氏 名 箕 輪 茉 海 ヨ ミ ガ ナ ミ ノ ワ マ ミ 学 位 の 種 類 博 士 ( 美 術 ) 学 位 記 番 号 博 美 第 621号 学 位 授 与 年 月 日 令 和 2年 3月 25日 学 位 論 文 等 題 目 〈 論 文 〉 漂 然 木 象 嵌 に よる 空 間 表現 の 探 求 〈 作 品 〉 Vital Sign 〈 演 奏 〉 論 文 等 審 査 委 員 ( 主 査 ) 東 京 藝 術 大 学 教 授 ( 美 術 学 部 ) 小 椋 範 彦 ( 論 文 第 1 副 査) 東 京 藝 術 大 学 教 授 ( 美 術 学 部 ) 片 山 ま び ( 作 品 第 1 副 査) 東 京 藝 術 大 学 教 授 ( 美 術 学 部 ) 豊 福 誠 ( 副 査 ) 東 京 藝 術 大 学 准 教 授 ( 美 術 学 部 ) 三 上 亮 ( 副 査 ) 東 京 藝 術 大 学 非 常 勤 講 師 ( ) 中 内 安 紀 徳 ( 副 査 ) ( ) ( 副 査 ) ( ) ( 副 査 ) ( ) ( 副 査 ) ( ) ( 副 査 ) ( ) ( 論 文 内 容 の 要旨 ) 木 象 嵌 と は 一 般的 に 、 木に よ る 平 面装 飾 技 法 の一 種 であ る 。 種 々 の 木を 組 み 合わ せ 、 木の 色 相 ・ 質感 の 差 を 使 い 分 け て 模様 ・ 図 案を 描 出 す る。 こ の 技 法は 、 様々 な 呼 び 名 で いく つ か の類 似 し た 技法 が 世 界 に点 在 す る 。 国 内 に お いて は 、 木象 嵌 と 寄 木細 工 と は 区別 す べき 技 法 だ が 、 国外 に お いて は 言 語 とし て 木 象 嵌と 寄 木 は 区 別 さ れ な い場 合 が 多々 あ る 。 ヨー ロ ッ パ の技 法 では 、 木 だ け で はな く 、 木と 異 素 材 とを 組 み 合 わせ て 象 嵌 し た も の も 多く 見 ら れる 。 一 様 に、 主 な 用 途・ 技 法は 、 化 粧 板 と して 箱 物 や家 具 、 建 物の 内 装 へ の表 面 装 飾 、 或 い は 絵 画と し て 作製 さ れ る 木画 に 用 い られ 、 各国 の 文 化 に 沿 って 、 技 法的 に 改 良 され 発 展 し きた 歴 史 を 持 つ 。 現 状 、国 内 に おけ る 木 象 嵌の 知 名 度 は低 く 、箱 根 地 方 の 土 産物 と し て現 存 す る 技術 で あ る 事、 伝 統 工 芸 の 域 で 目 賭さ れ る 事は 事 実 だ が、 広 く 木 象嵌 を 主役 と し た 美 術 作品 の 流 通は 見 ら れ ない 。 裏 を 返せ ば 、 未 開 が 故 に 数 多の 可 能 性を 秘 め た 技術 と 位 置 付け ら れる 。 こ う し た 背 景に 基 づ く本 論 文 の 目的 は 、 自 身の 感 覚か ら 本 来 の 技 術を 再 考 し、 平 面 装 飾と し て 認 知さ れ る 木 象 嵌 に 潜 在 して い た 立体 化 の 可 能性 を 提 示 し、 独 自の 技 法 と し て の基 盤 を 成形 す る も ので あ る 。 本論 文 で 新 た な 木 象 嵌 表現 の 鍵 とな る の は 、筆 者 が 自 ら名 付 けた 「 漂 然 木 象 嵌」 で あ る。 本 論 文 は、「 漂 然 木象 嵌 」の 誕 生 か ら 現 在 まで の 展 開を 追 い 、 それ に ま つ わる 自 身の 経 験 や 思 想、 発 想 に つい て も 言及 す る 。 