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IRUCAA@TDC : 本学における「オーラルメディシン・口腔外科学講座」の役割

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

本学における「オーラルメディシン・口腔外科学講座」

の役割

Author(s)

野村, 武史

Journal

歯科学報, 116(5): 5i-5i

URL

http://hdl.handle.net/10130/4130

Right

Description

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本学における

「オーラルメディシン・口腔外科学講座」の役割

野 村 武 史

昔ほどではないにせよ,今でも学生に「オーラルメディシンってどんな学問ですか?」と聞かれる ことがある。オーラルメディシン学は,1946年に Lester W. Burket が有名な Oral Medicine の著書 を出版し,その後1966年に The American Academy of Oral Medicine が設立され学問体系が確立し た。従ってオーラルメディシンは,米国で発展した比較的新しい学問ということになる。このオーラ ルメディシンを,本学出身の加藤倉蔵先生が1968年に初めてわが国に導入して,今では日本における 歯科医学の発展に欠くことのできない学問へと成長した。2016年に,我が国で初めての「口腔内科学 (Oral Medicine)」の教科書が出版された。この本の冒頭でオーラルメディシンは,「全身的背景を考 慮した口腔疾患の診断と治療を目的とする学問」と書かれている。したがって Burket が提唱して以 来,本講座がめざすものは,その時代における医学の進歩と歯科医学の進歩をつなぎ合わせることで あり,これを探求することが本講座の存在意義だと考える。 さて,次に市川総合病院の中にある本講座の役割について話を移す。当講座の初代主任である川島 康先生が,40年前の巻頭言で記された「市川病院の意義と最近考えること」の中で,市川総合病院の 担う役割は次の三つであると述べている。一つは総合病院内での専門過程学生に対する年間を通じた 教育と研究の指導,二つめは本学関係者の健康管理,三つめは地域住民に対する医療の貢献である。 高度経済成長が後押しする時代に,今とは異なる状況の市川総合病院であったが,その役割は現在と 何ら変わっていないことが分かる。超高齢社会が進み,経済が停滞しているこの時代に,我が国の医 療は一日も早く地域包括ケアを確立しなければならない状況にある。市川総合病院は,東葛南部医療 圏における中核病院としてこれを喫緊の課題として取り組んでいる。我々歯科医師も,当然チーム医 療の一員として貢献しなければいけないし,地域での病診連携を今以上に押し進めなければならな い。昨年から始めた,周術期口腔機能管理を通じた地域歯科医師会との連携事業は,まさに全国に先 駆けた取り組みである。500床以上の総合病院では,現在その機能を高度専門医療に集中すべきであ るとして,厚生労働省は地域診療所との機能分担を図っている。総合病院歯科の置かれている立場も 同様で,治療の主体は全身疾患患者の一般歯科治療から高難度口腔外科治療へと比重を変えつつあ る。従って,当然ながら口腔外科学の概念がないと高度な総合病院歯科の機能を果たすことはできな い。市川総合病院は,1997年から歯科に加えて歯科・口腔外科が標榜され今に至る。全身疾患を持つ 患者が当たり前になった現在,一般歯科治療のほとんどは地域診療所に委ねる時代が来たのではない だろうか。オーラルメディシンの学問だけでは,総合病院の中でその任を担えない,そのための 「オーラルメディシン・口腔外科学講座」なのだと理解している。 福沢諭吉先生は,「学問のすすめ」の中で,学問には個人的・社会的の二つの目的があると述べて いる。個人的な目的は生活の独立のためであるが,社会的な目的は,業績によって社会の進歩に貢献 することであり,それは人間の義務であると説いている。オーラルメディシン・口腔外科学の存在理 由が国民に理解され,真に必要だと認識される学問にしていくことが,ひいては大学の発展につなが ると考える。本講座の主任となられた歴代の先生方は,その時代時代に合わせ,この講座のもつ意義 を明解に説いてきた。その流れは今も寸断されることなく脈々と流れている。講座主任を拝命し,教 室を発展させるためには,医局員を含め,大学関係者,同窓生,学生の方々とともに,オーラルメ ディシン・口腔外科学講座の持つ「現代における役割」を共有することが必要である。もし市川総合 病院で働くチャンスがあれば,多くの方に門戸を開き,ぜひこれからの総合病院歯科を体験してほし いと願っている。 (東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座 教授)

参照

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