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<翻刻> 刈谷市立図書館村上文庫蔵「伊勢物語髄脳」(1)

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(1)

椙山女学園大学

<翻刻> 刈谷市立図書館村上文庫蔵「伊勢物語髄脳

」(1)

著者

飯塚 恵理人, 蛯江 ゆき, 米田 真理

雑誌名

椙山女学園大学研究論集 人文科学篇

25

ページ

81-95

発行年

1994

URL

http://id.nii.ac.jp/1454/00001761/

(2)

椙山女学園大学研究論集 第25号(人文科学篇)1994 ︹翻刻︺ 解

刈谷市立図書館村上文庫蔵﹃伊勢物語髄脳﹄

八 →⊥ 心

米蛯飯

目ヨ江塚

恵理人 ゆ   き 真  理 と考えておられる。﹁伊勢物語髄脳﹂は、この時代の業平観 1伊勢 題  ﹁伊勢物語髄脳﹂は、伊勢物語の古注釈の一つである。この書の 特徴は、古注釈の中でも﹁男女の和合の功徳﹂が﹁悟り﹂に直結す ると説く点にある。﹁伊勢物語髄脳﹂がこの特徴を持つ背景について、 片桐洋一犬は   言亘立川流の立場に立った﹁伊勢物語﹂秘伝書というよりも、   多くの読者を持つ﹁伊勢物語﹂によって真言立川流を説こうと   しているかに見える﹁伊勢物語髄脳﹂の成立基盤も、文観の周   辺、あるいは文観の影響を著しく受けた人々の世界に求められ   るのではないか。 と、この書が真言立川流の影響を色濃く受けていることを指摘され ている。このような理由から、片桐聡は、この書の成立を文観の影 響の大きかった建武以後二三三四上の南北朝時代から室町時代 物語﹂観を考え石上で大変参考となる。﹃謡0 集 上﹄の﹁杜若﹂ の頭注に伊藤正義氏が引用されているように、この書は謡曲の典拠 としても注目されるものである。 ﹁伊勢物語髄脳﹂の伝本は、﹃国書総目録﹄に、国会・内閣︱九大︱ 1 犬︹皇学才刈谷・神宮︱桃園の七箇所の所蔵が記載されている。  ﹃願書総目録﹄によれば、神宮文庫には、宮崎文庫蔵承応二年写本 と柿崎文庫蔵天白二年写本の二本かおり、阿古根浦口伝のみの部分 的な写本が一本ある。また、九州大学図書館には、﹁古今和爵集濯 頂口伝﹂の﹁合﹂として載せられている本と、﹁伊勢物語評註﹂の﹁付﹂ として載せられている本の二つがある。大津有一対が﹁九大図書路 蔵本﹂とされたのは前者であり、本稿ではこの本を﹁九州大学図書 館蔵本﹂と呼ぶ。大津匹はまた、上野図書館蔵本を紹介されている。 また片桐氏により、鉄心斎文庫蔵の衣笠文庫旧蔵本・弘安五年奥書 本、東北大学蔵本邸紹介されている。完全な写本としては以上十三        ∧一

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飯塚恵理人・蛯江ゆき・米日ヨ真理 本が現在所在を知られていることとなる。 しこの﹁伊勢物語髄脳﹂の写本は、二系統に分かれる。この系統分 類を最初に行ったのは大津有一氏である。︵節会図書館蔵本・1 古 屋大学蔵本︱東北大学蔵本︱鉄心斎文庫蔵の衣笠文庫旧蔵本及び弘 安五年奥書本・九州大学図書館蔵の﹁伊勢物語評註﹂に付載されて いる本は対象とされていない。︶大津氏は、  ア、内聞文庫蔵本t上野図言館蔵本︱神宮文庫蔵本︵林崎文庫t   天白二年写∵九州大学図言館蔵本  イ、桃園文庫蔵本・刈谷図書館蔵本︱神言文庫蔵本︵言崎文庫・   登恥二年子 と分類された。テ、イは便宜的に飯塚が付しか。また神言文庫蔵 本の所蔵文庫1 ・年記も飯塚が付しか。︶大津氏が、この系統を分 ける基準とされた最も大きい祖違点け、   内聞文庫蔵本・上野図書館蔵本︱神宮文庫蔵本・九大m書館蔵   本はいづれも讐へば内閣文庫蔵本の例でぃふと、阿古根浦口伝   の地神五代の説明    此五の物も又おのく死する事なきによって、がうして今か    みをまとひてあれどもおのくはなれて、火ははいにかへり、    水は水にかぺり、土はっちにかへり、風はかぜにかへる時死    するとは云なり。   までであるが、神宮文庫蔵承応二年写本・刈谷m言館蔵本・桃   園文庫蔵本は更に世継の本文とか、朱雀院の注とか、長能の私   記とかを挙げて、尚奥言をも加へてゐるのである。 と、アの系統の諸本邸﹁阿古根浦口伝﹂の地神五代の説㈲までであ るのに対して、イの系統の諸本がそれ以降も続けて本文を持っこと である。なお、片桐氏は、大津氏の分類に従い、さらに東北大学蔵       匹一 本・頭会図書館蔵本をアの系統に、鉄心斎文庫蔵衣笠文庫旧蔵本・ 鉄心斎文庫蔵弘安五年奥書本をイの系統に分類された。九州大学図 書館蔵の﹁伊勢物語評註﹂に付載谷れている本及び1 古屋大学蔵本 は未見であり、系統は不明である。  このアーイの系統のどちらが本来的であるのかについて、片桐対 は、  末尾の部分の存する方が本来の形であるのか、また存しない 方が古い形なのか、にわかに判断することは出来ない。常識的 な見方からすれば、奥書の部分まで揃っている系統の方がより 完全であるかに思われるが、︹研究篇︺において述べたように、 この髄脳自体が、総論と深秘七箇条でI往終った後に﹁伊勢二 門極理濯頂撰、阿古根浦口伝﹂が続き、その補充ともいうべき 形で刈谷本その他にのみ見られるこの末1 部分か存するとい う、いわけ、増袖に増補を重ねるというような形態をとってい ることを考えれば、いずれをよしとも断定しかねるものを覚え るのである。 と、いずれを本来的とも谷れていな い。﹁伊勢物語髄脳﹂を用いる 際には、どちらが本来的とも言えないこの二系統の巾かおることを 認識しておく必要があるだろう。  このうち、アの系統に属する本では、神言文庫蔵柿崎文庫蔵本の 翻刻が﹃伊勢物語の研究︹資料糾︺﹄に所収されている。イの系統 に属する本では刈谷図書館蔵本︵以下﹁刈谷本﹂と略称する︶が﹃未 刊願文古注釈大系﹄︵9 下﹁未刊﹂と略称する︶に翻刻されている。 但し、この﹁未刊﹂の本文は、その解題に 本書は刈谷町立図書館蔵本︵村上志順旧蔵︶を底本として、 言文庫蔵二本︵承応二年写・天白二年子、内閣末庫蔵本、 神 帝

