IRUCAA@TDC : フィリピン人における唾液の遺伝標識に関する研究
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(2) 549. 盾 著フィリピン人における唾液の遺伝標識に関する研究* 堤 強 東京歯科大学法歯学講座 (指導:鈴木和男教授) (1991年12月3日受理). studies of Salivary Protein Polymorphisms in a Philippine Population Tsuyoshi TsUTSUMI Department of Forensic Odontology, Tokyo Dental College (Director : Prof. Kazuo Suzuki). の変異型の発見以来,唾液に特有な蛋白および酵素の多. 緒 言 ヒトの正常遺伝形薯には,その表現型が単一遺伝子座. 型が涜々と報害されてきており,それらのDNA遺伝子. と一対-の対応関係が存在するものが数多く知られてお. 啓もクローニングされつつある8)12)。その結果,多くの. り,その形質はメンデル性遺伝をするo このような遺伝. 唾液蛋白の遺伝子が葉似したいくつかの遺伝子群のクラ. 的多型形薯は,法医学上の個人識別,親子鑑定,遺伝病. スターをなしていること,つまり,遺伝子ファミリーを. の診断の予測,さらに集団問の遺伝学的近縁性の調査な. 構成することがわかってきた。現在までに唾液アミラー. どにとって,極めて有用な情報を与えてくれる.従来,. ゼは3つ,プロリンリッチプロテインは6つ,ヒスタチ. 遺伝的多型形薯の検索は,主に血液を用いておこなわれ. ンは2つ,シスタチンは6つの遺伝子座位が存在するこ. てきた。これは1901年のABO式血液型の発見に始ま. とが示されてきている12)これらのうち,あるものは唾. り,つづいて多くの赤血球抗原型(いわゆる血液型),血. 液蛋白の多型とDNA遺伝子座との関係が解明されてい. 清蛋白型,赤血球酵素型,白血球型などが発見され,今. るが,まだ明らかになっていないものも多く存在する。. 日の多岐を見るに至った1)2)3)4)5)6)7)。また血液のみでな. フィリピン共和国は, 7,100を超える島々からなり,. く,唾液など諸種の体液にも,各体液特有の遺伝的多型. 大きくはルソン,ピサヤ諸島,ミンダナオの3地方に分. 形繋が存在することもわかってきた8)9)。近年のDNA. けることができる。周囲は北はバシー海峡をはさみ台湾. 研究の発展によりこれら多型の遺伝子がクローニングさ. に,西は南シナ海をはさみ中画やベトナムに,南はスル. れ, DNAを用いてのみ検出可能なイントロン部分に存. 海,セレベス海をはさんでマレーシア(サバ州),インド. 在する多型の発見10)により,遺伝的多型形覚の数は,将. ネシアに囲まれ,東側には,パラ*,ヤップ島などのミ. 来の予測が困難なほどに増加しつつある。. クロネシアが位置している。その地理的な環境から人種. 唾液に認められる遺伝標識としては,古くから,ABO. の移動経路となり,その結果,内陸部に追いやられ土着. 式血夜型と関連したSe-se式血液型, V-v式血液型な. 文化を守った民族などで非常に複雑な人種構成をしてい る13)14)15)。. どが知られている2)3)が, Wardら1°によるアミラーゼ. フィリピン人の自然人類学的,文化人類学礼民族学 的,考古学的および言語学的な研究は多くあるが,遺伝. *本研究の一部は第70次日本法医学会総会(昭和61年5 月15日,名古屋),および第241回東京歯科大学学会総会 (平成2年10月10冒,千葉)において発表した。. 生化学的研究は,ネダリトについて詳編な報吾がある16' 17)18)19)20)21)22)23)24)ものの,フィリピンの一般集団につい fill.
(3) 堤:フィリピン人の唾液の遺伝標識. 550. ては,赤血球の血液型,赤血球酵素型,血清型,白血球. し,定電流35mAで約13時間水平電気泳動を行った。ま. 型など個別に検査されている25)26)27)28)29)30)31)32)33)34)35)36). たAmy!の変異型と判定された唾液は12×22×0.6cm. 37)38)39)40)41)のみで,総合的な研究は, Windhof and. のゲル板を用い,泳勤展開距離を長くして,お互いの塾. Walter42'の報吾のみである。彼等は赤血球の血液型,. の相違を検討した。. 血清型,赤血球酵素型の計18種の多型について調査して. 染色は泳勤後に,ゲルを2枚にスライスし, 0.0067M. いるが,唾液の多型を用いてフィリピン人の調査をおこ. 塩化ナトリウムを含んだ0. 02Mリン酸緩衝液(pH7. 0)に 1 %の割合に可溶性デンプンを加えた溶夜中に15分間置. なった報吾は場在までに見当たらない。 そこで著者は,フィリピン在住の住民より耳下腺唾液. き, 1度水洗いした後,ヨード;0.7g,ヨードカリ;. を採取し, Amy!(salivary amylase)n), Pb(parotid. 1.3gを100mlの蒸留水に蕃解したヨード・ヨードカリ. basic proteins)' 酸性プロリンリッチプロテイン. 溶液の5倍希釈液で2-3分間染色した。. (pRp)44)45)46)47)48)49)) pm (pmF) (parotid middle-. 3. Pb型の検査法 Pb型の検査は,デンプンゲル電気泳動法によりおこ. band protein)50¥ PmS5", Ps (parotid size vari. なった。. ant proteins)50, Gl (major salivary glycoprotein) 52)の多型の検査を行い,これらの多型の出現強度,遺伝. 泳動用ゲルはデンプン(Connaught社製) ; 79g,尿. 子頻度の調査,および変異蛋白の比較検討を行った。さ. 素;120g,乳酸アルミニウム;3.53g,乳酸;ll.4ml,. らに,その結果を大東遺伝学的考察資料として,他人種. 蒸留水; 400mlを混合し,加熱溶解して作製したo ゲ. との比較を行ったところ,輿味ある結果を待たので,そ. ルは11×13.5cmで2mm厚のものを作製し,泳動槽用. の詳細を報害し大方の御批判を待たいと思う。. 緩衝液は0. 03M乳酸アルミニウム乳酸緩衝液(pH2. 4)香 用い,縦型の電気泳動を行った。唾夜は,凍結乾燥後,. 実験材料および方法. 塩素性フクシンで着色した20%サッカロースに5倍濃縮. 1.唾液試料. になるように再溶解し,そのうち10idを注入した。泳. 唾液は耳下腺唾液をCurby type double chamber cupにより個別採取した。唾液試料は,フィリピン大学. 動は -c,定電圧200Vで,フクシンがゲル板のほぼ中 央に到達したところで中止した。. の学生167名,マニラ在住のフィリピン人30名,および. 染色法は Sung and Smithies5 の方法によった。. シンガポール在住のフィリピン人3名,計200名を対象. すなわち, 1%酢酸溶夜1000mlに1.23gのアミドブ. とし,採取後直ちに-20℃に凍結し,その後ドライアイ. ラック10Bを溶解し,染色前に1M硝酸コバルト3ml. スを入れた箱にて,凍結状態で空輸し,検査に供した。. を加えた染色液を用いたo泳動終了後,ゲルを室温で約. 採取にあたっては,被検者の年令,性別,出身池(また. 12時間染色L D. 5M硫酸で約30-60分間脱色をおこな. は人種)についても調査した。被検者の出身地は, 171名. い判定した。. (85. 5%)がルソン, 18名(9 %)がピサヤ諸島, 5名(2. 5%) がミンダナオ,その他の地域が6名(3%)であった。. 4・酸性PRPの多堅PRHl,PRH2型の検査法 PRHl,PRH2 は,等竃点電気泳動,塩基性ポリ. 2. Amy!型の検査法. アクリルアミドゲル電気泳動, SDS電気泳動法を併用 して判定した。. Amy!型の検査はWardら11)の方法に従い,ポリア クリルアミドゲル電気泳勤法により行った.. 等電点電気泳動法は, Azen and Denniston 47)の方. 泳動用ゲルはアクリルアミド;28g, N, N'-メチ. 法によりpHrange3.5-5.2の尿素ポリアクリルアミ. レンビスアクリルアミド;0.74g, N, N, N', N'-. ドゲルによる電気泳勤を行った。ゲルの作製は,まず溶. テトラメチルエチレンジアミン(TEMED) ;0.34ml,. 液Aと溶液Bを準備したoつまり溶液Aはアクリルアミ. 0.037Mトリス-塩酸緩衝液(pH8.6) ; 480ml, 3.5%過 硫酸アンモニウム;20mlを混和し, 5.6%アクリルアミ. 0.066g,尿素; 10g,を15mlの蒸留水に溶解し全量. ド;2.33g, N, N'一メチレンビスアクリルアミド;. ドゲルを作製した。泳動槽用緩衝夜は 3.2Mトリスヒ. を30mlとした。溶液Bは過硫酸アンモニウム;0.25g,. ドロキシメチルアミノメタンと工5Mグリシンを含むpH 8.3の緩衝液を用いた。ゲル枠は22×18×0.6cmものを. 次に20mlの溶液A, 0.5mlのpH3.5-5.0アンフォラ. リボフラビン; 0.002gを50mlの蒸留水に溶解した。. 用い,唾液試料は, lox 5mmの濠紙片1枚に約IO^Z. イン, 0.5mlのpH4 アンフォライン, 2.2mlの溶. の唾液をしみこませ,陰極側から約4cmの位置に挿入. 液Bを混合し, 0.8mm厚のゲルを作製した。陽極の電 142.
