• 検索結果がありません。

死刑 囚の人権 と刑 の時効 につ いて

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "死刑 囚の人権 と刑 の時効 につ いて"

Copied!
24
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

死刑 囚の人権 と刑 の時効 につ いて

‑ 東京地裁 6 0 . 5. 3 0 決定を素材 として‑

結城洋一郎

目 次 は じめに

‑ 「 帝銀事件」をめ ぐる事実経過 二 東京地裁決定の概要

三 決定 に示 された時効不完成説の検討 むすび

は じめに

死刑の確定判決を受 けた死刑囚が,その後死刑の執行を受 けることな く 3 0 年 の長 さに亘 って拘置され続けるという事態 は,本来立法者 の予想 しなか った1 ) 異常な事態 と思われるが,いわゆる 「 帝銀事件」の犯人 とされた平葎貞通氏 に つき,この稀有な事例が発生 した。

これを契機 として,拘置された死刑囚 ( 以下,これを収監死刑囚 と呼ぶ こと にする)に対す る刑の時効の成否をめ ぐり,様々な法律問題が提起 され ること となった。その最大に して最終的な論点 は,いうまで もな く,刑法三二条 の法 意が収監死刑囚に対 して も死刑が執行 されずに満 3 0 年が経過すれば時効の完成 を認める趣旨か否かということであるが,これに付随 して,い くつかの憲法問 題が不可避的に生 じることになる

もし,刑法三二条の法意が,収監死刑囚 に 対 し時効の進行 ・成立を認めぬ趣旨であると解すれば( 以下, このように解す る

1) 大谷賓教授 は,こうした事態 は 「いわば法律の予想 しなか った事実」であるとされ る 。参考文献表⑭論文67 頁。なお,本稿1 9 貢参照。

〔 1 〕

(2)

2 商 学 討 究 第 3 9 巻 第 1 号

立場を時効不完成説,時効成立を認める趣旨と解す る立場を時効完成説 と呼ぶ ことにす る) , 第一 に,逃亡犯 との均衡上憲法‑四条の平等原則 に反 しないか, 第二 に,長期 に亘 る身体の拘束の後に死刑を執行す ることは,その実質上 ,終 期不明の自由刑 と絞首を併科す るにも等 しく憲法三一条の罪刑法定主義 に反 し

ないか,第三 に,死刑囚を長期 に亘 って日々死の恐怖の下 に置 き,遂 にその生 命を剥奪す ることは憲法三六条の禁止す る残虐な刑罰 に該当 しないか,とい う 問題が これである

このような憲法上の問題 は,刑法三二条の合憲性如何 とい う問題であ ると同 時に,刑法三二条の解釈 の前提 をなす要素の一つで もある

即 ち,もし仮 に, 同 条項が文理上 は時効完成 を認める趣旨とも認 めぬ趣 旨とも解釈可能であるとす れば,憲法適合的な解釈が採用 されるべ きことに論議の余地 はないからである

このよ うに,収監死刑囚に対す る刑の時効の問題 は,刑法内在的 な問題 と‑ 塞 法問題 とが不可分 に結 び付いた問題であり,その帰結 は,死刑囚の自由 ・生命

という人権問題 を直接的に左右す る性質を もつ ものである

これ らの問題が本格的に論議 されるようになったのはごく最近の ことである が ( 後掲参考文献参照) ,こうした中,平葎貞通氏 の身柄 の釈放 を求 め る人身 保護請求事件に対す る東京地裁決定 2) が出された。この決定 には,時効完成説 と不完成説の双方か ら提起 されたこれまでの論点がほぼ網羅的に集約 されてい る

そ こで,本稿では,本決定を素材 としてそ こに示 された時効不完成説 の論 理 に対 し,時効完成説の立場か ら批判的検討を加えよ うと試みるものである

. 「帝銀事件」をめ ぐる事実経過

周知のように 「 帝銀事件」 とは,その本体 としては戦後間 もない1 94 8年 1 月 2 6 日午後,帝国銀行椎名町支店 に発生 した強盗殺人事件のことをいう

この事 件 には前後 してい くつかの関連事件があり ( 別表( 1 ) 参照 ),これ らの うち,銀 行強盗関連事件 を一般 に 「 帝銀事件」,詐欺関連事件を 「日本堂事件 」 と呼ぶ な らわ しである そ して,その全ての事件の犯人 とされたのが平葎貞通氏であ

2) 東京地裁昭 6 0.5.3 0 決定。判例時報 1 1 5 2 ‑ 2 8

(3)

死刑囚の人権 と刑の時効 について 3

た 。

同氏 は1 9 48 年 8 月,帝銀事件の犯人 として逮捕 され,その取調 べ中,日本堂 事件 について自白 したため同件 について起訴 され,その間帝銀事件につ いて も

自白 したことによ り本件 について追起訴 されるに至 った その後,氏 は自白 は 拷問等 によってなされた虚偽の ものである旨主張 したが,第一審の東京地裁 は 検察側 の主張をほぼ全面的に認めて氏に死刑の判決を言 い渡 し,これに対す る 控訴 も棄却 され,上告審 において も 1 955 年 4 月 6 日,棄却判決 が下 された1 ) た め,翌 5 6 年 5 月 7 日,死刑判決が確定す ることにな った。 しか し,平淳氏 は自 己の無実 を訴 え続 け,今 日に至 るまで再審請求 1 7 回,恩赦 出願 5 回,そのいず れに も係属 していない日数 は合計82 日に過 ぎないといわれる 2 ) 。

このような事情 も影響 してか

3)

,平津氏 は死刑の執行を受 けることな く拘置 され続 け,1 9 85 年 5 月 6 日,死刑判決確定後満3 0 年が経過す ることとな った

この間,刑の執行停止 の措置が とられたこともないことか ら,刑法三二条 の規 定 に基づ き平津氏に対 して死刑の時効が成立す るのではないか, との問題が生

じるに至 ったのである 。

こうした事態には先例がな く,従 って,先 にも述べたよ うに,これまで死刑 囚に対す る刑 の時効 の成否 について本格的な議論がなされることはなか った

この間にあって,藤木英雄教授が 「 刑法三四条では,時効 は刑の執行 につ き犯 人を逮捕 したるによりこれを中断す ると定 め られているので,当然,死刑 の執 行 にいたるまで刑法一一条二項により監獄 に拘置 されている状態の続 く間 は, 時効 は進行 しないと解すべ きであろう」4 )と説明 していたのは 「ま さに例外 で

1 ) 第一審 ,東京地裁昭 2 5.72 4 判決。控訴審 ,東京地裁昭 2 6.9.2 9 判決。上告審,慕 高裁大法廷昭 3 0.4.6 判決。以上三件 は全て刑集 9.4.6 6 3 に登載 されている。

