• 検索結果がありません。

下肢人工関節置換術後患者の回復過程における身体活動機能と自己肯定感の変化 : 回復過程における看護師の役割と理学療法士との連携 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "下肢人工関節置換術後患者の回復過程における身体活動機能と自己肯定感の変化 : 回復過程における看護師の役割と理学療法士との連携 利用統計を見る"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

氏 名 井下 裕子 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 看護学 ) 学 位 記 番 号 医工博甲 第306号 学 位 授 与 年 月 日 平成27年3月18日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 ヒューマンヘルスケア学専攻 学 位 論 文 題 名 下肢人工関節置換術後患者の回復過程における身体活動機能と 自己肯定感の変化 ―回復過程における看護師の役割と理学療法 士との連携―

(The Changes in Physical Functions and Self-Affirmations during the Recovery Process in the Patients with Joint Arthroplasty Patients ― The Role of the Nurse and Collaboration with the Physical Therapist during Recovery process ― 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 田辺 文憲 委 員 教 授 相原 正男 委 員 教 授 高田谷 久美子 委 員 教 授 中本 和典 委 員 准教授 坂本 文子

学位論文内容の要旨

(研究背景) 近年,本邦における変形性関節症による下肢人工関節置換術を受ける対象は年 間 約 13.5万 人 に 上 っ て い る .脱臼や感染等術 後 の 生 活 管 理 が 生 涯 に 亘 っ て 必 要 と な る 患 者 自 身 の 生 活 の 質 を 上 げ る た め に は , 患 者 本 人 の 自 信 と 積 極 性 が 必 要 で あ り , 担 当 看 護 師 は , 患 者 の 心 理 的 特 性や 必 要な 生 活調 整 を 十分 に 理解 ・ 把握 し て 支援 を 行っ て いく こ と が重 要 であ る . (研究目的) 下肢人工関節置換術を受けた患者の回復過程における部位別の身体活動機能と自己肯定感の経時 的変化とその関連を明らかにする.同時期の看護師と理学療法士に対し,患者状態の認識に関する調 査を行い,患者自身と看護師,理学療法士の認識の相違について,各時期の特徴を分析し,回復過程 における担当看護師の役割と理学療法士との連携について検討する. (研究方法) A 県内の総合病院整形外科に入院している膝または股関節の人工関節置換術後患者 84 名に対し, 術前(Ⅰ期),術後 1 週目(Ⅱ期),術後 2 週目(Ⅲ期),術後 3 週目(Ⅳ期))の計4回それぞれの時 期において,身体活動機能 21 項目,平石(1993)が作成した自己肯定意識尺度のうち,対自己領域 『自己受容』(4項目),『自己実現的態度』(7項目),『充実感』(8項目)の自己肯定感 19 項目の質

(2)

問紙調査を行った.Ⅱ期からⅣ期は,患者と同一の項目を用いて,患者の担当看護師および担当理学 療法士を対象に,同時期の患者状態の認識の調査を行った.

(データ分析)