(4) 歯科学報 Vol. 92, No. 3 (1992). 551. SDS ;0.3ml,過硫酸アンモニウム溶液;0.3ml, TEMED ; 0.03mlを混合して作製し,濃縮用ゲルは前 記の5%濃縮用ゲル作製時に, 10%SDS ;0.1mlを. 極夜は1Mリン酸溶夜,陰極の電極液は1Mグリシンを 用いた。唾液サンプルは約40βを2枚の0.5cmX Icm のTOYO波紙N0.1にしみこませて,ゲル上にのせ,定 TCAで固定し,自蔵したバンドを窯の背景の透過光で. 追加混合しゲルを作製した。泳動槽用緩衝液は6 g ;ト リスヒドロキシメチルアミノメタン,28gグリシン,1g. 観察するか,またはクーマシーブリリアントブルーRl. s D Sを水で1000mlにしたpH8. 3の緩衝液を用いた。. 250を20%TCAに0. 1%で溶解したもので-晩染色し観. 唾夜試料はIfylの耳下腺唾液を凍結乾燥後,終濃度が. 電力15Wで4 - 6時間泳動した。泳動終了後ゲルは, 20%. 1%SDS,1%2-メルカプトエタノール, lOmMトリ. 察した。 塩基性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法は, La-. ス塩酸緩衝液(pH6.8), 20%グリセリンになるように溶. emmli55)の方法からS D Sを除いたシステムで15%ゲ. 解し, 100℃で5分煮沸した後,泳動した。泳動は定電. ルを作製し泳動した。泳動用の保存液は,以下のごとく. 流35mAでB P Bがゲルの先端に到達するまで泳動を継. に作製した。アクリルアミド保存液:アクリルアミド;. 続した。泳動後のゲルは,Minaguchi and Suzuki5の. :, N, N -メチレンビスアクリルアミド;1.2g. 方法により染色したoつまり,ゲルを0.03M乳酸アル. を蒸留水に溶解し100mlとする。過硫酸アンモニウム保. ミニウム乳酸緩衝液(pH2.4)で1時間平衡化した後,. 存液:過硫酸アンモニウム;0.2gを義留水で2mlに. 1.23g/Zの割合にアミドブラック10Bを1%酢酸溶夜. する。 1.5Mトリス塩酸緩衝液(pH8.8) :トリスヒドロ. に溶解し,その溶液200mlに対し).6mlの1M硝酸コ. キシルアミノメタン;18.15gを6N塩酸でpH8.8にあ. バルトを加えた染色液で一晩染色後, 600mlの0. 5M硫. わせて100mlにする。 0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH. 酸に10%デンプン(Connaught社製)および15%尿素を. 6.8):トリスヒドロキシメチルアミノメタン;6gを6. 煮沸溶解した溶液100mlとを混合した脱色液にて6時間. N塩酸でpH6.8にあわせて100mlにするo泳動槽用緩. 脱色した。. 衝液:トリスヒドロキシメチルアミノメタン;6g,グ. 5. Pm(PmF)およびPmS型の検査法. リシン; 28gを蒸留水で1000mlにする(pH8.3)。分離. Pm(PmF)型, PmS型の判定は, Shintaniet al.. 用ゲルは,アクリルアミド溶液;10.lml, 1.5Mトリス. 57)の方法に従い,酸性尿素ポリアクリルアミドゲル電気. 塩酸緩衝液(pH8.8) ; 7.5ml,蒸留水; ll.8ml,過硫 酸アンモニウム溶液; 0.3ml, TEMED ; 0.03mlを混. 泳勤法により行ったO分離用ゲルは11.5%シアノガム. 合し, 13.5×11×0. lcmの15%ゲルを作製した。濃縮用. 物), 3M尿素 3mg硫酸第一鉄, lOOmgアスコルビ. ゲルは,アクリルアミド溶液;1.lml,蒸留水;6.2ml,. ン酸を0.03Mトリス乳酸緩衝液(pH2.4)に溶解し, 100. 過硫酸アンモニウム溶液; 0.lml, TEMED ; 0.01ml,. mlとしたものを冷却後, 25///の30%過酸化水素水を加. 0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH6.8) ; 2.5mlを混合し,. えてゲル化して作製した。濃縮用ゲルは,アクリルアミ. 5 %ゲルを作製した。唾液サンプルは,耳下腺唾夜25/d. ド;0.4g, N,N'-メチレンビスアクリルアミド;0.1g. (95%アクリルアミド, 5%ビスアクリルアミド混合. を凍結乾燥後, 20%サッカロースにBPBで着色した溶. を10mlの0. 235Mトリス塩酸緩衝液(pH7. 2)に溶解後,. 液10p自こ再溶解し,各レーンに注入した。さらに4℃. TEMED; 10///, 10%過硫酸アンモニウム; 0.lmlを. において,定電圧100Vで泳動を開始し, BPBが分離. 加えてゲル化させて作製した。. 用ゲルに入りこんだら400Vにあげ,さらにBPBがゲ. 唾液試料は約70両の耳下腺唾液を凍結乾燥後,. ルから流出した後, 3時間泳動を継続した。泳動終了. ).03Mトリス乳酸緩衝液に20%サッカロースを溶解し,. 後,ゲルはクーマジーブリリアントブルーR-250を20%. ダイヤモンドフクシンで着色した溶解10///で再演解し. トリクロル酢酸に0. 1%で溶解した溶液で一晩染色し,. た後,泳動に供した。泳動は,定電流40mAで4℃のも とでおこない,フクシンがゲルから流れ落ちたところで. 2 %酢酸にて12時間脱色した. SDS電気泳動法は, Laemmli5 の方法によった。. 終了した。ゲルの染色および脱色は,酸性PRPの塩基. つまり前言己の塩基性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法. 性ポリアクリルアミドゲルの染色および脱色と同様にお. において,ゲルおよび泳動槽用緩衝液にSDSが0.1%. こなった。. 含有されるように溶解した。ゲルは10%ゲルを用い,ゲ. 6. Ps型およびGl型の検査法. ルの作製はアクリルアミド溶液;6.8ml, 1.5Mトリス. ps型, Gl型の検査法はLaemmli65)の方法に従い,. 塩酸緩衝液(pH8.8) ; 7.5ml,蒸留水; 15.1ml,10%. それぞれ10%および12%ゲルS D S電気泳動法により 143.
(5) 堤:フィリピン人の唾液の遺伝標識. 552. 行った10%ゲルの作製は酸性PRPのSDS電気泳動 法による検査法と同様に作製し, 12%ゲルはアクリルア. 月 -¥千、千c.・>(). ミド溶液; 7.9ml,上5Mトリス塩酸緩衝液(pH8.8) ; 7.5ml,蒸留水;14ml, 10%SDS ;0.3ml, 10%過硫 酸アンモニウム溶液; 0.3ml, TEMED ; 0.03mlを混 合して作製した。その他の濃縮用ゲルの作製,唾液試料 の前処理,電気泳動,染色,脱色はいずれも酸性PRP のS D S電気泳動法による検査法と同様におこなった。. で算出される。その結果, Dの値が大きい程,集団問の. 7.遺伝子強度の均質性の検定および遺伝距離の算出法. 遺伝距離が遠いということになる。. (1)遺伝子鹿度の均賛性ゐ検定 遺伝子塵度の推定値の間の均賛性の検定法は以下のご. tmj.i 闇 雲. とくおこなった58)。. 1. Amy!型. k個の大きさni, n2, n*の標本についてpの. Amyj型の泳動像は図1に示したごとく,ヨード・. 推定値Pi, P2, -・pkを求めたとき,これらの問の. ヨードカリ染色によりアイソザイムのバンドが白く抜. 均質性の検定は. け,通常6-8本のバンドが出現する。変翼型の検体は 正常型のバンドに加えて原点寄りに1本の太いバンドと. A. HE. マイナーバンドが対になってあらわれる199人のフィ. ∑ 2n,-(p了-VtY ^a. リピン人について検査したところ, 6人に変翼型が認め. pr(1 -pr). られた。これらは,バンドの易動度の違いにより, 5型. d.f.-fe-1. に分かれた.図1に示したAmyjV! (channel; 5). でx2検定を行った。ただし, pTはk個の標本を総合し た上で求めたpである。. 1 2 3 4 5 6 7 8. (2)遺伝距離の算出法 遺伝距離の算出法はCavalli-Sforza and Edwards59 の方法によりおこなった。 本法を簡単に述べると,以下のごとくとなる。 遺伝子頑度データを 対 立 遺 伝 隻 団 A. 集 団 B. 子 番 号 遺 伝 子 1 ,. 座 番 号. 2 ,. I , ‥m. 1,. 2 , ‥ 一,. ‥m. 1 2. [p , w ). メ. P B i i.. n. p有, Pb, 集団Aまたは,集団Bのj番目の遺伝子 座のi番目の対立遺伝子の頻度 で表したとき,遺伝距離(D)は,. 図1 8人の唾液のアミラーゼの泳動像。 1-3は正常 型, 4-8はフィリピン人に認められた変異型で, 変翼型は原点寄りに過剰のバンドを持つ。. 1 :Amy^ 2 :Amy^ 3 :Amy^ 4 :AmylF2 5 :Amy^i 6 :AmyjN. c。s9-芸、/玩二二五 1-1. 7 :AmyjN 8 :AmyiN 144.
