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まえがき

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Academic year: 2021

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まえがき

著者

若林 正丈

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

シリーズタイトル

研究双書

シリーズ番号

582

雑誌名

ポスト民主化期の台湾政治−陳水扁政権の8年−

ページ

[i]-ii

発行年

2010

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00011538

(2)

ま え が き

 アジア経済研究所は1968年に笹本武治・川野重任編『台湾経済総合研究』 (上,下,資料編)を上梓している。それからまもなくいわゆる「米中接近」 が始まり東アジア情勢は大きく転換した。その頃に台湾に関心を抱くように なった編者の世代の研究者にとって,この「経済総合研究」 3 冊は,当時数 少ない社会科学的な同時代の台湾研究の書物であり,経済研究を専攻しない 者でも手元において参考にしたものである。  それから40年ほど後,これまた大きく転換する国際情勢の中で,アジア経 済研究所は新たな台湾総合研究に取り組んだ。この間の台湾の変化,また 台湾に対する外界の関心の,質的量的な大きな変化を反映し,その「総合研 究」の対象ももはや「経済総合研究」という訳にはいかず文字通り「総合研 究」たらざるを得なかった。さらに参加する研究者も先行「総合研究」の 次の次の世代に属する若手の世代が中心となった。本書より先に刊行されて いる佐藤幸人編『台湾の企業と産業』は,「台湾総合研究Ⅰ―企業と産業 ―」研究会(2006-07年度)の成果であり,本書は2007-2008年度に実施し た「台湾総合研究Ⅱ―民主化後の政治―」研究会の成果である。そして 今(2009)年度からは「台湾総合研究Ⅲ―社会の求心力と遠心力―」研 究会がスタートしている。本書は,いわばアジア経済研究所が若手・中堅の 学者を結集して再び取り組む台湾総合研究の,経済編に次ぐ政治篇であり, 社会編がこれに続くことになっている。  この政治篇に向けた「台湾総合研究Ⅱ―民主化後の政治―」研究会 の活動開始とほぼ同時に,台湾政治では民進党・陳水 政権から国民党・馬 英九政権への政権交代が生じた。1996年最初の総統直接選挙実施により民主 体制が発足して以来,民主選挙の結果による政権交代としては2000年の陳水

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ii の勝利に続く 2 度目の政権交代である。そこで研究会の調査方針としては, 陳水 政権の 8 年を検証しつつ馬英九新政権の動向を探るという両睨みの 姿勢を採った。その主な研究活動として,2007年と2008年の 9 月初めに台湾 現地で広範なインタビュー調査を行ったが,総統選挙半年前にあたる07年の 調査では現地の政治研究者の他,国民党,民進党両陣営の政治家を対象とし, 08年には陳水 前総統の他民進党立法委員とともに,馬英九現総統をはじめ 再び与党となった国民党要職や立法委員にもインタビューを行ったのはこう した姿勢を反映したものである。本書においてこれらのインタビューが直接 引用されることは少ないが,この活動に参加した執筆者たちにとっては貴重 な知見を与える調査活動であったことを読者に報告しておきたい。すなわち, 本書は,民主化後台湾の 2 度目の政権交代の臨場感の中で書かれた,日本語 で書かれたものとしておそらく最初の陳水 政権論であり,今後の台湾政治, 中台関係(台湾海峡両岸関係)の動向観察の礎石の一となることを期すもの でもある。  小著ではあるが,本書もたくさんの方々のお世話になった。前記インタビ ューに応じていただいた台湾の与野党の政治家,現地学者,これらの会見の アレンジでお世話になった方々,東京での研究会の講師をしていただいた 方々,また所収論文の翻訳やレフェリーをしていただいた方々に御礼申し上 げる。  2009年 7 月26日 編  者 

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