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刈谷市立図書館村上文庫蔵「伊勢物語髄脳」∩)   目図書館蔵本︵不忍文庫旧蔵︶等を参照したものである。 とあるように、純粋に﹁刈谷本﹂の本文によるのではなく、他の本 との混合本文となっている。このため、純粋なイの系統の本文は未 翻刻であるといってまい。  そこで、今度、刈谷市立図書館の御好意で、翻刻の許可がいただ けたので、これを翻刻して発表することとした。また、これを底本 として、校本を作成することにした。現存倍本全ての校本を作るこ とができれば一番良いのだが、容易ではない。そこで、両系統の本 文を概観する目的をもって、対校本に刈谷本と系統の異なる林崎文 岸蔵本を選んだ。また、刈谷本の系統の申での具文の巾を考えるた め、対校本としてもう一本、現存諸本の中で最も古く、刈谷本と㈲ じ系統で最善本と考えられる鉄心斎文庫蔵弘安五年奥書本を選ん だ。校本はこの三本で作成することにした。諸本の調査は今後の継 続課題としたい。  柿崎文庫蔵本は﹃伊勢物語の研究︹資料篇︺﹄ ︵前掲︶に翻刻谷れ ているものを、鉄心斎文庫蔵弘安五年奥書本は﹃鉄心斎文庫蔵 伊 勢物語古注釈叢刊 二﹄に影印で出版されているものを、片桐氏の 本により、校異につけさせていただいた。︵鉄心斎文庫蔵弘安五年 奥書本は、﹁伊勢物語髄脳﹂の識語までの本来の部分に﹁ロ訣﹂﹁系 図﹂﹁万葉集歌﹂﹁古仙抄歌﹂が加わっている。これは増補の部分と 考えられるので、校異にはつけないこととする。︶  ﹁刈谷本﹂の﹁伊勢物語髄脳﹂は、以下のような構成とかっている。  一、︹書態  ミ ︹総論︺    1、﹁伊勢の功徳﹂を知らせる意味    2、﹁伊勢﹂は和合を意味すること   大義晴︹滋春︺が業平の悟りを知ること   娃、﹃伊勢物語﹄が﹁和合﹂の物語であること 三、︹業平が臨終の際に有常娘の極楽往生を約京したこ言 四、︹深秘第一、和合と悟り︺ 五、︹深秘第二﹁悟りの人﹂が﹁迷へる女﹂と和合する意味︺ 六、︹深秘第三、迷ひの心と悟りの心が一体化する意味︺ 七、︹深秘第宍悟りの時、和合であるから﹁迷ひ﹂もない五業  平と染殿内侍︺ 八、︹深秘第入無相無念とは:水平の斎宮への歌、義晴︵言春︶  の業平葬儀の時の歌︺ 九、︹深秘第六、悟りの時、皆和合であるから善悪の区別はな巴 十、︹深秘第七、往古犬㈲神を血脈の始めとすること︺ 十一、︹﹁千葉破﹂というこ色   ∼、﹁千葉破﹂の意味   に、﹁我心こそ神﹂であること   3、業平の悟りと神との関係   犬義晴︹滋春︺の悟り 十二、︹伊勢二門 極理温頂撰 阿古根浦口伝︺   1、業平瀞往告明神に重んじられたこと   2、業平が往古明神より﹁阿古根浦口伝﹂を伝授谷れたこと   3、業平の返歌の意味   4、﹃伊勢﹄の意味   犬﹁秋津島﹂の起源と天神七代旬地神五代   G、天神七代・地神五代とは   7、6項の地神五代に関する説への反論   8、﹁世継﹂に記された伊壮冊︱伊壮升諾 ∧三

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飯塚恵理人・蛯江ゆき・米田真理 9、﹁朱雀院註﹂の伊非諾・伊非冊 10 n 斎宮の起源 結びI業平の恩  土二、︹識語︺ 本年度は、十︹深秘第七、住吉大明神を血脈の始めとすること︺ま でを翻刻し、それ以降を次年度とする。  解題・凡例二刈谷本﹂の下読みは飯塚が、﹁鉄心斎文庫蔵弘安五 年奥書本﹂の下読みは蛯江が、校異凡例・校異の調査は米mがそれ ぞれ担当した。その後全員で互いの原稿を検討した。本稿の責任は 三人が負うものとする。なお誤りもあるかも知れない。御塾示いた だければ幸いである。 ︹凡   例︺ 1、底本は、愛知県刈谷市立刈谷図書館村上文庫本﹁伊勢物語髄脳﹂ を用いた。 2、校異は以下の二本について、片桐氏の本によって付しか。  林−神宮文庫蔵林崎文庫蔵本︵十一丁7以降の本文を欠く。︶    ﹃伊勢物語の研究︹資料篇︺﹄ 片桐洋一著 昭和四四年一月    発行 明治書院 四四五−四五九頁  鉄−鉄心斎文庫蔵弘安五年奥書本︵﹁ロ訣﹂﹁系図﹂﹁万葉集歌﹂﹁古    仙抄歌﹂を校異の対象から除く。︶    ﹃鉄心斎文庫蔵 伊勢物語古注釈叢刊 二﹄ 片桐洋一 芦沢    新二 平成元年一月発行 八木書店 三九九−四四七頁 3、送り仮名、漢字・ひら仮名・片カナ等の表記の違いは残しか。 4、底本の旧字体は原則とし七新字体に改めた。 5、清濁の表記は底本のままとした。 6、底本には句読点がない。 を付しか。          八四 意昧上の区切りに、飯塚が私に  ̄ ¬     ゝ L _ 7、底本のルビー注記は︵ ︶を付けずに記しか。誤字と推定され る場合、飯塚が私に注を加えたものは、その右傍に︵ ︶付きで注 した。 ︹校異凡例︺ 校異の形式は以下のようである。 a、﹁刈谷本﹂と対校本文との表現が異なって   文を挙げる。   ︵刈谷本︶﹁⋮⋮﹂−︵対校本︶﹁ホホホ﹂ いる場合、両方の本 b、﹁刈谷本﹂にある語が対校本文にない場合、刈谷本の本文を挙   げる。   ︵刈谷本︶﹁⋮⋮﹂−︵対校本︶ナシ ①表記の差と考えられるものは原則として校異に挙げない。但し、  ﹁刈谷本﹂で仮1 書きされており、意眸のとりにくい語句で、他の 本に漢字で示されているときには、校具とは区別せずに載せた。 ②﹁林崎文庫蔵本﹂と﹁鉄心斎文庫蔵弘安五年奥書本﹂が同文で表 記の異なる場合は、︵林︱鉄︶とし、﹁林崎文庫蔵本﹂の表記を記し か。 ③﹁林崎文庫蔵本﹂の傍注は校異とはしなかった。但し、本文中、  ︵ ︶を用いて補われている文字かおる場合は、そのまま転記した。 T︹書   題︺ 伊勢物語髄脳   右近中将在原朝臣義晴謹言