(6) 歯科学報 Vol. 92, No. 3 (1992). 553. 表1 Amyl変翼型の出場強度. フィリピン 大. 検査数. A m y ,N. 199. 193 (97.0% ). 東. 京. 525. 奄. 美. 70. 沖. 縄. 106. 513 (97.7% ) 70. A m y iV i A m y iV , A m V iV ; A m y jF , A m y ,F 2 A m y jF g A m y 1F 4 1. 0. 0. 2. (0.5% ll. l.( 0. (2.1% 0. 1. 1 0 .5%. 1. 0 .5%. 文. 献. presentstudy. (0 .5%. 0. 0. 0. 0. 水口ら62). 0. 0. 0. 0. 0. 高江洲6°. 1. 0. 0. 0. 0. 高江洲6°. 0. 0. 0. 0. 高圧洲61). 0. 0. 0. 0. 高江洲61). 1 (0 .2%. 0. 100% 103 (97.3% ) 宮. 古. 八憂山. 100. 112. 1 (0.9%. 96. 1. (96.0% ). IK ). 112. 0. 1 0.9% 0. (0 .9% ) 3 3% ). 0. 0. 100% ). は,日本人に最も多く認められたもの60)と同じ型であっ. 表2 Amy!型遺伝子頻度の分布。 Amy! "は 変異塾を総合した遺伝子強度。. たが,残りの4型(channels; 1-4)は,本州の日本 人,南西諸島の日本人に認められている3型の変異型61). . 遺 伝 子 頻 度. のいずれのものとも変異型バンドの易動度が異なってい. 人. 種. 検査数. た Merritetal.e はこの変異型をAmy, B-Gの6 型に分幾しているが,本研究において兄いだされたもの がいずれに相当するかはコントロールサンプルがないた め明らかにできない。そこで,フィリピン人に新たに. 文. 献. A m y , 〟A m y , " F ilip in o s. 199. 0 . 0 15. 0.985. P r es en t s tu d y. C a u c a s ia n s. 961. 0.004. 0.996. M er rit et a l.63>. A fro -A m er ic a n. 208. 0.039. 0.96 1. M e rrit et a l.. 0 . 0 18. 0.98 1. M e rrit et a l.. O rien tal-A m er ica n. 27. 認められた4型の変異型を仮にそれぞれAmyjFi,. B la c k - N ig er ia n. 10. 0 . 10 6. 0.894. M e rrit et a l.. AmyiF2, Amj^Fg, Amy^と命名し,本州および. C a u c a s ia n s. 96. 0. L OO. M inag uchietal.66). 南西諸島のE]本人に認められた変異塾と比較すると,義. N e g r ito s. 42. 0. 1. 0 0. 水 口 ら67). 1のごとくとなった。フィリピン人は日本人と比較し,. M alay s (M alay sian ). 406. 0 . 0 05. 0.995. T e n g e t a l.6. 多種類の変異型が存在することがわかる。 Merrit et al.. C h inese (M alasm n. 157. 0 . 0 06. 0. 9 9 4. T e n g e t a l.e. 63)の報吾をみると961人のCaucasian Americanの. In d ia ns (M ala sian ). 127. ). 03 9. ). 9 6 1. T e n g e t a l.68). Amy!型を検査し, 7例(0.7%)の変異型に3つの異な. S en o i (M a la ys ian ). 115. 0. 1. 0 0. T a n e t a l.e. る塾を兄い出し,そのうち5例はAmy!C型であっ. A b orig ina l-M alay s. 111. 0. 1. 0 0. T a n et a l.e. J a p a n e se (東 京 ). 525. 0. 0 1 1. 0. 98 9. 水 口 ら62). J ap a n ese (南画諸島). 388. 0. 0 09. 0. 9 9 1. 高 江 洲 61). た。さらに208人のAfro-Americanを検査し, 16例 (7.7%)の変異型に4つの異なる型を兄い出し,そのう ち11例はAmy! E型であった。これらの結果を考え合 わせてもフィリピン人は変異型の種薬が多くその塵度も. が,モンゴロイド系と考えられている日本人(東京,南. 分散していることがわかる。. 西諸島住民),中固^,マレー人,ネグリト,セノイな. アミラーゼの変異型は等電点電気泳動法によっても検. どの人種の中では最も高い値であった.さらに,フィリ. 出できることが知られている64)。しかし,等電点電気泳. ピン人と,日本人,中国人,マレー人,インド人のアジ. 動法による変異型は,本研究におけるものとは異なる遺. アの4人種との問についてのみ遺伝子鹿度の均繋性の検. 伝子座位の変異を検出していると考えられている65)そ. 定をおこなった場合は,インド人に対してのみ統計的に. こで薬似したシステムによる同種の変異を検出している. 有意差が認められた(x2-3.995, d.f.-1, 0.02<P. 報吾の変異塾を統合した頻度についてまとめてみると,. <0. 05)。. 表2のごとくとなる。フィリピン人の頻度をアジアの人. 2. Pb型 図2は, 7人の耳下腺唾液の酸性尿素デンプンゲル電. 種のみについて比較してみると,インド人よりは低い. 145-.
(7) 堤:フィリピン人の唾夜の遺伝標識 表3 Pb型遺伝子頻度の分布 遺伝子頑度 人. 種. 】 文. 検査数 Pbl. 献. P b2. 1. 0. P resen t stu dy. 90. 0.84. 0.16. A zen 4. 101. 0.995. 0.005. A zen 43). 2 38. 1. 0. 水 口ら62). Japanese (南西諸島) 2 40. 1. 0. 高江洲61). W estA frica (Bozo). 71. 0.80. 0.20. Pals and Pronk. K en y a. 2 00. 0.88. 0.12. Pronk et al∴ 71). G erm an. 月0. 1. 0. Pals and Pronk7. F ilip in os. 133. U S A (B la ck s ) U SA. W h ites. Ja pan ese (東京). されていないが, 4化学的性窯はPRH2の産物と考えら れ,ここではPRH2の産物として扱った49)。 pRH座位 の各形質と遺伝子産物との関係を示すと表4のごとくとな る。この分革法に蓋づいて酸匪PRPの型を判定したo図 3a- は, 7人のフィリピン人の耳下腺唾夜を用いた酸 性PRPの泳動像を示したものである。酸性PRPの判 定は,等電点電気泳動法でDb, Pa, PIF, At,および. 図2 7人の唾液のPb型の泳動像o Pb蛋白は鼻も陰 極寄りに泳動されるが,いずれも4本のバンドが観 察され, 1-1型として判定される。. Prl, Pr2, Auの検出を行なった。 Asは等電点電気泳 動法で判別ができないため, S D S電気泳動法により検出 し,さらにAs, At, Auの変異蛋白は塩基性ゲル電気泳動. 気泳動像を示している. Pb蛋白は最も陰極側に泳勤さ れるが,通常4本のバンドを持つ111型, 2本のバン. 表4 酸性PRPと遺伝子座位との関係. ドを持つ2-2型,両方が重なり5本のバンドとして観. Pa2は,当初は PRHI3の産物として扱われたが, PRB3の産物であることがわかった76)。ここでは仮に PRH I3のalleleとして括弧で示した。 Auの生化学 的性質はPRH 2座位に属するが,遺伝学的裏付けはま だ待られていない。ここではPRH24として括弧で示 した。 AwとAvは発端者のみに認められているため alleleに割当てていない。. 察される1-2型に分顛されている。 133例のフィリピ ン人について検討したところ,図2に示したごとくすべ て111型でPb2の遺伝子は兄い出されなかった。表 3は窮在までに報吾されているPb型の遺伝子頻度をま とめたものであるが, Pb2は黒人のみに認められ,白 人およびアジアの人種にはほとんど兄い出されていな. Allele. PRH. PRH. 1. ll. PRH I2. 度が分散しており,地域により巽なる分布を示している。 3. PRHlおよび PRH2型. (PRH I3) PRH I4. 酸性PRPの多型はPr型 Pa型 Db型45). PRH l*. PIF塑47)などと呼ばれてきたが,近年になりPRHlお. PRH I6. よびPRH2の2つの遺伝子座位の産物であることが明 らかとなった54)72)73)74)75)本研究においては, PRH 1. PRH 2 PRH 21 PRH 22. 型の産物としてDb, Pa(Pal), PIF, As48), At49), Aw49の6種の検出を試み, PRH2型の産物としてPrl,. PRH 23. Pr 2, Prl′47¥ Au49), Av49の5種の検出を試みた。. (PRH 24). Auは遺伝学的にPRH2の産物であることはまだ証明 146. Products. )用品'-'仙 5^ -^ -"・"*-.告 、\ 五-I. とができる。また黒人どうLでも0.2-0.12と達伝子鹿. Locus. ((. い。つまり, Pb2は窯人に偏ったマ-カーと考えるこ.