自ら の 精神 と 技 術 の 結 実 を試 み た 自作 を 考 察 し、 形 体 の 必然 性 を解 き 記 す 事 で 、筆 者 が 個と し て 抱 き追 求 す る 独自 の 世 界 観 を 言 語 化 し、「 漂 然 木象 嵌 」 に集 約 さ れ る理 想 ・観 念 ・ 木 へ の 賛美 に つ いて 全 文 を 通し 明 ら か にし て いく も の で あ る 。 第 一 章 で は 、研 究 の 土台 と な っ てい る 自 身 の考 え 方や 「 漂 然 木 象 嵌」 発 見 に至 る 経 緯 につ い て 述 べる 。 ま ず 、 自 作 に 共 通す る 大 きな テ ー マ とな っ て い る自 然 への 憧 憬 に つ い て、 自 身 の記 憶 や 実 体験 を 元 に 、そ の 感 覚 的 な 思 い の 実態 に 迫 る。 次 に 、 筆者 が 木 象 嵌と 関 わり 始 め た 初 期 の記 憶 ・ 経験 を 振 り 返り 、 従 来 の木 象 嵌 技 術 習 得 か ら 発進 し た 自身 の 作 品 制作 が 漂 然 木象 嵌 の探 求 へ と 転 換 され た 出 来事 に つ い て詳 述 す る 。章 内 で 語 ら れ る 経 験 や自 身 の 感覚 は 全 て 、筆 者 の 自 己表 現 とし て 「 漂 然 木 象嵌 」 が 生ま れ た 理 由を 裏 打 ち し、 こ の 新 た な 技 法 に 見る 魅 力 を強 調 す る もの で あ る 。
第 二 章 で は 、ヨ ー ロ ッパ の 木 象 嵌技 術 の 検 証を 目 的と し た 自 身 の フラ ン ス 留学 を 基 軸 とし て い る 。フ ラ ン ス の 木 象 嵌 で ある Marqueterie(=マケ ト リ ー )の 技 術修 得 か ら 得 た 知識 ・ 経 験を 、 そ れ まで の 自 身 の制 作 活動 と 照 合 し 、 全 体と し て 精神 面 ・ 技 術面 の 両 方 向か ら 漂然 木 象 嵌 の 改 善を 示 唆 して い く 。 フラ ン ス に おけ る Marqueterieは、 日 本 の 木象 嵌 と 寄木 細 工 の 両方 に 相当 す る 技 術 だ が、 フ ラ ンス の み な らず ヨ ー ロ ッパ 各 地で も て は や さ れ た歴 史 を 持ち 、 そ の 実績 と 汎 用 例は 日 本の 比 で は な い 。こ う し た背 景 は 、 筆者 の 中 に 想像 以 上 の 関 心 を 生 み 、木 象 嵌 の多 様 性 を 肯定 す る 事 で「 漂 然木 象 嵌 」 の 主 幹と な る 考え 方 を 洗 練し て い く 重要 な 転 機 と な っ た 。 異国 の 技 法を 知 る こ とは 、 新 た な視 点 で自 身 の 制 作 を 見直 す こ とに 繋 が り 、本 章 で は そう し た 視 点 か ら 日 本 の木 工 技 術を 俯 瞰 し 考察 す る 。 また 、 Marqueterieを 現代 の 生 き た技 術 と 位置 付 け 、 自身 の 工芸 観 に 共 鳴 し て いる こ と にも 言 及 す る。 第 三 章 は 、 博士 学 位 審査 展 出 品 作品 「 Vital Sign」に つ い て 述 べ る。 作 品 は部 屋 に 見 立て た 空 間 に「 自 然 か ら 与 え ら れ る開 放 感 」が 漂 う 様 をイ メ ー ジ して 表 現し た も の で あ る。 Vital Signと は 、生 命 徴 候 を意 味 し て い る 。 ’ ’ 息づ く も の’ ’ と 副 題を 付 け た 本作 の テー マ は 生 命 感 であ り 、 特に 焦 点 を 当て て い る のは 日 常 生 活 に 潜 む 自 然の 存 在 と、 そ の 美 しさ で あ る 。本 章 は、 コ ン セ プ ト 、素 材 、 作品 の 制 作 工程 、 の 順 に詳 述 し 、 作 品 が 完 成す る 過 程を 思 想 と 技術 の 両 方 向か ら くま な く 解 説 す る。 