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刈谷市立図書館村上文庫蔵「伊勢物語髄脳」(1) ︿校異﹀ ] . 鉄 心 右近−︵林︶左近権 2 義晴−︵林・鉄︶滋春 3 書−︵林 序 二、   ︹総       論︺ 〒、﹁伊勢の功徳 そなハし侍るおこりを尋ぬれは、たゝたかまの里より天降り、たら 夫、人琳をう に乱ハやふりていてしをはしめとせり、是をおもへ さとりもなかりけるに、畑しなくみなもとを乱れて 徳﹂を知らせる意味︶ け、我あきつしまに生れて、天地開けて、日[月をみ 終 ちをのはこの露、たらちめのうミのほとりにかたちをやとして、 ハ、迷ひもなく、 、あかしの浦の いやましにふかきさかいにおもむく、        15       16      17あり明の月をたもとにかけさりけることハ、みな伊勢のふたつより       18おこりて、しるとしらさるとハかりなり、しる人ハ、いやましにく       19 とくをまし、しらさる人ハ、       20     21      22しかるにしやうしのさとにいてたいしやうのくるまのこの輪にふか       23      24 くめくりて、まことの門にいたらさることかなしきかな、あるひハ       25 久かたのあまのくにゝ生れて、又そこより底にしつミ、あるひハひ      26      27 まなきけふりにきえはて、或ハ、くもはやしの花をなかめて、ほし ちめ 且  9 ほとりにI︵林︶ いばりに ちハやふりてI︵林︶ちはやぶり 10 やとしてI︵鉄︶ やとし 12 迷ひI︵林︶まどひ 13 よしなくI︵林︶よしなきをくりに 14 忘れてI︵林︶かすれ 15 かけさりけるI︵林︶うけざりける ︵鉄︶かけける 16 みなI︵廿 是みな 17 ふたつよりおこりてI︵鉄︶二より奥りて 18 くと くI︵林︶ ばとけのくどく 19 ふかきさかいにおもむくI︵林︶ わ ろきさかひにをもむきて 20 にいてI︵林︶を出て ︵鉄︶をいて 21 たいしやうのくるまI︵林︶おぐるま ︵鉄︶大小の車 22 こ の輪にI︵林︶このわの 23 にいたらさることI︵林︶を出ざる事 の ︵鉄︶ にいらさること 24 かなしきかなI︵林︶ かなしき也 ︵鉄︶なしき哉︵﹁な﹂の上に﹁か﹂の書き添えあり︶ 25 あまの くにゝ−︵林︶天︵圧して︵こ︶ のくにゝ 26 けふりにきえは てI︵林︶けぶりときえはてぬ。しかるも、これはまことのみちに おこらずして、いたづらにたよりなし。︵鉄︶ けふりに消はてぬ 27 くもぱやしの花をなかめてI︵林︶雲のはやしの花をながめて のくらゐにいゑゐをしたりといへとも、いまだこの伊勢のふたつよ りむまれて、伊勢のくとくをしらす、 ︿校異﹀ 1 うけI︵林︶うけて 2 生れてI︵林︶生出て 3 天地開げ てI︵林︶あめつちひらけ 4 みそなハし侍るI︵林︶ みそなは しゝ 5 おこりI︵鉄︶そのおこり 6 たかまの里より天降り I︵林︶王皇よりあひくだりて ︵鉄︶たかまの里より天くたりて 7 露−︵林︶ つゆにかげをやどして 8 たらちめのI︵鉄︶たら ︵鉄︶雲林の花を詠て 28 いゑゐをしたりI︵林︶ いへいをしめた り ︵鉄︶家ゐにしたり 29 ふたつよりむまれてI︵林︶二より生 じて ︵鉄︶二より生れて 30 伊勢のくとくをI︵林︶また伊せの くどくをも 言、﹁伊勢﹂は和合を意珠するこ言        1      2       3またいせのふたつハ、有にもあらす、なきにもあらす、色もなく、  4      5心もなきなり、ひとつにして、ひとつにもあらす、伊なくしてハ。          6勢もなし、伊勢のふたつハふたつなり、ふたつとしハらくいへるハ、  7       8       9 まよへる人をして、ひとつのさとりにいれんかためなり、ひとつと 云は、乱とる人をして、まことのことハりをレらせんかためなりヽ 万そうみな伊勢なれハ、ましそうならへてひとつ也、伊勢と云ハ男        八五

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飯塚恵理人・蛯江ゆき・米ffl真理 女なり、なんによの1 をたてたり、たゝてんかまん斧つみなひとっ 和合なり、伊勢と云は和合ひとっの1 なり、 ︿校言 よ 有にもI︵林︶あるに 2 なきにもI︵林︶なきに ︵鉄︶鉦 にも 3 色もI︵林︶色 ル 心もなきなりI︵林︶心なくなりに けり 5 ひとっにして、ひとっにもあらすI︵林︶ 一にして、ふ たっにあらず。二つにして、ひとっにあらず。︵鉄︶ 一にして一に もあらす 6 伊勢のふたっハふたっなり、よかっとしハらくいへ るハー︵林︶勢なくしては、伊もなし。よかっは、よかっなりとい へども、しばらく ︵鉄︶伊勢の二八二なり二としはらくいへるハ フ まよへる入−︵林︶ まよふ人 8 ひとっのI︵鉄︶ 一の 9 いれんI︵林︶ いらしめむ 10 吝とる人を﹄て、まことのことハ りをI︵林︶さとりの人をして、盲六の理を ︵鉄︶悟人をして実の辻 とハりを 11 しらせん大柿︶ しらしめむ 12 ならへてひとっ 也−︵林︶ みな一となりぬ 13 伊勢と云ハー︵林︶ いせといっは ︵鉄︶又伊勢といふハ 14 なんによの1 をたてたりI︵林︶1 にわ かっことはよろしくまよひのため也。只和合によりて、おとこ・女 の二の名をたてたり。︵鉄︶男女の名をたてたり 15 てんかI︵林︶ 天下の 16 ひとっ和合なりI︵鉄︶ 一和合也 17 和合ひとっの 名なりI︵林︶ひとっの1 にて有也。︵鉄︶和合一の1 也 言、義晴︹滋春︺ 幸に、今、此しきしまにむまれて、よしハるも、また伊勢のこのさ が業平の悟りを知るこ言       r︷t       6       ﹃/とりを得ことうれしきかな、あハれなるかな、そのさとりのつなを こねのうらのなミひろく、素首尾尊のこと葉をなかくつたはり、み れハ、いさなきいざなミのたねをまき、たねをおさめし古しへのあ うちはへて、末の世にくるをなり、まよひの闇をひるかへして、み        八六 もすそ川のみか上たえず、伊勢ふたつのミやはしらたてしより、 古の神谷ぴたりし ましにさかへて、 此24松21の葉ハちりうする事なく、みとりふかく 23 住 なぞアノすF、ドフミ一哨乃く 丿さF。jズく しべ さとりを得たる事、在原の業平、我からちと なり、其なかれ絶えせねハ、おもふ事いはてやと、いさめし言の葉 のしかに、我またしる事なり、谷れハ、たらちをハ、なとりの位 3 0 にそなハりましくて、おもひおもはぬけちめをうしなひて、 3 2 あしのさかひをへたてす、 いつかのミやの、世をのかれし時ハ、い よし   4   3        35       36ろもなく、心もなくなかめをおこし、若紫のふかきちきりをのこし        37 てハ、くらきにきはまりぬとのたまひたりけるなるへし、しかのミ ならす、みすもあらすといふハ、ぶかつなきこと葉をおしへたり、 ︽校言 1 幸にI︵林︶幸 2 しきしまI︵林︶しましま 3 よしハる 上林・鉄︶ しげはる 4 このさとりを得ことI︵林︶ 二のさとり をうること ︵鉄︶二の悟をうること 5 うれしきI︵林∇よろこ ばしき 6 かなI︵林︶ かなや 7 さとりI︵林︶ おぼへ ︵鉄︶ 悟 8 末の世︱︵鉄︶すゑに世︵但し﹁に﹂の右に﹁ノ﹂の書き 添えがある。︶ 9 をなりI︵林︶ ことかく、三界の衆生生死長夜 の ︵鉄︶と也 10 みれハー︵林︶はるぐむかしをたづねみれば、 天のわかみこ・下照姫I 11 いざなミのI︵林︶伊弊冊 12 な ミー︵林︶めぐみのなみ B こと葉をI︵林︶ ことぼけ ︵鉄︶ こ と葉 且 ったはりI︵林︶ つたはりて 15 みもすそ川のI︵豊 ならのみかどのみもすそ川はきょきとくをうっして五十鈴川の ︵鉄︶みもすそ川の清きなかれをくみて五十鈴川の 16 たえすI ︵林︶たえば 17 伊勢ふたっのI︵林︶ いせの二つ ︵の︶ ︵鉄︶ い せの二の 18 ミやはしらI︵林・鉄︶宮ばしらを 19 たてしょ りI︵鉄︶ たてしたてしょり 20 神−︵鉄︶祢︵誤字か?︶ 21