(8) 歯科学幸R Vol. 92, No. 3 (1992). 555. 6 7. 図3 7人の唾液の酸性PRPの泳動像。 aは等電点ゲ ル電気泳動, bは塩基性ゲル電気泳動, CはSDSゲル 電気泳動法による泳動像。 a, bにおいては一般的なP RPの位置を右端に示し,頻度の低いAu, At, As豪 白の位置を図中に示しているo cのSDS電気泳動法に おいては,それぞれのPRPの泳動位置を右端に示し た。 Ps, Atを除くとすべて対のバンドで出現する。. C 1 2 3 4 5 6 7. Channel 1 : PRH I4-4 (PIF+), PRH211 (Prl+) Channel2:PRHI45 (PIF+, As+), PRH21つ(Prl+). Db-S Ass. ∼ Prl, Pr2, PIF-S, At, AuS N Db-F Pr3, Pr4, PIF-F, AuF, AsS (+). Channel3: PRH I4-6 (PIF+, At+), PRH21"1 (Prl+) Channel4: PRHIl"2 (Pa+, Db+), PRH 21"2 (prl+,Pr2+) Channel5 : PRH I4-4 (PIF+), PRH2ト4. (Prl+,Au+). Channel6 : PRH I4-4 (PIF+), PRH21"1 (Prl+) Channel7: PRH I22 (Pa+), PRH222 (Pr2+). 法により確認した。等電点および塩基性ゲル電気泳動で. 期待値との問に,有意差は認められなかった(Z -5. 100,. はPrlとPr3, Pr2とPr4, DbSとDbF, PIF-S. d. f.-10, 0.8くP <0.9)。この遺伝子鹿度を他人種のも. とPIF-F, AsSとAsF, AuSとAuFは常に対と. のと比較すると表6に示したごとくとなる。 PRH15およ. なって出現し, PaおよびAtと対となる相手のバンド. びPRHl」の産物であるAsおよびAtは, E]本人,中Eg. は存在しない。. 人,マレー人に認められるものの,インド人,白人には認. 表5は200人のフィリピン人についてPRHl型の検. められていない。つまりこの特徴よりフィリピン人は他の. 査を行った結果について示したものである。各遺伝子の. モンゴロイドに蕉似しているものと考えられるo また. 遺伝子強度を算出するとPRHl^0. 092±0. 014, PRH12. PRHll, PRH12, PRHl'のCommonな塾については. -0.273±0.022, PRH14-0.610±0.024, PRH15-. フィリピン人は他人種に比べPRH12の頻度が高く,. 0.015±0.006, PRH16-0.010±0.005となり,観察値と. PRH14の頻度が鼻も低かった。フィリピン人とE]本人, 147-.
(9) 堤:フィリピン人の唾液の遺伝標識. 556. 中Eg人,マレー人,インド人のアジアの4人種との問の. カーではなくPRH2の4つめのalleleとして扱うのが. 均賛性の検定をおこなったところ,日本^,中国人,イ. 適当と考えられる。 Auはインド人には認められておら. ンド人との間に有意差がみとめられたが(表7),マレー. ず,モンゴロイドマーカーで奉る可能性を残している.. 人との間には有意差は認められなかった。. また黒人に認められているPRH2;の産物であるPrl′ 蛋白はフィリピン人には認められなか-た common markerであるPRH21とPRH22については,フィリ. 表8はフイリtピン人についてのPR豆2型亘検査結果 を示したものである。各遺伝子頻度を算出するとPRH 21-0.730±0.022, PRH22-0.268±022y PRH24-. ピン人はマレー人,日本人,中国人などのモンゴロイド. 0.002±0. 002となり,観察値と期待値の間に有意差は認. の中ではPRH2<の頻度が鼻も高かった。フィリピン人. められなかった(x2-0.727, d.f.-3, 0.8<P<. と日本人 中国人 マレー人,インド人との問の均寛性. 0. 9)。この遺伝子頻度を他人種のものと比較すると表9. 表7 有意差の認められたフィリピン人と他のアジア の人種との間のPRH l遺伝子頻度の比較結果. のごとくであった。 PRH2'のAu蛋白は稀な変翼型と して日本人,中Eg人,マレー人に兄い出されているが. 人. alleles. X 2値. P R H I1. 90 L i¥J.00 39. ※※※. P R H I2. ll.96. ※※※. P R H I4. 26.36. 掠* ・ *・. P R H I2. 3. 93. ※. 0 .2 8 8. 〟. PR H V. 6.3 0. ※. 0 .4 0 0. フ ィ リ ピ ン人 - イ ン ド人. P R H I2. 8. 99. ※※. P R H I4. 8. 94. ※※. フィリピン人にも1例認められた。この変異は低頻度で. 種. フ ィ リ ピ ン人 - 日本 人. あるが4人種に認められたことになり, Privateなマ∼. 〟. 表5 PRHl型の観察値と期待値 表現型 P R H PR H. 観察値. I 1"1 I1. PR H. I1. PR H pr h. 1 12. 期待値 1 .7 10 .0. 〟 フ ィ リ ピ ン人 J 中Eg 人. X 2値. ′ ′. 23. 2 2 .5. 0 .0 1 1. I 1"5. 0. 0 .6. 0 .6 0 0. r  ̄ 6. 0. 0 .4. 0 .4 00. PR H. I2 2. ¥2. 14 .9. 0 .5 6 4. PR H. I2. 71. 6 6 .6. 0 .2 9 1. PR H. I 2"5. 2. 1 .6. 0 .1. PR H. I 2"6. 0. 1 .1. 1 .1. PR H. I 4"4. 71. 7 4 .4. 0 .1 5 5. P R H. Il. P R H. 1 4 ̄ 5. 4. 3 .7. 0 .0 2 4. P R H. 1 上2. P R H. 1 4 ̄ 6. 4. 2 .4. 1 .0 6 7. P R H. P R H. I5. 0. 0 .0. 0. P R H. I5. 0. 0 .1. P R H. I6. 0. 0 .0. 合. 計. 200. 2 0 0 .0. 有意水準は, ※ P<0.05, ※※ P<0.01, ※※※ P<0.001。 表8 PRH2型の観測値と期待値 観察値. 期待値. 10 5. 1 0 6 .6. 0 .0 24. 81. 7 8 .2. 0 .10 0. I 1"4. 1. 0 .6. 0 .2 6 7. P R H. I2 2. 13. 1 4 .4. 0 .1 36. 0 .1. P R H. I2"4. 0. 0 .2. 0 .2. 0. P R H. I4"4. 0. 0. 0. 表現型. 合. 5 .1 00 (d . f . = 10 ). 計. 20 0. 2 0 0 .0. X 2値. 0 .7 2 7 ( d . f . = 3. 表6 PRH l型遺伝子頻度の分布。括弧内はそれぞれのalleleに相当する遺伝子産物を示している。 遺 人. 種. 検査数. P R H. 1 l. P R H. (D b. (P a. 1 2. P R H. 伝 1. 子 PR H. 頻 1. 度. P R H. 1. P R H. P IF. (A s). (A t. 文. 1 6. 献. A W P r e s e n t s tu d y. F ilip in o s. 200. 0.092. 0.237. 0. 6 1 0. 0. 0 15. 0. 0 1 0. J ap a n ese. 579. 0.035. ). 1 9 2. 0. 7 43. 0 . 02 1. 0 . 0 08. C h in ese (Singapore. 215. 0.065. 0.214. 0 . 6 93. 0.016. 0 . 0 12. Sh in tan i et al.. M a lays (Singapore). 220. 0.082. 0.234. 0.650. 0 . 03 0. 0.004. Sh in tan i et al.. In dian s(Singapore). 106. 0.104. 0.165. 0.731. Sh in tan i et al.. 93. 0.134. 0.183. 0.683. M inaguchiet al.. C a u c a s ia n s. 148. 0. 0 0 1. Sh in tan i et al.49).
(10) 歯科学報 Vol. 92, No. 3 (1992). 557. 表9 PRH 2型遺伝子鹿度の分布。括弧内はそれぞれのalleleに相当する遺伝子産物を示している。 遺. 人 種. 検査数. 伝. 子. 強. P R H 21. PR H 22. P R H 23. Pr l. Pr 2. (P r 1′ ). 度. 文 献. P R H 24 (A u. AⅤ. Filipinos. 200. ).268. 0.002. Present study. Japanese. 589. 0.2 17. 0.00 1. Minaguchi et al.4. Chinese (Singapore). 215. 0.209. 0.002. Malays (Singapore). 220. 0.232. 0.005. 0.002. Indians (Singapore). 106. 0. 189. Caucasians (USA). 100. 0.355. 0.00 5. N T. N T. Azen and ]⊃enmston. Blacks (USA). 100. 0.250. 0.0 50. N T. N T. Azen and Denniston4. Chinese (USA). 54. 0.23. N T. N T. Azen and Denniston4. Kenyan German. 200. 0`34. N T. N T. N T. Pronk et al.71. 100. 0.19. N T. N T. N T. pronk et al.71. Spanish. 496. 0.3 1. N T. N T. N T. Caeiro et al.7. I. Shintani et al.Shintani et al.Shintani et al.5. NT - Not tested 表10 有意差の認められたフィリピン人と他のアジア の人種との問のPRH 2遺伝子頻度の比較結果 人. 種. フ ィリピン人 - 日本人. alleles. X 2値. P R H 21. .55. 冗. P R H 22. 1.3 9. 栄. フィリピン人 A 中画人. PR H 21. 3. 96. ※. フィリピン人 - イ ン ド人. PR H 21. 6.4 9. 辛. 〟. P R H 22. 6. 17. 栄. 〟. 有意水準は※が).OK P<0.05。. の検定の結果では,日本人,中国人,インド人との間に 有意差が認められた(表10)が,マレー人との間に有意な 差はなかった。 4. Pm(PmF),PmS型 塩基性PRPの多型には数多くの多型が報害されてき ている50)51)52)56)78)79)80)が,環在はこれらがPRB 1-4. 図4 6人の唾液のPm(PmF)型PmS塾の泳動像.. の4つの遺伝子座位にコントロールされていることがわ. Channel. 1. :. PmF-S一,. Channel. 2. :. PmF+S+. Channel 3 : PmF+S+, Channel 4 : PmF-S-. かっている54)72)81)82)。しかし,各多型性塩基性PRPと. Channel 5 : PmF+S+, Channel 6 : PmF+S+. 遺伝子座位との関係は結論がでたといえる状態ではない pmFとPmS型はPRBlの産物と考えられて いる82)が,ここでは仮にPmF, PmSを2つの独立し. ある。いずれの人種においてもPmF+S または. た多塾として扱った。. pmF-S-として出場する場合が多いが, PmF+S一. 図4は6人の耳下腺唾液の酸性尿素ポリアクリルアミ. も低頭度ではあるがすべての人種に認められている。し. ドゲル電気泳動像を示したものである。 PmFを持つ個. かし, PmF-S+は中画人,インド人にのみ認められて. 体はほとんどPmSバンドを有していた。 194人のフィ. おり,非常に稀な組合せであることがわかる。フィリピン. リピン人について判定した結果は表11に示したごとくで. 人については,大部分がPmF+S+またはPmF-S149-.
