• 検索結果がありません。

甘蔗の初期生育相に関する研究: University of the Ryukyus Repository

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "甘蔗の初期生育相に関する研究: University of the Ryukyus Repository"

Copied!
53
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

甘蔗の初期生育相に関する研究

Author(s)

宮里, 清松

Citation

琉球大学農家政工学部学術報告 = The science bulletin of

the Division of Agriculture, Home Economics & Engineering,

University of the Ryukyus(12): 1-86

Issue Date

1965-10-01

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/23167

(2)

廿蕨の初期生育相に関する研究

宮里清松* KiyomatsuMIYAzATo:StudiesontheGrowth HabitinanEarlyStageofSugarcane. 目次 第1章緒言……….……….… 第2章生育初期における廿蕨諸器官の発育経過……….…...………… 第1節主茎の生長……….………..………. 1.実験材料および方法.……….……….………...…. 2.実験結果.……….……….…….……….. (1)葉の生長……..………..………… (2)初生芽節位……….….………..…….… (3)2.3の生育条件が初生芽節位およびりん片の生長に及ぼす影響..…… (4)根の生長……….…….…………..…… (5)栽培品種のりん片数,初生芽節位および茎根出現の最低節位………… (6)近縁種のりん片数,初生芽節位および茎根出現の最低節位………..… (7)草丈の伸長..………..……….……… 第2節分けつの生長…….……….……… 1.実験結果……….…………..……… (1)分けつの表示法…..………..……….….. (2)第1次分けつの出現節位および伸長経過………....….…….…… (3)第1次分けつの葉の生長と初生芽節位………….………....…… (4)第2次分けつの出現節位と出現方向.……… (5)第1次分けつの根の生長……….…………....…… (6)茎の湾曲が根の発達に及ぼす影響……… 第3節考察……… 第4節摘要……… 第3章節位を異にした蕨苗の発芽生長……… 第1節1節苗の発芽生長……….……… 第2節多節苗の生長.……….……… 第3節立毛廿薦の側芽の生長……… 第4節考察……… 第5節摘要……… 第4章節位を異にした薦茎の節部における維管束の発達…..……… 第5章挿苗の深浅が廿蕨器官の生長に及ぼす影響.……….……… 第6章薦苗のジベレリン処理が器官の生長に及ぼす影響..……… 第1節ジペレリン濃度の影響….…….………. 第2節芽の令を異にした薦苗の処理効果………..….……….……….… 第3節摘要………..……….…… 第7章総括………..………… 文献.……… Summary…….……….……….…………..…..……….… 図版説明…………..….………..……… P1atel~IX 頁233344679田u皿ⅣⅣⅣ姐班邪別別釿訂那那蛆妬卿蛆胡昭印Ⅲ閲Ⅶ羽祁別閲 0 *琉球大学農家政工学部農学科 __--」』

(3)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 第1章緒言 (1) 琉球における廿蒔栽培の起原は明らかでないが,砂糖製造が初めて行なわれたのは1623年で今を 去る約340年前である75)。気候風土が薦作に適し,他に有利な換金作物がなかったために製糖法の導 入以来,蕨作面積は逐年増加し,ついに食用作物の作付が減少して食糧不足が懸念されるようになり, そのために廿蕨作付面積の制限令が1693年にしかれ,195年後の1888年(明治21年)まで廿薦 の栽培が制限された。その後,糖業改良事務局の設置にともなって積極的な奨励施策が打ち出され, 分蜜糖の製造,PCJ系統品種の導入が行なわれて糖業は次第に琉球の基幹産業として発展した。 ところが第2次世界大戦において製糖施設はほとんど壊滅し,その上終戦直後にあっては自給食糧 の生産が優先され,1946年にはアメリカ軍政府の指示によって薦園はことごとく焼却して即時食糧作

物への作付転換がおこなわれたために糖業は一時中断されたが,糖業のない農業経営は経済的に窮迫

し,甘藷の連作だけではかえって食糧生産も所期の成果をあげることが出来ず,漸次,糖業復興の必要

性が叫ばれるようになり,1948年,南大東島に分蜜糖工場の設置が認可されたのを初めとしてつぎつ

ぎと製糖工場が新設された。その間に日本政府の通商関税上の特恵措置が南西諸島物資に与えられ, 更に沖縄糖を含めた甘味資源需給計画が樹立されるなど強力な施策によって糖業は急速に発展した。 他方,廿蒔の品種も台風に対する抵抗性が著しく強く,再生力が盛んで株出しに適し,比較的痩薄 な山地にも適応性をもつなどの特性をそなえたN:CO、310が導入されて普及したために荒地,山林

原野を開墾して簾園に切りかえるものが多くなり,蕨作面積は著しく増大して1964~5年期には収穫

面積2,983,045a,産糖高298,348tonに達し琉球の糖業史上,最高の記録を示すに至った。

翻って戦後における糖業の発展をみると,産糖量の増加は栽培技術の改善によるよりは砂糖の関税

保護,原料廿蕨の価格政策にささえられて蕨作面積の拡大によってなされた面が大きいが,未開発の 土地は一部地域を除けば極めて少なく,全耕地面積に対する廿蕨の作付面積の割合が比較的高いため に蕨作面積の大幅な増大は困難をともなうものと考えられる。従って今後は反収の引き上げなどによ って生産費の軽減を図ることが糖業合理化の上から必要となるが,琉球においては廿蕨に関する研究 が少なく,栽培の技術も外国からとり入れたものが多く,栽培品種もすべて導入種であるために品種 の導入・育成,栽培技術の改善が重要な課題であり,砂糖の貿易自由化の実施された今日においては, これらの問題の解決なしには競争力を高めて国際的に発展することは困難であると考えられる。 (2) 廿蕨の分けつの発生消長については多くの研究がある12,15,24)。現在琉球の首位品種として栽培され ているN:CO、310の有効分けつ期は植え付け後3カ月目であり29),この品種を用いて増収を図るた めには10a当たり10,000本ないし12,000本の健全茎の確保が必要とされ42),事実,競作会の記録 でも20,000kg内外の蕨茎収量を上げている圃場では収穫茎数がおおよそ10,000本に達してい る117,118)。 このように初期分けつの出現および生長を促進し,後期の分けつを抑制して一定数の収穫茎を確保 することは反収増加の上から極めて重要であるが,従来,分けつについての研究が数多くなされてい るとはいえ,分けつ体系が明らかにされていないために分けつの促進・抑制についての普遍的な技術 の組立てが充分になされているとは言えない現状である。 根については根群の発達,Top/Rootratioなどに関する多くの研究がある9,14,19,23,128)が,発根の 節位・時期および方向などをたえず地上部の生長と相関的にとらえたのはみあたらない。

(4)

宮里:甘蕨の初期生育相に関する研究 3

採苗の部位および節位を異にした蕨苗の発芽生長に関してはClements22),見城61)らの研究があり,

節位による生長の差異は主として蕨苗中の含有成分および藤苗の芽の水分含量から説明されている。

本研究は廿蕨の生育初期における諸器官の生長を動的につかみ,生育の様相を明らかにすることが

目的であり,その結果に基づいて栽培技術が改善されることを期待して,1960年以来,琉球大学農家

政工学部および同付属農業試験場で行なったものである。今後の研究にまつべき点も少なくないが,

一応の結論を得たのでここに大要をとりまとめて報告する。

本研究では廿蕨の地上部器官および根の発育経過を明らかにし,分けつ出現の節位・時期および出

現位置による伸長の差異などを調査し,分けつの表示法についての-試案を提出した。また,茎の地

下部の湾曲,蕨苗のジベレリン処理,挿苗法および挿苗の深浅などが器官の生長に及ぼす影響を確か

めた。更に採苗の節位によって地上部各器官の生長および根の発達がことなり,節位による生長の差

異が節部における根原基および維管束の発達と密接な関連のあることを明らかにし,内部形態的に蕨

苗の素質を検討した。これらの成果は分けつの促進・抑制,挿苗法の検討,採苗節位の決定など蕨作

改善に資する点が少なくないものと考える。 (3)

