 I −”N藁一’”’一“一’”−一’”「護1 な し ド1操 ほ1
し ド ラ1度 1測
ド に ロ リ 1 よ 1 準 l l 1 予 1 ラ る て ド 1 変 r 算 1 ド ラ ラ ヒ ド し1費 L」
実 際 操 業 度 o実 際 操 業 度 公式法変動予算の場合には、固定費において操業度差異と能率差異を分 析し、変動費においては能率差異を分析する。予算差異は実際操業度における変動予算の配賦額に固定費が加算されたものである。つまり図13に おける固定予算における予算差異分析と同様に一次元のグラフとして表現 することができるのである。 2.実際原価計算制度への展開 次に実際原価計算において原価差異の分析を試みてみる。 (1)製造間接費の分析 まず実際原価計算制度における固定予算から検討を加えてみると、標準 原価計算制度における固定予算の差異分析と異なるところは、標準操業度 と実際操業度との差異(能率差異)分析がないだけで、他に異なるところ はない事がわかる。これを示したのが下記に掲げる図18および図19であ る。予算差異は同様に一次元のグラフとして表示される。 操業度差異 二 標準配賦率 × (基準操業度 一 実際操業度) 図18 操業度差異の分析 金額
〆
票
垂
額殴
0
固定費 固古 賦線 操業度差異 実 際 操 業 基 準 操 業 度原価差異分析に関する一考察 予算差異 =・実際発生額 固定予算額 図19 予算差異の分析 金額 固定費
鐡
予 異算 差r
塁
孟
額 k、 0 実 際 操 業 度灘
一無葦、
予 1 予 塞隆粧額 算 1算 1 額 1 額 1 コ ド ラ ロL
基 準 操 業 度 0 次に実際原価計算制度における変動予算について検討してみると、これ も標準原価計算制度における公式法変動予算から、能率差異を除いたもの だということが理解できる。 図20 操業度差異の分析 固 定 費 金額 固定費 灘度差異 [ [ 1 1 1 固 賦線 II 1 1 1 1 1 0 実 際 操 業 度 基 準 操 業 度実際原価計算制度においては標準操業度と実際操業度との比較が行われ ないので、操業度差異と予算差異だけの分析となる。操業度差異は固定予 算の場合も変動予算の場合も変わりがないので、予算差異について検討す ることにする。変動予算の場合に、予算差異は実際操業度における変動費 配賦額に固定費を加えた金額(実際操業度における予算額)と実際発生額 との比較によって計算されるので、これも下記の図21のように分析する ことができる。 予算差異 ・= 実際発生額一 (固定費+変動費) 図21 予算差異の分析 金額 変 賦線
鐡
[
孟書 差 異1ぞ 払
1 業l I I I 度l l にl I I 1\ 実 l I 際 1 操1変業
1 動度1費に
1 よ
1 る 0 実 際 操 業 度 よ1 るI I 予1 算l l 額1 ラ 1一
〇実 駿 養原価差異分析に関する一考察 図22のようになる。直接費は予定配賦額と実際発生額との比較によるた め予算差異と同じように一次元のグラフとなる。 原価差異 = 実際発生額 一 予定配賦額 図22 直接費差異分析への展開 予定配賦額
旦
価材 格料 差 差消 異 ・・生 異費 は ロ1 次
1 − 1 兀 ’ 実 II 際
1 発
II 生
1 額
ドI
L
o材 料 費 で 表 現 で き る灘
曾 差賃 異率実 1
際1
発 1 予
1 定
生 1 配 じ額 1 賦
1 額
ドΨ
o労務
費V.まとめ
本論文は原価差異分析にっいて、一般的に用いられるBOX図やシュ ラッター図に代わるものとして、座標としての観点から新たな分析手法を 提言した。 実際原価計算制度における予定配賦額に対する直接費(直接材料費およ び直接労務費)差異は、一次元のグラフとして表現できることが分かっ た。また標準原価計算制度における直接費は管理不能差異としての価格差 異(賃率差異)と管理可能差異としての数量差異(作業時間差異)とに分離して差異分析をすることにより、座標と整合性を持った表示ができるこ とを提言した。 また、製造間接費については、固定費の操業度差異については、実際原 価計算制度および標準原価計算制度に対して統一された分析手法が可能で あることを検証した。さらに予算差異については、固定予算および変動予 算ともに一次元のグラフとして表現できることを示した。 これらにより、原価差異分析について座標と整合性を持った原価差異分 析が可能であることを提言した。