• 検索結果がありません。

金 融 政 策 の 有 効 性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "金 融 政 策 の 有 効 性"

Copied!
18
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

金 融 政 策 の 有 効 性

W.L.ス ミス の 批 判 的 検 討

鈴 木 満 直

1.は

本稿 の 目的は,W・ ス ミスの諸研究 を発表 順に あ とづけ,ス ミス の全理論体 系に対 し 批 判的検討 を加え るに あ る。

ケイ ジアン ・ トラ ップお よび投 資の利子非 弾力性 とい う問題は,そ れ ぞれに 関す る実

(1)

証研究に よって一般に肯定 され,金 融 政策 の有 効性は悲 観的 とな るに いた った。 ところ が,そ れに対 す る批 判 と して,各 種市 場利子率,と くに政府証 券利 回の変 動が貸手 の ア ヴ ェイ ラ ビリテ ィの程度に影 響を お よぼす もの とす るな らば,こ れ らの利子 率は経済活 動にあ る著 しい影響を与 え るこ とに な る,と い う主張が ア ヴェイ ラビ リテ ィ理 論に よっ

(2)

て な さ れ,悲 観 論 は 修 正 され る と こ ろ と な っ た 。 しか し,そ の 理 論 構 成 に は 大 き な ミス が あ っ た 。 ス ミス は,そ の ミス を 根 拠 に し て,悲 観 論 の 修 正 を さ らに 修 正 し,金 融 政 策 の 有 効 性 に 対 し疑 問 を い だ き,直 接 経 済 活 動 に 影 響 を 与 え る の は ア ヴ ェ イ ラ ビ リテ ィで あ る とい う基 本 的 な 点 に つ い て は,ア ヴ ヱ イ ラ ビ リ テ ィ理 論 の 立 場 に た っ て,有 効 性 を 高 め る た め の 諸 方 法 を 理 論 的 に 検 討 す る 。1つ は 割 引 政 策,他 は ガ ー レ ー ・シ ョー に よ っ て 提 起 さ れ た 金 融 仲 介 機 関 の 高 度 成 長 の 問 題 で あ る 。 さ ら に,各 種 金 融 資 産 間 の 代 替,と くに 以 前 の 諸 研 究 で 無 視 さ れ て い た 定 期 預 金 と 本 源 的 証 券 と の 代 替 を も 考 慮 し た 政 策 モ デ ル を 完 成 し,政 策 的 提 言 を す る。

ス ミス の理 論 体 系 は,ス ミス 自身 が 指 摘 し て い る よ うに 好 況 下 の ア メ リ カ 経 済 を 背 景 に した も の で あ り,ま た 静 体 分 析 で あ る 。 した が っ て,ス ミス の 理 論 体 系 の 妥 当 範 囲 は

1969年6月1日 受 領

ωWilson,T.andAndrews,P。W.S.(eds),OxfordStttdiesinthePriceMechanisfn,Oxford,1951.

Tobin,James,̀̀LiquidityPreferenceandMonetaryPolicy,"Rev.o/Econ.andStat.,Mayl947,pp.

125‑31.ReprintedinAmer.Econ.Assoc.,ReadingsinFiscalPolic),,AIlen&Unwin,1955.

(2)Roosa,RobertA.,̀̀InterestRatesandtheCentralBank,"inMonept,TradeandEconomicGrowth, EssaysinHonourq/Jo加H.W∫ 〃iams,NewYork:Macmillan,1951,

(2)

一30一 第20巻 第1号

当 然 こ の 面 か ら制 約 を うけ る こ とに な る が,こ の 問 題 や 後 述 す る理 論 上 の 小 さ な 問 題 を 別 に して も,な お 大 き な 問 題 が 存 在 して い る 。 そ れ は 貸 付 資 金 と 貨 幣 量 と を 混 同 し て い

る こ と で あ る 。 これ は,ス ミス の 政 策 意 識 過 剰 に よ る も の と 思 う。

2.ア ヴ ェ イ ラ ピ リ テ ィ理 論 批 判

(3)

ス ミス の ア ヴ ェ ィ ラ ピ リ テ ィ理 論 批 判 を と り上 げ る こ とに す る。

ア ヴ ェ イ ラ ビ リ ア イ理 論 は2つ の 制 度 的 特 色 を 背 景 に し て,投 資 支 出 に 直 接 有 効 な 影 響 を 与 え る の は 利 子 率 で は な く,資 金 の 供 給 量 で あ る と い う認 識 か ら,銀 行 準 備 お よ び

(4)

貨幣供給 量 の コン トロールは 金融政策 の有効 性を高め る と主張す る。2つ の制度的背景 とは.金 融機 関 の資産 構成 の変化 と,金 融 市場 の不完全性に ついての認識 であ る。す な わち,金 融機 関の資産 構成に おい て,貸 出に比 べて,投 資 ことに政 府証 券の 占め る比 重が相対 的に大 とな り,金 融機 関は,証 券利 回の変 動に対 して高度 の感応 性を もつに い た った ことであ る。後 者は ケイ ソズの 「貨幣論 』に おい て,す でに指 摘 され た ところで あ るが,現 実 の金融市場 に おいては,貸 出利率 は,そ の時 々に おいて一定に 繊持 され て お り,か つ大 部分 の借手 に とって,そ の利率 で欲す るだけ の資 金の金額を獲得す るこ と がで きない実情に対す る認識で ある。

ところで,銀 行準備 お よび貨幣供給 量の コン トロールは,金 融政策 論 と しては決 して 新 しい ものでは ない。古 典的 な割 引政策 も し くは利子 政策に おいて も問題に な ったので あ る。新 しい点は,ア ヴェイ ラ ビリテ ィ ・ ドク トリソの研究対 象に してい るアメ リカ経 済 では,多 量 の政 府債が存在 し,各 種 金融 機 関が第二 線準備 な どの必 要か ら多 くの政 府 債を資 産 と して保有 してい る ところか ら,割 引政策に 代 って政府債利 回 の変 動の ア ヴェ ラビ リテ ィに お よぼす 効果が着 目され た こ とであ る。 したが って,こ の政府債 の各種 金 融機 関に よる売買程度 も しくは売 買可能性が,ア ヴ ェイ ラ ビリテ ィ理 論を め ぐる主 た る論争点 といえ るので あ る。 い ま,各 種 金融機 関が,あ る事 情に よって,自 由に政府 債 を売買す ることがで きない とすれば,銀 行 準備 も貨幣 の供給量 もそ のル ー トを軽 由 して は変 動 しない。すなわ ち,連 邦準備制度 の コン トロール能 力は十 分 であ る。逆に,各 種 金融 機 関が 自由に政 府債 を売買す る ことが で きる とすれ ば,逆 の結論が え られ る。

ア ヴェイ ラ ピ リテ ィ理論は,各 種金融機 関 のポー トフォ リオ調整は利 子率 の変 動に 敏

{3)Smith,WallenL,"OntheEffectivenessofMonetaryPolicy,"ん ηer,Econ.Rev.,Sept.1956,pp.

588‑606.