本 作 では 、 Marqueterieを 取り 入 れた こ と に よ っ て 、筆 者 が 作品 の ア イ デン テ ィ テ ィや ナ ショ ナ リ テ ィ に 関心 を 抱 き、 そ れ ら と向 き 合 っ て制 作 し た こ と が 一 つ のポ イ ン トと な っ て いる 。 本 章 をも っ て、 木 工 に お け る新 た な 技法 と し て の「 漂 然 木 象嵌 」 の 独 自 性 を 明 記 する 。 最 後 に 、 本 論文 を 通 して 明 ら か にな っ た 自 身の 世 界観 の 正 体 と 、 作品 「 Vital Sign」 を以 て 表 現 した 形 体 、 自 ら 確 立 させ た 漂 然木 象 嵌 の 在り 方 を 照 合す る と共 に 、 今 後 の 課題 と 展 望を 記 し 結 論と す る も ので あ る 。 ( 論 文 審 査 結 果の 要 旨 ) 箕 輪 茉 海 氏 は 、日 本 の 伝統 的 な 木 工芸 と フ ラ ンス の マケ ト リ ー を 組 み合 わ せ た独 自 の 木 象嵌 表 現 を 特徴 と し 、 自 ら そ れ を「 漂 然 木象 嵌 」 と 名付 け た 。 本論 文 の構 成 は 、 以 下 のと お り 3章 か ら な る。 第 1 章 で は 、「漂 然 木 象 嵌」 と い う言 葉 が 模 様材 を 台材 に 嵌 め 込 ま ない 透 か しに よ る 技 法で あ り 、「漂 う 状 態 そ の も の を 表す 木 象 嵌」 で あ る こと が 示 さ れる 。 つづ い て 、 そ の 独自 の 技 法に よ り 「 自然 か ら 与 えら れ る 解 放 感 」 を 表 すこ と を 目標 と し 、 境、 曲 線 と 直線 な どの 作 家 が こ だ わり を も つ造 形 要 素 につ い て 、 言葉 の 定 義 と と も に 過 去の 体 験 にも と づ い て論 じ ら れ てい る 。 第 2 章 で は 、 日本 で は 紹介 が 皆 無 に等 し い フ ラン ス の木 象 嵌 技 法 、 マケ ト リ ーに つ い て 、そ の 歴 史 のほ か 、 実 体 験 に もと づ い た制 作 プ ロ セス が 論 じ られ て おり 、 当 該 分 野 にお け る 貴重 な 資 料 とも な っ て いる 。 第 3 章 で は 、 博士 提 出 作品 の コ ン セプ ト 、 制 作プ ロ セス 、 展 示 を 中 心に 論 じ られ て い る 。1 章 で 述 べら れ た 様 々 な 要 素 とは 、 具 体的 に 「 建 物な ど の 人 工物 」 と「 蔦 な ど の 自 然」 が か かわ り あ う 様 で あ る こ と、 そ れ こ そ が 作 家 の めざ す 「 自然 か ら 与 えら れ る 解 放感 」 であ る こ と が 論 じら れ る 。そ の 後 、 独自 で あ る がゆ え に 複 雑 な 制 作 プ ロセ ス に つい て 、 写 真と 言 葉 に よっ て 、わ か り や す く 解説 が 付 され て い る 。 論 文 の 総 評 と して は 、 コン セ プ ト や表 現 、 技 法、 素 材に 対 す る 考 え 方に つ い て、 き わ め て明 快 か つ 丹念 に 言 葉 で 表 し 、 自己 満 足 に陥 る こ と なく 、 読 者 に誠 実 に伝 え よ う と す る点 が 高 く評 価 で き る。 特 に 独 自の 技 法 に 対 す る 「 漂 然木 象 嵌 」と い う 名 称は も ち ろ ん、 ひ とつ ひ と つ 自 作 のキ ー ワ ード と な る 言葉 に 対 し て十 分 に 定 義 を 行 っ て いる 点 は 、単 な る エ ッ セ イ で は なく 、 論文 と し て の 価 値を 十 分 に持 ち う る 優れ た 点 と いえ よ う 。 