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産学官連携
金大 独自 の研 究が 注目 を集 め始 めた
橋や トン ネル
︑道 路な どの コン クリ ート が化 学反 応に よっ て劣 化す る﹁ アル カリ 骨材 反応
︵A A R︶
﹂︒ 鉄道 や道 路の トン ネル 内で コン クリ ート 片が はが れ落 ちる 事 故が 発生 した り︑ 高速 道路 の高 架 橋脚 にひ び割 れや 鉄筋 の破 断が 見つ かっ たり と︑ 数多 くの 事例 が 全国 で報 告さ れ深 刻な 社会 問題 と なっ てい る︒ その 研究 で成 果を 上げ てい るの が金 沢大 学の 工学 部だ
︒
﹁北 陸は 大き な問 題を 抱え た地 域な んで す︒ かつ て骨 材に 使わ れ てい た能 登の 安山 岩砕 石が
︑反 応 性の 高い 素材 であ るこ とが 分か っ たの は二 十年 ほど 前︒ 北陸 は気 候 的に も潮 風に さら され たり
︑凍 結 防止 剤が 使用 され たり と︑ 塩害 や AA Rが 発生 しや すい 環境 にあ り ます
﹂
鳥居 教授 は長 年こ の研 究を 進め
︑ 現在 石川 県や 工業 試験 場が 行う 大 規模 なプ ロジ ェク トに 参加 して い る︒ コン クリ ート を補 強す る新 素 材の 開発 や補 修・ 補強 工法 技術 の 確立 を︑ 地元 の繊 維会 社や 建設 会 社と とも に推 し進 め︑ 県内 産業 の 活性 化に も繋 げよ うと いう もの だ︒
﹁少 子化 で人 材も 資金 も少 なく
なる 中︑ 今あ る建 造物 をい かに 長 持ち させ るか が大 きな 課題 にな っ てい ます
︒橋 や道 路だ けで なく
︑ 学校 や公 共施 設な ど︑ 災害 時の 避 難拠 点と して 耐久 性を 確保 しな け れば なら ない もの にも あて はま る 問題 です
﹂ AA Rは 専門 性の 高い 分野 で︑ それ に携 わる 知識 を持 った 人材 も 少な いの が現 状だ
︒
﹁橋 梁や トン ネル の調 査も ボラ ンテ ィア で行 くこ とが あり ます
︒ 今は 自治 体の 担当 者や 企業 の技 術 者の 方た ちと 一緒 に勉 強し
︑全 体 のレ ベル を向 上さ せる こと から 始 めて いか なけ れば なり ませ ん﹂
地方 大学 だか らで きる 地元 密着 の研 究
﹁中 央の 大学 と地 方の 大学 では
︑ おの ずと 研究 対象 が違 って きま す︒ 金沢 の大 学に いる から こそ
︑地 元 に密 着し た研 究が 長く 続け てこ ら れた んで す︒ それ が今 回︑ 時代 の 背景 もあ って 脚光 を浴 びた とい う
こと でし ょう
﹂ 今や 金沢 大学 はA AR の研 究で は世 界的 に有 名だ
︒こ の分 野に 関 して は︑ あら ゆる 問い 合わ せが 鳥 居教 授の もと に集 中し てい る︒ マ スコ ミか らの 取材 も多 いと いう
︒
﹁私 たち の研 究を 広く 知っ ても らっ て︑ 地元 の問 題に は地 元の 大 学が 協力 でき ます よ︑ とい うこ と をア ピー ルし たい です ね﹂
産 学 官 連 携 の 現
い在
ま金沢 大学 は全 国で も有 数の 産学 官連 携の 盛ん な大 学だ
︒地 元な らで はの 企業 もあ り︑ 大学 もそ う いっ た企 業と 連携 する こと で︑ 独特 な研 究を して いる
︒ 今回 は地 元企 業と 地方 自治 体と 連携 して いる 3人 の教 授を ピッ クア ップ し︑ 真相 を迫 った
︒
学
生編 集委 員 神谷 卓史
目 に 見 え て き た 成 果
地 元 密 着 の 研 究 が
時 代 の 注 目 を 浴 び る
鳥居 和之 大学 院自 然科 学研 究科 教授
繊維シートによる新補修・補強工法が施さ れたコンクリート
■鳥居 和之(とりい かずゆき)
工学博士
金沢大学大学院自然科学研究科教授 専門は土木工学、建設材料、維持管理工学
アルカリ骨材反応により亀裂が生じたコン クリート
ア
ルカ リ骨 材反 応︵ AA R︶
骨材
︵セ メン トに 混ぜ る安 山 岩な どの 砂利
︶中 の特 定の 鉱物 とコ ンク リー ト中 のア ルカ リ性 細孔 溶液 との 間の 化学 反応 のこ と︒ この 反応 によ って
︑コ ンク リー ト内 部で 局部 的な 容積 膨張 が生 じ︑ コン クリ ート にひ び割 れを 生じ させ ると とも に︑ 強度 低下 ある いは 弾性 の低 下と いう 物性 の変 化が 生じ る︒ トン ネル や高 架橋 等か らの コン クリ ート 片落 下事 故︑ 欠陥 マン ショ ン・ 住宅
︑地 震に よる コン クリ ート 構造 物の 被災 など
︑ アル カリ 骨材 反応 によ る被 害例 が多 数報 告さ れて いる
︒
K E Y W O R D
アルカリ骨材反応により劣 化が進んでいるトンネル
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大学 のノ ウハ ウと 企業 のニ ーズ との 出会 い