2 ) 再審請求 と恩赦出願状況の詳細及 びその間の日数 計算 につ いて は,判 時 1 1 5 2 ‑ 4 3 , 4 4に一覧表が掲載 されている

3) 帝銀事件 はその手 口が奇怪 な ものであったため,平滞犯行説 には当初 より警察内部 においてす ら疑問を抱 く者が多か ったといわれ る。 こう した事情 も死刑執行 を蹄 曙 させ る大 きな一因をな したと思われる。帝銀事件を扱 った文献 は多いが,関係判 例 ・主要文献の紹介 を含んで最 も詳細 な ものとして,遠藤誠編著 『帝銀事件 と平津 貞通氏 』1 9 8 7年 ( 三一書房),が参考 になる。

4) 藤木英雄 『 刑法講義総論 』1 9 7 5 年 ,3 7 3 頁。

(4)

4 商 学 討 究 第 3 9 巻 第 1 号

あった 」 5) といわれる 。 まして,これに関する憲法上の問題が意識 され ること は皆無であったといっても過言ではない。

こうした状況の下で,時効完成説に基づき ,3 0 年に亘 る死刑不執行 の後 の拘 置 は遵法な身体の拘束であるとして,平津氏の即時釈放を求める人身保護請求 が出され,この問題に対す る初めての裁判所の判断が求め られることにな った のが本件人身保護請求事件である。

後に見 るように,東京地裁は時効不完成説に立 って請求者 らの主張 を斥 け, その特別抗告審 において も時効不完成説が採用 された 。 か くして,平津氏 は 1 9 87 年 5 月 1 0 日,遂に釈放 されることな く八王子医療刑務所内で死亡 した ( 95 才) 。これによって本件人身保護請求 という問題 自体は事実上解消 され ること

とはなったものの,現在,同氏に対する遵法な身体の拘束を理由 とす る国家賠 償請求事件が最高裁に係属中であり,平津氏をめ ぐる死刑の時効に関す る法的 諸問題 はいまだ未解決の状態にある。

別蓑 1

帝銀関連事件総体 帝銀事件

①安 田銀行荏原支店 2 2・ l ot 1 4 ( 強盗殺人未遂 ・松井蔚名刺使用)

1 1 . 2 5 1 2. 2 5 頃 1 2. 2 7 頃 1 2. 2 8 頃 1 2. 2 9 頃 山口二郎名刺注文 2 3. 1 . 1 7 山口名刺受取 1. 1 8

②三菱銀行中井支店

( 強盗殺人予備、山口名刺使用)

③帝国銀行推名町支店 1 ・ 2 6 ( 強盗殺人、同未遂、山口名刺使用)

安田銀行板橋支店 ( 小切手換金) 1. 2 7

5) 宮津浩一,参考文献表⑬論文 ,1 5 5 頁。

日本堂事件

①預金通帳等詐取

②預金通帳偽造

③偽造私文書行使、詐偽未遂

④偽造私文書行使、小切手詐取

⑤ 日本堂事件 ( 詐偽未遂)

(5)

死刑囚の人権 と刑の時効 につ いて 5

別表 2

帝銀事件の推移

2 3.1. 2 6 帝銀事件発生

8. 21 帝銀事件 の犯人 として平沢貞通氏逮掃

9.3 日本堂事件で起訴

9. 21 帝銀事件 につ き、 自白を始 める

1 0. 1 2 帝銀事件 で起訴

2 5.7. 2 4 東京地裁判決

2 6.9. 2 9 東京高裁判決

3 0.4.6 最高裁判決 5.7 判決確定

以後、再審請求 1 7 回,恩赦出願 5 回、 いずれ に も係属 して いな い 日数

8 2 日

3 7.7. 2 4 東京拘置所 よ り宮城刑務所 ( 仙台拘置支所 )へ

6 0.4. 2 9 八王子医療刑務所へ

6 0.5.6 満 3 0 年経過

5. 3 0 人身保護請求事件東京地裁決定

7. 1 9 同、最高裁決定

6 1 .3. 2 8 国家賠償請求事件東京地裁判決

1 2. 3 同、東京高裁判決 〔 上告 〕

6 2.5. 1 0 死去 ( 9 5 歳 )

二. 東京地裁決定の概要

東京地裁決定 は平津氏 らの人身保護請求を棄却 したが,そこに示 された時効 不完成説の概要 は次の通 りである。

( 9 刑法 32 条の文理解釈 刑法三二条 は , 「 時効‑刑 ノ言渡確定 シタル後左 ノ期間内其執行 ヲ受ケサルニ因 り完成 ス 」 と規定 し,その一号 に 「 死刑‑三十 年」と定めているが , 「 其執行」 とは 「 死刑を言い渡 した確定裁判 の執行 を意 味す ると解することも文理上十分可能」であり,又 , 「 刑の時効制度の趣旨,刑 の時効の中断に関す る刑法三四条 との統一的解釈の必要性その他の点か ら考え るとこのように解釈せざるを得ない」。

② 刑法一一条二項の拘置の性格 「 生命刑たる 『死刑 』という刑罰の執行

行為 としてはあ くまで も監獄内での絞首を意味するものではあるが,それに至

(6)

6 商 学 討 究 第 3 9 巻 第 1 号

るまでの監獄内での拘置は,固有の意味での刑罰ではない ものの 」 「死刑 の執 行拝為 ( 絞首)に必然的に付随す る前置手続 として 」 「 死刑執行手続 の一環 を なす もので」あり , 「 死刑を言い渡 した裁判が確定 した ことによ り,その裁判 の執行 としてなされるものである。 」

③ 刑の時効の制度の趣 旨 「 刑の時効の制度が設けられた趣旨については‑

‑犯罪 に対す る社会的な規範感情が時間の経過 とともに次第に緩和 され,やが て必ず しも現実的な処罰を要求 されないまでになることを主眼 として考えるべ きである。 こうした考えは,一定期間の経過 とともに形成 された社会的事実関 係,長期間継続 した事実状態を一つの秩序 とみて,この秩序 を尊重 し,覆えさ

ないことがかえって社会的安定に資するとする,すべての時効制度 に共通す る 理念 にあい通 じるものであ」 る 。

これを死刑の時効 についてみると,死刑囚が拘置 されている場合 には 「 刑 の 時効を進行 させる基礎 となる事実関係 は存在 しない。 」死刑囚 は 「死刑 の執行 手続の一環 として拘禁 されているのであって,まさに死刑の執行を受 けるべ き 者 として一貫 して扱われ,一般社会か ら隔離 されているものである そうして 社会一般 もそのことを認識 しているのであって,規範感情の緩和という点では‑

‑自由刑が現に執行 されている場合 と選ぶ ところがない。また時の経過 ととも に形成 された一定の社会的関係の尊重 という点か らして も,一般人 と同様 の社 会生活を送 ってきた者‑‑・ との間では本質的に異なる面があるといわざるを得

