• 検索結果がありません。

IRUCAA@TDC : 上顎大臼歯の形成についてコツなどあれば教えていただきたい。上顎大臼歯の支台歯形成・成功のキーポイント

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "IRUCAA@TDC : 上顎大臼歯の形成についてコツなどあれば教えていただきたい。上顎大臼歯の支台歯形成・成功のキーポイント"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

上顎大臼歯の形成についてコツなどあれば教えていただ

きたい。上顎大臼歯の支台歯形成・成功のキーポイント

Author(s)

関根, 秀志

Journal

歯科学報, 121(1): 57-59

URL

http://hdl.handle.net/10130/5439

Right

Description

(2)

支台歯形成という診療ステップ 支台歯形成は,支台歯を補綴装置に適した形態 になるように歯を切削する治療ステップである。歯 質を削除していく除去的処置であり,いわゆる「後 戻りできない」行為であることから,患者への侵襲 を最小限とするため,不必要な歯質の削除を行わな いことが重要となる。そのためには,支台歯の解剖 学的な形態と,補綴装置ごとの細部にわたる支台歯 形態を熟知しておくことが求められる。また,支台 歯形成の不良は,補綴装置の適合性,辺縁封鎖性, 強度・剛性に影響することから,長期に安定した治 療効果を維持するために極めて重要な治療ステップ である。 従来からの金属の鋳造を用 い る 製 作 方 法 に 加 え,近年ではハイブリッド型コンポジットレジンや セラミックスなどを材料とする CAD/CAM 法によ る製作方法の臨床応用が広がっている。それぞれに 求められる支台歯形態が異なることから,選択する 補綴装置の種類を明確にして,支台歯形成に臨むこ とが必須である。 支台歯形成時の姿勢,体位 適切な支台歯形成を行うためには,支台歯付近 を中心とした口腔内の形態の把握が重要である。ま た,安定した歯の切削操作を行うために,術者が無 理な姿勢となることを避け,自然な体位で治療にあ たることが求められる。上顎臼歯部は,視野を確保 することが難しい部位があるため,術者・患者の位 置や姿勢を整えることが強く求められる。 術者は,椅子に座った状態で大腿部が水平とな り,足底全面が床につくように椅子の高さを調整す る。患者は水平位を基本とし,施術時には術者の手 指が術者の胸の高さになるように診療台の高さを調 整する。上顎臼歯部を,奥までのぞき込むように視 野を確保する場合,患者の頭がやや後方に傾いてい る方が,歯の3次元的な形態を把握しやすいので, その際には若干低めに調節する。頭部の後傾が過ぎ ると患者の苦痛を伴うこととなるので注意を要す る。積極的に患者の顔を左右に傾けて,視野の確保 に努める。術者は,患者の頭部を中心に,8時半か ら1時の範囲を移動する。支台歯を,正面あるいは 真横から見るポジションでは,歯の傾きや奥行きを 把握しづらい。そのため,斜め上からの視野を確保 し,複数のポジションから支台歯を立体的に把握で きるようなポジション移動を心掛ける。 歯の切削時には,しっかりとしたハンドピース の把持が求められる。ハンドピースを垂直に立てた 状態で操作すると,肘が上がり,脇が開いた体勢と なりやすく,操作を不安定にする要因となる。1本

臨床のヒント

Q&A

クラウンブリッジ補綴系

Q&Aコーナーは,東京歯科大学の3病院の臨床研修歯 科医から寄せられた質問に対しての回答です。回答は本 学3施設の専門家にお願い致します。内容によっては基 礎や臨床,あるいは歯科や医科と複数の回答者に依頼す る場合もあります。毎号掲載いたしますので,会員の皆 様もご質問がございましたら,ぜひ東京歯科大学学会ま でeメールかファックスで依頼していただきたいと存じ ます。必ずご期待に添えることと思います。今号は上顎 大臼歯の支台歯形成に関する質問です。

Question

上顎大臼歯の形成についてコツなどあれば教えていただきたい。 上顎大臼歯の支台歯形成・成功のキーポイント

Answer

57 ― 57 ―

(3)