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刈谷市立図書館村上文庫蔵「伊勢物語髄脳」(1) 松の葉ハー︵林︶松のは 22 みとりふかくI︵鉄︶ふかく 23 い やましにI︵林︶ いよく年 24 さとりを得たるI︵林︶谷とりを うる ︵鉄︶悟を得たる 25 往原のI︵鉄︶在原 26 我からちと なりI︵林︶わがたらちお也 ︵鉄︶はかたらちおなり 27 言の葉 −︵鉄︶かとのは 28 なとりの位−︵林︶さとり一位 ︵鉄︶覚の 位 29 そなハりましくてI︵林︶そなはりて 30 おもひおも はぬI︵林︶死して思ふぉもはぬ ︵鉄︶思ひ思ぬ︵﹁ぬ﹂の上に﹁ハ﹂ の書き添えあり︶ 冊 けちめをうしなひてI︵林︶けぢ︵め︶して、 ながしうしなひて 32 へたてすI︵林︶たてず 33 いっかのミ やのI︵林︶ いっきのみゃ 討 いろもなくノ1 もなくI︵林︶ふた っもなし、心も︵と︶ なき 35 おこしI︵林︶残し ︵鉄︶ ナシ 36 のこしてハー︵鉄︶残して 37 きはまりぬI︵林・鉄︶ゆかず 38 みすもあらすといふハー︵林︶ みずもあらずもといふては、し るしらぬことの葉も 39 ふたっなきこと葉−︵林︶二なきことの は︵鉄︶ 二なきことは T、﹁伊勢物語﹂が﹁和合﹂の物語であること︶ そもく、此伊勢物語と云ハ、和合の物かかりかり、和合のひとっ を、よろっのこと葉と、まよひのまへにはみれとも、しる人の前に ハ、たゝひとっ和合にして有なり、唯、是、しる人の、しらさる人 をして、すくハんかためなり、是をまことの伊勢のふたつのまなひ 心さしのゆくもとののそみにてあるへし、此伊勢、わかもとより ひ9 とつ和合軋り、きたる事もなけれハ、乱る事もなし、色も心も、ま ことの牡なけれハ、むさう無ねんなりと云へるなるへし、此ゆへを、 今、よしはる、むかしの事を思ひ、ミつから心をめくらして、たら ちをのしるしのこせるふしをとふらぴおける言葉を2  らぬところな り ︿校異﹀ 土 和合のI︵林︶わがう 2 和合のひとつをI︵林︶わがうひと つの ︵鉄︶和合ひとつを 3 こと葉とI︵林︶ ゆうはの ︵鉄︶ ことのはに 4 ひとつ和合にしてI︵林︶わがうひとつにて ︵鉄︶ 一袷にて︵﹁袷﹂の右に﹁ワカウ﹂とルビあり。︹和︺と︹合︺ の合 字らしい。︶ 5 なりI︵林︶に ︵鉄︶ナシ 6 ふたつのまなひ I︵林︶二のまなみ︵鉄︶二のまなひ 7 伊勢︱︵林・鉄︶ いせは 8 わかI︵林︱鉄︶ナシ 9 ひとつ和合−︵鉄︶ 一和合 10 な り、きたる事もI︵林︶なりけり。これはなり□せのことばにはう せざりけり。きたる事 11 ざる事もなし、色も心も、まことの牡 なけれハー︵林︶さる事なし。色も心も、実琳也ければ、これを ︵鉄︶ 是を に 12 なりと云へるI︵林︶といふ 13 ゆへをI︵林・鉄︶故 且 よしはるI︵林︱鉄︶ありはらのしげはる 15 ミつから −︵林︶みづからの 16 たらちをI︵林︶たらちね 17 ふしをと ふらひおける言葉をゑらぬとごろなりI︵林︶ゆふはをうけて、わ づかに七かでうの髄脳を光らぷるところなるべし ︵鉄︶ ふしをと ふらひいひをけること葉をうけてわつかに七ヶ条の髄脳をゑらふと ころなり 畏︹業平拶臨終の際に有常娘の極楽往生を約束したこと︺  →l      O乙 一 ちゝ業平朝臣、元慶四年五月廿七日の夜半にいたりて、すてに        っり 心上ハけにみえしとき、在常の女、枕によりて、かほをあはせて、  4      [Dかかしミのなミたをなかしていはく、我君うせなん後ハ、おもひの     6       7 闇にまよふて、咎ためてつミふかき道におもむきて、くらきよりく       8      9 らきにいたりなんといへるに、よめる、   0  1  しるやきみ我になれぬるよの人の        八七

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飯塚恵理人・蛯江ゆき・米Eヨ真理  くらきにゅかぬたよりありせは 是ハ、伊勢のまことのさとりのおもむき、ちに伊勢物語をかきたま へるこゝろさし、けとりしやうのためなり、さとれる業平にあぴぬ る、世の人ハ、やミにたとらす、まことの道に縁を結ぶことをハし らぬかと、よまれたるなり、おそらくハ、よしはる此ゑいひとっを まことのおしへにゑたり、これ、ハかりゆうに、伊勢物かたりを つたへん人ハ、まっ我ち≒業平のゑいさうをたもっへし、そのさ うは、ゑほし0 2だヽれに、‰をきぬをきせたり、是吝いこの夜半の すかたなり、此うたを﹂心きて、枕のうへに若むらさきの女を加くへ し、此時まことの伊勢のさとりまなこにあらハれたるかゆへに、こ の伊勢ハ和合の名なり、たゝひとつ和合にして、しハらく男女とふ たつの名をつけたり、和合、元来の1 なり、和合の時、ふたつの物、 ひとつに乱れあひて、ひとつとなるなり、 ︿校異﹀ 1 一 ちゝ業平朝臣−︵林︶ 一、ちゝなりぴらの朝巨 2 廿七 日のI︵林︱鉄︶廿七日 3 在常の女−︵鉄︶有常か娘 4 かな しミー︵林︶かなしび ︵鉄︶悲 5 我−︵林︶ ナシ G まよふ てI︵林︶まよひて ︵鉄︶迷て 7 さためてつミふかき道におも むきてI︵林︶ナシ 8 いたりなんといへるにI︵林︶人なむとみ ゆるに 9 よめるI︵林・鉄︶よめる寄 10 しるやきみI︵林︶ しぬるあいだは 11 せはI︵林・鉄︶とは 12 さとりのおもむ き、ちにI︵林︶ さとりのをもむき、ちゝの ︵鉄︶悟の趣父 13 かきI︵林︶かきをき ︵鉄︶書 14 こゝろさし、けとりしやうの I︵林︶ こゝろざしは、これ化度りしやうの 15 さとれるI︵林︶ さとる 16 世の人ハー︵林︶ せけんの人は ︵鉄︶世の中の人は 17 まことの道に縁を結ふことをハしらぬかとI︵林︶まことのみ        八八 ちにえんをむすび、しらぬが、やみにたどらむずらむと ︵鉄︶実 の道に縁をむすふことをはしらぬかと 18 よしはるI︵林・鯵 しげは。る 19 ゑいひとつをまことのI︵林︶うた一をまことの ︵鉄︶詠一を実の 20 これ、ハかりゆうにI︵林︶ これ、わがなが れに ︵鉄︶是我流に 21 我ち∼業平のI︵林︶われ、なりひら が 22 ビあ言 ゑいさうI’︵林︶影像 ︵鉄︶影像︵但し﹁ヤウサウ﹂のル 23 さうI︵林︶かたち ︵鉄︶像 24 ひたゝれI︵林︶ なをし 25 あをきぬをI︵林︶あをききぬ ︵鉄︶青ききぬを 26 かきてI︵鉄︶書て 27 かくへし、此時まことのI︵林︶かきふし、 此時まことの ︵鉄︶ かくへし此時実の 28 さとりまなこにあら ハれたるかI︵林︶さとりのまなこあらはれ光る ︵鉄︶覚まなこに あらハれたるか 29 ひとつ和合−︵鉄︶一和合 30 にしてI︵豊 にて 31 しハらくI︵林︶よろしく 32 とふたつの1 −︵林︶ の 二1  ︵鉄︶と二の1  33 元来の1 なりI︵林︶もとより此1 也け り ︵鉄︶元来の1 なりけり 討 ふたっのI︵林・鉄︶ 二の 35 ひとつにI︵林︶ 一つに ︵鉄︶ 一に 36 乱れあひてI︵林︶ みだ れあふて 37 ぴとつとI︵林・鉄︶ 一と 四、︹深秘第二和合と悟り︺ 4 しんひたいの第一にいはく、なんによそうくわいの時、ともに ゆふうふしてたかひに一念を生する、このかうしやうの心、 則こう をむすひて、ともにさとる時ハ、いよくふっようをけとこす、唯 さとりの人ハ、 和 匹口する時、閉開たかひにひとつとなりて、五行匹 大心、あひともにゅとぅして、二にんのふたっのねんくよしとし やうっうして、一念生るなり、かうしやうの時、さとりのひとおも ふへし、このかうしやうハ、是、わかしやうにあらす、人のかうし