本研究の実施にあたり,適切な指導と鞭健を賜わった恩師片山佃博士(九州大学名誉教授),論文

をまとめるに際して懇切な教示と校閲の労を賜わった九州大学教授江原薫博士,同じく永松土巳博

士に対して深甚な感謝の意を表する。

琉球大学においては仲間操助教授から終始一貫して献身的な協力を得た。得難い協力者であるこ

とを特記したい。島袋俊一博士,日越国吉教授,高良鉄夫博士からは研究を推進する上で便宜と激励

が与えられた。

また,MCC、310の琉球への導入者である大東糖業株式会社農務部長稲福清彦氏からは終始有益な

助言と激励をいただき,同社農務課長大嶺武治氏,農事係長金城良守氏および琉球農業試験場研究官

新垣秀一氏らからは材料の採取にあたって協力を得た。その他,多くの先輩諸氏から激励と助言の与

えられたことを銘記して各位に深謝の意を表する。

本研究の大部分は琉球大学ファウンディション(理事長稲嶺一郎氏)と琉球分蜜糖工業協会の研究

助成費によるものであり,記して感謝の意を表する。

第2章生育初期における甘薦諸器官の発育経過

廿薦についてはこれまでに数多くの研究がなされているが,生育初期における諸器官の発育経過に

ついての細部にわたる調査が少なく,分けつについてもBarber24)その他の研究があるとはいえ,分

けつ体系は確立されていない。適切な栽培技術を組み立てるためには各器官の発育の経過を適確に把

あくする必要があり,分けつ体系が明らかにされなければその促進および抑制も効果的に行なうこと

は不可能である。

本実験では廿蕨の生育の初期段階をとり上げて各器官の発育の経過とそれらの相互関係を明らかに

し,分けつの出現節位,伸長経過および根の生長について調査した。 第1節主茎の生長 1.実験材料および方法

品種はN:CO、310を用い,A区は長さ25cmの2節苗とし,B区およびC区は2節苗を更に等

分に切断して12.5cmの1節苗にした。1本の蕨茎は節位によって令がことなり,従って薦苗は採取

--」)

(5)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 4 の節位がことなると発芽速度,草丈伸長,発根数などに差を生ずるので採苗節位については細心の注 意を払い,次のとおりにした。すなわち〃葉の葉身裏面における中肋と葉鞘との接着部が("-1)葉 の葉耳の位置よりも上部に抽出している最上位の葉を最上位抽出葉と呼び,その葉の着生している節 位の記号を+1とし,||頂次下方へ+2,+3,+4.…と節位記号をつけ,その+6,+7,+8の 各節から採苗した。 調製した苗はA区およびB区では芽を横に,C区では芽を上に向けて水平植にし,栽植の密度を A区は50×36cm,B区およびC区では50×18cmにして,1961年8月11日に植え付け,3cmの 覆土を行ない,植え付け後は1週間ごとに抜き取って所定の調査に供した。 調査基準の主なものは次のとおりである。 (1)葉位芽苞Prophyllumを第1りん片とし,順次上位へ第2,第3りん片と数えた。廿薦 の葉は苗の発芽生長にともなって,逐次,左右交互に規則正しく出現してその数が増加するが,初め に出る葉は葉身のない不完全葉,すなわちりん片(Scale)であり,葉位が進むにつれて漸次その先端 に小片を生じ,ある葉位以上で初めて完全な葉身を着生した葉になる。従ってりん片と完全葉の区別 は困難であるが,便宜上,葉身の長さが1cm以上に伸長したものを第1完全葉とし,それ以下のも のはりん片とした。 (2)節位芽苞の着生している節を第1節とし,漸次,上位へ第2,第3節とした。 (3)抽出葉完全葉において〃葉の葉身裏面における中肋と葉鞘との接着部が,(、-1)葉の 葉鞘から完全に抽出している葉を抽出葉とした。 2.実験結果 (1)葉の生長 1)葉位の表示法 蕨苗に着生している芽の発芽生長した幼廿蕨を主茎とし,その記号をoで表わす。主茎の葉位は芽 苞を第1葉とし,その記号を’/oで表わし,順次,第2葉を2/0,第3葉を3/0.…第〃葉を〃/oと する。廿蒔ではりん片の数が一定していないので特にりん片と完全葉を区別して表示する必要がある 場合にはりん片を1s/0,2s/0.…6s/oのように,分子の葉位記号にSを付記して,それぞれ第1り ん片,第2りん片・…第6りん片とする。完全葉はたとえば第8葉が第1完全葉になる場合には 8.1/0,9.2/0.…'2,5/Oのように,芽苞からの葉位と完全葉の葉位を併記して表示する。 2)りん片の数および長さ 第1表主茎のりん片の数と長さ TableLNumberandlengthofscalesonthemainstem. りん片数(2) りん片長(8)(c、) -コ 変異係数範囲 CRange 区(1)

鞘Ⅲ

1s2s3s4s5s 6s7s8s 8132 1212 ●●●● 0000 +’十’十’十’ 9208 ●●●● 7887 2.28% 2.56 163 2.82 9009 11 ヘヘヘヘ 7776 4444 3434 ●●●● 0000 0.94 0.91 0.90 0.84 1.20 1.16 1.12 1.13 1.48 146 1.43 1.50 3.66 3.34 3.29 4.15 5.80 6.00 5.53 8.23 上下区区 11 区 ABC 0.62 064 0.63 0.68 2.36 2.11 2.09 2.24 Note:(1)P1ots.(2)Numberofscales.(3)Lengthofscales. M=Mean;O=CoefIicientofvariation;1s=firstscale、 P1otA:Two-budcutting P1otB:One-budcuttingofbud“side,,、 PlotC:One-budcuttingofbud“up,,.

(6)

5 宮里:廿蕨の初期生育相に関する研究 りん片の数は個体によって異なり,特に後0m△〃巳一一 120 述するように採苗の節位や生育条件によって 著しい変異を示すが,本実験では採苗の節位

をそろえたので第1表のとおり,各区とも約100

8枚で変異はきわめて少なく,変異係数は1.6 ないし2.8%であった。 りん片の長さは葉位が高くなるにつれて次 80 第に増大した。 3)完全葉の伸長経過 葉の伸長経過をB区について示したのが第 1図である。 60 本調査では主茎における完全葉の柏]出葉位 を基準にしてあるが,参考のために植え`付け

後の日数と抽出葉位との関係を第2表で示し40

た。 生育初期における各葉の伸長はS字型の生 長曲線を描き,上位葉になるにつれて次第に

葉長(葉身+葉鞘)が増大した。片山54)は水20

稲の同伸葉の数が2枚であることを明らかに しているが,廿薦では第1図に示すように6 枚ないし7枚が同時に伸長し,藤井36)がトウ Ⅱ 1234567 モロコシで調査した結果とほぼ一致した。

王茎の抽出葉位(日寺期)

廿蕨のりん片数が個体によって異なること 第1図葉の伸長経過 は前に述べたが,りん片数の多少によって第 Fig.1.Elongationofeachleaves、 1完全葉の伸長,特に葉身長に差のあること8-22=葉位Leaforder、 が認められたので第3表にはりん片数の多少と第1完全葉の伸長との相互関係を示した。 第3表で明らかなとおり,りん片数の多い個体は第1完全葉の葉鞘,葉身の長さが大となり,特に 葉身の伸長が著しかった。全葉長に対する葉身長の割合をみると,A区はりん片数が7枚の個体では 30.0%であるが,8枚の個体は38.5%,9枚の個体は47.6%となり,りん片数が多くなるにつれ て葉身長の割合が増大した。B区およびC区でも同じ傾向を示し,りん片数の増加にともなって第1 完全葉の葉長が増大した。 第2表主茎の抽出葉数 Table2.Foliageleaforderofthehighestvisibledewlaponthemainstem.