ない。 」

④ 刑の時効の中断 との関係 「 刑法三四条一項によれば,死刑 につ いて も

その執行のために犯人を逮捕す ることが時効の中断事由となることが明 らかな

のであるが,このことは,‑‑・ 刑法は,死刑を執行す るために犯人 の身柄 を拘

束す ることを,死刑の時効の進行の基礎 となった事実 とあい反す る事実 に当た

ると評価 していることが明 らかである。 」すなわち , 「 時効制度において は,刑

法は,拘置を死刑の執行 と同視 して‑‑これを時効の中断事由に したもの と考

えざるを得ない。 もしそうでないと解す るならば,絞首による死刑の執行 自体

に着手 しない限 り,死刑の時効の中断を認めなか ったはずである。 」

(7)

死刑囚の人権と刑の時効について 7

「 刑法三四条一項の死刑の時効の中断 に関す る右の解釈を前提 として同法三 二条を合理的に解釈すれば,死刑の執行を前提 として身柄を拘置されている場 合には,そもそも時効が進行 し得 る状態にはないと解 さざるを得ず,したが っ て,同条における 『 其執行』には,死刑の確定裁判の執行 としてなされ る身柄 の拘置が含まれると解す るはかない。 」

⑤ その他の点 に対す る判断 ㊦ 逃亡者に時効が成立 し,被拘置者 には時 効が成立 しないことか ら来 る不均衡 は 「 刑の時効の制度か ら不可避的に生ず る 結果で」あって,この 「 相対的不公平 さは,そもそも,刑 の時効 の制度 に内在 す る性質」であるか ら本来 巳むを得ないものである

雀) 死刑執行の時期については 「あ らゆる事情を総合 して慎重に決すべきち のであるか ら 」 死刑囚が 「 三〇年 を超える期間身柄を拘置 されたからといって, それだけで死刑の時効の完成を認めなければ憲法三六条所定の残虐刑の禁止に 触れるということにはな ら」ず , 「 裁判で言 い渡 した刑以外 の刑 を執行 した こ

とになるものではな く,また,罪刑法定主義にも反するもので もない」。

以上が時効不完成説を支える東京地裁決定の論理の骨格であるが,その言 わ ん とするところは,時効中断事由に関す る議論 ( ④)の末尾にも明 らかなよ う に,要するに,時効中断に関す る規定 は死刑のための拘置を死刑 の着手 ・執行 と同視 していると見 るはかないのだか ら,収監死刑囚に時効が進行す るはず は な く,そうであるな らば翻 って刑法三二条についても同趣旨に解 さねばならず, そのためには 「 其執行」の 「 其」を刑のみと狭 く解す る訳 にはいかないので,

「 刑を言い渡 した裁判」と解 し,その中には 「 拘置」 も含 まれ ると広 く解釈 せ ざるをえない,というに尽 きるであろう 。

結局,本決定における時効不完成説の論拠 は , 「時効 の中断 それ自体 が問題

となっているのではな く,そもそも,当初か ら時効が進行 し得たのかが争点 と

なっているのではあるが」( 決定文) ,その実質上の唯一の基礎を時効中断の規

定 に求めるものと思われる。そ して,そのことか らもた らされる様々な法的問

題,例えば同一文言 に対す る解釈の不統一,時効停止規定 の存在意義,種々の

(8)

♂ 商 学 討 究 第 3 9 巻 第 1 号

憲法問題等 は,法が時効不完成を規定 している以上,全て法の許容す るところ であるとして 「 解決」 しようとす るものと言えるであろう 。

そこで,次に,こうした決定の論理の妥当性を検討する。

三. 決定に示 された時効不完成説の検討

以下では,決定に示 された時効不完成説の問題点を,概ね決定の論理展開 の 順に別 して検討する。

( 1)法解釈の原則

時効完成説 と不完成説の最終的な分岐点 は,刑法三二条に言 う 「 其執行」を,

「 刑」( 即ち絞首) 1) そのものの執行 と解すべ きか,それとも 「刑 を言 い渡 した 確定裁判」( 即ち,絞首 と拘置)の執行 と解すべきか, とい う一点 にかか って

いる

ところで,法を解釈するに当たっては,特段の事情,即 ち,必要 かっ合理的 な理由が無い限 り,先ず もって文言 に忠実な,そ して,他 の条文 の用法 とで き るだけ統一的な解釈をなすべきことは言 うまで もない。また,一見,複数 の解 釈が可能 と思われる場合や,同一文言に統一的な解釈を行 うことが困難 である

ような場合には,憲法に,より適合的な,即ちより人権保障的な解釈 を行 うべ きことは当然の事理である 。

これを本件について見れば,刑法三二条 は , 「時効‑刑 ノ言渡確定 シタル後

1) 死刑 における 「刑」 とは 「 絞首」 それ 自休を言 う,とい う点 については刑法学界上

はぼ異論 はないようである。異説 として,渥美東洋教授の次の指摘 が あ る 。 「刑法

は,死刑判決確定後,執行 されないまま三十年が経過 したとき時効が完成す る,と

定 めているが,その一方で死刑囚 はその執行 まで監獄 に拘置 し (‑一条二項 ),さ

らに,執行のため逮捕 した時,刑の時効 は中断す る (三四条)と規定 している。 こ

の条文か ら明 らかなよ うに , 『 拘置』 は死刑の執行の一部をな してお り,平津氏 の

ような拘置 されている死刑囚 は , 『逮挿』の段階か ら時効が中断 し続 けている 。 『 死

刑の執行 は監獄内で絞首 による』 とす る刑法‑一条一項の規定 の趣 旨は,絞首以外

の方法での公開処刑など,野蛮な執行を排す ることにあ り,この競走 を盾 に 『死刑

の執行 に拘置 は含 まれない』 とす る論理 はそ もそ も誤 って い る 。 」 (渥美東洋 「拘

置 は執行の一部」朝 日新聞 ,1 9 8 5.5.9

0)

(9)

死刑囚の人権と刑の時効について 9

左 ノ期間内其執行 ヲ受 ケサルニ困 り完成ス」 とあり , 「其」 が受 けるべ き名詞 を 「 刑」 と解することが最 も文言 に忠実 な解釈 とい うべ きであ り,後 に続 く

「 ‑ 死刑ハ三十年」という文章 との脈絡か らして も自然 な解釈 とい うべ きで ある。また,このように解す ることは,刑法‑ 条二項 「 死刑 ノ言渡 ヲ受 ケ タ ル者‑其執行 二至ルマテ之 ヲ監獄 二拘置ス」における 「 其執行」の唯一可能吃 解釈 ( 即ち 「 刑」の執行)にも合致 し,かっ,結果 として死刑囚に対 して時効 成立を認めることになる点で人権保障的帰結を導 き,他に,何 らの不都合 を も

たらす ことのない解釈 というべきである。

ところが,決定のとる解釈 は , 「 其」を敢えて 「刑 ノ言渡」 を受 けるもの と 解 し,そのことにより , 「 刑 ノ言渡を執行す る」 とい う日本語 が成立 しないと いう不都合が生ずるため,その内容を 「 刑を言渡 した裁判の執行」 と読 み替 え たうえで,死刑執行のための身体の拘束たる 「 拘置」 も 「 其執行」に含 まれ る