(4}川 口 慎 二 「貸 手 分 析 」,「 全 融 論 講 座 」 第 二 巻.有 斐 閣,1965年.

(3)

感で あ る,と 仮定 し,連 邦準 備制度 の売 りナペ レー シ ・ンな どに よる利子 率の上昇 は, 政 府債 の売却 にあ たって資本 損失を生ぜ しめ るか ら,若 干の政府債 は金融 機関 内に凍結

され る,と 主 張す る。 ところが,こ の ア ヴェイ ラ ピリテ ィ論理には大 きな問題点が存 す る。そ れは,貸 手,す なわ ち金融機 関分析に終 始 した結果 なのであ るが,資 金需 要者, た とえば企業,個 人な どの需 要 ビヘ ェー ビアを無視 して しまった ことであ る。政府債 の 売却 に よって資 本損失が現実 化 した として も,そ の損失が 売却に よってえた資金 の貸付 な どに よって十分 補償 され るな らば,各 種 金融 機関は政府債 を売却 し,そ の結果,凍 結 政府債 は極め て小 に なる。 ス ミスの ア ヴェイ ラビ リテ ィ批 判は こ こに あ る。

ス ミスの凍結政府債 が大に な る条件は つ ぎの とお りであ る。(1)貸 付需 要の利子弾 力 性が大 。(2)政 府債に対 す る他 の投 資家側の需要 の利子弾力性が 小。(3)顧 客に 適応 し,貸 付利子率 の上 昇を利用 す るために,第 二線準備 を売却 しよ うとす る金融 機 関の意 志が 弱い。(4)収 益 に対す る安全性(債 務不履 行 の回避)の 選 好が金融機 関に強 い。

ス ミスに よる と,こ の ような諸 条件が常に 満足 され ない とはか ぎらない。そ こで,各 種 金融 機関独 自の政府 債売 り行 動に よって も,銀 行準備 お よび貨幣供給量 は変 動す るこ

とが で きる とす る。変 動 したに して も,安 定 的な らば問題 はない。 ス ミスは,多 くの場 合,不 安定的 であ ると し,さ らに,貨 幣供給 量の変動だけ を問題にす ることは不適 当 と み な し,主 として貸付 資金に対 す る影 響 とい う観点か ら,金 融 機関 の政府債 売 買を問題 に してい る。

ス ミスに よる各種 金融 機関 の不安 定的行 動の例はつ ぎの とお りであ る。

(1)商 業 銀行が顧客か らの 貸付需 要に応 じて政府債 を売 る場 合。

政府債 が非銀行投 資家に よって買われ る と,預 金は流 動化 され るが,銀 行貸付に よって預金は もとの水準に もど り,預 金量 は不変で あ る。 しか し,流 動化 され た預 金 は,通 常不活 動残高で あ るため,貸 付に よって活動残 高の比率が増大 す る。

(2)非 銀行 金融仲 介機 関が非銀行投 資家に政府債 を売 る場 合。

非 銀行金融仲 介機 関(以 後 金融 仲 介機 関 と名付け る)は,そ の資 金を資付 や新規 発行 企業 債にむけ るこ とに よって,(1)の 場 合 と同様に不活 動残高を活 動残 高に変え

る。

(3)非 金融 機関が政府債 を売 り,そ の資金 を財 やサ ー ビスの支出に 向け る場 合。

α)売 却 の相手が商業 銀行 の場合 には,貨 幣 供給 量は増大 す る。

(ロ)売 却 の相手が 金融 仲 介機 関の場 合には,不 活動残 高を活動残高に変 え る。

(4)

一32一 第20巻 第1号

(5)

3.割

1951年5月,財 務省 と連 邦準 備 当局 との間に ア コー ドが成立 して以来,連 邦準備 制 度は割 引機構を復活 させ,割 引率 を重要 な信 用統 制手段 と して再採用 す る ことに な った が,現 実に は,割 引率は金融政策 の有効性を高 め るよ りはむ しろ低め る方 向に作用 した と してい る。 ス ミスのあげ る理 由 は2つ あ る。第1は,連 邦準備 制度が割 引率の有 す る コス トと しての側面 を無視 して しまった。第2は ,自 由裁量 な割 引政策 を行 った。

ス ミスの割 引政 策に 関す る政策的提 言は つ ぎの とお りで あ る。

割引率に 関す る自由裁量政 策を断念 し,割 引率 と短期 オー プン ・マー ケ ッ ト利子率 と の関係を一定に す る。一定 な関係 とは,割 引率を財務 省証券利子 率 よ りも1%以 上高 く す る ことで あ る。

割引政策 には,二 つの役 割が存 す る。1つ は 加盟銀行が緊 急の際 に追 加準備金を うる 安全 バル ブと して の機能 であ る。他 は,経 済安定 を促進す るために,割 引率の変化に よ って積極的に信 用事情に影 響を与え る手段 と しての役割 であ る。 前者に ついては,加 盟 銀行が 利子費用 の変化に非感応 的 であ るところか ら,こ こでは,と くに問題 とはな らな い。 問題に なるのは,加 盟銀行 が利潤獲得 の ために,連 邦準備制度か ら資金 を借 り入れ る後 者であ る。

多 くの場 合,加 盟 銀行は,連 邦準備制度か らの借入れ,も しくは第 二線準備 または他 の投資 証券 の流 動化に よって追 加資金を うる。そ の選択 を左右 す る主た る要 因は,各 種 の方法 に よってえ られ る資金 の相対 コス ト,す なわ ち,割 引率 と銀行 が流 動化 しよ うと す る証 券の期 待収益 との 関係であ る。 い ま,金 融事情 が 逼迫 した と しよ う。 加盟 銀行 は,連 邦準備か らの借 入れ か,も しくは保有証 券 の流 動化を選 択す ることに なる。信 用 制 限 の観点か らは,銀 行が 後者に 依存 す る方が望 ま しい。連 邦準備か らの借 入れは銀 行 準備 を増加 させ るのに対 し,証 券 の流動化は必ず しも銀行準備 を増加 させ る とはか ぎ ら

ないか らであ る。 したが って,割 引率が 銀行 の流 動化 しよ うとす る証 券の期 待収益以上 に 設 定 され た と き,信 用 制 限 は よ り有 効 に な る とい え る の で あ る。

(6)

もっとも,こ の相対 コス ト論に対 して反対 意見が あ る。加盟 銀行 は連邦準備 制度か ら

(5》Smith,Walle隅L,"T』eDiscountRateasACredi卜ControlWeapon,"Jo耽oゾPo庶EcDπ.,Apr.

1958,pp.171‑177.