三71>lflliiii

7 14 21 28 35 42 49(日) 5910 ●●●● 5455 7.7 7.2 7.1 7.0 4.6 3.7 4.2 4.2 3.8 3.1 3.4 3.1 0000 8360 ●●●● 0001 2.6 2.0 2.1 2.3 上下区区 11 区 ABc Note:(1)P1ots.(2)Numberofdaysafterplanting. -J

(7)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 第3表りん片数の異なる個体の第1本葉の伸長(c、) Table3.Lengthoffirstfoliageleafoftheshoots withdifTerentnumberofscales. 葉鞘長 8 葉身長B

言+蟇(B/s+B)×'00

区(1)りん片数(2) 789789789 111 区区区 ABC 9.1 9.6 9.9 8.5 9.2 10.1 7.7 7.7 9.7 900797815 ●●●●●●●●● 369360294 1 1 069218585 ●●●●●●●●● 358260064 111112112 056194724 ●●●●●●●●● 087021640 334345256 Note:(1)Plots.(2)Numberofscales. S=Lengthofleaf-sheath;B=Lengthofleaf-blade. 第4表主茎の出葉期(日) Table4.Appearancetimeofdewlapofleaffromunderleaf-sheath

三Iテ華竺fミニ’123456781101=…

14.8 19.4 12.9 13.3 上下区区 21.1 26.5 18.8 19.9 26.9 31.6 24.4 24.8 31.4 37.0 30.2 30.3 36.7 42.8 35.8 35.6 42.1 48.7 42.1 41.9 47.3 54.4 47.1 47.5

53.258.966.3〃=10.40+5.36〃 60.1 〃=15.44+5.47〃 53.058.163.7〃=7.15+5.72〃 52.958.564.3〃=8.87+5.46〃 A区 BC Note:(1)P1ots.(2)Orderoffoliageleaf

が着生しているためにいずれの区棉数。の値がPFitol聯変異係数範囲

…芽生長がお■れ…値が著口■;区引|騨簔

廿蕨の芽は苗から発芽生長した幼植物および立Note:M=Mean;C=Coeflicientof

(8)

寓坐:甘薦の初期生育相に閃する研究 7 , ll-4F ;巍 叱,』農M i鶴'5 『

IliililllllililIjiI1

「…! Y 欝 患」 初生芽 鼠 鱗 爵

iJ 6節 …単.韓…_

jliiiililliililillliiiilllilliilll

…… 欝辮I 除写 ■~召 鋪2図初生芽の着生状況 Fig.2.ShowingthenodeofoccurrenceofnrBtbud.

す,ある節位よりも上位に初めて生ずる(第2図)。この初めて茎に着生するIHll芽を初生芽,その側芽

の着生している節位を初生芽節位と呼ぶことにする。

初生芽節位が臓苗の令や生育条件によって著しく異なることは後述するが,本実験では採苗の節位

をそろえてあるので変異は少なかった。第5表は各区の初生芽節位の調査結果を示したものである。

初生芽の着生節位は早い個体で第6節,おそい個体では第9節であるが,平均値でみると2節苗の

A区は上位節7.0±0.18,下`位節7.1±0.18となり,B区は7.1±0.12,C区は6.9±0.13でおおよそ

7節目に初めて側芽が着生する。変異,係数は1.69%ないし2.57%できわめて小さかった。

このようにtl-jW鳶は下位の数節には側芽が着生せず,また,分けつ芽は葉鞘をつき破って出現するた

めに生育中に分けつ位を確認することはきわめて困難である第6表主茎のりん片数と初生芽

が,品種のりん片数を知り,股上位りん片の着生節位と初生 節位の相関 芽節位の相関を求めてりん片節位から初生芽節位が推測できTable6Correlationbetween numberofscalesandnode れぱ実用的面から便利である。 orderofoccurrenceofiirst

りん片数,すなわち最上位りん片の着生する節位と初生芽budonthemainstem

節`位の相互関係をみると,両者の節位の差はA区の上位節,一

B区および。区,…,A区の下位節は,ユであり,初生芽区。,|相'劇係数(2)

k+0.455***

…'迦りん片の…位より…よそ1つ下…に着奥区(ギ

生する。

次に両者の相関を求めると第6表のとおりであり,りん片B区

牧と初生芽節位との間には+の相関があり,いずれも0.,%O区

+0.614*** +0.480*** +0.454*** 水準の有意差が認められた。 Note:(1)PlotS. (2)Correlationcoeilicient.

(3)2.3の生育条件が初生芽節位およびりん片***significantin0.1%

の生長に及ぼす影劉!leveL

(9)

琉球大学腱家政工学部学術報告第12号(1965) 8

前項までに採苗節位をそろえた夏植標準栽培の廿蕨において主茎のりん片数,初生芽節位が個体に

よって差異があることを述べたが,更に異なる生育条件下におけるこれら器官の生長の差異を確める

ために次の実験を行なった。 品種はN:CO、310を用い,生育条件は次のとおりにした。

1)春植標準栽培:耕種基準にしたがって2節苗を1961年3月16日に芽を横に向けて水平植に

した。

2)立毛廿蘇の側芽(Sucker):1960年3月15日に植え付けた標準栽培の廿蕨が出穂した後,蕨

茎の頂部で伸長した側芽を用いた。

3)蕨苗根の切除:1961年3月16日,砂を入れた木権に1節苗を植え,薦苗から出現した根を

絶えず切除して生長させて対照区と比較した。

4)暗室栽培:1961年3月16日,1節苗を木権に挿して暗室で発芽生長させた。

以上の各区の材料はいずれもりん片が生長を完了し,初生芽の確認が可能な時期に採取して調査に

供した。調査結果を示したのが第7表である。

春植標準栽培の廿薦のりん片は葉位が高くなるにつれてその長さが漸増するが,その程度はゆるや

かであった。これに比べて立毛廿蘇の頂部の側芽ではりん片が長く,上位節になるほど伸長が著しか

った。また,側芽ではりん片数が減じて完全葉への発育が早まり,初生芽の着生する節位も低かった

が,その傾向は側芽の着生節位が上位になるほど著しかった。側芽では絶えず母植物から養水分が供

給され,切断された苗の発芽生長に比べて生育条件が恵まれているためにりん片の生長が良好となっ

たものと思われる。更に生育中の廿蘇は節位によって芽の令がことなり,下位節になるにつれて芽の

発育が進んでいるために分化したりん片の数も増加し,従って上位の若い節位から伸長した側芽では

りん片数が減少し,完全葉への発育がはやまったものと考えられる。蕨苗根を切除して生育させた場

合には対照区に比べてりん片の長さが短かくなり’その数は増加し,初生芽節位が上昇した。暗室で

生育させた廿蕨は下位のりん片は対照区と大差はないが,上位りん片は著しく徒長し,その数が増加

した.下位りん片は芽の状態で既にその伸長がほぼ完了しているのに対して,上位りん片は発芽生長

にともなって伸長するために遮光の影響を敏感に受けたものと思われる。

以上のように生育条件によって幼廿蕨の器官の生長が左右され,恵まれた条件ではりん片の完全葉

第7表生育条件と器官の生長

Tab1e7・GrowthofscalesandfirstbudundersOmeconditions.