の支台歯形成中においても,切削部位ごとの操作の しやすさを求めて,患者・術者とも,体に無理を生 じないポジションとなるように工夫を凝らすことが 望まれる。 支台歯形成に使用する機器 支台歯形成には,形成用ダイヤモンドポイント をエアタービンで用いることが一般的である。確実 な注水とともに,上顎臼歯部では視野の確保のため ライト付きの機種が望ましい。大臼歯付近における 施術時に,患者の開口量に制限がある場合にはミニ タービンを積極的に用いる。日頃から,通常のエア タービンとミニタービンの歯質削除量の違いを把握 しておくことが求められる。 上顎臼歯部では,ハンドピースの挿入方向の自 由度が狭い場合が多く,ハンドピースの動きに制限 を生じる場合が少なくない。5倍速マイクロモー ターハンドピースは,切削部位ごとに,ポイントの 回転数や回転方向をコントロールすることができる ので,切削時の手指感触を確認しやすい。 支台歯形態 補綴装置ごとの支台歯形態は,咬合面,軸面, フィニッシュラインに要約される。 1.咬合面 当該歯の解剖学的形態を単純化した相似形とす る。使用材料により,対合歯との最適なクリアラン スの確保に留意する。咬頭嵌合位に加え,下顎運動 時における十分なクリアランスの確保が,補綴装置 の破損を回避することにつながる。ワックス類を咬 合させて,その厚みをシックネスゲージで計測する ほか,形成前の歯冠形態や診断用ワックスアップを シリコンパテで採得しておくコアの利用などで,形 成量を正確に把握することができる。加えて,形成 量を確認するための専用の器具・クリアランスゲー ジ(図1)の使用が有効である。 2.軸面形態 軸面の角度と高さが補綴装置の保持に大きく関 わる。唇・頰舌側,近遠心側それぞれの軸面の平行 性が高いほど保持は高くなる。概ね片側5∼10°, 軸面同士の総和が20°以内が望ましい。軸面の高さ は高い方が保持力は高まり,3mm 以上の高さが望 ましい。上顎臼歯部では,軸面形態による保持が不 足する場合が多い。そのような場合には,グルーブ やボックスなどの補助的保持形態で対応する。唇・ 頰舌的方向への脱離に対抗するためには近遠心隣接 面に,ブリッジの撓みに対抗するためには唇・頰舌 側面に付与する。 3.フィニッシュライン 補綴装置ごとに推奨される形態に合わせてポイ ントを選択する。フィニッシュラインと歯肉縁の位 置関係は,不潔域を避け,審美性が求められる部位 では歯肉縁下0.5mm 程度,審美性に問題がない部 位では歯肉縁上0.5mm 程度を基本とする。上顎臼 歯部では歯冠高径が低い場合が多く,軸面の高さを 確保するためにフィニッシュラインを歯肉縁下に設 定することで対応する。また,接着操作への歯肉溝 滲出液の影響を避けるために,歯肉縁付近にフィ ニッシュラインを設定する場合がある。 支台歯形成時の工夫 1.歯周組織形態 上顎臼歯部では,頰側歯頸部歯肉縁は上方に位 置し,隣接面ではやや下方に位置している。頰側か ら口蓋側に向けて隣接面の形成を行う際に,隣接面 のフィニッシュラインを歯肉縁下深くまで形成して しまいやすい。歯肉縁の高さをイメージして,ハン ドピースを上下に動かす意識を持つことが必要であ る。 図1 先端が直径1mm と2mm のクリアランスゲージ 58 歯科学報 Vol.121,No.1(2021) ― 58 ―

(4)

2.歯質削除量の把握 上顎臼歯部では,歯が頰側に傾斜していること が多く,遠心頰側隅角などでは削除する歯質の量が 多くなる。最終的な軸面形成では,ハンドピースを 一度に動かす範囲内の歯質削除量が一定の厚みであ ると切削操作はより安定するため,削除量が大きい 部位についてはあらかじめその部分の概形形成を終 えておく。その後,同時に切削する軸面の範囲全体 を同一の削除量として形成を仕上げる。 3.遠心隣接面 支台歯形成中,上顎臼歯部の遠心面を直視直達 することは困難である。一般に,ミラーテクニック が推奨されるが,ハンドピースとデンタルミラーを 同時に動かす技術の習得は容易ではない。また,実 際の形成中には,注水のためミラーで目視すること はできない。 遠心面などの直視が困難な部位では,切削器具 を回転させず,注水なしの状態で,ミラーで目視し ながら,ハンドピースを反復して動かし,動きを手 指に記憶させる。いわゆる素振りを繰り返すことに より,実際の削除時には,ミラーに頼らずに切削を 行う。過度な切削を避けるために,数回に分けて, 確認を繰り返しながら形成を進める。 4.4ハンドテクニックが基本 水平位で行う上顎臼歯部の支台歯形成では,注 水が口腔の奥に溜まるため,継続したバキューム操 作が必須となる。頰粘膜や口唇の牽引をしつつ,確 実なハンドピース操作を行うためには,補助者を伴 う4ハンドテクニックの応用が不可欠となる。特に 上顎左側臼歯部の支台歯形成では,術者が12時∼1 時付近から施術することで,視野を確保しやすくな る。その折には,術者の左側に位置する補助者がバ キューム操作をすることが困難あるいは不安定な状 態となるため,排唾管を用いる。排唾管を固定可能 なバイトブロックは,形成中の不意の閉口を防止で き,排唾管をより効果的に使用することができる(図 2)。 5.支台歯形態の確認 支台歯形成中,口腔内では視野が制限されるた め,支台歯形態の正確な把握が困難な場合がある。 広い視野の確保には,口腔内写真撮影用ミラーの利 用が有効である。複数支台歯の平行性などの確認が 必要な場合には,仮の印象採得を行い,模型上で確 認する。 Answer:関根秀志 東京歯科大学クラウンブリッジ補綴学講座 図2 排唾管を固定できるバイトブロック 歯科学報 Vol.121,No.1(2021) 59 ― 59 ―

参照

関連したドキュメント

B001-2

このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう

子どもが、例えば、あるものを作りたい、という願いを形成し実現しようとする。子どもは、そ

管の穴(bore)として不可欠な部分を形成しないもの(例えば、壁の管を単に固定し又は支持す

であり、 今日 までの日 本の 民族精神 の形 成におい て大

日歯 ・都道府県歯会 ・都市区歯会のいわゆる三層構造の堅持が求められていた。理事 者においては既に内閣府公益認定等委員会 (以下

平成 29 年度は久しぶりに多くの理事に新しく着任してい ただきました。新しい理事体制になり、当団体も中間支援団

なお、保育所についてはもう一つの視点として、横軸を「園児一人あたりの芝生