(11) 堤:フィリピン人の唾液の遺伝標識. 558. 表11 PmF, PmS型の出現頻度 P m 人. 種. 検査数. 文 F + s-. F -S +. 1 (0 .5 % ). 0 0. 8 3 (4 2 .8 % ). P r e se n t s tu d y. 0 0. 9 2 3 6 .2 %. 水 口 (未 発 表 ). 8 0 (3 7 .^. S h in ta n i e t a l .57). F ilip in o s. 19 4. 1 10 (5 6 .1. J ap a n ese. 254. 14 8 (5 8 .J. 14 (5 .i. C h in e s e (S in g a p o r e ). 2 14. 12 5 (5 8 .'. 8 (3 /. 1 0 .5 % ). M a la y s (S in g a p o re ). 220. 1 13 (5 1 .'. 1 (0 .'. 0 0. In d ia n s (S in g a p o r e ). 10 6. 2 1 ( 19 .*. l (0 .<. 2 (1 .9 %. W h ite s. 14 0. 3 2 2 2 .<. 7 (5 .(. 0 (0. U SA. 献. F +S ". F -S-. 1 0 6 (4 8 .1 8 2 (7 7 .^ 1 0 1 (7 2 .]. S h in ta n i e t a l .57) S h in ta n i e t a l .E A ze n a n d D e n n is to n 5. 表12 PmF, PmS型の遺伝子頭皮の分布 P m F の遺伝子頑度 人 種. 」 検査数. P m F -1 ∫. P m S の遺伝子鹿度. Pm F-. 検査数. P m S+. 文 献. P m S-. Filipinos. 194. 0.346. 0.654. 194. ). 3 42. Present study. Japa.nese. 254. 0.40. 0.60. 254. 0. 3 5. 水口(未発表). Whites (USA). 140. 0.15. 0.85. 150. 0. 12. Azen and Denniston5. 101. 0. 2 4. Azen and Denniston50. Blacks (USA) 107. 0 . 38 5. ). 6 1 5. Noraini et al.J. Chinese (Malaysians). 90. 0 . 28 2. 0. 7 1 8. Noraini et al.8. Indians ( Malaysians). 89. 0. 28 9. 0. 7 1 1. Malays (Singapore ). 220. 0. 30 6. ). 6 94. 220. 0.303. Shintani et al.E. Chinese (Singapore) Indians (Singapore). 214. 1. 38 5. ). 6 1 5. 214. 0.359. Shintani et al.E. 106. 0. 1 10. 0. 8 9 0. 106. 0 . 1 15. Shintani et al.E. Malays ( Malaysians). であり, PmF+S-は1例のみであったo PmF+, PmS十はそれぞれPmF-, PmSつこ対して. Noraini et al.. が,他の集団との間に有意な差は認められなかった。表 12からモンゴロイドは共通してPmF^ の強度が高いこ. 優性な常染色体性遺伝形式をとると仮定して, PmF十,. とがわかる PmS十についてもPmF十と全く同じ傾向. PmS4の遺伝子頻度を算出するとPmF+-O. ±0. 027,. を示した。フィリピン人と,日本人,中国人,マレー. PmF--0.654±0.027, PmS+-0.342±0.027, PmS-. 人,インド人との問のPmS+の均質性の検定結果もイ. -0. 658± ). 027であった。そこでこれらの強度を他人種の. ンド人との問(x2-37.45, d.f.-1, P<0.001)にの. ものと比較すると表12のごとくなる。 PmF十遺伝子強度に. み有意な差が認められた。. ついては, Noraini et al.84)のマレー人,中Eg人,インド. 5. Ps型. 人についての報吾があるが,これは全唾液を試料として検. Ps蛋白はLyonset a士82)によればPRB2の産物であ. 査をおこなっているため,蛋白の分解がおこりゃすいこ. ることが提唱されているが,ここではPs型として蛋白. と,また, PmF十と見誤りやすいバンドが出現すること. の多型として取り扱う。図5は5人の耳下腺唾液の10%. から比較の対象としては好ましくないoそこで,耳下線唾. S DSゲル電気泳動像を示したものである。 Ps蛋白. 液を試料として用いた結果についてのみ比較すると,フィ. は,アミラーゼと酸性PRPの間に分子量の異なる変異. リピン人は中固人,マレー人の中間の値を示し,自大 イ. として泳動される。フィリピン人にはPsl, Ps2F,. ンド人とは明らかに異なる頻度を示した.同じアジアの人. Ps3, Ps4の4種のPs蛋白が検出された85)。 197人の. 種のフィリピン人とE]本人,中国人、マレー人,インド人. フィリピン人について検討した結果は表13に示したごと. との間の均質性の検定結果も,インド人との間(x. くであった Psl, Ps2F, Ps3, Ps4がPsOに対. 40.58, d.f.-1, P<0.001)に明らか有意差を認めた. し優性と仮定した遺伝子頻度を算出すると,Ps1-0.426 150一.
(12) 歯科学報 Vol. 92, No. 3 (1992). 559. ±0.028, Ps2F-0.058±0.012, Ps3-0.013±0.006,. フィリピン人にも低頻度であるが認められており,フィリ. Ps4-0.005±0.004, Ps--0.498±0.031であった。な. ピン人にマレー人の遺伝子の流入があったことを示してい. お,遺伝子頻度の算出はカウント法によりおこなった86). る。またE]本^,中固^,マレー人に認められ,インド人. Ps型の遺伝子頻度より算出した斯待値と観察値との間に. に認められていないPs3はフィリピン人にも認められ,そ. 有意差は認められなかった(x2-5.058, d.f.-6, 0.5<. の癖度も他のモンゴロイドと薮似していたOまた, Com-. Pく0. 7)。 Ps型の遺伝子頻度を他人種のものと比較する. mon markerであるPslの強度は,日本人,中国人,マ. と表14に示したごとくであった。魂在までにマレー人にの. レー人,インド人のアジアの人種の中で義も高かったが,. み認められているPs型の変異であるPs4の遺伝子は,. 白人よりは低かった。フィリピン人と日本人,中国人 マ レー人 インド人との問Ps型の遺伝子頑度の均賛性の検. 1 2 3 4 5. 定結果は表15に示したごとく日本人との問についてのみ有 意差が認められた。 6. Slow-migrating GI Gl蛋白はPRB3の産物と考えられている。つま り Lyonsetal.8 はと卜DNAのEcoRl断片の大き さよりPRB3をPRB3VL,PRB2>L,PRB3M,PRB3s 表13 Ps型の観察値と期待値 表現型. X 2値. 観察値. 斯待値. 12 0. 11 9 .5. 12. 1 2 .0. P S 3. 1. 2 .5. 0 .9 2 6. P S 4. 2. 1 .0. 0 .9 7 9. P S 0. 49. 4 8 .9. 0 .0 0 0. P s 1-2 F. 9. 9 .7. 0 .0 4 5. P s 1-3. 3. 2 .1. 0 .3 4 9. P s 1-4. 0. 0 .9. 0 .8 5 7. P s 2 F -3. 1. 0 .3. 1 .7 5 8. Channel1:PsO, Channel2:Psl. P s 2 F -4. 0. 0 .1. 0 .1 1 6. Channel3 : Ps2F, Channel4: Ps 1-3 Channe15 : Ps4. P s 3-4. 0. 0 .0. 0 .0 2 6. 197. 【 19 7 .0. P S 1 P s 2 F. 図5 5人の唾液のPs型の10%ゲルSDS電気泳動 像。 APRPは酸性PRPを示す。. 合. 計. 0 .0 0 2 0. 5 .0 5 8 (d . f . = 6 ). 表14 Ps型の遺伝子鹿度の分布 遺 人. 種. 伝. 子. 強. 度 文献. 検査数 p s2i. P S2∫. P S3. P S4. P S0. 0.426. ). 0 5 8. 0. 0 0 5. 0.498. P r e s e n t stu d y. 0.300. ). 0 0 5. ). 0 13. 0.033. 0.009. 0.652. S hinta ni et aL 49). 0.416. ). 0 5. -. 0.012. 0.522. S hinta ni et al.. 0.508. S hin ta ni et al.57). 0 . 5 76. S hin tani et al.57). P s lJ F ilip in o s. 197. J ap a ne se. 4 79. C h inese (Sin g叩0re. 2 14. M alay s (Sin gapore). 220. ). 0 0 1. P S1. 0.383. 0.082 ). 0 5 3. 0. 0 18. Ind ians(Singapore). 106. W h ite s (U S A. 150. 0.598※. 0.101※ ※. ). 3 0 1. 血 l and O血 sto n51). 101. 0 . 18 5 ※. 0.126※ ※. 0二6 89. Azen and Denniston 51. B la c k s (U S A ). ). 3 7 1. 0.009 -. ※ pslの強度を示し, Pslが含まれるか否か明らかでない。 ・x・※ ps2の頻度を示し, Ps2JおよびPs2'を含めたものと考えられるが, Ps3, Ps^などについては明らかでない0 151.