一一==--= ̄=--=== ̄==---==---==---= ̄---.------_りん片の長さ(C、)(7)

扇条件`。|T「_=,竺オニ屋j蟇で;空Iナーテマ:参艤騨

りん初生芽 6.6 3.9 4.0 4.1 4.8 5.167.0 6.3 11.987.0 6.8 490011307 ●●●●●●■●● 545557676 3.204.877.24 2.20 12.40 10.10 8.62 6.71 1.43 1.98 2.03 1.68 1.33 6.56 5.10 4.47 3.50 1.05 1.41 1.20 1.10 726931215 717528977 ●●●●●●●□● 032220000

春植標準栽培(2)

梢頭部Ⅷ学|蕊

(賓苗蓋切言(:

(眞室照栽醤:

209534064 576665666 ●■●●●●●●● 011110000 12.75 11.47 2.01 2.74 2.48 2.22 4.58 5.25 11.73 6.20 3.53 3.80 5.59 3.86

(1)Growthcondition.(2)Normalspringcane.(3)sucker.

(4)Caneremovedsetroots.(5)Control.(6)Canecultivatedindarkroom.

(7)Lengthofscales.(8)Numberofscales.(9)Nodefirstbudsprouts.

Note:

(10)

宮里:甘蕨の初期生育相に関する研究 への発育が早くなってその数が減少し,初生芽節位も低下する傾向が認められた。 りん片数と初生芽節位との相互関係をみると,立毛廿蕨の側芽では最上位のりん片の着生している 節位よりも上位の節に,その他は最上位りん片と同じ節位か,またはそれよりも下位の節に初生芽が あらわれた。 (4)根の生長 根については〃葉の着生する節の根帯から出現するものを〃節の根として調査した。 1)蕨苗根 廿蕨の根には苗の根原基から出現する根,すなわち薦苗根(Setroot、Rootoforiginalcutting)

と発芽生長した幼植物の茎の下位節から出現する根,すなわち茎根(Shootroot)とがある。植え付

け後の廿蕨はまず苗の根原基から根が出現するが,苗の節数および各節の根原基数は限られており, しかも蕨苗根の寿命は比較的短い24)。他方,幼植物はある時期になると茎根が出現し,生育が進むに つれて発根節数および根数が増加する。従って初期には主として薦苗根にたよっていた善水分の吸収 も漸次,茎根によって行なわれるようになる。 蕨苗根の数と出現経過を示したのが第8表および第3図である。 A区およびB区は第2葉抽出期(植え付け後21日)までに発根がほとんど完了し,その後の増加 はみられなかった。0区では根の出そろう時期がおくれ,第3葉抽出期(植え付け後28日ごろ)に 発根が終了した。また,2節苗では節の上下によって発根数がことなり,下位節では著しく多かった。 2)主茎根の出現節位 第8表薦苗根数 Table8.Numberofrootsfromoriginalcutting. 一時期(葉位)(2) ------

A区(幸

B区 0区 --- 区(1) 1 23 4 5 7 31.3 43.0 35.8 41.4 31.3 42.2 35.3 40.5 29.7 40.5 33.3 42.0 16.1 24.0 19.2 29.8 29.5 42.2 37.2 35.7 30.0 41.1 36.2 41.5 31.0 41.4 37.0 42.0 Note:(1)P1ots.(2)Period(Orderoffoliageleaf). 第9表主茎根出現の最低節位 50 Table9.Thelowestnodeofrooting onthemainstem. 範囲 Range 変異係数 C

鞘Ⅲ

40 t S

区別

根 4.74% 2.70 2.44 999 一一一 445 658 211 000 +|+|+’ 444 557 区区区 ABC 30 歌 20 10 第3図藤苗根教 Fig.3.Numberofrootsfrom originalcuttlng. 234567 王茎の抽出草位 --二

(11)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 10 第10表主茎の根数 Numberofrootsfromthemainstem TablelO

駐口懲1‘。

6 7 8 9 10 11 12 13 計 実験式 0.10.10.10.40.7 0.10.91.11.20.63.9 0.20.91.52.32.40.60.18.0 0.31.21.82.73.42.40.512.3R=-4.39+4.18〃 0.31.02.02.63.43.02.10.715.1 0.51.02.13.03.93.93.90.819.1 0.41.12.13.14.06.15.22.91.21.127.2

Ali

7 0.10.1 0.20.71.01.20.43.5 0.20.81.52.32.20.47.4 0.31.11.72.92.91.60.410.9R=-4.81+4.15〃 0.31.11.82.83.43.02.10.515.0 0.41.11.82.84.04.24.01.40.119.8 0.51.2203.04.35.85.22.30.80.825.8

。|I

曰llIi

---------- Note:(1)P1ots.(2) 0.10.20.10.4 10.10.71.21.13.2 10.31.12.13.10.57.2R=-7.39+4.13$ 10.51.24.24.50.711.2 20.42.24.45.23.80.817.0 20.52.14.65.25.03.20.421.0 Period(Orderoffoliageleaf).(3)Rootingnodeofmainstem. 〕0 主茎において初めて根の出現する節位は個体 によって異なり,早いのはA区およびB区で

第4節,C区で第5節であり,おそいのはいず

れの区も第9節から初まり,それ以下の節位に は根が出現しなかった。平均値をみるとA区お よびB区は5.4節であるが,C区は7.4節で初 めて主茎根の出現する節位が高くなった(第9 表)。 主茎の節位別根数を示したのが第10表およ び第4図である。 A区は第1葉抽出期(植え付け後約2週間目)

に第4節,第5節,第6節および第7節の茎根

が出現し,その後,葉数の増加にともなって発 根節位が高くなった。B区の第1葉抽出期にお ける発根節位は第4節のみであるが,第2葉抽

出期には第5節,第6節,第7節および第8節

の根が出現した。第3葉抽出期(りん片数は8 ワ 筋6 20根 改 10 台 、5 別根奴 432 o訂 234567 765432 即位別狽欲 20胴 欲 10 台 O計 2〕4567 65432 20 根 10玖 谷 O 計 即位別根欲 第4図主茎の根数 Fig.4.Numberofrootsfromthemainshoot、 4.…12=第4節根・…第12節根 Rootsonthenodefromthe4th tol2th. T=根数合計Totalnumberofroots. 2356ワヱ茎の畑山章伯

(12)

宮里:廿蕨の初期生育相に関する研究 11 -1 -I ----。〃10〃"レー、~~グーヘー/1 ---つ〃11〃〃 -.-.-。〃12〃〃 第6図分けつおよび茎根の出現方向 模式図(1節苗・芽横向) Fig.6.Schemashowingthedirection ofoccurrenceoftillersand shootroots(One-budcuttings, bud“side,,). 8-8=Secondordertiller;8, 0,7…・10=SeeFig.4. 力4節根 疹5‘ ′6診 診7診 ,8診 る9診 ・10争 診11◆ ・12. ケ13’  ̄● ̄● ̄ -- ■-------クーータ

’(I

Lへ~~l 第5図分けつおよび茎根の出現方向模式図 (2節苗) Fig.5.Schemashowingthedirectionof occurrenceoftillersandshootroots (Two-budcuttings,bud“side''). S=蕨苗Originalcutting,0=主茎 Mainstem;7…・11=第1図分けつ Firstordertillers;×=伸長の停止 した根Rootsstoppedgrowth.  ̄

L‐~~~

第7図分つけおよび茎根の出現方向模式図 (1節苗・芽上向) Fig.7.Schemashowingthedirectionof occurrenceoftillersandshootroots (One-budcuttings,bud‘`up''). 6-7,7-8=Secondordertillers; S,0,5…・10=SeeFig.4.

