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(様式6-A)A. 雑誌発表論文による学位申請の場合

新田 貴士 氏から学位申請のため提出された論文の審査要旨

題 目 YM155 Reverses Statin Resistance in Renal Cancer by Reducing Expression of Survivin

(スタチン耐性腎癌において、YM155によるsurvivinの抑制は、スタチンの抗腫瘍効果を 回復させる)

ANTICANCER RESEARCH. in press

Takashi Nitta, Hidekazu Koike, Takeshi Miyao, Yoshiyuki Miyazawa, Haruo Kato, Yosuke Furuya, Yoshitaka Sekine, Kazuhiro Suzuki

論文の要旨及び判定理由

スタチンは高脂血症治療として用いられるが、最近、乳癌、肝臓癌、結腸癌および腎臓癌 を含む様々な癌細胞に対して抗癌効果を発揮することも報告されている。しかし、その効果 は限定的であり、抗腫瘍効果を増強あるいは、治療抵抗性を回復させる治療戦略が重要と考 えられる。その中で、アポトーシス抑制タンパクである、survivinの発現を抑制が抗癌剤の 感受性を回復させるという研究が散見される。本研究は、スタチン耐性腎癌細胞(Caki-1-

staR)において、survivinの阻害剤であるYM155の有効性、および、YM155での治療が

スタチンの抗腫瘍効果を回復させるか否かを検討することを目的とした。

今回、まず、simvastatinが腎癌細胞Caki-1の増殖を阻害することをin vitroで確認し た。続いて、Caki-1をsimvastatinの存在下で長期培養し、simvastatin耐性腎癌細胞(Caki- 1-staR)を作成した。そのCaki-1-staRでは、survivin mRNA発現レベルが、親細胞である

Caki-1よりも有意に高かった。従って、スタチン耐性腎癌細胞におけるsurvivinを標的と

する治療は、スタチン耐性機序を阻害することにより、スタチンの治療効果を高める可能性 があると想定した。引き続き、in vitroでの検討においては、Caki-1-staRにおけるsiRNA

によるsurvivinのノックダウンは、simvastatin耐性を有意に逆転させた。また、YM155

は用量依存的にsuvivin mRNA発現を有意に阻害し、YM155とsimvastatinとの併用療法 では、simvastatin のCaki-1-staRに対する抗腫瘍効果が認められるようになった。

さらに、simvastatin耐性腎癌増殖に対するin vivoにおける効果を評価するために、ヌー ドマウス腫瘍異種移植モデルを使用した。Caki-1-staR 細胞を皮下移植し腫瘍を発生させ、

simvastatin または YM155 または PBS を腹腔内注射により投与し、腫瘍体積、survivin

mRNA発現、および組織免疫染色について分析した。この結果、simvastatin単独では腫瘍 増殖は抑制されなかったが、YM155とsimvastatinとの併用療法では腫瘍増殖が有意に抑 制された。治療後に組織腫瘍細胞からmRNAを抽出したところ、YM155は、Caki-1-staR

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腫瘍におけるsurvivin遺伝子発現を低下させる傾向があった。YM155とsimvastatinを併 用した治療は、Caki-1-staR 腫瘍における survivin 遺伝子発現を有意に減少させた。組織 学的評価では、YM155治療群、または、simvastatinとYM155併用治療群では、対照群お

よびsimvastatin単独治療群でよりも多くの壊死が認められた。免疫組織学的評価では、概

し て 生 存 細 胞 で は survivin の 染 色 は 一 様 で は あ っ た が 、YM155 治 療 群 、 ま た は 、

simvastatinとYM155併用治療群では、survivinの免疫染色程度が減弱されているものも

あった。

本研究は、YM155がスタチンの抗腫瘍効果を有意に高めることを示した。この結果は腎 癌に対する新たな治療に貢献できる可能性を示唆した点で意義深いと考えられ、博士(医学)

の学位に値するものと判定した。

平成29年1月23日

審査委員

主 査 群 馬 大 学 教 授 ( 医 学 系 研 究 科 ) 産婦人科学分野担任 峯岸 敬 印

副 査 群 馬 大 学 教 授 ( 医 学 系 研 究 科 ) 臨床薬理学分野担任 山本 康次郎 印

副 査 群 馬 大 学 教 授 ( 医 学 系 研 究 科 ) 生体構造学分野担任 松崎 利行 印

参考論文

なし

参照

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