と拡張解釈す るという二重の操作を加えるものである。

このような解釈 は,一見 して不自然なものであるが,決定 自身の採用す る解 釈の統一性 という点か らして も疑問を残す。決定 は,前記刑法‑一条二項 「死 刑ノ言渡‑‑其執行 」 におけ る 「 其執行」は 「 刑」の執行であると解 しっっ, 刑法三二条 「 死刑 ノ言渡‑‑其執行」については , 「 裁判」 の執行 と解す る。

又,刑訴法四四二,四四八条の 「 刑の執行を停止す る」という規定においては,

「 言渡」という文言が存在 しないにもかかわ らず , 「 刑 と拘置」 ( 即 ち裁判 )の 執行を停止す るという意味に解 し,他方,刑訴法四七九条一項 「 死刑 の言渡 を 受けた者が心神喪失の状態 に在 るときは,法務大臣の命令によって執行 を停止 する。 」同二項 「 死刑の言渡を受 けた女子が懐胎 しているときは,法務大臣の 命令によって執行を停止す る。 」 という規定における執行 とは , 「 言渡」 とい う 文言が存在す るにもかかわ らず , 「 刑」のみの執行 と解 し,心神喪失の死刑囚

に対 して も,懐胎 している死刑囚に対 して も,拘置の執行停止を行 うことはで きないと言 うのである 。

このような本決定の解釈 は,何 ら必要かつ合理的な理由を伴 うことな く,文

言の忠実な解釈に反 し,他の条文の解釈 との整合性を欠 き,結果 と して反人権

(10)

1 0 希3 9 巻 第 1

的な帰結をもた らす ものであって,きわめて疑問 というはかない。

もっとも,本決定 は,先に見た如 く,こうした解釈の正 当性 の最終的拠 り所 杏,時効中断制度 との整合性に求めるのであるが,この点について は後 に検討 する。

( 2)時効制度の趣 旨

次に,決定 は,時効制度の趣旨をいわゆる 「 規範感情緩和説 」 2 ) に求 めっっ, 収監死刑囚には時効の進行を認める基礎 となるべき事実関係 ( 決定 は,これを

「 一般的社会生活関係」 という)は存在 しないか ら,収監死刑囚に対 して時効 が成立す ることはありえない,と言 う

ところで,時効制度の趣旨は,決定 も述べるように , 長期間継続 した事実状 態を一つの秩序 とみて,この秩序を尊重 し,覆えさないことがかえ って社会的 安定に資す る,とす る,すべての時効制度に共通する理念」に立脚す るもので あろう 。 そ して,その基礎には , 権利の上に眠 るものはこれを保護せず」 と いう言葉に端的に示 されているように,権利又 は権限の不行使 ( 怠慢)に対す る消極的評価の側面 と,事実状態の継続によって利益を受けている者を保護す るという積極的評価の側面 という二面的要素が底位 しているものと思われる

これを刑の時効について見れば,本来刑の執行を受 けるべき犯罪者 が,何 ら かの理由により刑の執行を受 けることな く一定期間が継続 した場合,国家 が刑 を執行 しなか ったという権限不行使に対する消極的評価 と,刑の不執行 によっ てもた らされた犯罪者等の利益 ( 人権)への積極的評価に基づき,犯罪者 を処 罰することによって得 られる社会的利益に対 し,犯罪者を刑罰か ら解放す るこ

とによって得 られる社会的利益を優越 させるに至 る,というのが刑の時効 の趣

2) わが国の通説 とされ る。例えば大塚仁教授 は,「時効 によって刑罰権 が消滅 す る理

由については,従来 ,種々の見解が行われている」 として,①改善推測説 ,②罪証

消滅説,⑧苦痛説 ,を紹介 した上で 「しか しなが ら,時効制度の本 旨は,犯罪 に対

す る社会的な規範感情が,時間の経過 とともに しだいに緩和 され,やがて必ず しも

現実的な処罰を要求 されないまでになる点 に求 め られ るべ きで あ ろ う ( 規 範感情

緩和説)。 これは,わが国の通説で もある。 」 としている。( 大塚仁 「刑 の時効及 び

刑の消滅」団藤重光編 『 注釈刑法 (1) 総則( 1 ) 』1 9 6 4年 ,2 4 0 頁。

(11)

死刑囚の人権と刑の時効について J I

旨であると思われる占

そ して,上記のあい対立す る二つの社会的利益の優劣 は,事実 の世界 におい て計量することはほぼ不可能事 というべきであるところか ら,法 は,予 め時間

という尺度によって定型的にその優劣を決す るのである

こうした時効制度の趣旨 ・本質に照 らして本件,収監死刑囚に対する時効 の 成否を考えるならば,刑の執行 を受 けぬままに満3 0 年を経過 した場合につ き時 効成立を否定す るに足 る必要かっ合理的な理由は見出 し難 い。即ち,3 0年間逃 亡 し続 けた死刑囚に対 して時効が成立することには議論の余地がないところ, 逃亡死刑囚 も,収監死刑囚 もともに,法律上 は本来刑を受 くべき者 であ りなが

ら,事実上刑の執行を免れている者であることに何の変わ りもない。又,刑 の 執行を受けないという事実が規範的に承認 されることによって重大な利益を享 受する点について も両者全 く同様である この両者を分かっ ものがあるとすれ ば,それは唯一,収監死刑囚はその身体を拘束 されていた (これが 「 刑の執行」

でないことは本決定 も認めるところである)ということのみである。

ところで決定 は,拘置 されている状態 は一般的社会生活関係 とはいえないか ら,収監死刑囚には時効を進行 させるための基礎 となるべ き事実 は存在 しない と言 う

しか しなが ら,決定 は,そこに言 う一般的社会生活関係 とはいかなる ものか という定義を示す こともな く,又,一般的社会生活関係なるものが存在 しなければ,何故 に時効が進行 しないのかという十分な理由を示す こともない。

例えば,逃亡犯が山中深 く独 りこもって,一般社会 と断絶 した生活 を続 けて いたとして も,法の定める一定期間が経過すれば時効が成立することには議論 の余地がないのであるか ら,時効成立の前提的事実状態 としての 「 一般的社会 生活関係」なるものが,決定の言 う 「 ⊥般の社会人 と しての日常生活」 (これ とて も唆味ではあるが)である必要がないことは明 らかであろう

又,逃亡犯 が他の犯罪によって逮描 ・収監 されたとして も,当該刑の時効 は進行す るので あるか ら 3) ,ここにいう一般的社会生活関係が 「 身柄を拘束 されていない状態」

3) 「 逃走中の受刑者を逃走罪の捜査のため,または,他の犯罪の被疑者 として逮捕 し

た場合 は,刑の執行について逮捕 したのではないか ら,ここにいう逮捕(時効中断

(12)

1 2 商 学 討 究 第 3 9 巻 第 1 号

を意味 しえないことも明 らかである 。 してみれば,一般的社会生活関係 とは,

「当該犯罪に関 し身柄を拘束 されていない状態」 とで も解す る他 な く,これ は, 結論をもって前提 とす る トー トロジーに属す る議論である4 ) 。