さ ら に 技 法の 説 明 は工 芸 分 野 にお い て 重 要で あ るに も か か わ ら ず、 文 章 化す る こ と に困 難 が 伴 うが 、 わ か り や す く 整 理さ れ て おり 、 後 学 の木 工 芸 作 家や 木 象嵌 に 関 心 の あ る人 々 に も意 味 の あ る成 果 と な って い る 。 惜 し む ら くは 今 後 の方 向 性 に つい て の 言 及が 不 足し て い る が 、 それ は 今 後の 制 作 活 動に 期 待 を 寄せ る こ と と し た い 。 以 上 の よ う に 論文 が 作 品の 背 景 ・ 技法 ・ コ ン セプ ト をき わ め て 明 快 に説 明 す るも の で あ り、 記 述 や 構成 に も 優 れ て い る こと か ら 、審 査 員 の 同意 の も と 博士 学 位に 相 当 す る も のと し て 意見 の 一 致 をみ た 。
( 作 品 審 査 結 果の 要 旨 ) 「 漂 然 木 象 嵌に よ る 空間 表 現 の 探求 」 に お いて 箕 輪茉 海 氏 は 、 こ れま で の 木象 嵌 に は 、見 る 事 の なか っ た 新 表 現 を 「 漂 然木 象 嵌 」と 名 付 け て、 独 自 の 表現 技 法を 日 本 の 木 工 芸と フ ラ ンス の 木 象 嵌技 法 「 マ ケト リ ー 」 と の 組 み 合わ せ と 融合 に よ っ て展 開 し 、 空間 表 現作 品 と し て の 具現 化 を 試み た 。 そ の成 果 は 、 2019年 度 東 京 藝 術 大 学 博士 審 査 展で の 展 示 発表 で の 高 い評 価 と多 く の 来 場 者 に注 目 さ れた 事 に 、 その 成 功 を 伺い 知 る 事 が で き る 。 特に 注 目 を集 め た 、 机の 天 板 装 飾に 用 いら れ た 「 マ ケ トリ ー 」 によ る 表 現 には 、 作 者 の描 写 力 と デ ザ イ ン 力 の高 さ を 示し て い る 。マ ケ ト リ ーに つ いて は 、 論 文 の 第二 章 に おい て 、 フ ラン ス の パ リに あ る エ コ ー ル ・ ド ・ブ ー ル 工芸 学 院 へ の留 学 中 の 実体 験 を元 に 、 そ の 制 作プ ロ セ スを 詳 細 に 論じ て い る 。こ の 論 考 の 中 で 日 本 とフ ラ ン スの 木 象 嵌 との 歴 史 的 背景 と 現状 を 踏 ま え 、 木象 嵌 と マケ ト リ ー の差 を 両 国 の文 化 の 差 と 認 識 し 、 日本 的 な 要素 と フ ラ ンス ( = ヨ ーロ ッ パ) 的 な 要 素 を 自覚 的 に 自身 の 制 作 で組 み 合 わ せる こ と で 、 新 た な 表 現と し て 確立 を 目 指 して い る 。 と述 べ てお り 、 本 作 品 は漂 然 木 象嵌 と し て 新た な 表 現 の一 歩 を 踏 み 出 し た 成 功作 で あ る。 「 Vital Sign」 と 名 付け ら れ た この 作 品 は 、第 3章の 冒 頭 で 述 べ られ て い る様 に 、 机 ・椅 子 ・ 窓 のよ う な構 造 体 に 漂 然 木 象嵌 を あ しら い 、 部 屋を 想 起 さ せる 空 間表 現 作 品 で あ る。 「 自 然 か ら 与 えら れ る 開放 感 」 を テー マ に 、 作者 が 日常 の 中 に 感 じ た自 然 の 息吹 を 可 視 化し 、 鑑 賞 者に 心 地 よ さ を 伝 え る作 品 と して い る 。 