〔6)Samudson,PaulA.,"RecentAmericanMonetaryControversy,"TんreθBantSReview,M砿1956, pp.10‑11.ノ

(5)

の借入れ を嫌悪す るとい う慣行に もとつ いて,連 邦準備 制度か らの借入れ増 は信用制限 を促進す る,と い う主張 で あ る。 ス ミスは,「 加盟 銀行 の全準 備が一定 な ら,借 入れに よってえ られ た準備 の シェアーの増大 は,加 盟銀行 の貸付政策 を よ り選択 的にか つ制 限 的にす るこ とは 当然 であ る。 しか し,借 入れの プロセ ス 自身が準 備を増加 させ るのであ るか ら,全 準備を一定 と考 え るこ とは不 適当であ る」 と反論す る。 もっ ともな意見 であ る と思 う。

ところで,割 引政策 には,上 記 の二 つの役割以外 に心理的 効果をね ら う役割が存 す る といわ れてい る。 この効果が悲観 的 であ るにせ よ,楽 観的 であ るに せ よ,存 在意 義が 認 め られ る とすれば,上 記 の信用統 制 の観 点か らの議 論は修正 せ ざるを えな くな る。 極端

な場 合には,相 対 コス ト論の意義 さえ も否定 され るこ とに な る。

ス ミスは,こ の心 理的 効果は,白 由裁 量 の側面 だけを別 すれば,無 視 して も よいであ ろ うとい う。す なわち,割 引率の上昇以 前に,好 景気を期 待す るが割 引率 の上昇 を予期 していなか った企業 家に は,割 引率 の上 昇は悲観 的か つ安 定的効果 を有 す るが,割 引率 の上 昇以前に割 引率 の上 昇を予期 してい た企業 家には,割 引率 の上 昇は彼 等に期 待の正 確 であ った ことを確認 させ る ことに な り,楽 観 的に してか つ不安定 的な効果を有 す る と す る。多 くの場 合,バ ラ ンスす る と,両 者 の効 果は不安定 的 も し くはせいぜ い中立 的で

あ る と主張 す る。 しか し,さ らに,割 引率 の上昇 は,企 業期 待が形成 され る多 くの情報 の一つ なので,そ の効果 はほ とん ど重 要では ない と,補 足 す る。

他方,割 引率の不連続 な 自由裁量的 変動は,利 子率期待 に影響を 与え,資 本市場 の利 回 り変 動を大 き くさせ ることに よって,金 融政策 の有効性 を低下 させ るとす る。 すなわ ち,長 期 資本市場 のデ ィラーな どは将来 利子率 につい ての期待 の変 化に 敏感に反応 す る が,そ の期 待は企業 家の意見 の変 化や将来 の連 邦準備制度 の政 策変 化に よって左右 され る。そ こで,割 引政策に 関連 した不 確実性 は長期 資本市場 の利回 り変 動を一定 な もの と しない。 い ま,証 券価 格の下落,も しくは証 券利回 りの上 昇の ために,新 規証 券の発行 が延期 され,支 出計画 の規模 とタイ ミングに変化があ った と しよ う。利 子率期 待の変化 か ら,証 券利回 りの変 動に よ って利回 りの上昇 が阻止 も しくは逆転 した とすれば,延 期

した新規 証券 の発行 は可能 とな り,信 用 の制限効果 は弱 まる とす る。

ス ミスの述 べ るよ うな,割 引率の 変動が 有意 な影響 を与え ないのに,自 由裁 量な割 引 政策が信 用統制 を弱め る とい うことが,現 実に妥 当す るであ ろ うか。 肯定 で きない。論 証不十分 とい うほか は ない であ ろ う。

(6)

一34一 第20巻 第1号

(7)

4.商 業 銀 行 と金 融 仲介 機 関 との相違 性

ス ミスは,つ ぎに発表 した論文で,ガ ー レー ・シ ・一系 の研究 に反駁 し,金 融仲 介機 関 の成長 は金融的統制 を若干 弱め るだけ で,金 融 政策 を困難にす る主 たる原 因は商業銀 行(以 後 銀行 と呼ぶ)に ある と指摘L,有 効 性を高め るためには銀行 に よる不 安定 なポ

一 トフ ォ リオ 調 整 の 範 囲 を 限 定 す る こ とが 必 要 で あ る ,と 主 張 す る。(8)

ガ ー レ ー ・シ ョー 系 の 諸 研 究 は,「 銀 行 組 識 そ の も の が 多 くの 異 な っ た 種 類 の 金 融 機

(9)

関の中 の一 つにす ぎない とい うことを,き お めて刺戟的に示 してい る」。 す なわち,貨 幣組識 と金融仲 介機 関の中には 多 くの類 似点があ り,類 似点 の方 が相違点 よ りも重要で あ る。両方 の タイ プの金融機 関は金融的請 求権 を創 出 し,そ して彼 らが保 有す る任意 の 一つ の種類 の資産 との 関連 に おい て ,そ れ の 乗数 倍の 各 自の債務 を 創 出 し うるであ ろ う。 この ことに 関 して,貨 幣組織 と金融 仲介機 関 との間 の相違は,貨 幣組織は 負債を創 出す るが,金 融 仲 介機 関は創 出 しない とい うことでは な く,む しろそれ ぞれがそれ 自身

̀10)

の 独 自 な 形 の 負 債 を 創 出 す る こ とに あ る 。

ガ ー レー ・シ ョー 系 の よ うに 相 違 点 で は な く類 似 点 を 強 調 す れ ば,金 融 仲 介 機 関 の 成 長 が 有 効 性 を 弱 め る こ とは 否 定 で き な い 。 し た が っ て,当 然 の こ と で は あ る が,ス ミス は,逆 に,相 違 点 を 強 調 す る こ とに な る 。

ス ミス は,大 き くわ け て2つ の 観 点 か ら相 違 点 を 強 調 す る が,ウ エ イ トは 後 者 に お か れ て い る と 思 う。 第1は 信 用 拡 大 過 程 で あ り,第2は ポ ー トフ ォ リオ 調 整 で あ る。

銀 行 は 信 用 拡 大 の 独 自 の 能 力 を も っ て い る の で あ っ て,そ の 独 自性 は,1銀 行 の 貨 幣 貸 付 に よ っ て 失 わ れ た 準 備 が 銀 行 制 度 の ど こか に 還 流 す る と い う 自動 的 メ カ ニ ズ ム に も と つ い て い る。 貸 手 が 資 金 を ど う 貸 付 け よ う と,ま た そ れ を 受 取 っ た も の が,ど う処 分 し よ う と,と もか く貸 付 を 通 じ て 失 わ れ た 準 備 が 銀 行 制 度 に,い つ の 日か も ど る と い う こ と は,今 日 の 金 融 メ カ ニ ズ ム の も つ 自動 装 置 と み て よ い で あ ろ う。 貨 幣 の 発 行 者 と し て の 銀 行 の 独 自 の 役 割 が,銀 行 に 信 用 創 造 力 を あ た え る の は,こ う した 理 由 に も と つ い て い る 。 金 融 仲 介 機 関 は,信 用 の 拡 大 に つ い て 関 連 を も っ て い る が,そ の 役 割 は,銀

{7)Smith,WallenL,"FinancialIntemediariesandMonetaryControl,"Quart,Jour.OfEcon.,Nov.