ちなみに,決定 は,収監死刑囚に時効が進行 しない理由と して,彼 は 「 死刑 の執行を受 けるべ き者 として一貫 して扱われ・ ・ ・ ・ ・ ・ 社会一般 もそのことを認識 し ている」 という点を挙げている しか しなが ら,逃亡犯 とて,法的 には一貫 し て刑の執行を受 けるべ き者 として扱われているのであり、収監死刑囚 とて,辛 実上 は一貫 して刑の執行を受けずに生 き長 らえているのである 又,逃亡犯一 般が,刑を受 けるべき者 としての社会的認識を免れているという保障 はな く, 逆に,収監死刑囚 と言えど,一般世人の忘却を免れ得ないもので もなかろ う

してみれば,決定の上記指摘 は,収監死刑囚に対 して時効成立を否定す る論拠 とはなりえないものと言わざるを得ない。

更に,もし逃亡犯が逃亡中一様 に一般人並の自由を享受 しているのだ とすれ ば,これに対 し,収監死刑囚は3 0 年の長 きに亘 って自由を拘束され,しかも日々 絞首の恐怖に直面 し続 けたのであるか ら ( 刑の執行が停止 されれば時効の進行 は停止す る‑ 刑法三三条‑ か ら,時効 を完成 させ る3 0年 とは日々死 に直面 した3 0 年 ということになる) ,逃亡犯に比 し,その腰罪の程度 は大 というべ く, 加えて,逃亡犯 は逃走 という犯罪行為 ( 刑法九七条以下)によって刑 の執行 を 免れたに過 ぎないのに対 し,収監死刑囚は国家の不作為によって合法的 に刑 の 執行を免れている者なのであるか ら,時効制度の趣旨 ・本質,即 ち,権限不行 使に対す る消極的評価 と,継続 した事実か ら生ずる利益に対する積極的評価 と

いういずれの要素か ら見て も,収監死刑囚を逃亡犯に比 して不利益 に扱 うべ き 理由はないと言 うべきである

それにもかかわ らず,もし,法が収監死刑囚に 対 しては時効の進行 ・完成を認めぬ趣旨と解す るのであれば,それ は,合理的

事由としての逮捕の こと‑ 引用者)にはあた らない。‑‑刑が数個ある場合には, 逮捕 は,その理由となった刑についてのみ中断理由となる」。大塚 ・前掲書 ,2 4 頂 。

4 ) 本決定全体を支える論理的基盤が時効中断事由との関連性 にあるとすれば,その発

想の基盤 は 「 身体を拘束 された者 に時効な し」 とい う考 え方であろ う 。 決定全体

の論理 は,この不動の前提を出発点 として構成 されたもののように思われ る 。

(13)

死刑囚の人権 と刑の時効 について ) 3

理由な くして,逃亡犯 と収監死刑囚を差別的に取扱 うものとして憲法 1 4 条 の平 等原則に反 し,このような解釈 は,法を敢えて憲法に反す る意味 に解す るもの

として排斥 されるべ きものである5 ) 。

( 3) 時効中断事由とのかかわ り

本決定を含む時効不完成説 は,その最終的拠 り所を時効中断事由との関係 に 求めていると思われる

決定 は , 「 刑法は,拘置を死刑の執行 と同視 して‑‑ これを時効 の中断事 由 にした ものと考えざるを得ない。 もしそうでないと解す るな らば,絞首 による 死刑の執行 自体 に着手 しない限 り,死刑の時効の中断を認めなかったはずであ

る」 という 。

法が逮描行為や拘置 と,死刑の執行 ( 絞首)を同視 しているとは,いかに も 奇異な表現であるが,ここに言わんとする決定の論理 は,恐 らく次 のよ うな も

のと思われる 。

( 彰 刑法三二条 は,刑が執行 されていない状態を時効進行 ・成立の要件 とし ている

② 刑法三四条 は時効の中断事由として 「 刑 ノ執行二付キ犯人 ヲ逮捕シタル 」

ことを挙 げているか ら,法は刑の執行のために逮描 されている状態を時効進行 に反す る状態 と見な している。

⑨ 上記Gx 2 ) を綜合すれば,逮捕行為 は刑が執行 されない状態 とはあい反す る状態 と評価 されていることになるか ら,法 は逮輪 と刑の執行を同視 している ことになる

5) 決定 は,受刑者 と逃亡者を例にとり,前者 には時効が成立せず,後者 に時効 が成立 するという相対的不公平 さは本来時効制度その ものに内在す るものであ って法 の 予定す るところであるか ら,逃走死刑囚 と収監死刑囚の間に生ずる不均衡 も本来法 の許容す るところである,と言 う。 しか し,刑の執行を受 けている者 と受 けて いな い者 とが差別的に取 り扱われることが例え合理的であったとして も , 「だか ら」 刑

の執行を受 けていない者同士の間に差別があって も合理的だ と言 えない ことは明

らかである。その独 自の合理的根拠を示す ことな くして差別 の正 当性 を証明す る

ことは不可能であろう 。

(14)

1 4 3 9 巻 第 1 号

④ 時効中断事由としての逮捕 とは,刑を執行す るための身体の拘束 を言 う が,死刑封の拘置 も死刑執行のための身体の拘束である

⑤ 従 って,拘置 も逮捕 と同様時効進行の前提 となる事実状態 とはあい反す る状態であるか ら,法 は拘置を死刑の執行 と同視 している,と

以上のような前提に立 って決定 は,逃亡死刑囚が逮捕 された場合,彼 は一般 的社会生活関係か ら刑の執行のために身体を拘束 された状態に入 ることによっ て,刑の執行を受 けたと同視 されるに至 り,それによって時効 は中断 され るこ とになるが,これを収監死刑囚の置かれている状態 と比較 して見 ると,両者 の 間には,刑の執行のために身体を拘束 されているという点において も,現 に絞 首 という刑そのものは執行 されていないという点において も差異はないのであ るか ら,両者 ともに,時効進行の基礎 となる状態の中にはいない もの と見 るは かない,と考えるのであろう

従 って,もし刑が執行 されない限 り,身体 を拘 束 された状態 に置かれて も時効が進行す るというのであれば,逃亡死刑 寓につ いて逮捕行為が時効を中断す ることは矛盾であり,法は逃亡者 について も絞首 その ものが執行 されない限 り,時効の中断を認めなかったはずである,と結論 す るものせ思われる

しか しなが ら,例え決定の論理が上記の如 きものであるとして も,こうした 議論 に賛同することはで きない。

先ず第‑ に,逮捕にせよ,拘置にせよ,法がこれを刑の執行 と同視 している とす る議論 は,上記①の前提,即ち,刑法三二条は刑が執行 されていない状態 の継続を時効成立の要件 とする,という前提がなければ成 り立たないものであ る。‑もし,刑の不執行状態以外の要素が時効進行の要件 に含まれているとす る な らば,時効中断事由を刑の執行 と同視 しなければならない理由はないか らで ある

このことは,時効制度の核心が 「 刑の不執行状態の継続」にあること,そ し て,決定自体 もそれを承認 していることを雄弁に物語 っている

ところが,決 定 は結論において この正当な前提を放棄 して,刑法三二条 は , 「 刑 を言渡 した 裁判」が執行 されていないことを時効進行の要件 としていると解 し,拘置 も又

I

(15)

死刑囚の人権 と刑の時効 について 1 5

裁判の執行であるか ら収監死刑囚に時効は進行 しない, とするのである だが もし,刑法三二条の法意が決定の言 う如 くであるとす るな らば,拘置 はそれ自 体の効果 として時効の進行を妨げるのであって,これを刑の執行 と同視 しなけ ればな らない理由はないはずである 。

第二に, ・ 決定 は,逮捕が時効中断事由とされる以上,拘置 されて いる者 に時 効進行を認めることは矛盾であると言 うが,この点 もまた疑問である1 .