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刈谷市立図書館村上文庫蔵「伊勢物語髄脳」(1) つにもあらす、天下万象、 五行四大、みなく伊勢なり、ざるを、 われハさとり、人ハまよひ、しるとしらさるとハかりなり、今和合 の時、まよひの心、ねんなくして、さとりもまよひも、よしとおも へる一念を、礼合しかうしやうす、もとよりミな和合なれハ、此和 合の時、さとり心ひとつになり、通しかうしやうする時ハもとより なく、伊勢ほんしやうしやうの和合なり、まよへる心、さとれる心 ‰とつになして、佛のたねをきさし、礼ことのさとりにゑんをむす ふなり、是、しんしつの伊勢のすいなうなり、 ︿校異﹀ Iエ ー しんひたいの第一にいはくI︵林︶深秘第一云 ︵鉄︶秘々 第一に云 2 なんにょI︵林︶おとこをんな ︵鉄︶男女 3 そ うくわいI︵林︶ きうくはひ ︵鉄︶ 交會 4 ゆふうふI︵林︶ ゆ ふぇん ︵鉄︶融同 5 一念を生する、このかうしゃうの心、則 こうをむすひてI︵林︶ 一ねん合成す。此がうしゃうのこゝろ、す なはちきょうをむすぶ。ともにまよふときは、りんゑのきょうをむ すぶ。 ︵鉄︶ 一念を合成の時業を結ひ共にまよふ時ハともに輪廻 のこうを結2   6 ふっようI︵林︶ ほとけの用 7 さとりの人 ハー︵林︶さとる人は、まよふ人に ︵鉄︶覚人と迷人と 8 ひと っとなりてI︵林︶ひとっとなる。︵鉄︶ 一となりて 9 五行四大 心−︵林︶ 五行四大のこゝろ 10 あひともにI︵鉄︶相共に 11 ゆとぅI︵林︶ゆふぇむ ︵鉄︶融同 12 二にんのふたっのねんく よしとしゃうっうして、一念生るなりI︵林︶ ふたりのI々のおも ひにょしとなる□うして、一ねむをがうしゃうする也。 ︵鉄︶ 二 人のこの念々吉と成通して一念を 13 かうしゃうのI︵林︶ この がうしゃうの 14 さとりのひとI︵林︶さとりの人︵と︶ ︵鉄︶ 覚人 15 しゃうI︵林・鉄︶合成 16 人のかうしうにもあらす −︵林︶ ナシ ︵鉄︶人の合成にもあらす 17 みなくI︵林・鉄︶ 皆 18 さとりI︵鉄︶ さとる 19 まよひ、しるとしらさるとハ がりなり、今和合の時−︵林︶まよへり。しるとしらざるとばかり なり。今和合の時、 ︵鉄︶ま︵但し、傍に﹁よひしるとしらさる とばかりなりいまわかうのときま﹂と書き添えかおる。︶ 20 まよ ひの心、ねんI︵林︶此まよふ心、他念 ︵鉄︶ よひの心地念 21 さとりもまよひもI︵林︱鉄︶さとるもまよふも 22 和合しI︵鉄︶ 和合して 23 さとり心−︵林︶さとる心に ︵鉄︶察心 24 1 と つにI︵鉄︶ 一に 舛一 通しI︵林︶ つうじて ︵鉄︶ 通して 26 なくI︵林︶也 27 伊勢ほんしやうしやうI︵林︶ いせのほんうし やううちう ︵鉄︶いせの本有常住 28 和合なりI︵林︶わがうと なるなり 29 さとれるI︵林・鉄︶ さとりの 30 ひとつになし てI︵林︶ひとつになりて ︵鉄︶ 一になして 訂 まことのI︵鉄︶ 実の 32 伊勢のI︵林︶伊勢 五、︹深秘第二、﹃悟りの人﹄が﹃迷へる女﹄と和合する意昧︺ '1 しんひたい第二にいはく、 さとりの人、和合の時、おもへ、こ の和合ハ、これ天下の万象、ミな和合にて有なり、ちしやうしやう しやうの和合なり、此和合        7ハ、みな佛なり、さとりを得時の和合ハ、  8 ほとけのようをはとこし、しゅしをあらハすなり、佛琳をしやうし ゆするしゆしといふハ、これもいんなり、 この いん佛の非をしやう しゆするなり、これハけと利生のためなり、ほとけ出給ふとおもヘ ハ、まんずつといふ八十かいなり、十かいといふハ、地獄・餓鬼︱ 畜生・修羅・几・天・聾聞︱縁覚・菩薩・胤なり、比十界皆和合な り、さとりのほさつ、仏も是和合なり、まよへるちこく・餓鬼・畜 八九