1959,pp.588‑606.参 考 文 献 天 利 長 三 「商 業 銀 行 と 金 融 的 仲 介 機 関 」 都 立 大 覚 「経 済 と 経 済 学 」 第17号

(8}Gurley,JohnG.andShaw,EdwardS.,MoneptinaTheor)rOfFinance,Washington:TheBroekings

Inst.,1960,桜 井 欣 一 郎 訳 「貨 幣 と 金 融J.至 誠 堂,1963年

(9)Patinkin,Don,"FinancialIntemediariesandtheLogicalStructure。fMonet4ryTheory,"Amer.

EcoπRev.,Mar.1961,pp.95‑116水 野 ・ 山 下 監 訳 「現 代 の 金 融 理 論 」 第 一 巻.勤 草 書 房.1965年 。

〔10)Gurley,J,andShaw,E,op.cit.,pp.198‑199.日 本 訳,186‑87頁 。

(7)

(11)

商業銀 行 ・政府金 融機関の総資 産の相対的 シ ェアー

1900 1912 1922 1929 1933 1939 1945 1949 1952

商業銀行の資産 全金融機関の資産

52.8%

53.5 48,2 39.6 33.5 32.7 39.5 34.9 33.9

政府金融機関の資産 全金融機関の資産

0.0%.‑

0.2 6.4 4.5 10.2 17.9 26.2 24.7 23.9

商業銀行の資産 民間金融機関の資産

52‑8‑.%一 一

53.6 51.6 41.4 37.3 39.9 53.5 46.3 44.5 RW.Goldsmith,FinanciαlIntermeaia.ries伽theAmericanEconomySince1900

(princetonUniversityPress,1958).

のそれ と異 な り,ま た異 なった意 味を もってい る。 と くに注 目す べ き点は,銀 行に 小切 手 で預金 ずるときには,そ のひ とが必 ず しも貯蓄行 為をす る こ とでは ないが,金 融 仲介 機 関が資 金を受理 す る ことは貯蓄行為 を意味 してい る ことであ る。 したが って,金 融 仲 介機 関は銀行 制度に よってな され る貸 付 と信用 の拡大 を,支 出 と所 得 と貯蓄 の拡大に ま で導 くか ぎ りに おいて,信 用 の拡大 に 貢献す るこ とは否 定で きないが,信 用拡大 過程に おけ る金融 仲介機 関の役割は,銀 行 のそれ とつ ぎの3つ の点 で異 な ってい る。第1は, 期間が 全 く違 うこと。つ ま り銀行 の信用創造 過程に おけ る期間は一 般に短 く,こ れを支 払回転期 間 とよべば,金 融仲介機 関に おけ る拡大 の期間 は,所 得 回転期間に あた る。第 2は,金 融 仲介機 関に よる信 用拡大 は,銀 行 のそれに比 して重要 な洩れが 多い こ と。第 3は,銀 行 の信用創造 は,支 出資 金を創造す るが,金 融仲 介機 関は,そ の名の示 す よ う に,貯 蓄 を投 資にむけ るのに役立 つに す ぎない とい う点 であ る。

つ いで,ス ミスは,第1の 信用拡大 過程 の分 析は,資 産価 格 したが って利子 率が 変化 す る場合 の各 種金融資 産間 の代替に よって生ず る銀行 お よび 金融仲 介機 関 の不安 定効果 の差 異 を無視 してい ると し,(1)貨 幣 と金融的請 求権 の代替,(2)銀 行 お よび 金融仲 介 機 関 のポ ー トフ ォ リナ ・シ フ トか ら生 ず る不 安定効果 の差異 を相違点 と して指摘 す る。

ス ミスは信用乗数 の考え方を用 い て,い ろい ろな種類 の定 額償還債権 とい う金融 資産

{11)Asehheim,Joseph,TechniquesげMenetary()ontroi,Baltiπnore:ThejohnsHopkinspress,1961.小 寺

武 四 郎 監 訳 「全 融 政 策 の 理 論1東 洋 経 済 新 報,1964年 。

(8)

一36一 第20巻 第1号

の間 を$1の 資金が移動 した場 合,そ れが 貸付資金 の供給 に どの よ うな効 果をお よばす かを 次の表 で示 す式に よって明 らかに しよ うと してい る。

各種の金 融資 産 間の移 動の貸付 資金の 供給 におよぼ す効 果

From To

(1)通

(2)通

(3)通

(4)要 求 払 預 金

(5)要 求 払 預 金

(6)銀 行 の 定 期 預 金

銀 行 の 定 期 預 金

金融仲介機関の証券

銀 行 の 定 期 預 金

金融仲介機関の証券

金融仲介機関の証券

8 4 1 0 1 例 ¢ α 似 = 一= 一 4 , 0

(1‑a)(1+c)

cl十c $3.22

(1一 の(1+c)

4十c 3.77

(1‑ta)(1+e)

4十c 3.90

(d‑t)(1・ 十c)

d十e .55

4(1‑t)(1十c)

4十c .68

彦(1‑‑a)(1+o)

d十 〇 .13

d=要 求払 預金 の必要 準備 率

'=定 期預金や 金融仲 介機 関 の金融 的請求権 の必 要準備率 C=現 金流 出の係数

銀行 の要求払 預金や定期 預金 の準備 は,通 貨 や中央銀行 におけ る預金の形態 で保有 さ れ,他 方,金 融仲 介機関 の準 備は銀行 の要求払預 金 の形 で保 有 され ると仮定す る。 以上 の式は,銀 行組織 に よる信 用 の派生的 拡張は考慮 に入れ てい るが,金 融 仲介機 関に よる 派生的 拡張は考慮 に いれ てい ない。通 貨を含 む シフ トは最大 の効果 を有 してい るが,体 系的 シフ トの確証 は ない。 しか し,銀 行 の要求払預 金か ら定期 預金 への シ フ トには不 安

(12)

定効 果が み られ る。

ス ミスは,1956‑57年 に ついて,利 子率が変 化 した ときの銀行 お よび 金融 仲介機 関に おけ る要求払 預金 と定期 預金 との代替,お よび要求 払預金 と金融 的請求権 との代替 関係 を調査 す る。

1957年,銀 行 の定期 預金利子率 は極大 利子 率(Ceilings)の 上 昇に よって急上昇 し, 金融仲 介機関 の金融 的請求権 利子率 も 定期 預金に比 して 小 では あ るが 上 昇 した。 しか

(12)石 田興 平 「非 貨 幣 的 金 融 機 関 を め ぐる信 用 乗 数 の 問題 」 大 阪 大 学 経 済 学 第17巻 第4号,1968年3月

(9)

し,1957年 に,金 融請 求権 の成 長率が上 昇 した とい う確証は ない。 ところが,1956‑57 年に,消 費者 フア ン ドの銀行 の要 求払 預金か ら定 期預 金への シフ トが み られ る。 この シ

フ トは,多 くの人達 に とって,銀 行 の定期 預金は 金融仲介機 関の金融的請 求権 よ りもよ り貨 幣に代替的 であ るこ とを 暗示 してい る としてい る。 したが って,1957年 の定期 預 金利 子率の上 昇は,銀 行 の要求払 預金か ら定期 預金へ と消費 者の フア ン ドの シフ トを も た らし,必 要 準備率 の差 か ら,連 邦準 備制度がそ の年 に適用 してい た制 限的 金融政 策 を 弱め,不 安定効果を もた らした とす る。他方,銀 行 の要求払 預金か ら金融仲 介機関 の金 融 的請求権 への シフ トは,有 意 な程度 では なか ったの で,そ の シフ トの有す る不 安定効 果 は無視 で きるであ ろ うとす る。 なお,前 者 の不 安定効果は,両 必 要準備 率を等 し くさ せ るこ とに よって除去 でき ると指 摘 してい る。