先に述べたように,時効制度の大前提 は,一定の事実状態の継続である こ れに対 し,時効の中断 とは,中断事由発生以前の事実状態の継続 ( 時間の蓄積) を無に帰せ しめる一種の打撃であり , 「 継続」に対す る質的 「 転換」 ともい う べきものである

転換 という現象が完了すれば,そこか ら再び新たなる事実状 態の継続が開始 されることは言 うまでもない。

これを死刑囚について見れば,逃亡死刑囚は,逃亡 し続 ける限 りその状態 の 継続によって時効進行 の恩恵にあずかる。逃亡状態 とは,死刑囚か ら見れば, 身柄を拘束されず,事実上刑の執行を免れている状態であ り,国家か ら見れば, 身柄を確保 しえない為 に刑を執行 した くとも事実上執行不可能な状態である

しか し,逃亡死刑囚が逮捕 されれば,そこに事実状態の質的転換が生ずる。即 ち,逃亡死刑囚にとっては,身体が拘束 され死刑の現実的恐怖 に直面 し,国家 にとっては,死刑囚の身柄を確保す ることによって死刑を執行 しようと欲すれ ば何時で もそれが可能 となるのである 従 って,法が この質的転換 に着 目 して 逮捕を時効中断事由としたとして も,何 ら不 自然なことはない。

一方,収監死刑囚について継続す る事実状態 とは,死刑囚か ら見 れば身体 を 拘束 されなが らも事実上刑の執行を免れている状態であり,国家か ら見れば刑 の執行が可能であるにもかかわ らずその権限を行使 していない状態である 法 がこの状態の継続 という点に着 目して,そこに時効の進行 ・成立を認めた とし て も,それが時効制度の整合性を損 うことになるとは考え られない。

時効制度の趣旨 ・本質が,権利 ( 権限)不行使に対する消極的評価 と継続す

る事実状態か らもた らされる利益に対する積極的評価の二つの要素か ら成 り,

又,時効の進行 と中断を基礎づけるものが,事実状態の継続 と転換 にあ るとす

(16)

1 6 商 学 討 究 第 3 9 巻 第 1

れば,時効停止の規定 もまた整合的に理解 しうるう

刑法三三条 は 「 時効‑法令二依 り執行 ヲ猶予 シ又‑之 ヲ停止 シタル期間内‑

進行 セス」 と定める 法令によって刑の執行が停止 されれば,国家にとって刑 を執行することは法的に不可能 となるのであるか ら,刑を執行で きるに もかか わ らず事実上執行 していない状態 とは異なり,ここには,怠慢 といった非難 を 受けるべき消極的要素は存在 しない。法 はこの点に着 目して,刑の執行 が法的 に不可能な場合には,時効の進行を停止 させたものと考えることが可能 とな る か らである

このように,法はあ くまで も 「 刑」の執行の有無を主眼 として時効制度全体 を整合的に設定 したものと解 され,又,そ う解することに何の不都合 も生 じな いと思われるのであるが,これに対 し,決定 は専 ら 「 身休の拘束」 を主眼 と し て時効制度を理解 しているかのように思われる 。 収監死刑囚 も,逮捕 された者

ら,身体が拘束されていることは自明である。 しか し問題 は,身体 の拘束 とい う一事をもって,何故に法 はひとしなみに時効の恩恵を拒否 していると解 さね ばな らぬのか,ということであろう 。 これに対 して身体の拘束 という共通性 を もち出 して も意味 はない。また,逮捕を時効中断事由としている以上法 は身体 の拘束を刑の執行 と同視 している, と解す必要 もないことは先に述べた通 りで ある 。

このように考えて くると,決定が何故に身体の拘束 という一点に主眼 を置 い て時効制度を理解 しようと努めたのかという点 に疑問を抱かざるを得 ない 6) 0

「 刑」の時効 というか らには,刑の執行の有無 こそが先ず もって問題 とされ る べきであろうし , 「 時効 」 というか らには,一定 の事実状態 の継続 と断絶 こそ が問題 とされるべ きものと思われるか らである。

( 4)憲法三⊥集,三六集 とのかかわ り

これまで述べて来たように,刑法は,拘置 されたまま刑の執行 を受 けること

6) 「 身体の拘束されている者に時効な し」 という不動 の前提が存在す るのではない

かという疑問が生 じる所以である。

(17)

死刑囚の人権 と刑の時効 について 17

な く 3 0 年が経過 した場合 において当該死刑囚につき刑の時効が完成す ると規定 しているものと解 される 。

しか しなが ら,これに反 し,収監死刑囚に対 して時効の進行 ・成立 はない と 解す るな らば,そこには様々な憲法問題が生 じざるをえない。この解釈 に立 て ば,結果 として逃亡収刑囚 と収監死刑囚を,何 らの合理的理由な くして差別的 に取扱 うものとして憲法‑四条の平等原則違反甲問題を生 じることになる点に ついては既に述べた通 りである

そこで,ここでは,その他の憲法問題,即 ち, 憲法三一条及び三六条 とのかかわ りについて考察す る

もし決定の言 うように,収監死刑囚に時効が成立せず ,3 0 年以上 の拘置後 で あって も死刑の執行が可能であるとするならば,当該死刑囚にとって,死刑判 決 とは実質上,絶対的不定期刑 7 ) と絞首 とを併科 されたにも等 しいことになる。

死刑囚は何時執行 されるか も分か らない絞首を終期 として,如何に長期 に亘 ろ うとも身柄を拘束 されることになるか らである

ところで,絶対的不定期刑 は罪刑法定主義の禁ずるところであ り,絶対的不 定期刑 と死刑の併科 ということはわが国法上ありえず,本件平津氏につ いて言 えば,併科の判決が下 されたという事実 もないのであるか ら,上記 いずれの点 か らして も時効不完成説の帰結 は憲法三一条 の罪刑法定主義に反す ると言 うべ きである

また,執行停止の措置をとることな く,死刑囚を 3 0 年の長 さに亘 って 日々死 の恐怖に下に置 き続 けること自体,実質上,拷問に等 しいものと言えはすまい か との疑問が生 じるが,更に加えて,その後死刑を執行するとい うことになれ ば , 「不必要 な精神的,肉体的苦痛を内容 とす る人道上残酷 と認 め られ る刑 罰