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飯塚恵理人・蛯江ゆき・米田真理 かうしやうする時ハ、さとりの心・まよひの心ひとつになるなり、 ふつしゆをきさし、まことのさとりにけちゑんして、さとりをうる なり、これもむさのけと利やくといふなり、されハ谷とれる人ハま      26      27       28よへる女に和合して、このくわねんをなして、和合のときゆとう、        29      30       31かうしやうして、此一ねんをなす、まよへる女さとりの心にひとつ        32       33     34 になりて、終に悟の縁を結び、悪道にゆかぬなり、 ︿校異﹀ 1 一 しんひたい第二にいはく、さとりの人−︵林︶深秘第二云、 さとりの人 ︵鉄︶深秘第二云覚の人 2 和合の時、おもヘー︵林︶ 和合の時、田むへり ︵鉄︶和合時を 3 天下の万象I︵鉄︶天下万 象 4 にてI︵鉄︶ して 5 ちしやうしやうしやうI︵林︶此わ がうは、自ら清浄 ︵鉄︶自性清0  6 和合ハー︵林︶わがう 7 さとりを得−︵林︶さとりをえぬ ︵鉄︶覚をうる 8 しゆしをあ らハすなり、佛牡をしやうしゆするしゆしといふハー︵林︶種子は 仏琳をじやうじゆす。種子といふは ︵鉄︶種をあらハす也仏姉を 成就する種子と云は 9 これもI︵林︶これ ︵鉄︶ナシ 10 こ のいんI︵林︶此ゐんは ︵鉄︶ ナシ 11 佛の非−︵林︶仏牡 12 しやうしゆするI︵林︶生ずる ︵鉄︶成する 13 これハけと利生 のためなり、ほとけ出給ふとおもペパー︵林︶けどりしやうのばと け世に出給ふと思へり ︵鉄︶ これハ化度利生のためにほとけいて 給ふと思へ 且 十かいとI︵鉄︶ナシ 15 人︱天−︵林︶にんげ ん・天上 16 佛−︵林︶仏果 17 此十界皆和合かり、さとりの ほざつ、仏も是和合なり、まよへるちこくI︵林︶ この十かいみな わがうし、まよへる。ぢごく 18 六道−︵林︶六だうのまよぴの 19 このI︵林︶みなこの 20 ひとつにみたれたりI︵林︶ひとつ にみだれあふ也。一念を ︵鉄︶ ひとつてみのあひたり 21 なる        九〇 なりI︵林︶なり ︵鉄︶成也 22 まことのI︵鉄︶実の 23 さ とりI︵鉄︶悟 24 これもむさのけと利やくといふなりI︵林︶是 をむさうのげどゝいふ也 ︵鉄︶是を無佐の化度利益と云也 25 さとれるI︵林︶さとりの 26 女にI︵林︶女の 27 くわねんI ︵林︶くはんねん ︵鉄︶観念 28 ゆとう、かうしやうI︵林︶ゆ うえん ︵鉄︶融㈲合成 29 此一ねんをなすI︵林︶ このとき一念 合成すれば 32 悟のI︵ 討   ぶ 1/ \ J 林30 心 谷とりのI︵鉄︶覚の 鉦 ひとつにI︵鉄︶ 一に さとりに ︵鉄︶覚の 33 結ひI︵林︶むすびて 悪道にゅかぬI︵林︶あしきみちにゅかざる ︹深秘第=T迷ひの0 と悟りの心が一体化する意味︺ しんひたい三にいはく、さとりの人、和合の時、たかひにこく、 しやうする時、ひとりの手の指を以て、女のかねのうへに、伊勢和 合いつかくとかく、これハなん・によわかうする時、互に心ひとつ になり、一つかくとしやうするといふなり、かくておうなまつIね んゆとうのねんをぱとこす時、もとの和合の心われ・人とてかわら す、たゝ虚空にへんまんしたる1 なれとも、まよひぬる心によりて、 まよふなり、このまよひのヽレヽ さとりの心ひとつになる時、 とりのかうしやうたりしさとりの心になる、業平、此利益をはとこ さんかために、ま谷に女に和合せしなり、されハ、われになれぬる よの人のくらきにゆかすとよまれたり、 ︿校具﹀ 王 ︸ しんひたい三にいはくI︵林・鉄︶深秘第三云 を さと りのI︵林︶ 谷とる 3 たかひにこく、しやうするI︵林︶たがひ にきはめ、しやうずる ︵鉄︶互極成する 4 手の指−︵鉄︶手巾

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刈谷市立図書館村上文庫蔵「伊勢物語髄脳」(1) ひ 5 女のI︵林︶女o G いつかくI︵林︶ひと咎とり ︵鯵 一覚 7 かくI︵鉄︶書 8 これハー︵鉄︶ これ 9 なんIに よI︵林︶おとこ・あんな 亘︶男女 10 する時−︵林︶ のとき ︵鉄︶する 11 互に心ひとつになりI︵林︶たがぴの心ひとつにな るとき ︵鉄︶互忍になる時︹﹁忍﹂は﹁に ︵=丹︶心﹂とも読め る。︺ 12 一つかくとしやうするといふなり、かくておうなまつI ねんゆとうのねんをほとこす時−︵林︶まよふ心吝とりの心、一に なるとかく也。かくしてさきのごとくIねんにむえんの念をほどこ すとき ︵鉄︶まよひの心悟の心ひとつになり一党に成すると云也 かくて女先一念融㈲の念をけとこす時 13 もとのI︵林︶ナシ 且 し 人とてかわらすI︵林︶人のとくわがうす。15 虚空にI︵林︶ 16 したるI︵鉄︶ してる 17 なれともI︵林︶ なれど 18 まよひぬるI︵林︶まよへる 迦 さとりの心ひとっになる時−︵林︶ さとりの心にひとっにしゃうじ、︵鉄︶悟の心ひとっに成時 20 ほんうちしゃうのI︵林︶本有じしゃうの ︵鉄︶本有の自性の 21 りになるなりI︵林︶まぐはへてさとりになりてある ︵鉄︶理に成 也 22 ゑしんI︵鉄︶依身 23 すっるI︵林︶すてぬ 24  さと りのかうしゃうたりしさとりのI︵林︶ 吝とりにほどこす也。この とき、わがうしたりしさとりの ︵鉄︶覚の合成したりし覚の 25 なる、業平−︵林︶なる也。されば、なりひらは ︵鉄︶なる也是秘 の深秘也されは業平 26 ためにI︵鉄︶ためて 27 まさにI︵林︶ かたぐ 28 せしI︵林︶する 29 されハー︵林︶ このためをも て 30 くらきI︵林︶やみ 皿 たりI︵林︶たる也 七、︹深秘第四、悟りの時、和合であるから﹁迷ひ﹂もないE業平  と染殿内侍︺ J しんひたいUにいはく、此和合の時、まよふ心もさとる心もひ 3 とつに成て、まよひも J       4       Fμ一 るもしら谷るも、一つとなるなり、此ゆへに、業平の朝臣、うこん つなれハ、まよひもなきなり、されハ、し のはゝのそめとのゝないしに、   みずもあらすみもせぬ人のこひしくは   あやなくけふやなかめくらさん 此心ハ見るもミ谷るも一つなり、見ぬもみたりといふ心を、みずも あらすとハいふなり、され ハ和合しそむるときをなかむにハ、あや つだの心は、まよひも おもひのミこそしるへなりけれといふハ、吝とりのかたよりまよひ の人に和合して、一念かうしやうの時、さとるおもひをなすちふな り、なにかあやかし、おもひをしるへとおもひてあやありといふな り、あやとハやくなり、まよひもさとりも一つおもひをしるへにて ハあやあり、あやかしとハなにとていはんとなり、 ︿校具﹀ 1 一 しんひたいuにいはくI︵林︶深秘第u云 ︵鉄︶深秘第u 曰 2 まよふ心もさとる心もひとつにI︵林︶まよふこゝろもぴ とつに ︵鉄︶迷心も覚1 も一に 3 まよひも一つI︵林︶まよひ もさとりもひとつ ︵鉄︶まよひもI 4 一つとなるなりI︵廿 一になりし、みぬもみざらぬも、一にしやうずる也 5 うこんの はゝのI︵林︶ さこむ ︵鉄︶右近揚場の G ないしにI︵林︶な いしにあひて 7 こひしくはI︵林︶ 亦むし吝に ︵鉄︶亦言旨 8 此心ハー︵林︶ナシ 9 見るもミさるも一つI︵林︶みしもみ ざるもひとつ ︵鉄︶ みる鳥みさるもI 10 みたりI︵鉄︶みたる n 心をI︵林︶心に ︵鉄︶心 12 みずもあらすとハー︵林︶ み       九一