机・ 椅 子 は 床を 通 して 一 体 化 し ,その 関 係 性 には 作 者 の強 い 空 間 意識 を 表明 し て い る 。 机 ・椅 子 に 植物 を モ チ ーフ と し た 漂然 木 象嵌 を あ し ら い 、木 象 嵌 とマ ケ ト リ ーの 技 術 を 融合 さ せ た 表 現 に 技 術 力の 高 さ を感 じ る 。 壁面 に 掲 げ た窓 枠 に格 子 戸 を 納 め たよ う な 構造 体 に は 、自 然 木 の もつ 色 彩 を 巧 み に 使 い 窓辺 に 映 える 夕 日 を 表現 し て お り、 机 ・椅 子 ・ 床 ・ 窓 を一 体 と した 作 品 は 、そ の テ ー マ性 と 空 間 表 現 力 に 優 れた 秀 作 であ る 。 木 工 芸 に お ける 新 た な技 術 の 展 開と 表 現 領 域の 広 がり を 今 後 の 創 作に 期 待 でき る 学 生 であ り 、 博 士学 位 に 相 当 す る 作 品 と認 め る 。 ( 総 合 審 査 結 果の 要 旨 ) 箕 輪 茉 海 氏 は、 木 工 芸の 確 か な 技術 を 習 得 、研 究 し、 木 象 嵌 作 品 の法 隆 寺 に伝 来 す る 「木 画 手 箱 」と の 出 会 い 、 重 要 無 形文 化 財 「木 工 芸 」 の保 持 者 で ある 大 坂弘 道 氏 と の 出 会い 、 ア ルフ ォ ン ス ・ミ ュ シ ャ の流 れ る よ う な 美 し い 曲線 の 出 会い 、 そ し てフ ラ ン ス のパ リ にあ る エ コ ー ル ・ド ・ ブ ール 工 芸 学 院へ の 留 学 中に 「 マ ケ ト リ ー 」 の 更な る 研 究を 高 め 日 本の 技 術 の 木象 嵌 、と 併 せ て 独 自 の表 現 を 考案 し 「 漂 然木 象 嵌 」 と命 名 し 立 体 的 な 木 象 嵌、 マ ケ トリ ー を 用 いて 空 間 表 現の 探 求を し て い る 。 幼 少 期 の 三 宅 島に 再 訪 する 度 に 三 宅島 の 生 活 は癒 さ れる 感 覚 を 得 て きた 。 「 自 然 か ら 与 えら れ る 解放 感 」 は 、木 象 嵌 、 マケ ト リー の 作 品 制 作 にお い て 重要 な キ ー ワー ド に な る。 論 文 構 成 に お いて 章 立 ても と て も わか り や す く、 丁 寧に 説 明 さ れ て いる の で 読ん で い て 安心 感 が あ る。 「 Vital Sign」は 木 象 嵌と マ ケ ト リー の 組 み 合わ せ で木 工 表 現 に 新 たな 技 法 とし て 確 立 し、 木 象 嵌 の新 た な 空 間 表 現 を 構築 し た 。 絵 画 的 な 空 間 表現 を 構 成す る た め に様 々 な 色 の薄 い 板を パ リ の 現 地 で調 達 し た。 木 象 嵌 に よ る 絵画 表 現 のた め に は 、可 能 な 限 り多 く の色 味 が 必 要 に なる 。 「 Vital Sign」は 作 者 の色 の 感 性 、色 構 成 、 材 料 の 構成 で よ り 自 然 な絵 画 表 現が 完 成 す る。 机 、 椅 子、 床 、 窓 を 含 め た空 間 表 現は 高 い 技 術力 、 表 現 力、 構 成力 は 軽 快 で あ る。 象 嵌 され た 植 物 を忠 実 に 表 現さ れ て い て 、 自 然 な 色味 の 表 現と 、 象 嵌 の技 術 は 秀 逸で あ る。 日 本 の 木 工 分 野、 ま た ヨー ロ ッ パ マケ ト リ ー の分 野 にお い て も 注 目 され る 作 品で あ ろ う 。よ っ て 博 士学 位 に 相 当 す る も ので あ る 。