」 8)

即ち,憲法三六条の禁止する 「 残虐」な刑罰に該当す ると言 わざるをえ

7) 西村克彦教授 はこの点に関 して次のように述べる。「 拘置 の実態‑ 法律関係 でな く‑ は禁鋤刑 と同 じである。それは三〇年を極限 とす る 『 相対的不定期拘禁』 と もいうべきものである (そう解 しないと,憲法の禁止 している 『 絶対的不定期刑』

に等 しくなる)。すると,何 らかの理由で死刑囚が処刑を免れ る場合 には,拘置 の ほうも三〇年以内でその裁判の執行を終わ ったものとして身柄を釈放 される,とい うように考えるのは暴論であろうか 。 」( 西村克彦 ・参考文献表⑦論文 ,3 3 ‑ 3 4 頁。)

8 ) 最大判昭 2 3 . 6.3 0 ,刑集 2‑7‑ 7 7 7

(18)

7 8 商 学 討 究 第 3 9 巻 第 1 号

ない。

本件平葎氏 は死刑囚であり,現実 として昼死刑の執行 を受 けることな く死亡 した。 このことが,時効不完成説 によって もた らされる刑罰の残虐性へ の認識 を弱める一因 となっているのではないかと思われる 。 即 ち,「生 き長 らえただ けで も感謝すべ きだ」 といった感情が一般 に働 きはすまいか との懸念が生ず る か らである。 しか しなが ら,時効不完成説の論理 は死刑囚についてのみ妥当す る訳ではない し,死刑囚が獄内において天寿を全 うす ることを保障す るもので もない。例えば,今仮 に,法が苔刑 を定め ( 苔刑 自体の問題性 はしば し置 く), その前置手続 として犯罪者を拘置す るものとし,更に苔刑の刑の時効を,例 え ば 5 年 としているような場合を想定す る。時効不完成説 によれば,犯罪者 が拘 置 されている限 り時効 は進行 しないのであるか ら,彼が何十年 の長 さに自 り, 刑 の執行 を受 けることな く拘置 され続 けて も彼 は決 して時効の恩恵 にあずか る ことはで きないということになる 。 また もし,その後,彼が遂 に刑 の執行 を受 けることな く獄死 したとして 「 苔で打 たれなか っただけで も感謝すべきだ」 と 言えるだろうか。現実的な可能性 はともか くとして も,時効不完成説 の論理 的 帰結 はこのような ものである

立法政策上 も,事実上 も,身体 の拘束 に時間的限定 を付 し,執行停止 の手続 によって囚人を刑執行 の恐怖か ら解放す ることが容易 に可能であるにもかかわ らず,刑の執行を目的 として無期限に人 の身体 を拘束 し,日々刑執行 の恐怖下 に置 き続 けた上で,遂 には当該刑 の執行 を可能 とす るような刑罰制度 は 「不必 要 な精神的,肉体的苦痛を内容 とす る人道上残酷 とみ とめ られる刑罰」制度 と 言わざるを得ない。

本決定 は , 「 死刑の確定裁判 を受 けた者がその執行 を前提 と して三〇年 を超 える期間身柄を拘置 されたか らといって,それだけで死刑の時効の完成 をみ と めなければ憲法三六条所定の残虐刑の禁止 に触れるということにはな らない」

と言 う。その趣 旨は,三〇年を超える拘置 とその後の刑の執行 は,一般的 には

残虐刑 に該当す るが,例外的に,真にやむを得 ない事情が存在す る場合 には残

虐 とはな らない,ということであろうか。 もしそ うであるとすれば,本件 にお

(19)

死刑囚の人権 と刑の時効について 1 9

いて真にやむを得ない事情 とは何かが問題 となるが,決定が挙 げる事情 とは, 再審請求 と恩赦の出願が くり返 し出されていたということのみである。確かに,

こうした事情 は,死刑の執行が行われなかったことの説明にはな りうる 9) 。 し か し,憲法三六条 にかかわる問題の焦点 は,何故死刑執行が行われなか ったか

という点にあるのではない。本件において,三〇年を超えて死刑囚を死 の恐怖 に直面 させ続けることに真にやむを得ない事情が存在 したのか,換言すれば, その間執行停止を行 うことを妨 げる真にやむを得なJ、 事情が存在 したのか,と いうこきが問題なのであり,本件 における残虐性 とは ,3 0 年を超 えて人 を死 の 恐怖の下に置 き続 けること,そ してその後遂に死刑を執行す ることの残虐性 で ある 。 しか し,本決定 は,この点 に関 しては何 ら語 るところがないのである 。

( 5)その他の問題

拘置 された死刑囚に対 し刑の時効が成立す るか, という問題 は,二重 の意味 で立法者の本来予想 しなかった問題 と思われる

一つには,立法者 は,死刑 の 確定判決を受けた犯人が刑の執行を受 けることな く 3 0 年以上 もの間拘置 され続 けるというような事態そのものを予期 していなかったと思われ 1 0 ) ,また一つ に は,刑の執行停止 と,それによる時効停止の規定が存在す る以上,時効 の成立 要件を満たす 3 0 年が満了するというような事態 を予想 してはいなかったと思わ れるか らである

しか しなが ら,現実にはこの予測外の稀有の事態が生 じるに至 T jた。■ こうし た事態に直面 し,時効不完成説 は法条文をあ らゆる角度か ら死刑囚に不利益 に 解釈 し,死刑囚の生命の負担において事態の 「 解決」を図ろうとしたもののよ

うに思われる

9) 刑事訴訟法四七五条二項但書 は,再審請求,恩赦出願中は死刑執行を行わな くて も よい旨を定めているか ら,刑の不執行その ものは正当である。 この点 については時 効完成説 と不完成説に対立 はない。 しか し,過去の 権利 ( 権限)不行使が正当であっ

たか らといって,将来の権利 ( 権限)の行使がそれだけで正当化 されるものでない ことは明 らかであろう。

1 0) 刑事訴訟法四七五条 は,死刑の執行 は原則 として判決確定後六箇月以内になされる

べきものと定 めている

(20)

2 0 商 学 討 究 第 3 9 巻 第 1 号

本決定 も述べるように,刑法三二条にいう 「 其執行」が 「 『 刑』 の執行 の意 味であると解釈す ることも文理上 は可能」なのであり,む しろこの解釈 こそが 最 も自然な解釈 というべ きものである。時効不完成説の不自然 さは,論者 自身 を して 「いささか強弁にす ぎるとの印象を免れない」1 1 )と言わ しめ る程 の もの であった。時効不完成説 は,敢えて こうした不 自然な解釈をとり,同一文言 を 多様に読み替えてまで何故に死刑囚に不利益な結論に固執 しなければならなかっ たのであろうか 刑の時効に関 しては,法条文に最 も素直な解釈 こそが,他 の 条文の用法 とも整合的であり , 「 疑わ しさは被告人の利益 に」 とい う近代刑事 法の鉄則にも合致 し,また ( 犯罪者をも含めた)あらゆる人間の人権が最大限 に尊重 されるべ きものとするわが憲法の基本原理にも最 も適合的な解釈であっ たはずである