(13) 堤:フィリピン人の唾液の遺伝標識. 560. 表15 有意差の認められたPs型の遺伝子頻度の 均質性検定結果 人. 種. a lle le s. X 2値. フ ィ リ ピ ン人 . 日 本 人. P Sl. 19 . 8 8. 〟. p s2i. 4.41. ※. 〟. P s1. 4.91. ※. 〟. P S0. 27.70. w 蝣. 1 2 3 4. ※※※. ¥-. 有意水準は※が).OK P<0.05, ※※※がP<0.001。 の4種に分戴したところ,それぞれGl-4, Gl-1, Gl-2, Gト3型とRFLPの完全な相関関係を待ている。本研究 においては,日本人において最初に認められたPh蛋 白87)88)に相当するSlow-migrating Gl蛋白の出轟塵度 を調査した198人の唾夜サンプルについて調査したと ころ, 20人(10. 1%)にSlow-migrating Glが兄い出 された。表16は,他人種における調査結果とともに. 図6 4人の唾液の12%ゲルSDS電気泳動像。 Slowmigrating Glが検出できる。 APRP は酸性 PRPを示す。 Channel1:Gl1+ Channel2:Gl1-5 Channel3 : Gl10+ Channel4: Gl1-6. Slow-migrating Glの出現頻度を示したものである。 Norainiet al.84)のマレー人,中国人,インド人につい ての報吾は全唾液を試料として検査をおこなったもので あるが,全唾液を試料とすると,本当のSlow-migratingGlと区別し歎いバンドが出現するため,判定を誤 りやすい。そこで今回は,同じ耳下腺唾液を用いて検査. を-型に対し優性と仮定して遺伝子頻度を算出し,フィ. をしたシンガポールのマレー人,中図人,インド人につ. リピン人と日本人,中国人,マレー人,インド人との間. いての結果と比較をおこなったところSlow-migrating Glの出現強度は,マレ-人より低かったが,中国人と. の有意差検定をおこなったところ,インド人との間(x2. ほぼ同じで日本人よりは高かった。またインド人にはほ. められた。. とんど認められず,白人にも認められていないことか ら, Slow-migrating Glはモンゴロイドマーカーであ. 図6はフィリピン人に認められたSlow-migrating Glの泳動像を示したものである Channel2および4. る可能性を支持する結果が待られた。 Slow-migrating Glを総合して, 1つの遺伝子の産物として扱い, +型. 5, Gl-6に相当した Channe13はE]本人に認められ. -9.04, d.f.- 1 00KP<0.01)にのみ有意差が認. は日本人におけるGlと比較したところ,それぞれG11. 表16 Slow-migrating Glの出場度 【 人. 種. S low -m igr a tin g G l. 検査数. 文 (+ ). F ilip ion s. 198. 20 (10 .]. 178 (89.<. J ap an ese. 266. 15 (5 .(. C h in ese(S in g ap ore ). 2 15. 22 10 .(. 】 251 (94.4% ) - 193 (90.0%. M a lay s (S in g ap o re). 220. 29(13 .2% ). In d ia n s(S in g ap ore ). 106. 1( 0 `9% ). W h ites(m J a p an ) C h in ese(M ala y sia ). 96. 0 0 39(20 .6%. M a lay s(M ala y sia ). 189. 23(15 .(. In d ian s(M ala ysia ). 175. 21(12 .0% 152. 水 口 (未 発 表 ) S hin ta n i et a l.E S hin ta n i et a l.c. 105 99.1%. Sh in ta n i et a l.57j. 150 (79 .^ 】 124 (84 .4% N I. P resen t stu d y. 191(86.* 96 (100%. 147. 献. (- ). 154 88 .(. M in a g u ch i et al.66) N or ain i et a l. N or ain i et al. N ora in i et al.8.
(14) 歯科学幸R Vol. 92, No. 3 (1992). 561. 表17 アジア人種のヘテロ接合度※ ※※. ・ * ・ *・. * &. ※※. フィ リピン人. 日 本 人. 中 国 人. マ レI 人. イ ン ド人. A m y,. 0.030. 0.022. 0.0 12. 0.010. 0 .0 75. (P b ) ※※※. (0 ). (0 ). PR H. 1. 0.545. 0 .409. 0.469. 0.515. 0.4 28. PR H. 2. 0.395. 0 .341. 0.334. 0.36 7. 0.30 7. 0.452. 0 .48. 0.474. 0.425. 0.196. (0 .450. (0 .455. (0.460. (0.422 ). (0.20 4. PS. 0 .567. 0 .486. 0.552. 0.588. 0.528. S lo w -m ig ratin g G 1. 0 .099. 0 .056. 0.100. 0.127. 0.010. 0 .348. 0 .299. 0 .324. 0.354. 0.257. Pm F (P m S ) ※※光. 平均へテ ロ接合度. 【. ヘテロ接合体の相対頻度を示す値で,特定の遺伝子座に対立遺伝子Ai, A; -, AnがPi, P2, ㌦ p nの頻度で存在するとき,任意交配集団でのこの遺伝子座のヘテロ接合度hは, n. h-1- ∑p12 1ニ=1. で, r個の遺伝子座についての平均ヘテロ接合度Hは,各遺伝子座についてのhの平均で与えられる。あ る任意の個体が特定の遺伝子座についてヘテロ接合である確率は,その遺伝子座のhで与えられるので, Hはまた任意の個体におけるヘテロ接合の遺伝子座の割合を示す値でもあるO. ※光 日本人 中国^,マレー人 インド人,についてのヘテロ接合度は, Amy!については水口ら Teng etal.6のデータをもととし,その他はShintanietal.E のデータをもととして算出した Amy!は変異 型を優性と仮定し総合した頻度で算出し, Slow-migrating Glも+型を優性と仮定し総合した頻度で算 出した。 ※※※ pb, PmSについてはそのデータを示してあるが,平均ヘテロ接合度の算出には用いていない。. 表18 ランダムに選んだ2人が同じ表現型を持つ確率※. フ ィ リ ピ ン人. 日 本. 人. ※※. ※※. マ レI 人. イ ン ド人. 0 .97 4. 0 .9 8 0. 0 .8 5 4. ・ V *. ※※ 中. 図. 人. A m y. 0 .9 4 2. 0 .9 59. (P b ) ※ ※※. ( 1 ). ( 1 ). P R H. 1. 0 .2 7 3. 0 .4 0 2. 0 .33 5. 0 .28 6. 0 .3 6 5. P R H. 2. 0 .4 4 4. 0 .4 9 2. 0 .49 9. 0 .4 7 2. 0 .5 2 8. 0 .5 1 0. 0 .5 3 8. 0 .5 2 9. 0 .50 1. 0 .6 72. (0 .5 0 9. (0 .5 1 4 ). ( 0 .5 1 6 ). (0 .5 0 0 ). ( 0 .66 0. P S. 0 .4 3 9. 0 .4 1 4. 0 .4 4 1. 0 .3 8 3. 0 .43 5. S lo w -m ig r a tin g G l. 0 .8 1 8. 0 .8 9 4. 0 .8 2. 0 .7 7 1. 0 .98 2. 0 .0 2 1. 0 .0 3 8. 0 .0 3 1. 0 .0 2 0. 0 .0 4 7. P m F (P m S ) ※ ※ ※. 6 種 の 多 型 す べ て が 同一 表 現 型 で あ る確 率. ランダムに選んだ2人が同じ表象型をもつ確率は,それぞれの座位につき,各表現型の出現叔度の自乗和 で与える。変異性の高い座位程この値は小さくなる。 Amy,については水口ら62' Tengetal.eのデータをもととし,その他の多型は,日本人については水 冒(未発表)のデータ,中固^,マレー人,インド人についてはShintanietal.」のデ-夕をもととし て算出した。 ※※X pb.PmS型についてはそのデータを示してあるが, 6種の多型の総合した確率の計算には用いていな い。 153.