不 安定効果は,上 記 した消費 者 の フア ン ドの シフ ト以外 に も,銀 行 お よび金融仲 介機 関独 自の資産 ポ ー トフォ リオ構成 に よ って も生ず る。第2の 代替効 果 と名付け る。

い ま,連 邦準備 当局が 金融 引締 政策 を採 用 し,利 子 率が上 った と しよ う。通貨 の不活 動残 高を保有 してい る人が利子率 に対 して弾力的 な行動 を とる もの とすれば,銀 行 お よ び金融 仲介機関 な どは容易に彼 らの ポー トフォ リオか ら政府 債を売 却 し,そ の資 金を よ り高利回 りの事業債 や貸付に投 資す る ことが で きる。 この ポー トフォ リナ調整は,当 然 の こ となが ら,金 融政 策 の有効性 を弱め る働 きをす る。1955‑57年 間 の金融 引締時 期に おけ る金融仲 介機 関の政 府債売却 は 相対的に重要 な要 因 とはな らなか った。 しか し,銀 行は,1955年 に,民 間支 出に金融す るため74億 ドルの政 府債 を流動化 した。 これ ら政 府 債 の主 た る買手は,非 金融企業(40億 ドル)お よび家計(18億 ドル)で あ った。 両者 の この差 は,両 者 の ポー トフォ リオ政策 の伸縮 性 の差 の反映 と してい る。す なわ ち,銀 行は民間 経済におけ る金融 的要求 の限界的変動部 分 の供給に専 門化 してい るのに対 し, 金融仲 介機関は固定 資本設備や地方政 府 の設備改 良な どのための長期資 金の供給に専 門 化 してい るため とされ る。

要約 しよう。 ス ミスは,1956年 の論文 におい て,ア ヴェイ ラ ビリテ ィ理 論 の批 判に ウエ イ トをおい たば か りに,銀 行 と金融仲 介機関 との類 似点 もし くは 相違点を必ず しも 十 分に意識 していなか った。 ところが,ガ ー レー ・シ ョー一が 金融仲 介機 関 の成 長を主 た る原 因 として金融 仲介機 関の存在 を位 置ずけ た金融理 論を発表 して以来,金 融仲 介機関 の成 長を無視す ることはで きな くな った。類 似点,も し くは相違点を強調 す るか いなか とい う選 択は,金 融政 策 の有効性 を問題にす るス ミスに とって,重 要 な問題 とな った。

(10)

一38一 第20巻 第1号

彼 は 相 違 点 を 強 調 し た 。 理 由 は,第1は 信 用 拡 大 過 程 の 差 異 で あ り,第2は 消 費 者 の フ ア ン ドの 金 融 資 産 間 の シ フ トと,銀 行 と 金 融 仲 介 機 関 独 自 の 蒜 一 トフ ォ リ オ 調 整 の 差 異 で あ る 。 前 者 に つ い て の 差 異 は 伝 統 的 見 解 で あ り,決 し て 新 しい も の で は な い 。 した が っ て,ス ミス の 両 金 融 機 関 の 相 違 点 に 関 す る ユ ニ ー ク さ は,第2の 理 由 に あ る と い え る 。

ス ミス は,金 融 仲 介 機 関 は 銀 行 制 度 に よ っ て な さ れ る貸 付 と 信 用 の 拡 大 を,支 出 と所 得 と貯 蓄 の 拡 大 に ま導 くか ぎ り信 用 の 拡 大 に 貢 献 す る こ とが で き る,と 述 べ,金 融 仲 介 機 関 に は 信 用 創 造 能 力 が 全 く な い と は い っ て い な い 。 そ うで あ れ ば,第1の 理 由 は 根 拠 不 十 分 と い え る 。 両 金 融 機 関 の 成 長 差 を 考 慮 し た 信 用 創 造 の 分 析 が 必 要 で は な い だ ろ

うか 。

(13)

他 の学者 の研究結果 はつ ぎの とお りであ る。 金融 仲介機 関は彼 らの準備 金を銀行 預金 と して保有す る,と 仮定 し,銀 行 と金融 仲介機 関のそ れぞれ の必 要準備率が 同 じ値だけ 変 化 した場 合,全 信用 量が 同 じに な るために は,公 衆 のポ ー トフォ リオ選 好(銀 行 預金 対 金融 的請求 権)は ど うな らなければ な らないか を示 す。それに よる と,銀 行預金に対 す る金融 的請 求権 の割合はJ1965年 の現実 の データを 利用 す る と,16倍 であ る。 現実

の値は2倍 弱 であ る。銀行 の信用 力は圧倒的に 高い。

第1の 理 由を,以 上 の研 究結果に よって補足す る と,説 明は十 分に な る。

第2の 理 由 も,必 ず しも納 得 のい くものでは ない。1955‑57年 のわずか 数年 間にわ た る経 験 を基礎 に してい るか らで あ る。

以上に並 べ た諸問題 は残 るが,主 として各種 の金融資産間 の移動 の貸付資金 の供給 に お よぼす影 響 とい う観点か ら,金 融政 策 の有 効性を問題に してい るのであ る。 ただ,新 に,金 融 機関 のみ な らず消費者 もか な り利子 弾力的 な行動 を とる,と い う仮定が登場 し た ことに注意 すべ きで あ る。

(14)

5.金 融 政 策 の 有 効 性

こ の論 文 は,以 上 に お い て批 判 的 検 討 を した諸 研 究 の 研 究 成 果 を 前提 に して 生れ た も の といえ る。

〔13)Guttentag,JackM.andLindsay,Robert,"TbeUniquenessofCommercialBanks,"」 σ嫉o∫ ρo'̀乱

Ecoπ.,Oct.1968,pp.991‑1014.

(14}Smith,WallenL,"TimeDeposits,FreeReserves,andMonetaryPohcy,"inPontecorvo,G.Shay,

R.Hart,A.(ed.)IssuesinBα 浦 ㎎ αη4Moneta7ッAnalッsis,Holt,RinebartandWinston,Inc.1967.