(13)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 12 枚であったので第3完全葉の着生節位は8+3=11,すなわち第11節になる)には第9節の根が出現 し,その後,生育が進み抽出葉数が1枚増加するごとに発根節は1位づつ高くなった。これを一般的

に説明すると,最上位抽出葉の着生する節位が第〃節であれば,その時期にはそれよりも下位の(〃

-2)節に茎根が出現伸長し,出葉の周期と同じ速度で茎根の出現節位が高くなった。C区は発根の時 期がおくれ,第2葉抽出期に初めて茎根が出現した。 第7葉抽出期における節位別の根数をみると,A区およびB区の第4節の根数は著しく少ないが, その後,第8節までは節位が1つ高くなるごとにほぼ1本あて増加し,第9節では約6本に達した。 C区では特に下部節位の根の発達が悪かった。

蕨苗根の出そろう時期はA区およびB区は第2葉抽出期,C区は第3葉抽出期であったが,その時

期における主茎の総根数はいずれの区も3本ないし4本であった。それ以後は実験式R=α+、で示 されるように,抽出葉数が1枚増えるごとに約4本の根が増加し,A区およびB区は第6葉抽出期, C区は第7葉抽出期においておおよそ20本に達した。 3)主茎根の出現方向 茎根の出現方向を示したのが第5図,第6図および第7図である。 主茎の根は隣接する分けつ茎の方向に出現伸長するものが少なく,分けつの出現方向の軸に対して 直角の方向が開放されているために,根はこの面に多く出現伸長する。しかも隣接茎および蕨苗の方 向に出現した根のうちには隣接茎に圧迫され,あるいは蕨苗につきあたり,伸長の停止したのもみら 第11表栽培品種のりん片数,初生芽節位および茎根出現の最低節位 TablelLVarietaldiferenceofsugarcaneonnumberofscalesandnode offirstbudandthelowestrootingnode. 茎根出現の(5) 最低節位 一一一一一 111.IF 初生芽節位(4)  ̄--111⑧IB りん片数(8)  ̄--- 11'③】8 ④-⑧⑧-. 品種名(1) 薦苗根数(2) 6 8758850230192429 000000LLLLLL0LLL0 6 44862590313440026 ●●●●●●●●●●●●●●●●● 22111101122112121 6567867767667675 {へ一一一一一一へ{一一一一一一 4444334333434343 9007590289600258 ●●●●●●●●●●●●●●●● 6766656556657665 7 77666776776 {76ヘヘヘ6{{一一一7一一一 6 66555665665 5621341258366256 ●●●●●●●●●●●●●●●● 4445545444435453 98 8878789979898 一一6一一一一}{一一一一一一一 67 6666667757776 6912811889980533 ●●●●●●●●●●●●●●●● 7710952489310000 4344444446317563 1 7702375202619490 ●●●●●■●●●●●●●●●● 7767767678767777 CO、 312 0.P.33-226 0.P.43-33 C・P.44-101 F.147 F.148 F.149 F.151 H、32-8560 H、44-3098 N:CO、376 小笠原種 P0.J、2725 Q、50 s.17 読谷山種 平均

(1)Varieties.(2)Numberofrootsfromoriginalcutting.(3)Numberofscales.

(4)Nodeofoccurrenceoffirstbud.(5)Thelowestnodeofrooting. 〃=Mean;R=Range. Note:

(14)

宮里:甘蕨の初期生育相に関する研究 18 れた゜C区では隣接茎の方向に伸びる根はA区およびB区と同じく少なかったが,蕨苗の芽を上方に 向けて植えてあるために主茎の根が直接,苗につきあたることがなく,伸長の阻害された根はみられ なかった。 (5)栽培品種のりん片数,初生芽節位および茎根出現の最低節位 琉球における蕨作面積の約99.4%(1963年7月現在)を占めるMoo,310を用いたA区,B区お よびC区のりん片数,初生芽節位および根の生長については前述したが,更に他の栽培品種について 完成した節位から採取した1節苗を用い,蕨苗根数と幼廿蒔のりん片数,初生芽節位および茎根出現 の最低節位を調査した結果は第11表のとおりである。 蒔苗根の数は小笠原種で著しく多く,読谷山種は少なかった。りん片数は6.0枚ないし8.2枚で, 変異の幅は5枚ないし9枚であった。初生芽節位は5.0節ないし7.0節でりん片数よりも変異が小さ かった。また,初めて茎根の出現する節位は3.6節ないし5.6節で小笠原種,読谷山種では低かった。 最上位りん片の着生節位と初生芽節位の差は0ないし1.5節(平均0.96)であり,同じ節位か,ま たは最上位りん片の着生する節位よりもおおよそ1つ下位の節に初生芽があらわれた。初生芽節位と 茎根出現の最低節位との差は0.9節ないし2.4節(平均1.66)で初生芽の着生節位よりも1節ないし 2節下位に初めて茎根が出現した。 8 8 り 71 -」 7 り〃ん岸」数 〃] 「」 '1 巴」 7 人侘数 r1 L」 「可 L」 6 6 567 初生芽節イ立 第8図栽培品種のりん片数と初生芽節位 の相関 Fig.8.Correlationbetweennumberof scalesandnodeorderofoccur- renceoffirstbud・ CO=CO、312;C33=C、P、33-226;C43=C・P、43-33; C44=C・P、44-101;F7=E147;F8=F、148;F9= F、149;F1=E151;H2=H、32-8560;H44=44-3098;N=N:C0.376;O=Ogasawara;P=P、0.J、 2725;Q=q50;S=S、17;Y=Yomitanzan. 3456 茎根出現の最低節位 第9図栽培品種のりん片数と茎根出現最 低節位の相関 Fig.9.Correlationbetweennumberof scalesandthelowestrooting node. 7 6 5 初生芽節位 ] ] 第10図栽培品種の初生芽節位と茎根出現 最低節位の相関 Fig.10.Correlationbetweennodeorder ofoccurrenceoffir8tbudand thelowestrootingnode. 3456 茎根出現の最低節イ立 」

(15)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 14 N:CO、310を用いた各区の最上位りん片の着生する節位と初生芽節位との間に+の相関のあるこ とは先に述べたが,第8図,第9図および第10図は各品種のりん片数,すなわち最上位りん片の着 生節位,初生芽節位および茎根出現の最低節位の相互間における相関を示したものである。 りん片数の多い品種は初生芽の着生節位が高くなり,両者の間の相関係数は7=+0.786で0.1% 水準のきわめて高い有意性を示し,また,茎根出現の最低節位とりん片数および初生芽節位との間に もそれぞれγ=+0.648および7=+0.642の係数を示し,いずれも1%の危険率で有意の相関関係 がみられ,茎根出現の早い品種はりん片数が減少し,初生芽の節位が低下した。 (6)近縁種のりん片数,初生芽節位および茎根出現の最低節位 栽培品種と比較するために野生種のG1agah(SqcchqroLm,spo"tα"COO川),ナンゴクワセオバナ (S・SPO"tα"ew7D,ヨシススキ(S、αγ"mmqce"、),Chunnee(S・bcz7Mi)およびBlackCheribon とS・SPO"tα"e拠れの自然交雑種であるKassoerについてりん片数,初生芽節位および初めて茎根 の出現する節位を調査した。結果は第12表のとおりである。 りん片数はG1agah,Chunnee,Kassoerでは栽培廿蕨との差はみられないが,ナンゴクワセオバ ナ,ヨシススキでは少なかった。初めて側芽の着生する節位は第5節または第6節で栽培品種と大 差はなかった。薦苗根数をみると自然交雑種のKassoerは約30本で比較的多かったが,G1agah, Chunneeは少なく,ナンゴクワセオパナ,ヨシススキでは著しく減少した。また,茎根の初めて出現 する節位は栽培廿薦とほぼ同じであり,下位の2節ないし3節には根が出現しなかった。 (7)草丈の伸長 主茎における草丈の伸長経過を第13表でみると,第2葉抽出期までの伸長は急速に行なわれたが, 第4葉,第5葉の抽出期になると漸次,緩慢となり,主茎および分けつ茎の根数が急増する第6葉抽 出期以後において再び盛んになった。C区は第1葉抽出期までの草丈は他区よりも高いが,その後の 伸長はおとろえ,A区およびB区よりも生育が悪かった。 従来,薦苗の節数と生育の関係については多くの研究があり,2つ以上の節を有する蕨苗を用いる と最頂部の芽の伸長が盛んになることが明らかにされている。 これまで述べた草丈の推移は抽出葉数を基準にしてあるために2節苗の上位節の芽と下位節の芽の 伸長差が示めされていない。そこで2節苗について上下両節の生長の差異を確かめるために木権を用 第12表近縁種のりん片数,初生芽節位および茎根出現の最低節位 Table12.GrowthoforgansinsomespeciesofthegenusSqcchq7"、. 茎根出現の(4) 最低節位 一一-一 DIE 初生芽節位(3)  ̄-- ̄ j1IR りん片数(2) 一一-,118 蕨苗根数(5) 類(1) 種 SCucchq7"、SPO"tα"eO4m, GlagahKrakatau ナンゴクワセオバナ S・cuwL"。‘"qccwn, ヨシススキ Kassoer(BlackCheribon ×S・spo"tcuooe肌叩ofJava) S・bcu7beri Chunnee 15.0 9.1 64 一一 33 4~8 4~5 4.9 3.4 6~85.9 4~64.9 7.0 5.5 2.4 30.5 3~5 3~5 3.9 3.4 5~7 4~6 4~65.3 5~85.4 4.9 6.5 7.076.16~75.14~614.4