地元 のと ある 中小 企業 の社 長が 浅川 助教 授の もと を訪 れた のは
︑ 工学 部大 学院 が年 に1 回開 いて い る公 開講 演会 の後 だっ た︒ その 時 の講 演の 内容 は﹁ 産業 用ロ ボッ ト によ る面 取り 作業 の自 動化
﹂︒ 切 削加 工後 の製 品端 部の 鋭く 危険 な 部分 を除 去す る作 業を
﹁面 取り
﹂ とい うが
︑そ れを 産業 用ロ ボッ ト によ り行 う際 の動 作プ ログ ラム の 生成 を︑ 作業 者に よる 手動 生成 か ら︑ CA Dデ ータ を用 いた 自動 生成 にす ると いう もの だ︒ 社長 は︑ それ を自 分の 工場 で応 用で きな い かと 言っ てき たの だ︒ 大企 業で はや らな い細 かな 作業 だが
︑請 け負 う中 小企 業で は開 発 経費 がな く︑ 仕方 なく 手作 業で 行 うし かな かっ た︒ そん なニ ッチ
︵す きま
︶的 ニー ズが
︑今 回の 共同 研
究の きっ かけ とな った
︒ 研究 室で 話も し︑ 現場 を見 るの が勉 強に なる から と学 生を 連れ て 工場 見学 にも 行っ た︒
﹁工 学部 の研 究は 人の 役に たっ てナ ンボ
︒研 究の 種を もら える だ けで もあ りが たい んで す﹂ 先方 の企 業も 大学 と一 緒に やる のは 初め てだ った し︑
﹁1 年や っ
てみ て我 々の 能力 を見 てい ただ こ う﹂ と︑ とり あえ ず金 額の 話は 後 回し にし た︒ 先方 から 出さ れる 具 体的 数値 目標 をも とに
︑大 学の 持 つ基 本ア イデ ィア と企 業の 持つ 技 術を あわ せる 形で
︑試 作機 の開 発 が進 んで いっ た︒
﹁工 場の 場合 は︑ 1回 2回 やっ てう まく いく とい うの では なく
︑ 何千 回や って も壊 れな い機 械じ ゃ ない と信 頼さ れな い﹂ 原理 的に は問 題の ない 機械 でも
︑ ホコ リが 入ら ない よう に等 の工 夫 は︑ 現場 で初 めて 必要 とな る課 題 だっ た︒ コス トも 低く して ほし いと いう こと だっ たの で︑ 画像 処理 ソフ ト など も学 生の 自作 でま かな った
︒
﹁技 術的 には 従来 から 確立 さ
れて いる もの の集 まり で︑ シス テ ムと して どう 組み 合わ せる か︑ と いう とこ ろに 試行 錯誤 があ りま した ね﹂ 開始 から 1年 半を 経た 現在 は︑ 先方 との 定期 的コ ンタ クト を取 り 続け なが ら︑ 量産 を前 提と した 2 号機 を製 作中 であ る︒
外注
﹁開 発部
﹂ とし ての 大学
大学 との 共同 研究 とい うと
︑多 少敷 居が 高い と思 われ がち だ︒ 料 金体 系が 明確 でな いの も︑ 企業 側 が二 の足 を踏 む原 因か もし れな い︒
﹁見 積も りが 取り づら い代 わり に︑ すぐ お金 をく れな きゃ やり ま せん
︑と いう わけ でも ない
︒お 試
し期 間が 長い ので
︑や って みて か ら金 額を 決め ても らっ ても いい
﹂ 大学 での 研究 は︑ 基本 的に 学生 の卒 業研 究の 時期 に照 準を 合わ せ て行 われ る︒ 原理 の段 階で の研 究 なの で︑ 納期 の厳 しい もの には 対 応が 難し いが
︑﹁ ずっ と気 にな っ てい るん だけ ど︑ わざ わざ 開発 費 をか ける こと もで きな い︒ 1年 く らい かか って もい いか らや って く れな いか
︑と いう 話に はち ょう ど いい と思 う﹂ 窓口 は︑ 大学 でも 学会 でも いろ いろ 増え てき たの で︑ 気軽 に相 談 でき る体 制に なっ てき てい る︒
﹁う ちの 研究 室の 場合 は︑ 開発 部の 外注 みた いな 感じ で利 用し て いた だい ても いい と思 いま すよ
︵笑
︶﹂
研 究 の 種 は 社 会 の ニ ー ズ か ら
浅川 直紀 大学 院自 然科 学研 究科 助教 授
■浅川 直紀(あさかわ なおき)
博士 ( 工学 )
金沢大学大学院自然科学研究科助教授 専門は機械工作、生産システム、産業用ロ ボット応用
産
学官 連携 とは
共同 研究 など の交 流を 通じ て 大学 や研 究機 関等 が持 つ研 究成 果や 特許 等を 民間 企業 等と の連 携に より 社会 に還 元す るこ と︒ 産学 官連 携を 推進 する こと に より 資金
︑人 材︑ 設備
︑技 術開 発の 方法 など
︑研 究開 発資 源に 不安 があ る企 業に おい ても
︑外 部資 源を 活用 した 効率 的な 研究 開発 を進 める こと が可 能に なる
︒ また
︑大 学の 共同 研究 セン ター や公 設試 験研 究機 関な どに おい ても
︑産 業界 のニ ーズ を的 確に 反映 した 研究 を行 うこ とが でき るメ リッ トが ある
︒
K E Y W O R D
面取りを自動化する実験機
面取り加工前 実験機による面取り加工後
従来、面取りは手作業で行われていた 100mm