(11)

新 に,消 費 者 に よ る 定 期 預 金 対 本 源 的 証 券 の 選 好 とい う要 因 を 導 入 し,各 種 金 融 資 産 間 の 代 替 を 前 提 に した 「金 融 政 策 の 有 効 性 」 モ デ ル の 建 設 が,こ の 論 文 の 中 心 で あ る。

連 邦 準 備 制 度 の 発 行 準 備 を 基 礎 に す る と, P+Rb+A=Rα α+Rqt+Re+N

W=P+Aと す る と w+Rb=.Rqd+Rqt+Re+N も し くは,W‑F=Rαd+Rqt+N(1)

な お,自 由 準 備Fは,F=瓦 一Rb 上 式 の 記 号 は 下 記 の と お り で あ る 。

P連 邦 準 備 の政 府 証 券 ポ ー トフ ォ リオ 銀 行 の 連 邦 準 備 か ら の 借 入

そ の 他

Rad当 座 預 金 の 必 要 準 備 Rqt定 期 預 金 の 必 要 準 備

過 剰 準 備

N銀 行 外 通 貨

F自 由 準 備

通 貨(N)は,貨 幣 供 給 量(要 求 払 預 金D+通 貨N)の 一 定 比 率(C)と し,hお よ び tを 要 求 払 預 金 お よび 定 期 預 金 の 必 要 準 備 率 とす る と ,貨 幣 供 給 量(M)は,

M=D十N Rqd=kD

D=(1‑c)M

.Rad=:h(1‑一 の.M

N=cM

I〜qt・ ・tT

Ω4004

(2),(3),(4)式 を(1)式 に 代 入 す る と.

U!‑F==h(1‑c)1レ1顧 十tT十 〇M(5)

目 由 準 備 に 対 す る需 要 は,本 源 的 証 券 利 回 り(り に 反 比 例 し,連 邦 準 備 の 割 引 率(の に 比 例 す る と仮 定 す る 。 本 源 的 証 券 利 回 り の 上 昇 は,銀 行 に 連 邦 準 備 か ら の 借 入 れ を 促

し,他 方,連 邦 邦 準 備 の 割 引 率 上 昇 は,他 の 事 情 一 定 な らば,銀 行 に 連 邦 準 備 か ら の 借

(12)

一40一 第20巻 第1号

入 れ 返 済 を 促 す,と い う の が 理 由 で あ る。

し た が っ て,

F・=F(r,i)

∂F ∂F

m・=h(1‑o)十c

(一∂r∂i〉く0;'一 ・)

(6)

(7) と し,(6),(7)式 を(5)式 に 代 入,(m>り

∬‑F(r,づ)=mM十tT (8)

貨 幣 と定期 預金 の需要 方程式は つ ぎの よ うに想定 され る。

M=L(r,P,Y,K) T=T(r,P,Y,K)

ω

上式で,Pは 定期 預金利 子率,yはGNP(一 定),Kは 国富(一 定)で あ る。 なお, 割 引率 と定 期預金利子 率は市場利 子率(本 源 的証券利 回 り)に 調整 され る ことが仮定 さ れ る。す なわち,

i=f(r) PニG(り

(11) ω (8),(9),⑩,ω,㈲ 式 が 求 め る 方 程 式 体 系 で あ る 。

内 生 変 数 は,M,T,r,P,i。

外 生 政 策 変 数 は,確,ん,'。

∂L ∂T ∂五

くα万 くo・万 くoと 仮定 す る・

レ7に 関 して 微 分 す る と ,

4r 1

初(∂L4G∂L∂

r+dr∂P)+・({多+傷 房)+誓+誓 劣 …

∂T ∂五 ∂T

万=一 万 一万 と仮定するど

drl

dW畷 +(勉一の誓 号+'← 一誓)1/+3/+器

dr

<Oと な る 。dW

すなわち霧 く畷 〉聯 く畷 く喋 〉α{夢く・と仮定されているからで

(13)

あ る。

さ て,ス ミス は,オ ペ レ ー シ ・ ン(確 の 変 化)を 金 融 政 策 が お こ な わ れ る 手 段 と して

dr

考え,awを 金融 政策 の有効性 の尺度 と して定 義す る。すなわ ち,一痂7の 絶対値 の上昇 は,金 融政策 の有効性が 高 まるこ とを意味 す る。換言 すれ ば,⑱ 式 の分 母 の絶対値が 小 に な る ことは,有 効性が 高 まるこ とに な る。

㈲式 の分母 の各 項 目は,そ れ ぞれ,つ ぎの ような効果 と関榛を有す る。

定 期 預 金 と 証 券 と の 代 替

貨 幣 と 定 期 預 金 と の 代 替

自 由 準 備 の 利 子 誘 発 的 反 応

くレ{夢)器

dG ∂五

@一 彦)一

∂F∂ 、Fdf 万+万 「 万

2つ の代替 効果 の相対 的重 要性 を決定 す る諸要 因は,つ ぎの よ うに要 約す ることが で きる。

ω 定期 預金利子 郵 完 全に伸縮 的(dGが1にr)で 近 い4 あるな らば,貨 幣 と定顯 金 との代 替は相対的に重 要で あ る。 しか し,証 券 と定 期預 金 との代替は重要 ではな

くなる.肪 定期預金利子率が完全に夢騨 力的(誓 はゼ・に近い)で あるとき には,貨 幣 と定 期 預金 との代替 は,逆 に 相対的に重 要では な くな り,証 券 と定期 預 金 との代 替が 重要に な る。

(2)貨 幣 と定 期 預金 との代 替が高 まれ ば高 ま るほ ど,一訪 は絶対値 で大 にな る。∂L

証券 と定 期預金 との代 替が高 まれば 高 ま るほ ど,万7は∂T 絶対値 で大 にな る。

定期 預金お よび要求払 預金 の必要準備率に かかわ る問題は,貨 幣 と定 期預金 との代替 と証券 と定期 預金 との代替 とを比較 す る ことに よって解 決 され る とす る。

いま考 のそれぞれの絶対値を 劉 誓 ト し 1'==(…り甥 多i+<1誓)1箒

とす る 。 た だ し,1>万>0・4(…

さ て,定 期 預 金 必 要 準 備 率(t)を,o≦t≦mの 範 囲 内 で 変 化 さ せ る こ とが 可 能 で あ

(14)

一42一 第20巻 第1号

る と し よ う。

上 式 を 変 型 す る と,

v一吻夢 彫1‑{誓 一(dG1̲

dr){謬1

こ の 関 数 は つ ぎ の よ うに プ ロ ッ トす る こ とが で き る 。

解誓 陽

(dG1̲4r)

v一 ノ(t)(1一 誓)隈

4G

>‑d

r

<割 器

Om

彦 の 価 値 を,Vを 極 小 に し,そ の 結 果 の 絶 対 値 を 極 大 に す る よ うに 選 択 す る と し dW

よう・もし(1一 鶴 署〉誓 關 であるな嚇 すなわち淀 期預金と証券との

代 替 が 貨 幣 と 定 期 預 金 と の 代 替 よ り も強 い と きに は,関 数V=f(t)はGHの よ うな 上

方直線 となる・極小値は・G点 であ り'・一・となる・筋(1一 器 ト 誓 關

な る と き に は,関 数V・=f(り は,逆 にGJの よ うな 下 方 直 線 と な り,極 小 値 は ノ 点 で, t=・mで あ る。

2つ の 代 替 効 果 の う ち,い ず れ が 支 配 で あ ろ うか 。 ス ミス に よれ ば,定 期 預 金 と証 券 と の 代 替 が,現 制 度 に お い て は 支 配 的 効 果 を 有 す る。 した が っ て,ス ミス の 政 策 的 提 案 は,定 期 預 金 必 要 準 備 率 彦を ゼ ロ も し くは ゼ ロに 接 近 さ せ る こ と で あ る 。