手術部位別に股関節群(THA および FHR を施行したもの)と膝関節群(TKA および UKA を施行した もの)の2群に分け,基本属性は記述統計,2群のⅠ期からⅣ期の身体活動機能および自己肯定感 の変化は,Wilcoxon の符号付順位検定(Bonferroni の多重比較)を用いた.Ⅰ期からⅣ期の患者の 身体活動機能と自己肯定感の関係は,Spearman の順位相関係数を用いた。Ⅱ期からⅣ期の身体活動 機能および自己肯定感の患者と担当看護師の認識の比較は,Wilcoxon の符号付順位検定,Ⅱ期から Ⅳ期の身体活動機能の患者と看護師,患者と理学療法士,看護師と理学療法士の認識の比較は, Wilcoxon の符号付順位検定を用いた. (結果) 対 象 患 者 は , 84名 中 回 答 不 備 お よ び 途 中 中 断 を 除 い た 59名 ( 股 関 節 群 32名 , 膝 関 節 群 27 名 ) , 担 当 看 護 師 は 60名 中 患 者 と 同 時 期 の 回 答 が 得 ら れ た 36名 , 担 当 理 学 療 法 士 は 21名 中 患 者 お よび 担 当看 護 師と 同 時 期の 回 答が 得 られ た 11名 を 分 析対 象 とし た . 身 体 活 動 機 能 の Ⅰ 期 か ら Ⅳ 期 の 変 化 は , 股 関 節 群 は , ① Ⅰ 期 に 比 べ , Ⅱ 期 で 有 意 に 下 が る が , Ⅱ 期 以 降 漸 次 上 が り , Ⅳ 期 に は Ⅰ 期 以 上 に 改 善 し て い く 項 目 ( 改 善 パ タ ー ン ) , ② Ⅳ 期 に は Ⅰ 期 と 同 程 度 ま で 改 善 す る 項 目 ( 術 後 回 復 パ タ ー ン ) , ③ Ⅳ 期 に は Ⅰ 期 と 同 程 度 ま で の 改 善 に は 至 ら な か っ た 項 目 ( 回 復 途 上 パ タ ー ン ) , ④ Ⅰ 期 か ら Ⅳ 期 ま で の 全 て の 測 定 段 階 に お い て 得 点 の 変 化 が 見 ら れ ず , 低 い 得 点 で 経 過 す る 項 目 ( 回 復 困 難 パ タ ー ン ) が あ る こ とが 明 らか と なっ た . 膝関 節 群に お いて も , 股関 節 群と 同 様で あ っ た. 自己肯定感のⅠ 期 か ら Ⅳ 期 の 変化は,股 関 節群 の『 自己 受 容 』は ,全 期 に 亘り ,得点 の 顕 著 な 変 化は な く経 過 して い た.『 自己 実 現的 態度 』は,Ⅰ期に比べ,Ⅱ期で有意に上がるが, Ⅲ期,Ⅳ期と漸次下がる傾向を示す項目やⅠ期に比べ,Ⅱ期で若干得点が上がり,Ⅲ期,Ⅳ 期と緩やかな上昇もしくは顕著な変化なく経過する項目があり,『 充 実 感 』は,Ⅰ期に比べ, Ⅱ期で若干得点が上がり,Ⅲ期,Ⅳ期と緩やかな上昇もしくは顕著な変化なく経過していた. 膝関節群では,『 自 己 受 容 』 や 『 自 己 実 現 的 態 度 』 , 『 充 実 感 』 は 全 期 に 亘 り , 得 点 の 顕 著 な 変 化 は な く , 股 関 節 群 と 比 較 す る と 全ての項目で高 値 を 示 し , 『 自 己 受 容 』 , 『 自 己 実 現 的 態度 』 は有 意 差が あった(p=0.000~0.012). 身体活動機能と自己肯定感のⅠ 期 か ら Ⅳ 期の関係は,両群 共 に ,Ⅱ期以降の身 体 活 動 機 能 と 充 実 感で 有 意な 正 相関 が あ った . 担 当 看 護 師 の 患 者 状 態 の 認 識 に つ い て , 身 体 活 動 機 能 は 患 者 よ り も 高 く 捉 え て お り , 自 己 肯 定 感 は , 低 く 捉 え て い た . 担 当 理 学 療 法 士 は 患 者 の 身 体 活 動 機 能 に つ い て , 患 者 と 同 程 度 に捉 え てい た . (考察) 下 肢 人 工 関 節 置 換 術 を 受 け た 患 者 の 回 復 過 程 の 特 徴 は , 身 体 活 動 機 能 の 術 後 の 低 下 と 比 較 し て 自 己 肯 定 感 の 変 化 は 少 な か っ た . 身 体 活 動 機 能 に つ い て は , 手 術 部 位 に よ り 回 復 が 異 な り , 股 関 節 群 の 方 が 動 作 の 実 施 困 難 度 は 高 く , 実 施 可 能 と な る ま で の 時 間 も 要 す る 項 目 が 多 かっ た .股 関 節群 へ の 機能 回 復促 進 への 関 わ りが よ り必 要 であ る . 身 体 活 動機 能 と自 己 肯定 感 の 関係 よ り ,術 後の 機 能 訓練 実 施による動作 の習 得がスムーズに

(3)