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飯塚恵理人・蛯江ゆき・米m真理 ずもあらずと 13 されハー︵林︶こひといふは 14  ときをI︵林︶ とて 15 なかむにハー︵林・鉄︶ながむるは 16 いふなりI︵林︶ 也 17 へいしI︵林・鉄︶返事 18 うたの心は、まよひもさと りもI︵林︶ のうた、しるしらぬなにかあやなくわきていほか思ひ のみこそしるべ成けれ此1 の心は、まよひもさとりも ︵鉄︶ の1  心ハまよふも悟るも 19 いつれのI︵林︶なにか 20 めいよと いふへき、たゝおもひのミこそしるへなりけれといふハー︵林︶ま よひ・さとりと云べき。た・ゝおもひのみこそしるべなりけれといふ は ︵鉄︶まよぴ 21 さとりのかたよりI︵鉄︶覚のかたよりも 22 まよひの人にI︵林︶まよふ人を 23 さとるおもひをなすち ふなり、なにかあやなしI︵林︶さとる思ひこそしるべにてあれ、 しるとしらすると二といふは、あやなし ︵鉄︶ さとる思ひをなす しるしらす何かあやなし 24 あやありとI︵林︶あやまりて 25 とハー︵林︶といふは 26 やくI︵林︱鉄︶益 27 まよひもさと りも一つおもひをしるへにてハあやあり、あやかしとハなにとてい はんとなりI︵林︶まよひもさとりもおもふ恵ひをしるべにて益あ り。二とわきては益なしといふ也。︵鉄︶迷も悟もひとつ思ひをし るへにてあやありとわきてあやなしとはなにとていハかと也 八、︹深秘第五、無相無念とはE業平の斎宮への歌、義晴︵滋巻︶  の業平葬儀の時の歌︺ 一 しんひたい五にいはく、無相無念といふハ、無相ハ色もなく、 無念はおもひもなきなり、三千世界ハ色也、しんしやうン氷是ミ なさとりの時ハ 、無相無念にしてあるなり、さいくうのあまになり て、よをのかれたるとおほせられし時、なりひらの朝巨、よみてた てまつりけるうた、 九二       12      13   そむくとて雲にハのらぬものなれと        14      15   よのうき事そよそになるてふ        16      17此冊の心ハ、よをそむくといふてあまになりて山里にいたれとも、 うきよの中なれハ、ふるまひハそむかぬよのなかにてあるなり、 よ20 をそむくといふハ、世間に有ながら、無念無相になるとき、そむか れたるよのなかに言あるなり、無相無念ハ、虚空同皿なり、空ハ色 もなし、されハ、虚空のことくして、無念無相なる時、よの中ハす てられて、生死をいつるなり、此無相無念のさとりになりて、虚空 ㈲言の時、 生死ハなきなり、生死のなしとい の528とりなりヽ此故に129しハる、130うとりのこうりにて、‰平中将        7       2ふハ、無念無相の伊勢       31    32       33の、さうけうの時よめる。       34   きのふ見しすかたハ空にきえ果て    色もこゝろもなくなりにけり  35       36       37       38只今このゑしんをすてたるとき、まめやかにまことの無相無念にな      39 りぬとよめるなり、 ︿校異﹀ 1 一 しんひたい五にいぱくI︵林・鉄︶深秘第五云 2 なく           / ‘ ノ ヘ       、           。                             ︱         ’             ノ       / ‘ ノ       ー 7 ″ χ       ノ 1 i   i         i な り   6   さ と り の I ︵ 林 ︶ さ と る   ︵ 鉄 ︶ 悟 の   7   無 相 無 念 に し ︵鉄︶なし 3 無念はI︵林︶無念といふは 4 おもひもなき ︵林︶おもひなき 5 しんしやうで心−︵林・鉄︶心性はこゝろ てI︵林︶むねむにて 8 のかれたるI︵林︶ のがれたり 9 お ほせられしI︵林︶ の給ひし 10 なりひらの朝臣−︵鉄︶業平朝臣 1111 よみてたてまつりけるI︵林︶よみつかはし給ひける ︵鉄︶よ ミてたてまつり給ひける 12 のらぬI︵林1鉄︶ いらぬ 13 な れとI︵林・鉄︶ゆへに 14 うき事子−︵林・鉄︶うきことの 15 なるてふI︵鉄︶成らん 16 といふてI︵林︶とて ︵鉄︶といひ

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                                                                9             1                       1                                       1 な り 、 此 心 ハ 物 を し り 、 悟 り の 有 ゆ ぺ に 、 く ら く な け れ ハ 、 明 か な 神とハたましゐ心をいふなり、 此人ハ、法界虚空を偏満してよく犬 九三 刈谷市立回書館村上文庫蔵「伊勢物語髄脳」(1) て 17 いかれともI︵鉄︶ ゐたるとも 18 ふるまひハー︵林︶ふ るまひ 19 そむかぬI︵林・鉄︶ そむかれぬ 20 よをそむくと 列ふハ、世間に有ながら、無念無相になるときI︵林︶ナシ ︵鉄︶ よをそむくと云は世間にありながら心無念無相に成時 21 無相無 念ハ、虚空同譜なり、空ハ色もなしI︵林︶雲といふはそらといふ ぎなり。そらに人といふは、さとりのむさうむねんは、こくうどう たいになりて、こくうは無色無心也 ︵鉄︶無相無念ハ虚空㈲琳也 空ハ心も色もなし 22 無念無相−︵林︶か号つむねんに 23 生 死をいつるなりI︵林︶生花を出る也。世中といふは生死也。24 さとりにI︵鉄︶覚に 25 なりてI︵林︶なるとき、こくうどうた い也 26 生死のなしI︵林︶生死なし ︵鉄︶生死のなき 27 無 念無相−︵林︶む号つむねん 28 さとり上鉄︶ 悟 29 よしハる −︵林・鉄︶ しげはる 30 おうとりのこうりI︵林︶おうとりぐん ︵鉄︶大1 部 31 業平中将のI︵林︶業平の中将 32 号つけうI ︵林︶さうそう ︵鉄︶ 号つめう 33 よめるI︵林︶詠寄 ︵鉄︶よ めり 34 き之果てI︵林・鉄︶なりはてゝ 35 只今このI︵林︶ このうた、さうそうのつぎのひよめる也。さとりの時、さとる心也。 む号つむねんは只今 36 ゑしんI︵鉄︶依身 37 まことのI︵鉄︶ まことに 38 無相無念−︵林︶むねむむさう 39 よめるなりI ︵林︶詠也 九 一 ︹深秘第六、悟りの時、皆和合であるから善悪の区別はない︺ しんひたい六にいはく、此さとりをうる時、皆和合なれハ、 よ3 しあしのかがちもなきなり、善悪不二として、伊勢の一つ和合なる なり、此故に世中のれ                                                                                                                                                                 I 肖                 1 の 人 ハ お も ふ を も お も ハ ぬ を も け ち め ミ せ ぬ 心 あ り 、 業 平 の さ と り          8いとして、おもハぬをハおもはぬものを、こ χ 1 4` I卜 j ?   ‘’l χ‘ 惣  ゝ E’こ‘I j 4 0 を顕ハす所なり、唯是和合なれは、神ハうけすとも、神のいさむる みちならなくにともいふなり、かゝるまよひの人の、 さとりあるゆ ︹深秘薬七、住吉大閤神を血派の始めとすること︺ しんひたい七にいはく、すミよしの犬明神をけつミやくのふに       14      15へに、悟を伝えて悟らしめんかためなり、伊勢物語とてかけるなり、  16是も和歌の家ひしなり、 ︿校言 "1+ 1 一 しんひたい六にいはくI︵林︱鉄︶深秘第六云 2 北さ とりI︵林︶ この伊勢のさとり ︵鉄︶此伊勢の悟 3 よしあしの I︵林︶此和合に善悪の 4 かがちI︵鉄︶すら 5 善悪不二と してI︵林︶善悪不二にしてなり ︵鉄︶善悪不二にして G 一つ 和合なるなりI︵林︱鉄︶ 一和合になる也 7 れいI︵林︶ためし ︵鉄︶例 8 おもハぬをハおもはぬものをI︵林︶おもふを︵言 もひ思はぬをおもはず 9 ありI︵林︶ありといふ也 10 さと りI︵鉄︶悟 11 是−︵林︶この 12 ともI︵林︶ともながめ ︵鉄︶ とても 13 かゝるまよひの人の、さとりあるゆへにI︵林︶ この 和合は、かゝるまよひの人をすくふことはりのさとり、あがこのゆ へに ︵鉄︶かゝるまよひの入覚の有ゆへに 且 ためなけI︵林・ 鉄︶ために 15 かけるI︵林︶ いへる 16 是も和歌の家ひしな りI︵林︶この事は是家の秘事なり ︵鉄︶これ和冊の家の秘事也 はしめとする事、大明神といふハ、おはぎに明かなるをいふなり、 るなり、一切の心を大明神といふなり、この人 ハほんうしやうしゅ