(1)Speciesandvarieties.(2)Numberofscales.(3)Nodeofoccurrenceof

lirstbud.(4)Thelowestnodeofrooting.(5)Numberofrootsfromoriginal cutti、9.M=Mean;E=Range. Note:

(16)

宮里:廿蕨の初期生育相に関する研究 15 第13表主茎の草丈(c、). Tablel30hangesinplantheightofthemainstem(c、). 痔耳Ⅱ(聿董‘ 1234567 ABC 24.2 25.8 25.3 59.5 56.9 54.7 77.3 77.5 68.8 85.6 86.2 81.4 92.8 92.9 88.0 109.8 107.9 99.6 127.6 123.0 110.5 Note:(1)P1ots.(2)Period(Orderoffoliageleaf). 第14表2節苗,1節苗の幼芽出現速度および草丈伸長 Table14.Sproutingperiodsandshootlengthoftwo-bud cuttingsandone-budcuttings. 草丈伸長(c、)(3) 幼芽の地上(2)

鑑冑裟上鰹LIZ一三三二」ごそ-1菫希「百丁濯繍",

142128 区(1)

蝋繍にji

縦liiJlLl

7.9 21.8 16.0 18.9 27.2 29.0 566005550963391 ●●●●●●●●●●●●●●● 994909476926968 434565645666666 540809391661323 ●●●●●●●●●●●●●●● 783507524492354 767898978989999 439407555788386 ●●●●●●●●●●●●●●● 740105068423264 989010290111111 1111 1111111 440333984989899 ●●●●●●●●●●●●●●● 434444323333333 9.0 8.5 7.7 7.6 7.7 8.5 28.1 23.0 10.1 16.0 3375354 ●●●●●●● 9888777 19.5 33.6 26.2 29.9 33.6 32.1 32.9 Note:(1)Plots.(2)Sproutingperiod.(3)Shootlength. (4)Numberoffoliageleafofvisibledewlap、 いて次のような実験を行なった。

品種はN:CO、310(1960年8月15日植えの圃場から採苗)を用い,苗は素質をそろえるために

常法にしたがって基準を定め,A区は[+5節.+6節]および[+7節.+8節]のそれぞれ2節を

25cmの長さに切断し,B区は2節苗を更に等分に切断して1節苗とし,各節位の苗がいずれの区に

も均等に含まれるようにした。

第1実験は調製した苗を1961年7月11日に面積50×35cm,深さ15cmの木権に芽を側方に向

けて水平埴にし,3cmの覆土を行ない35日後に抜き取って調査に供した。

第2実験はA区およびB区の他に1節苗の芽を上方に向けて水平値にしたC区を設け,7月31日

に植え付け,35日後の9月4日に抜き取って調査した。結果は第14表および第15表のとおりであ

る。

第14表によると,2節苗のA区の発芽は上位節で早くなり,下位節は著しくおくれたが,1節苗で

は上位(2節苗の上位節にあたる苗)と下位(2節苗の下位節にあたる苗)との差がみられず,ほと

(17)

琉球大学股家政工学部学術報告第12号(1965) 16 第15表2節苗,1節苗の根数および乾物工 Table15.Numberofrootsanddryweightoftwo-budcuttings andone-budcuttings. 乾物垂(gr)(0J 茎根(3)-- 熊苗根数(2)-~- 根(8) 数(4)総根長(5)地上部(7)-Top/Root 蕨西根(の茎根('0)計('1〕 区(1) 6.52 3.63 4.87 4.22 4.43 4.33 8.23 3.64 5.57 5.47 6.03 5.73 6.15 7.25 6.66 571396486471831 095179063672148 312322201212100 巳●⑤■■■■●■■■■●●■ 000000000000000 697999576656545 819274788852370 227719693481947 ■●●●凸■■●●勺●■白■白 000000000000000

…催

」繩は

iillLIl

798497016164354 407190470465137 438921788735343 ■●勺■●●●g●白■■勺●白 433344423333333 875666375434444 714195724280232756423217011116 S■■■■●□■■●■勺●■ロ 000000000000000 m 化89254682222201 ●■●■白白●●白印●■●●の 364-190656190132 645656312656312 746238936756936 ●●■■●●■二s■●■白●① 735856402153576 243333243333333 090518973243349 ■白句■●白■●●■ロ●勺■■ 434343212444211 第1実験 Experimentl 第2実験 Experiment2 Note:(1)Plots.(2)Numberofrootfromljheoriginalcutting.(3)Rootofmain

stem.(4)Number.(5)Totallength.(6)Dryweight.(7)Top.(8)Root.

(9)Rootsfromtheoriginalcutting.(10)Shootroot.(11)Total. んど同時に地上に出現した。上位節ならびに下位 節の平均も1節苗で早くなり,特に芽を上方に向 けたO区では幼芽の地上部出現が促進された。 2節苗の上位節と下位節における幼芽の地上部 出現の遅速は初期生育にも影響を及ぼし,出現の 早い上位節は草丈の伸長が著しく盛んになり,生 育が進むにつれて下位節との差が一層大きくな り,抽出葉数にも差があらわれた。ところが1節 苗では上下とも同じ速度で伸長し,草丈に差がみ られなかった。 第15表によって第1実1険の2節苗をみると, 蕨苗根の数と乾物重は上下両節位によって著しく ことなり,下位節で増加した。茎根数は節位の上 下によって差がみられないが,総根長と乾物童は 生育の促進された上位節で増加した.地上部の乾 2節苗の幼芽の生長 Growthofshootof two-budcutting. 雛11図 Fig.11.