(15) 562. 堤:フィリピン人の唾液の遺伝標識. ていない新しい型で,ここでは仮にG1-10と呼んだ。 20 人のSlow-migrating Glを有するものの内訳は, Gl-5 +が6人, G1-6+が13人でG1-10+が1人であった0 7.個人的変異の定室的比較 本研究に用いた唾液の多型における個人的変異の程度 を定量的に比較するために「ヘテロ接合度」および「ラ. 表19 7種の遺伝子座位に基づいたフィリピン人と 他のアジアの人種との遺伝距離 フィリピン人 一 中画人. 0. 0961. フィリピン人 - マレー人. 0. 1039. フィリピン人 一 目本人. 0. 1791. フィリピン人 一 インド人. 0. 3375. ンダムに選んだ2人が同じ表現型を持っ確率」を求めた 89)90)表17はフィリピン人における各多型のヘテロ接合 度と,同じアジアの人種である日本人,中図人,マレー 人,インド人についてのヘテロ接合度を比較したもので ある。フィリピン人について今回用いたPb型, PmS 型を除く6種の多型におけるへテロ接合度はPs型が鼻 も高く, Psの遺伝子型の変巽の程度が最も高いことに なる。また5人種間の平均ヘテロ接合度を比較すると, │Ml'\. マレー人,フィリピン人,中図人,日本人,インド人の となり,フィリピン人はマレー人についで唾夜の多型 の変異の度合が高い。表18は,同様にフィリピン人およ. 図7 7種の唾液蛋白の遺伝子座位に基づいたアジ ア人種間の遺伝距離。. びアジアの4人種のランダムに選んだ2人が,同じ表翼. インド人からほぼ等距離で離れており,日本人は,中固. 型を持つ確率を示しているo フィリピン人についての6. 人,フィリピン人,マレー人,インド人の順に遠くなっ. 種の多型においては, PRH lが鼻も確率が低く変異が. ている。これは地理的な位置関係をよく反映しており,. 高いことになり,ヘテロ接合度の結果と異なっている。. 唾液の多望の検査結果が人種間の比較に有力な情報を与. これはPs型はPsO遺伝子のヘテロ接合が区別できない. え得ることを示唆している。. が, PRH 2型はすべてのへテロ接合型が表場型で区別 ができることによるものと思われる。 6種の多型すべて が同一表現型である確率は,フィリピン人では2.1%と. % m 遺伝的多型を用いて,個人識別や集団の比較をおこな. なり,フィリピン人からランダムに2人を選んだ時, 6. う際には,できる限り多くの多型を用いることが好まし. 種の多型の表現型がすべて一致するのは, 50回に1回と. いことは言うまでもない。これらの多型の検出は,血液. いうことになる。さらにまた, 6種の多型を縁合した確. 系の遺伝標識を中心に研究が進められてきているが,人. 率はマレー人,フィリピン人,中Eg人,日本人,インド. 奨学的研究等の野外調査においては,試料の採取および. 人の服に確率が高くなっており,ヘテロ接合度の結果と. 採取直後の処理方法などは容易であるとはいえない.し. 同様であった。. かし,唾液は採取が容易であること,また被検者がいや. 8.集団間の遺伝的近縁性. がらずに参加してもらえること,そして採取後の処理が. 多数の遺伝子座を総合して集団間の比較を行う多変妄 解析法としては, Cavalli-Sforza and Edwardso およ. 容易なことなど∴野外調査にとって多くの長所を有して いる。 フィリピンの人口は, 1986年には5,600万人と推定さ. びNei9 の遺伝距離が一般的である.著者はAmy!, PRH 1,PRH2, PmF, PmS, Ps, Slow-migrating Glの7種の多型のデータ-を用いて前述のアジア5人. れている。 H. OtleyBeyerによればフィリピンは,経 済,社会生活,言語,身体的特徴などから, 45の呆なる. 種間の遺伝距離をCavalli-Sforza and Edwards5 の. 民族学的グループに分けることができるという14)。最も. 方法により求めた。表19に示したようにフィリピン人. 多いグループは,ピサヤ,タガログ,イロカノ・ビコー. は,中画人,マレ-人に最も近く,日本人との距離は中. ルやムスリムのグループで,全人口の9割を占めてい. Eg人との距離の約2倍で,インド人とはさらに遠く離れ. る。フィリピン人は大部分がマレー人種に属するが,主. るという結果が得られた。図7は他のアジア人種との距. に東南アジアの半島を通り,インドネシアの島々を通っ. 離を同時に示したものであるが,マレー人,フィリピン. て到来してきた人々であると考えられている。マレー系. 人,日本人,中Eg人のいわゆるモンゴロイドはいずれも. 人種に先立って,最後の氷河期に陸づたいに到来したと. ∼154.
(16) 歯科学報 Vol. 92, No. 3 (1992). 563. 考えられているネブリトがすでにフィリピンに住んでい. いったように比較的1種楽の変翼型に集中しているのに. たが,彼等は,フィリピン人の一般集団と同化せず,覗. 対し,フィリピン人は多種類の変異に分散していた。こ. 在も採取・狩猟の生活をっづけており,全人口の1%以. れはフィリピン人の人種の構成の多様さを表しているも. 下であるoマレー人には,紀元前に連続的に到来したプ. のと考えられ,同じマレー人であっても何度かの移民の. ロトマレーと呼ばれる人種と,紀元後10数怪紀にわたっ. 波があったこと,またその経路もいくつかの経路が考え. て移民をくり逸してきた,いわゆる南モンゴロイド人種. られ,しかも多くの島々からなる地理的条件などもあ. と混血したデュテロマレーと呼ばれる人種があるが,. り,各地域ごとに独自の集団を作っていったという歴史. フィリピンではこの区別は明確ではないという。フィリ. 的事実13)14)15)93)を裏付ける1つの証拠かも知れない。. ピンの先住民ネグリトについての研究は, Omotoら17)1. pb型は,現在ではヒスタチンと呼ばれる蛋白群に属. 8)19)20)21)22)23)24)による遺伝生化学的研究があり,ネダリ. していることがわかっているが,ヒスタチンを合成する. トは一部アフリカ人に幾似した特徴にもかかわらず,モ. 遺伝子は少なくとも2つの遺伝子座位(HISl, HIS2)が あることがわかってきた94)。 HISlは,ヒスタチン195)を. ンゴロイドの集団に入るという結果が待られている23)。 著者らの教室においては,唾液蛋白型について日本人. 合成し,Post-Pb蛋白96)またHay9 のヒスチジンリッ. のみでなく,南西諸島住民,白人,中Eg人,マレー人,. チプロテインなどとも同一のものである。これは寛在ま. インド人などを試料として調査を重ねてきており,人薬. でに多型は報吾されていない。 HIS2はヒスタチンg98). 学的比較研究に充分に応用可能なほどにそのデーターも. を合成し,本研究におけるPb蛋白の一つと同一のもの. 蓄積されてきた。そこで,今回一般のフィリピン人の唾. であるo Pb型はPb2の遺伝子が窯人に集中している. 液蛋白型について調査し,主にアジアの人種を中心に遺. が,フィリピン人には認められず,フィリピン人の起源. 伝的近縁性の比較を行うことを目的に試料を採叙した。. のマレー系住民に黒人からの遺伝子の流入がほとんどな. 民族学的分乗については,言語学的分楽をおこなうこと. かったことを示していると思われる。 プロリンリッチプロテインは本研究においては,唾液. が因襲であったため,人種または出身地を調査したが, 主にフィリピンの北部ルソン島の住民に偏っていたよう である。しかし,フィリピン内部の遺伝生化学的特徴の. 蛋白と遺伝子座位との関連が明らかになっている酸性 pRPについてのみDNAの遺伝子型による分幾を用い. 違いを示した報吾も見あたらないため,今回の成績を一. た PRHlとPRH2の2つの遺伝子座位について,. 般フィリピン人として扱い,他のアジア人種との遺伝的. 日本人,中図人 マレー^,インド人のアジアの4人種. 近縁性の比較を行なったところ,一応の見るべき成績が. との均質性の検定の結果ではいずれも中固^,日本人. 待られたと考えられる。. インド人との間に有意差を認めたものの,フィリピン人. 唾液アミラーゼは塩基性ポリアクリルアミドゲル電気. とマレー人との間に有意差は認められず,フィリピン人. 泳動法により検出されるもの11)および等竃点電気泳動. がマレー系であることを強く支持する結果が待られた。. 法により検出される4)g種の多型が報吾されている。こ. 稀な変翼型については, PRHI5, PRH Vの産物であ. れに対し,アミラーゼ遺伝子は近年の研究により, 2つの. るAs蛋白およびAt蛋白が,日本人,中画人,マレー. 庫アミラーゼを合成する遺伝子(AMY2A, AMY2B), 3. 人などと同程度の頻度で出現しており,これらの遺伝子. つの唾液アミラーゼを合成する遺伝子(AMYIA, AMYI. がモンゴロイドにかなり古くから出場していたことを示. B, AMYIC)および2つの偽遺伝子(AMYPl, AMYP2). すものかもしれないoまた, PRH2'の産物であるAu. が存在することがわかっている92)しかし,唾夜アミ. 蛋白は, E]本人 中国人 マレー人に非常に低廉度に出. ラーゼの変異と遺伝子座位との相関は末だ明らかには. 現しているが,フィリピン人にも認められたことから,. なっていない。本研究においては,塩基性ポリアクリル. フィリピンへの人幾の移動が始まるより以前のかなり古. アミドゲル電気泳動法によりその変異を検索した。変異. い時期に出窮したマーカーであると考えられ,同時に日. 型を総合した頻度の比較(表2)においては,フィリピン. 本人,中Eg人,マレー人,フィリピン人の過去の近縁性. 人は白人や窯人と異なり,日本人,マレー人,中国人な. を示す証拠ともなろう。. どに近くモンゴロイドの特徴を示していると思われた。. 塩素性PRPであるPmF型, PmS型については,. しかし,これに対し変翼型間の比較(表1)をみると,秦. 独立の遺伝標識と仮定して遺伝子頻度を比較した場合. 京の日本人はAmy^!型が鼻も多く,白人はAmyjC が特に高く,アメリカ窯人はAmyjEが特に高い63)と. 有意差は認められず,インド人との間にのみ明らかな遠. ∼155. は,フィリピン人は日本人,中国人,マレー人との問に.