(15)

飯塚恵理人・蛯江ゆき・米日ヨ真理 の和合、無相無念なれハ、いとふへき事もなし、ねかふへき事もな し、とさとる時、よの中ハすみよしなるなり、ざる開、すみよし大 明神といふなり、このう てたくせんするといへる へ、すみよしの社に参りたるに、巫につけ に、業平をほめていはく、なんしハ凡夫の 愚人にあらすとのたまひしより、 人業平をおそれしかハ、わさとす ミよしの神のおしへによりてさとると とす、しかれハ い26 9 7 さとる人ハ、わさとまよへる女に和合して、此谷 とりを結ハせ、縁を結ひ置て、 ふあやまりなき心をはしめ 礼人の到しんを捨るとき、佐りをえ させむとすへきなり、業平のほんゐハ、伊勢のさとりをかきおきだ る志ののそみ、た 宍是よしハるかすいなうなりと云代穴賢他人に みすへがらす、可秘云云、 ︿校異﹀ 1 一 しんひたい七にいはくI︵林・鉄︶深秘第七云 2 すミ よしのI︵鉄︶往吉 3 けっミやくのふにI︵林︶血脈文 ︵鉄︶ 血脈の譜に ル仕 おほきにI︵林︶大きに ︵鉄︶大に 5 心をい ふなりI︵林︶なり、神の字を玉しゐとよむ也 6 人ハー︵林︾言 ろは ︵鉄︶心の 7 虚空をI︵林︶虚空に 8 よく大なりI︵林︶ おほいなり 9 しりI︵林・鉄︶しる 10 悟りの有ゆへにI︵林︶ かるがゆへに ︵鉄︶悟有故に 11 くらくI︵鉄︶闇 12 明かか るなりI︵林︶あきらか也 ︵鉄︶明也 13 一切のI︵林・鉄︶ こ の故に、一切の 且 人−︵林︶心 ︵鉄︶神 15 ほんうしやうし ゆI︵林︱鉄︶本有常住 16 無相無念なれハー︵林︶むねむむ谷う にしてあるなり。ざれば仏ともいひ、衆生ともいひ、みなむねむ和 合なれば ︵鉄︶無相無念の和合かれは 17 すみよしなるなりI ︵林︶すみよくなる也 ︵鉄︶往吉なる也 18 すみよし大㈲神−︵セ すみよしの大明神 ︵鉄︶大明神 19 巫にっけてI︵林︱鉄︶神、       九匹 禰宜につきて 20 たくせんI︵林︶御たくせむ 21 なんしハ凡 失の愚人にあらすとのたまひしょりI︵林︶ ナシ 22 人−︵林︶ 人々 器 おそれしかハー︵林︶物へかれしかば 24 おしヘー︵鉄︶ をし 25 さとるI︵鉄︶ 覚 26 いふI︵林︶ いひて ︵鉄︶ 云 27 あやまりなき心をはしめとすI︵林︶ 一代といふ也。あざけり なき心をはじめと﹂たれば、一代とをく也 ︵鉄︶あやまちなき心 をはしめとす 28 しかれハー︵林︶然に ︵鉄︶然は 29 さとる 人ハー︵林︶さとれる人の ︵鉄︶覚る人ハ 30 わさとまよへる女 −︵林︶ わざとへまよへぬ女 ︵鉄︶ わざと怖まよへる女 31 さ とりI︵鉄︶悟 32 其人−︵林︶雲人 33 ゑしんを捨るI︵林︶ 1  しんをすつる ︵鉄︶依1 をすつる 翼 悟り1︵林・鉄︶ このさ とり 35 業平のI︵林︶ これ、なりひらの 36 ほんゐハー︵林︶ 本意 37 さとりをI︵鉄︶覚を 38 かきおきたる志ののそみI ︵林︶ いふをきゝつる心ざしの底これ也 ︵鉄︶書をきたる心さしの のそミ 39 たよ疋−︵林︶是 40 よしハるI︵林・鉄︶しげはる 肘 と云々−︵林︶ナシ ︵鉄︶と云に 42 穴賢他人にみすへがら す、可秘云云−︵林・鉄︶ ナシ 注 I︶ ﹃鉄心斎文庫蔵 伊勢物語古注釈叢刊 二﹄ 解題 片桐洋一 芦   沢新二 八木言店 平成元年一月発行 五〇匹−五〇五頁 ︵2︶ ㈲注1 五○六百 ︵3︶ ﹃謡曲集 上﹄ 伊藤正義校注 新潮日本古典集成 新潮社 昭和   五八年三月発行 二六五頁 頭注一七二九 子︶ ﹃国書総目録﹄ 第一巻 岩波書店 昭和三八年一一月発行 二I   六頁 第二段 子︶ ﹃伊勢物語古註釈の研究 増訂版﹄ 大津有一著 八木書店 昭和   六一年二月発行 三四頁

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刈谷市立図書館村上文庫蔵「伊勢物語髄脳」(1) 八   6 W ら7 心 ら8 心 へ9 心 ら]0 心 らn 心 ら回 心 心13 心 ら14 心  同注7 八八〇−八八一頁   ㈲注7 八八〇頁  同注5 三三頁  同注5 ごニー三四頁 年一月発行 八八〇頁  ﹃伊勢物語の研究︹資料篇︺﹄  ㈲注5 三二頁 ㈲注7 片桐洋一著 明治書院 昭和四四  ﹃未刊回文古註釈大系 第八巻﹄ 吉沢義則編纂 清文堂 昭和一 三年六月発行 昭和四四年復刻版発行 回二︵頁  同注1  補 底記本の翻刻を許可していただいた、刈谷市立図書館に感謝致します。 また、御高著所収の本を校具につけさせていただくことを許可いた だきました、片桐洋一先生に感謝致します。飯塚は平成四年度・平 成五年度の椙山女学園大学研究前成︵言を頂きました。これはこ の助成金により、飯塚が行った読書会・調査の成果の一部となりま す。なお、データ入力を手伝っていただきました日本福祉大学学生 の平沢真哉君に感謝致します。 九五

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