(18)

宮里:甘蕨の初期生育相に関する研究 17

物重の高い上位節は総根重が減少し,従ってTop/Rootratioが下位節よりも大きくなった(第11図)。

1節苗では根数および乾物童の上下節位による差異が少なく,各節位が均等な生長を示した。

第2実験でも2節苗の上位節では蕨苗根数が減少するが,茎根の発達は良好となり,地工部の乾物

重は増加するが総根重は減少し,Top/Rootratioは著しく増大し,節位による差異が顕著にあらわ

れた。ところが1節苗では各節が独立した生長単位となっているために節位による差異がほとんどな

かった。 以上のように2節苗の上位節は幼芽の地上部出現が早く,草丈の伸長も盛んであった。I 第2節分けつの生長

従来,廿蕨の分けつについては数多くの研究がなされているが,片山55)の稲、麦における分けつ研

究に比べるときわめて不完全なものであり,分けつの出現節位が明らかにされていない。

種子繁殖を普通とする稲・麦では第1本葉の節位が常に定まっており,分けつがその着生する主桿

または親分けつの葉鞘内部に沿うて出現してくるので生育中に分けつ位を確認することは比較的容易

である。

ところが廿薦では栄養繁殖が普通に行なわれており,採苗の節位その他の条件でりん片数が異なり,

従って第1完全葉の節位が一定していないこと,側芽は主茎,分けつともに幼廿薦の基部の数節には

着生せず,初めて側芽の着生する節位が蕨苗の令や生育条件によって異なること,分けつが主茎また

は親分けつの葉鞘をつき破って出現すること,更に分けつの出現位置が主茎と蒔苗の間,すなわち内

側になるか,外側になるかによって生育が異なり,低節位分けつが必ずしも強力に伸長しないことな

どのために,生育中に分けつ位を確認することはきわめて困難である。

本実験では前節と同じく,植え付け後,1週間おきに抜き取った材料を用いて分けつの出現節位,

出現方向,伸長経過および根の発達などについて調査した。 1.実験結巣 (1)分けつの表示法

植え付けられた蕨苗の芽は発芽生長して主茎となる。主茎の地下部は節間が短かく,多くの節を有

し,各節には普通,1個の側芽が着生する。これらの側芽は生長して第1次分けつになる。同じよう

にして第1次分けつの側芽,第2次分けつの側芽・…が伸びてそれぞれ第2次分けつ,第3次分けつ

・…に生長する。廿蕨は稲p麦と異なり,主茎p分けつ茎ともに基部の数節には側芽がなく,普通,

第6節か,第7節に初生芽が着生するために分けつの出現可能な節位もそれよりも上位になり,また,

第10節よりも上位の節においても多くの分けつが出現するので,稲の方式をそのまま適用すること

は困難であるが,片山55)の稲・麦における方法に準じて廿蕨の分けつ表示法として次の方式を試みた。

薦苗から発芽生長した主茎0の第7葉7/oの葉腋に生じた分けつを第7号分けつと呼び,それを7

で表わし,順次,8/0,,/o…・'2/0の葉腋に生じた側芽の伸長したものをそれぞれ第8号分けつ,第9

号分けつ・…第12号分けつと呼び,それらを8,9.…12で表わす。これが第1次分けつである。主

茎の10/o以後の側芽も伸長して分けつが出現するので第1次分けつでも12,13など2けたの記号を

用いる。

次ぎに第1次分けつも主茎と同じように芽苞を第1葉として1で表わし,順次,上位へ2,3.…〃

と番号を付け,その番号を分子とし,その分けつの記号を分母として葉の記号とする。たとえば第7

号分けつの第7葉は7/7,第8葉は8/7・…第12葉は'2/7のようにである。それらの葉腋の側芽の伸

長したのが第2次分けつで,その記号をそれぞれ7-7,7-8.…7-12で表わす(第12図)。

本研究では生育の初期段階のみをとり上げたので実際に調査の対象となったのは第2次分けつまで

であるが,同様にして第2次分けつの葉にも,たとえば7/7-7,8/7-7.…,7/7-12,8/う-12.…などの

(19)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 18

8、11/l、、lノーぐ、‐/‐く141111111

舵馳恥牝-

8- も8

褐梛/I、桃‐‐‐‐‐‐山

功防豹一7

7、-ノJ~lノーーーノーylLlIIIIW

0、Iノー~IノーNlノーN-ノー1-〆IJIlIIIIII

-肋 耽耽恥恥叱牝一 7-7

/-‐、、‐/rl、、lIIIIIIJ

守,句1 勺一 一一 坊豹 杓一 第12図分けつ図式 Fig.12.Schemashowingtillering lociandleaforder. |=Scale;1=Foliageleaf;0=Mainstem; 7,8=Firstordertillers;7-7,8-8=Second ordertillers. (c、) tillers. 第16表分けつ茎の草丈 Table16.P1antheightof

灘口趨

一J-=------

M'1

10111213 9

8|ⅢM朋肌

6 7 0.1 19038 ●●●●● 00236 1 320 ●●● 036 521 ●●● 027 1303 ●●●● 0014 1733 ●●●● 0011 126 ●●● 000 13.6 20.6 20.6 0.2 31.7 50.1 30.4 1809 ●●●● 0058 1512 ●●●● 0028 234567 rllI11llIl 区 B 0.2 2.5 5.9 11999 ●●●●● 00000 1400 ●●●● 0013 0.7 2.0 5.0 13.0 125 ●●● 000 13.1 21.5 18.9 0.2 41.3 53.9 35.1 1974 ●●●● 0035

ⅦⅡ

458 ●●● 022 0.5 3.3 5.7 6675 ●DC● 0041 2 1333 ●●●● 0000 135 ●●● 006 0.1 2.00.2 16.1 16.5 15.4 38.1 31.3 19.5 themainstem.) P1ots.(2)Period(Orderoffoliageleafon Tilleringlocus. (1) (3) Note

(20)

宮里:甘蕨の初期生育相に関する研究 19 記号をあて,それらの側芽の仲長した分けつをそれぞれ7-7-7,7-7-8・…7-12-7,7-12-8....など で表わすことが出来る。これらが第3次分けつである。更に第4次以後の分けつも上述の方法で名称 をつけることが可能であろう。 (2)第1次分けつの出現節位および伸長経過 1)出現節位と号位別分けつの伸長 8100119 7qFlへ9 〃 8 10 CWL 8 CJ7L 8 6 田●. 4 4 2 。 0 0 7戸10 』 第13図出現方向の異なる第1次分けつの 発達状況(1節苗,芽横向) Fig.13.Showingthestateofdevelopment ofthefirstordertillersshooted ondifferentposition.(One-bud cutting,bud“side',) S=蕨苗Origlnalcutting;O=主茎 Mainstem;7.…11=第1次分け つFirstordertillers. 第14図第1次分けつの発達状況 (1節苗,芽上向) Fig.14.Showingthestateofdevelopment oftheiirstordertillers.(One-bud cutting;bud“up',) S=燕苗Originalcutting;0=主茎 Mainstem;7.…11=第1次分け つFirstordertillers. 第15図分けつの発達状況 Fig.15.Developmentoftillers.

(21)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 20 哺主茎の初生芽節位は前述のように第6節ないし第9節(平均第7節)であり,それ以下の節位には 側芽が着生しない。従って分けつの出現は最も早い個体で第6節から初まる。 第16表は第1次分けつの草丈の推移を示したものである。 これによると,6号分けつはいずれの区においても充分に伸長することが出来ず,地上に出現する のは7号以後の分けつであった。7号分けつの出現時期はA区およびB区では第5葉抽出期に当たる が,0区はそれよりも早くなり,第4葉抽出期に出現した。8号分けつはいずれの区も第4葉抽出期 に出現し,その後,分けつ位が高くなるにつれて出現時期が漸次おくれた。 各分けつの伸長経過をみると,初めは7号分けつと8号分けつの伸長に大差はないが,第7葉抽出 期になると7号分けつの伸長が急におとろえて8号分けつおよび9号分けつの生長が盛んになった。 2)分けつの出現方向 廿蕨の葉序は’/2で互生葉が左右交互に規則正しく発生する。側芽は葉に包まれ,各節に普通,1

個あて着生するので葉および側芽の縦軸は理論上すべて1つの垂直平面内に含まれる。従って分けつ

第17表出現位置の異なる分けつの伸長(c、) Fig.17.P1antheightoftillersshootedondifferentposition.