(17) 堤:フィリピン人の唾液の遺伝標識. 564. いが認められた。つまりモンゴロイドの特徴をもつと思. も変異の高い方からマレー人,フィリピン人,中図人,. われる。一方, PmFとPmSを組合わせた分布(義ll). 日本人,インド人の順序でマレー人とフィリピン人は大. をみると, PmF+S-およびPmF-S+という稀な. きな差は認められなかった。これは各人種の成立過程を. 組合せは,フィリピン人は非常に低廉度(0.5%)であ. 考えたとき,フィリピン人を含めたマレー系人種は中国. り,これはマレー人(0.4%)と歎似しているが日本人,. 人,日本人,インド人に比較し移民混血の歴史が長く,. 中Eg人,インド人とは異なる傾向を示していたo Ps型は分薬方法が多少異なるが,窯人と白人はアジ. これに対し,中Eg人,日本人,インド人は比較的混血の 少ない集団として存在してした時斯が長かったために,. アの5人種とは明らかに異なる鹿度を示している(義. 同一人種内の個人的変異の程度に表れていると考えるこ. 14)。また,同じアジアの人種の間の均質性の検定の結. ともできるのではないだろうか。. 果では,フィリピン人は日本人との間にのみ有意差が認. 集団間の遺伝的近縁性の程度を推定するためにコン. められ,中国人,マレー人,インド人との間に有意差は. ピューターを用いた種々の多変窒解析法が用いられてい. 認められなかった。つまり,これは日本人とアジアの人. る。本研究においてはCavalli-Sforza and Edwards593. 種との間の異質性を示しているのかもしれない.これに. の方法により7種の唾液の多型を用いて,フィリピン人. 対しPs型の稀な型を比較すると,フィリピン人のPs3. と冒本人,マレー人,中固人,インド人との間の遺伝距. の遺伝子鹿度は日本人,中画人,マレー人に近く,同じ. 離を算出した。フィリピン人についての同様の集団問の. モンゴロイドの特徴を共有しているようである。また同. 近縁性の比較を多変室解析法を用いておこなった報吾. じアジアのインド人にPs3が認められていないことは. は, Windhof and Walter42)の報吾のみであるが,彼等. Ps3がモンゴロイドマーカーである可能性を支持してい. はABO, Rh, P, Kell, Duffy式血夜型, Hp型, ACP,. た Ps4の遺伝子は,日本人,中国人,インド人には認. Ak, 6-PGDの血清型および赤血球酵素型の合計9種の. められず,マレー人に1.8%の塵度で出現しているが,. 多型の検査結果を用いてフィリピン人,中固人,タイ. フィリピン人にも0.5%の頻度で壊れたO これはPs4が. 人,インドネシア人,ベトナム人の間の遺伝距離を算出. 、. ヽ. おそらくマレーマーカーであり,しかもフィリピン人が. し,樹状図を待ている(表8)。彼等によれば,フィリピ. マレーの遺伝子を共有している証拠であろう。また,マ. ン人はマレー系のインドネシア人より中国人に近いとい. レー人が同じモンゴロイドで起源が同一であればPs4は. う結果を待ており,本研究においてマレー人より中固人. マレー人が分かれたあとに出窮した変異であり比較的新. にわずかに近いという結果と一致していた。 Windhof. しい遺伝子であると考えることもできよう。. and Walter4 の試料は, 70%がルソン, 20%がミンダ. Slow-migrating Glは当初日本人においてPh蛋白. ナオ出身者であるところから, 85.5%がルソンの出身で. として見出された87)が,白人には認められなかった66)。. あるという本研究の集団と比較的楽似した集団であった. Azen et al.はユダヤ人にSlow-migrating Glを1 人見出したが日本人のものとは異なっていた。同時に白. 結果かも知れない。しかし,他にフィリピン人について 総合的な比較を行なった報吾はなく,本研究と歎似し. 人のGl-4は日本人のGl-4とは巽なるもののようであっ た Azen et al.E は白人と窯人の試料を同時に判定 し,分子量Oj大きいGl蛋白をGl-4として分類してい. 0.16 0.14 0.12 0.10 0.08 0.06 0.04 0.02. る。言い換えるとSlow-migrating Glは黒人にも存在 しないと考えることができるoつまりSlow-migrating. Filipinos. Glはモンゴロイドに偏ったマーカーと考えて差し支え. Chinese. なかろう。 Slow-migrating Glは精査するとさらに細. Thais. 分薮が可能であり,それらの頑度の同じアジアの人種内. Indonesians. での比較も今後新たな情報を与えてくれるであろう。. Vietnamese. 本研究における唾液の多型の個人的変異の程度を定義 Genetic distances, based on 9 loci. 的に比較するために「ヘテロ接合度」および「ランダム に選んだ2人が同じ表現型を持つ確率」を算出した。各 座位ごとの変異の程度は両者の比較方法によりそのJill序 は異なっていたが, 7種の多型を総合した結果はいずれ. 図8 東南アジア人種の9つの座位(AI10, Rh, Kell, Duffy, Hp, ACP, AK, 6 PGD)に素づく遺伝距離 (1983, Windhof snd Walter42))。 156-.
(18) 歯科学報 Vol. 92, No. 3 (1992). 565. た結果が待られていることは,フィリピン人は本来マ. が存在した。. レー系の集団と考えられており,本研究におけるPs4の. 6) Slow-migrating Glの出現塵度は10. 1%でマレー. ようにマレー系の遺伝子を持つことは明白であるが,悲. 人,中国人,日本人などと薮似していたoまた, Gl-5. 像以上に北方モンゴロイド系の遺伝子の流入があったも. を持つものが3.0%, Gl-6を持つものが6.6%で,新し. のか,まだは中国系人種との混血が進んでいるものとも. く兄い出されたGl-10が1人存在した。. 考えられるであろう。. 7) 6種の唾液の遺伝的多型より待た座位当りの平均ヘ. 鼻後に,唾液の多型についてのデータは近年になりよ. テロ接合度は, 0.348でマレー人に近く,中国人,冒本. うやく比較に足るデータが得られてきた0本研究におい. 人,インド人より高かった。. ても,数多くの人種に特徴的と思われる遺伝子や近隣諸. 8) 7種の唾液の遺伝的多型より,マレー人,中画人,. 集団との近縁櫨などゐデ「射こみ,るべきものが待られた ように患われる。これらの結果は,唾夜の多型が人薬学. 人∴マレー人の噺こ近く,日本人とはわずかに離れ,イ. 的,民族学的調査に役立っのみでなく,その多型の多様. ンド人とは遠く離れるという結果が得られた。本研究の. さから法医学上の親子鑑定や,今後のDNAを用いた研 究による人種鑑別を含めた法医学個人識別の指標として. フィリピン人と中国人およびマレー人との遺伝距離は, Windhof and Walterによる血液型,血清型,赤血球. 応用されていくことも期待できるものと思う。. 酵素型の多型を用いた成績と近似していた0. 白本人インド人との遺伝距離を算出したをころ,中軍. 9)唾液の遺伝標識は人類学,民族学上の調査はもとよ. 結 論 200名のフィリピン人の耳下腺唾液を採取し, AmyD PRHl, PRH2, PmF, PmS, Ps, Slowmigrating Glの8種の唾液蛋白の多型について調査し たところ,次のような結論が待られた。 1) Amy,型の遺伝子頻度は, Amyin-0.985, Amy!"-0.015で, 5型のお互いに異なった変異型が認 められた。 2) Pb型はすべてPb1-1型で, Pb2遺伝子は認めら れなかった。 3) PRHl型の遺伝子塵度は, PRHll(Db)-0.092,. り,法医学上の親子鑑定および個人識別における重要な 指標となり待るものと患われる。 m s 稿を終わるに臨み,ご指導ご校閲を戴いた東京歯科大学法歯 学講座主任鎗木和男教授に対し衷心より感謝の意を表しますo また,本研究達成にあたり,特にご協力戴いた法歯学講座の水 口 活助教授,新谷益朗助手,ならびに教室貢各私 さらに窮 地での唾液採取にご協力下さいましたフィリピン大学Dr. Francisco Datarならびにフィリピン大学学生諸氏,および フィリピン,シンガポール各地の被検者の皆様に心から感謝致 します.. 伝子頻度は PRH21(prl)-0.730, PRH22(Pr2). 文 献 1)カート・スターン(1976):人楽遺伝学, 3版,岩波 書店,東京. 2)上野正吉(1974) :新法医学, 8版,南山堂,東京・. -0.268, PRH24(Au)-0.002,であった。マレー. 3) Race, R. R. and Sanger, R. (1975) : Blood-. 人,中固^,日本人,インド人との問の遺伝子強度の均. groups in man. Black-well Scientific Publications, Oxford and Edinburgh.. PRHl2(pa)-0.273, PRH14(PIF)-0.610, PRHlf (As)-0.015, PRHl6(At)-0.010で, PRH2型の遺. 薯性の検定をおこなったところ, PRHl, PRH2型と もにマレー人との間に有意差は認められず,中国人 イ ンド人,日本人との問に有意差が認められた。 4) PmFおよびPmS塾を同時に判定し,出現頻度を 調査したところ, PmF+S は56.7%, PmF-S-は 42.8%, PmF+S-は0.5%であった。各型の分布はマ レー人に類似していた。 5) Ps 型の遺伝子頻度は, Ps1-0.426, Ps2f-. 4)高相種基(1966) :血液型学, 2版,医学書院,秦 京. 5)松本秀雄(1977) :ヒト免疫グロブリンの遺伝,人歎 学講座,第10巻「遺伝」 pp.119-146,雄山闇,秦 京. 6)鈴木和男(1988) :法歯学,改訂1版,永末書店,貢 都. 7)松永 英(1982) :入来遺伝学研究法,初版,共立出 版,東京. Azen, E. A. and Maeda, N. (1988) : Molecular. 0.058, Ps3-0.013, Ps4-0.005, Ps--0.498であっ. genetics of human salivary proteins and their. たoマレー人,中固A,本人,インド人との遺伝子頻. polymorphisms, Adv. Hum. Genetっ17 : 141-. 度の比較をおこなっところ,日本人との間にのみ有意差. 199.. 9) Minaguchi, K. and Bennick, A. (1989) : Ge-. が認められた。また,マレーマーカーと考えられるPs4 157-.
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