図 れることで,効 果 的 なリハビリテーションに繋 がり,自 己 認 識 は高ま る ことが 期 待 でき る . 同 時 期 の 担 当 看 護 師 ・ 担 当 理 学 療 法 士 の 患 者 状 態 の 認 識 の 特 徴 は , 看 護 師 は 患 者 よ り 身 体 活 動 機 能 は 高 く , 自 己 肯 定 感 は 低 く 捉 え る 傾 向 が み ら れ た . 一 方 , 理 学 療 法 士 は 患 者 の 身 体 活 動 機 能 を 患 者 と 同 程 度 に 捉 え て お り , 正 確 か つ 客 観 的 な 機 能 評 価 が 実 施 さ れ て い る こ と が 推 測 さ れ た . 担 当 看 護 師 は 理 学 療 法 士 よ り 患 者 の 身 体 活 動 機 能 に 対 す る 情 報 収 集 ・ 情 報 交 換を 積 極的 に 行い , 正 確な 状 態把 握 をし て い くこ と が必 要 であ る . 今回の結果から,患 者 の 回 復過 程 を促 進 する た め には ,担 当看 護師 は ,股 関節 と 膝関 節の 手 術 部 位 に よ る 相 違 性 を 意 識 , 留 意 し な が ら 日 常 生 活 援 助 を 実 施 し て い く 必 要 が あ る こ と が 示 唆 さ れ た . 身 体 活 動 機 能 に つ い て は , 理 学 療 法 士 と の 情 報 交 換 ・ 共 有 を 行 う こ と が 重 要 で あ る . 例 え ば 膝 関 節 群 に つ い て は , 膀 胱 留 置 カ テ ー テ ル の 抜 去 の 時 期 が , 最 短 で 3 日 も し く は 4 日 の 早 い 患 者 が い る が , 他 の 患 者 に つ い て も 看 護 師 が 理 学 療 法 士 と ト イ レ 動 作 の 確 立 に つ い て 確 認 し て い く こ と で , 膀 胱 留 置 カ テ ー テ ル の 抜 去 の 時 期 を 早 め る こ と が 可 能 で あ る . ト イ レ 動 作 の 早 い 段 階 で の 確 立 が , 離 床 機 会 の 増 大 を 促 し , 身 体 活 動 機 能 の 早 期 回 復 につ な がる と 考え ら れ る. (結論) 看護師は,THA と TKA の手術部位による相違性より,身体活動機能の回復の特性を意識,留意して日常 生活援助を実施していくことが必要である.理学療法士との連携・協力により,患者状態の把握を正確 に行っていくことで,術後のリハビリテーション計画の促進が可能である.

論文審査結果の要旨

1. 学位論文の研究テーマの学術的意義 論文題名は「下肢人工関節置換術後患者の回復過程に伴う身体活動状態と自己肯定感の変化 -看護師の役割と理学療法士との連携-」である。本研究は,股関節または膝関節の人工置換術を受け た患者の回復過程における身体活動機能と自己肯定感について術前から術後にわたり経時的に調査 するとともに,患者を担当した看護師と理学療法士に対し患者状態の認識について調査を行い,時期 別の特徴や認識の相違について分析を行っている。調査時期は,術前,術後1週後,術後2週後,術 後3週後の4回であった。 研究の結果から,身体活動機能と自己肯定感の関係について,股関節,膝関節群の両群とも術後1 週以降の身体活動機能と自己肯定感の充実感「自分の好きなことがやれていると思える」で有意な正 の相関がみられることなどがわかった。また,患者状態の認識について看護師は,身体活動機能につ いては患者より高くとらえ,自己肯定感は患者より低くとらえていた。一方,理学療法士は患者の身 体活動機能を患者と同程度にとらえていた。本研究の結果全般から,股関節群と膝関節群の術後回復 過程の変化の特徴や患者と看護師,理学療法士間の身体活動機能と自己肯定感の認識の違いが示され た。本研究は看護師として下肢人工関節置換術後の早期回復を支援するための貴重な資料となるとと もに,看護師と理学療法士との情報交換などの連携を深める必要性を示唆したものであり,博士論文 として価値のある研究と判断する。 2.学位論文および研究の問題点 身体活動機能や自己肯定感の調査において,患者と看護師で同じ調査用紙や尺度で比較することの

(4)

妥当性に課題が残る。また,自己肯定感の下位尺度と身体活動機能の間に負の相関も多くみられるこ となどの点は,研究の限界と思われる。 3.データの信頼性 調査は約 1 年半にわたり実施され,統計分析も適切になされており,データは信頼できるものと判 断する。 4.今後の課題 本研究では,下肢人工関節置換術を受けた患者の回復過程における部位別の身体活動機能と自己肯 定感の経時的変化の特徴をみることが目的のひとつであったが,同じ部位でも術式が異なり,また腰 部疾患をもつ患者もおり,単に部位別で比較することには限界がある。バイアスをなくすために患者 の選定等に工夫が必要である。

参照

関連したドキュメント

本学級の児童は,89%の児童が「外国 語活動が好きだ」と回答しており,多く

2.認定看護管理者教育課程サードレベル修了者以外の受験者について、看護系大学院の修士課程

第4 回モニ タリン グ技 術等の 船 舶建造工 程へ の適用 に関す る調査 研究 委員 会開催( レー ザ溶接 技術の 船舶建 造工 程への 適

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

個人は,その社会生活関係において自己の自由意思にもとづいて契約をす