(15)

つ ぎの問 題は,い うまで もな く自由準 備の利子誘発的 反応で ある。

スミスによれば沙 くとも原則脳 よ蕩 の価値を謬+器 劣 一・の条件備

足 す る よ うに選 択 し・万 の絶対 値を減少 させ るよ うな市場 利子率に対 す る 自由準備 の

∂F ∂F

反 応 を 排 除 す る こ と は 可 能 で あ る 。'扉 と 一蕊 一が 既 知 数 で あ れ ば,そ の よ うな 割 引 政 策

一∫ ω の説明が不粉 である・い・・iが ・ の増加関数で ある・仮定すれ・ 〉 ・仮定 によ・謬<・ , 罪 〉 ・で あるから.必 ず ・も… が指摘 ・て いるよ う・謬+認 く ・とはならな・㌔ ・の点 は.他 の分母 の囎 との関係鳴 踵 勲 を与 える.

(15)

を定式化することは簡単である.た 蜘 乱 釜 一・釜 ・ とすれば審 一・・5で

あ る 。 す な わ ち,割 引 率 が,証 券 市 場 利 子 率 の す べ て の1%変 化 に 対 し て1%の 絶 だ

∂F ∂F

け変 化す るな らば,自 由準備 の利 子反応は除去 で きる とす る。 も し,‑tt‑一 万7な ば,適 当な政策 は,市 場利 子率の変化に等 しいだけ割 引率を変え る ことで ある。

ス ミスの割引政策に 関す る提案 はつ ぎの とお りで ある。

自由準備に おけ る 利 子誘発的変 化は,主 と して,銀 行借入れ の 変 化の結 果で あ るか ら,実 際 問題 と して,割 引政 策 を行 う最適 な方法 は,借 入れを不 利にす るよ うに割 引率 を市場 利子率 よ りも十分に 高 くし,新 規発行 の財務省証券利 子率 の変 化に反応 して割 引 率 を毎週調整 し,両 者 の差 を一一定 に維持 す る ことであ る。そ の ような政策 は,緊 急の場 合以外,借 入れ を完 全に排除す るで あろ う。

ス ミス は,つ ぎ に,砺7がdr 金 融 政 策 の 有 効 性 の 尺 度 と して 妥 当 で あ る こ と を,ケ イ ン

(16)

ジア ン ・モデルを使 って論証 す る。

定期 預金 と証 券 お よび貨 幣 と定期 預金 との代替 と同様に,自 由準備 の市場利子率 と割 引率に対 す る反応 も,ケ イ ソジア ン巨視理 論の 基 本的分析用 具にな ってい るLM曲 の中に統 合す るこ とがで き る。す なわ ち,貨 幣 の需要 方程式は(9)式であ り,貨 幣 の供給 方程 式は,⑱ 式を⑩ 式に代入 し,そ の結果 とaD式 を(8)式に代入す るとえ られ る。

M=一[Mi‑F(r,f(r))‑tT(r,G(r),Y,K)]1̲̲

したがって,LM曲 線の方程式は,

̲1̲

L(r,G(り,y,K)=一[w‑F(r,f(り)‑tT(r,G(r),Y,K)]

な お,Yを 変 数 と して 扱 っ て い る。 上 式 は,わ ず か2つ の 変 数Yとrを 含 み,そ 4r

勾 配 評 はyに 関 して微分す ることに よってえ られ る。す なわち,

一 窺 一∂L∂T一 ≠

dr ∂y ∂Y

4㌦ +畷 器+誓{語+・{謬+誓+誓 多

∂T ∂五 ∂T

以 前と同様に ・万=一 万 一万 と仮定 す ると・

(16)Hicks,JohnR.,̀̀Mr.KeynesandthèClassics':ASuggeste虚Inte叩retatio叫"Econometrica,Apr.

1937,pp.147‑159,reprintedinFellner,W.andHaley,B.F.(eds)。,Readingsε π 診んθ τ んεoηoゾIncome

1)istributien,Pbiladelphia:TheBlakistonco.嚢1951,叩.461‑476;andHicks,JobnsR,,C7琵̀cα 〜E88α 一

ッ3̀πMonetaryTん20rン,Oxford3ClarendonPres5,1967,Chal)■7.

(16)

一44一 第20巻 第1号

4r

ay磯 +(m‑t)誓 話+t(1一 窪)1ヲ 標

∂五 ∂Tみ

と 万豆 は ともに 正 で あ るか ら,LM曲 線 の勾 配は正 であ る。 また,分 母 はaw

諺r

の 絶 対 値 を 極 大 に す る 割 引 率 お よ び 定 期 預[⑱式]の分 母 と 同 で あ る 。 そ の 結 果, dW

金必 要準備率に 関す る政策 は,同 時に,LM曲 線 の勾配 源 も極大にす るであ ろ うと

dr

の増大 と関連 したLM曲 線 の勾配 の増大 は,金 融政策 の 有効性 す る。す なわち,dレv

の増大 を意味 す る。

一 吻 一∂L∂T一'一

∂Y ∂y

γ

012﹃﹃7

OYYYYO12

最 初 の 均 衡 点は,JS曲 線 とLM』 曲 線 が 交 差 して い るP、(y=Yo,r==r。)で あ る。2 つ の 二 者 択 一 的LM曲 線.LM,とLM・ はP・ でIs曲 線 に 交 差 して い る 。LM2は LM・ よ り も勾 配 が 大 で あ る 。 連 邦 準 備 に よ る 買 い オ ペ レ ー シ ・ ン(wの 増 加)が,LM

曲 線 を 右 に シ フ トさ せ た と し よ う,も し,同 量 の 買 い オ ペ レー シ ョ ンが 二 者 択 一 的LM 曲 線 の そ れ ぞ れ を,同 量 だ け 水 平 に シ フ トさ せ る と 仮 定 す る な らば,LM,曲 線 は,勾 配 の 小 で あ るLM1曲 線 よ り も,利 子 率 の よ り大 き な 下 落 と所 得 の よ り大 き な 上 昇 を も

dr

た らす で あろ う。 したが って,万 は金融 政策 の有効性 の尺度 と して適 当で ある と結 論 す る。

この論文 は,ス ミス 自身 も指摘 してい る よ うに,分 析手法 は経済 の金融部 門に適用 さ れ た比較 分析で あ り,し たが って,経 済 の金融部 門 と実物部 門 とを結び つけ る関係 お よ

(17)

び フ ィ ー ドバ ッ ク は 無 視 さ れ て い る 。 そ れ ゆ え に,こ の 研 究 の 妥 当 範 囲 は 当 然 こ の 面 か ら制 約 を うけ る こ とに な るが,そ の 他,重 要 な 問 題 が 残 され て い る と 思 う。

第1は 同 種 類 の 金 融 資 産 間 の 利 子 率 変 化 に 関 す る 代 替 の 相 違 に つ い て で あ る。 第2は 利 子 率 変 化 に 関 す る 代 替 の 弾 力 性 の 符 号 に 関 して で あ る。