二懸、静蝉’

678910111213 265521 ●●●●●● 004787 15 0.4 1.5 3.5 13.3 42.3 66.1 410027 ●●●●●● 014850 15 11 234567 44902 ●●●●● 01256 1 58822 ●●■●● 00122 3496 ●●●● 0014 1349 ●●●● 0000 外側(5) 0.1 0.2 A区 131230 ●●●●●● 002412 14 257811 ●●●●●● 000226 11 11 234567 25782 ●●●●● 00029 0.3 2.2 3.5 5.9 19.8 13033 ●●●●● 00111 2471 ●●●● 0004 内側(6) 145 ●●● 000 0.1 0.3 339729 ●●●●●● 016642 147 406879 ●●●●●● 0140,17 125 234567 359033 ●●●●●● 000222

0.3 1.2 3.9 7.1 18.8 66214 ●●●●● 03802 26 3385 ●●●● 0013 1357 ●●●● 0000 外側(5)

区’

0.1 0.4 149799 ●●●●●● 000210 12 133711 ●●●●●● 002433 14

234567 16889 ●●●●■ 00038 0.2 1.4 3.8 5.8 22.7 12555 ●●●●● 00111 2382 ●●●● 0003 1245 ●●●● 0000 内側(6) 0.1 0.3 Note:(1)Plots.(2)Shootingposition.(3)Period(Orderoffoliageleafonthe mamstem).(4)Tilleringlocus.(5)outside.(6)Inside.

(22)

宮里:甘蕨の初期生育相に関する研究 21 zも理論上は主茎を含む1平面上に出現することになる。 第5図,第6図および第7図で分けつの出現方向をみると,2節苗のA区の下位節では各分けつが ほとんど1つの垂直平面上に出現しているが,上位節では分けつ茎が大きく,競合が著しいために配 列がみだれてくる。B区は9号分けつまではほとんど1垂直平面上に並ぶが,10号分けつは平面上か らはみ出している。C区は芽を上方に向けて水平植えにしてあるので,主茎が伸長する際に茎の下部 は苗の基部側に湾曲する。そのために主茎上の側芽は1つの垂直平面上に含まれず,苗の基部側の角 度が小さくなる。従って分けつの出現は苗の基部側に中心をおく円の円周上に弧状に配列される。こ のように理論的には1垂直平面上に出現すべき分けつも,実際には茎の下部が湾曲しているので各側 芽が1つの垂直平面上に並ばず,また,茎が比較的大きくなると各分けつが互いに競合するために分 けつの出現方向がみだれてくる。なお,分けつの出現する垂直平面と蕨苗の長軸とのなす角度はA区 およびB区では30°ないし45.であった。 3)出現位置の異なる分けつの伸長 第13図では分けつの発達状況を示した。芽を横に向けて水平植にした1節苗の主茎は地下部の分 けつ節が湾曲して出現する。分けつには主茎の内側,すなわち主茎と藤苗の間に出現するものと外側 に出るものとがあるが,内側の第1次分けつ(第13図の8号,10号分けつ)は発達が悪く,茎の基 部の湾曲程度が小さかった。外側に出現する分けつ(第13図の7号,9号,11号分けつ)は生育が良 好で,地下部が著しく湾曲した。ところが蕨苗の芽を上方に向けて水平植にした場合には主茎の地下 部の分けつ節が直立して伸長してくるので,両側の分けつは比較的均等な生育をとげた(第14図)。 このように第1次分けつでは騰苗の芽を横に向けて水平植にした場合に主茎の内側に出現する分け つと外側に出る分けつとに区別されるが,同じ号位の分けつであっても出現位置が外側になるか,内 側になるかは個体によって異なるのでそれらを出現位置の差異によって内外に分けて,分けつの号位 草 40 40 淀 mHHl 「1 」 30

丈20

「 .」 10 2 3 茎 4 5山 zJ4567234567

主茎の抽出葉位主茎の柚山菜位

第16図出現位置の異なる分けつの伸長(2節苗) Fig.16.ChangesinplantheightoftillersshootedondifTerentposition. (Two-budcutting) --▲

(23)

琉球大学農家政工学部学術報告第12号(1965) 22 0111J 70 1J 60 50 一 早 40 41 草 30 丈 丈 20 r l」 0 234567234567 王茎の抽出葉伯王茎の柚出葉イ、 第17図出現位置の異なる分けつの伸長(1節苗) Fig.17.Changesinplantheightoftillersshootedondifferentposition. (One-budcutting) 第18表第1次分けつ茎のりん片数と初生芽節位 Table18.Numberofscalesandnodeofoccurrenceoffirstbud onthefirstordertillers.

一JB’一一一一王三己一三一一一』

川一螂矼|川〃鮒MMM似川Ⅲ肪刑肌一剛伯

一一》》ロトトィーい》

剛”NNNNHHHNNHHM

(24)

宮里:廿薦の初期生育相に関する研究 23 別伸長を比較したのが第17表および第16,第17図である。

各分けつの伸長経過は内外ともに同じ傾向を示しているが,出現時期および伸長量は著しく異な

る。A区およびB区とも外側の7号,8号および9号の各分けつは主茎の第4葉抽出期に地上に出現

し,10号分けつは第5葉抽出期,11号分けつは第6葉抽出期に現われるが,内側の分けつの出現は

7号,8号および9号分けつが第5葉抽出期,10号分けつが第6葉抽出期となり,いずれも外側に比

べて出現時期がおくれた。

また,第7葉抽出期における各分けつの伸長量を比較するとA区では同じ7号分けつであっても,

外側に出現するものは50.7cmに伸長しているのに対して,内側の同位分けつは16.1cmで31.8%

の伸長量に過ぎなかった。8号分けつは外側の66.1cmに対して内側は42.0cmで63.5%,9号分

けつは外側の57.1cmに対して内側は19.8cmで34.7%に過ぎず,いずれも外側に出現する分け

つの生育が著しくまさっている。

B区でもこれと同じ傾向を示し,同位の分けつであっても内側に出現するものは出現時期がおくれ,

伸長量が著しく劣っている。 (3)第1次分けつの葉の生長と初生芽節位

第1次分けつのりん片数と初生芽節位についての調査結果は第18表のとおりである。

りん片数は個体によって異なり,最も少ない分けつで5枚,多いので9枚であった。平均値はA区

およびB区では7号分けつでわずかに増加しているが,各分けつとも約7枚であった。C区は7号お

よび8号分けつでいくらか多くなるが,全体的にみるとA区よりも少なかった。

初生芽節位も個々の分けつによって差異があり,着生の早い分けつでは第6節,おそい分けつで第

8節に初生芽が生じた。平均値は第7節で主茎と同じく基部の数節には側芽が着生しなかった。

最上位りん片の着生節位と初生芽節位の相互関係をみると,主茎では最上位りん片節位よりも初生

芽節位が1位低かったが,第1次分けつでは両者が同じ節位か,または最上位のりん片節位の方が低

かった。

これらの点からみて,初生芽節位よりもりん片数の変異の大きいことがうかがわれるが,第18表

をみると変異係数はいずれの分けつにおいても初生芽節位よりもりん片数においてその値が大きい。

りん片数の多少と第1完全葉の伸長との相互関係を示したのが第19表である。

第19表によるとA区およびB区ともりん片数が増加するにつれて第1完全葉の葉鞘長,葉身長が

増大し,主茎と同じ傾向を示した。 主茎と分けつの抽出葉数の相互関係を示したのが第20表である。

水稲においては主稗葉と分けつ葉の出現との間には一定の規則性のあることが明らかにされてい

第19表りん片数の異なる分けつの第1本葉の伸長 Table19.Lengthoffirstfoliageleafoftillers.

区(・具塞《鋤|葉警長葉言長書十蟇(B/s+B)×'00

A□Il1iii1'三譲

窕IIJ霊壼鐵謹

Note:(1)PIots.(2)Numberofscales. S=Lengthofleaf-sheath;B=Lengthofleaf-blade.

参照

関連したドキュメント

第2条第1項第3号の2に掲げる物(第3条の規定による改正前の特定化学物質予防規

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児

司会 森本 郁代(関西学院大学法学部教授/手話言語研究センター副長). 第二部「手話言語に楽しく触れ合ってみましょう」

3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7

第1章 総論 第1節 目的 第2節 計画の位置付け.. 第1章