ス ミス は,上 述 し た よ うに, が 金 融 政 策 の 有 効 性 の 尺 度 と し て 妥 当 で あ る こ と を4研

ケ イ ン ジ ア ソ ・モ デ ル に よ っ て 論 証 し た 。 と こ ろ で,LM曲 線 の 勾 配 が 相 違 す る,た え ば,LM2とLM,の よ う な 場 合,金 融 資 産 間 の 利 子 率 変 化 に 関 す る 代 替 が 同 じで あ る

と い え る で あ ろ うか 。 相 違 す る とす れ ば,同 量 の 買 い オ ペ レー シ ョ ソ が,LM・ とLM, 曲線 のそれ ぞれ を.同 量だけ水 平に シ フ トさせ ることは ない。斎 アが金融政策 の有 効性 の尺度 と して必 ず しも適 当では ない こ とに な る。

同 じよ うな根拠に もとつい て,利 子率変化に 関す る代替 の弾力性が ス ミスと逆に な る こ とも考 え られ ない ことは ない。そ うだ とすれ ば,ス ミスの金融 政策は意 図に反 し有効 性 を弱め るこ とに な るか も しれ ない。

つ ぎに,こ こで取 り上 げ たス ミス の4つ の研究 全体に 関す る問 題点 を指摘 す る。

ア ヴェイラ ビ リテ ィ理 論は不完全 であ り,し た が って,金 融政 策 の有効性 に関 して ア ヴェイ ラ ビリテ ィ理論 の よ うに 楽観視 す ることは 疑 問で あ る,と 述 べた あと,ス ミス ,は,有 効性を高 め るために,割 引政策 に 関 して商 業銀行 側に コス トも し くは選 択 の側面 が あ ることを重視 し,さ らには,不 安定 な行動 を とるのは主 と して商業 銀行で ある,と 指摘 し,金 融政 策 の対 象範囲を限定 す る。そ して最後に,消 費者 の定期 預金 と証券 との 代替 を も含 む有効性 の モデルを作 り,金 融 政策論 を展 開す る。上 述 の若 干の問題 を別に すれば,ま ことに もっともな理論展 開で あ るよ うに思われ る。 ところが,こ の理 論展 開 には,大 きな問題点 が内包 され てい る。

ス ミスは,ア ヴェイ ラビ リテ ィ理 論批 判に おい て,各 経済主体 の フア ソ ドの各 種金融 資産間 の移動 がひ きお こす貸付資 金の変 動,お よび貨 幣 の流通速度 の変化 を重視 し,こ の観点か らア ヴェイ ラ ピ リテ ィ理論 を 批 判 してい るといえ る。 す なわち,「 信 用政策 の 議論に おいて,連 邦準 備制度 お よびそ の代表者は,全 加盟銀行 の準備 の統制,そ の結果 の貨幣 供給 の統 制,お よび全銀行信用量 を ほ とん ど絶対 的に強調 しよ うとす る傾 向が あ る。現存 してい る貨幣 供給 の よ り強度 な活用に帰着 す る資産転換 は,ほ とん ど完 全に無 視 され てい る」 と述 べてい る。 この資 産転換が ひ きお こす貸付資 金 の変動 の重視,こ れ が ス ミスの金融 政策論 を支え る一 つの大 きな特徴 で あ るといえ る。 ガー レー ・シ ョー系

(18)

一46一 第20巻 第1号

の 批 判 に お い て も,利 子 率 変 化 が も た ら す 消 費 者 の プ ア ン ドの 要 求 払 預 金 と定 期 預 金 間 の シ フ ト,お よ び 金 融 機 関 独 自 の ポ ー トフ ォ リオ 調 整 が 強 調 され て い る 。 しか し,こ 特 徴 は,彼 の 全 論 文 を 通 じ て 必 ず し も 一 貫 して い る と は い え な い 。

割 引 政 策 に 関 す る 研 究 で は,い う ま で も な く,全 盟 銀 行 の 準 備,そ の 結 果 の 貨 幣 供 給 dr

量 の 変 化 を 問 題 に し,ま た,万 が 全 融 政 策 の 有 効 性 の 尺 度 と して 妥 当 で あ る こ と を ケ イ ン ジ ア ン ・モ デ ル,す な わ ちLM曲 線 に よ っ て 論 証 し て い る 。

ス ミス は,貸 付 資 金 も し くは 貨 幣 量 の い ず れ の 変 化 を 通 じて 金 融 政 策 の 有 効 性 を 論 じ よ う と し て い る の で あ ろ うか 。 これ は,利 子 論 と の 関 係 に お い て,彼 の 理 論 体 系 の 不 完 全 さ を 物 語 る も の で あ り,彼 の 政 策 意 識 過 剰 か ら生 まれ た も の と い え る で あ ろ う。

同 じ よ うな こ と が こ と が,証 券 市 場 の 取 り あ げ か た に つ い て も妥 当 す る 。 ス ミス は, こ こ で 問 題 に した 最 後 の 論 文 で,こ の モ デ ル に は3つ の 市 場,す な わ ち 貨 幣 市 場,定 預 金 市 場 お よ び 証 券 市 場 が 含 ま れ て い る が,2市 場 が 均 衡 す れ ば 第3の 市 場 を 均 衡 す る の で,2市 場,貨 幣 市 場 と 定 期 預 金 市 場 だ け を 問 題 に す る こ と に し た,と 述 べ て い る 。 と こ ろ が,割 引 政 策 お よ び ア ヴ ェ イ ラ ビ リテ ィ理 論 批 判 を あ つ か っ た 論 文 で は,証 券 市 場 を 含 め る全 市 場 が 陽 表 的 に 問 題 に な っ て い る 。 こ こ に も理 論 体 系 上 の あ い ま い さ が み

られ る 。

参照

関連したドキュメント

社会システムの変革 ……… P56 政策11 区市町村との連携強化 ……… P57 政策12 都庁の率先行動 ……… P57 政策13 世界諸都市等との連携強化 ……… P58

 そこで,今回はさらに,日本銀行の金融政策変更に合わせて期間を以下 のサブ・ピリオドに分けた分析を試みた。量的緩和政策解除 (2006年3月

夏場以降、日米の金融政策格差を巡るドル高圧力

添付資料 4.1.1 使用済燃料貯蔵プールの水位低下と遮へい水位に関する評価について 添付資料 4.1.2 「水遮へい厚に対する貯蔵中の使用済燃料からの線量率」の算出について

[r]

事象発生から 7 時間後の崩壊熱,ポロシティ及び格納容器圧力への依存性を考慮し た上面熱流束を用いた評価を行う。上面熱流束は,図 4-4 の

事象発生から 7 時間後の崩壊熱,ポロシティ及び格納容器圧力への依存性を考慮し た上面熱流束を用いた評価を行う。上面熱流束は,図 4-4 の

事象発生から 7 時間後の崩壊熱,ポロシティ及び格納容器圧力への依存性を考慮し た上面熱流束を用いた評価を行う。上面熱流束は,図 4-4 の