本決定 は 「 法条の解釈 については,その文理のみか らだけでな く,その他に, 当該規定の趣旨,他の法条あるいはその解釈 との整合性,当該解釈 を とること によって生 じる利害の比較衡量等諸般の事情を考慮 してその法条の予定 してい る意味を合理的に導 き出すべきものであ り」本決定の解釈 こそが 「 合理的,合 目的的解釈であ」 ると言 う しか し,本決定がその時効不完成説の結論 に至 る 過程 において,死刑囚の利益がどのように配慮されたのか,人権保障 とい う憲 法の理念がどのような形で合目的的要素をな したのかは不明であって,本決定

はこれ らの点について一言 も論 じてはいないのである。

時効完成説 によって もたらされる現実的な 「 害悪」なるものが もし何か しら 存在するとすれば,それは 3 0 年間死の恐怖に怯え続けた死刑囚がその生命 と自 由とを回復 し,以後国家 は彼 に対す る絞首刑の執行権を喪失す るということ以 外にはなかろう

しか し,一方において法が 3 0 年間逃亡 し続 けた死刑囚 に対 し て刑の時効成立を認め,そのことによって,死刑執行権の喪失か らもた らされ

る害悪 は死刑囚の生命 ・自由等の価値に優位 しえないことを承認 している時, こと収監死刑囚については刑罰執行権喪失の害悪が死刑囚の生命 と自由の価値 よりも大 きいと判断 しなければな らない現実的必要性 はどこにあるのだろうか。

ll ) 高田卓爾 ・参考文献表⑮論文 ,l o 貰o

(21)

死刑囚の人権 と刑の時効について 21

また決定 は,収監死刑囚に時効を認めることは時効の趣旨を超えると して次 のように言 う

「 拘置 されてきた者を刑の時効によって一般社会に釈放するということにな れば,それまで形成維持 されて きた死刑の執行を受けるべき者 としての生活関 係をそのままの姿で尊重するということではな しに,それ以上の効果を もた ら す ことになるのであって,このことは先の時効の趣旨を明 らかに超えるもので ある」 と

これは要するに,身体を拘束 され続 けた死刑囚に時効を認めると彼を釈放 し なければな らないことになるが,これでは,現状を尊重す るとい う時効制度 の ー趣 旨を超えて,死刑囚に対 して釈放 という新たな利益を付与することになるか ら制度の趣旨に反する,という主張である。 しか し,死刑囚にとって尊重 され るべき状態 とは,死刑の執行を受けないという状態であって,死刑囚に時効が 成立す るのは,死刑が執行 されない状態が継続 したか らに他な らない。

これに対 し,拘置 とは,死刑執行に付随する単なる前置手続 にす ぎないので あるか ら,もし,死刑本体の執行の可能性が消滅すれば,その前置手続 も当然 に不要 となり,これによって死刑囚が釈放 されるのは至極当然のことであ る 従 って,死刑囚の釈放 は時効そのものの直接的効果 というよりは,死刑 の時効

によって もた らされる付随的効果 というべ きものであろう

要す るに,拘置が 死刑執行 のための必然的 ・付随的手続であることか ら,本体たる死刑 に時効が 成立す る時は,その付随的手続の必要性 も必然的に消滅するというに過 ぎない のであって,死刑囚に時効を認めれば,身柄の釈放 という付加的利益 を新 たに 付与す るというようなことになる訳ではない。

また決定 は時効完成説をとると 「それまで形成維持 されてきた死刑の執行を

受 けるべき者 としての生活関係をそのままの姿で」維持で きな くなるか ら時効

制度の趣旨に反す ると言 うが,刑の時効制度 とはそ もそも 「それまで維持 され

てきた刑を受けるべき者 としての」法的関係を解消 し , 「それまで維持 されて

きた刑の執行を受 けざる者 としての」事実関係に法的承認を与える制度なので

あるか ら,時効完成説 は時効制度の趣旨に反す ることはない。逆 に,決定 のよ

(22)

22 商 学 討 究 第 3 9 巻 第 1 号

うな立場をとれば,時効 は 「 刑を受けるべき者 としての生活関係」を解消 しえ な くなるが,それでは刑の時効によって解消 されるものとしては何が残 るので あろうか。

最後に,本件拘束者 らによって主張 された 「 国家刑罰権」の行使 と時効 の関 係について一言 しておきたい。

拘束者 らは,時効制度の趣旨は一定期間継続 した 「 国家刑罰権が行使 されな い」状態の尊重 にあるのだか ら,拘置 という形で国家刑罰権の行使を受 けて い る収監死刑囚に時効 は成立 しないと主張 した。 しか し,ここにいう 「 国家刑罰 権 」 が具体的に何を意味するのかは明 らかにされていない。 これを最広義 に解 すれば,刑罰規定を定める立法行為自体が国家刑罰権の発現である。そ こで拘 束者 らは,拘置は 「 死刑を言い渡 した裁判の確定により具体化 された国家 の刑 罰権 」 の発現であるか ら時効進行 とはあい容れない状態である,と説明す るこ

とになる1 2 ) 。だが,「 裁判の確定 により具体化 された国家 の刑罰権」 とい う概 念 も不明確であ り,これに対 しては沢登佳人教授の詳細な批判が存在する

即 ち,拘束人 らの前提 に立てば,逃亡犯に対す る追跡,捜索,逮描,引致等 は全 て確定裁判によって具体化 された国家刑罰権の発動 ・行使であるか ら,追跡等 がなされている限 り,逃亡犯について時効が進行 しないという矛盾が生ず る,

という批判がこれである1 3 ) 。

おそらく,こうした批判の正当性を認めてであろう,本決定 は拘束者 らの主 張を容れず,身体の拘束 という一事に着 目して時効不完成説を組み立てたので

あった。

むすび

以上考察 してきたように,時効不完成説は,①法の文言を不当に拡大 し,② 他の条文 との整合性を欠 き,③被拘束者に時効な し, という前提によってのみ

1 2) 以上,判時1 1 5 2 ‑ 3 3 ‑3 4 。同旨のものとして,大谷賓 ・参考文献表⑤論文,1 6 頁,宿 田平 ・参考文献衰⑳論文, 7 頁,宮津浩一 ・参考文献表⑬論文,1 5 5 頁0

1 3) 沢登佳人 ・参考文献表⑥論文 ( ‑) ,3 8 頁。

(23)

死刑囚の人権 と刑の時効について 2 3

成立 しうるところの,④反人権的帰結をもたらす解釈であって,賛同 しがたい ものである 。 これに対 し,時効完成説 は,法の文言上最 も自然な解釈であ り, 他の条文の解釈 とも整合性ある,そ して何よりも憲法の基本理念 に適合的 な解 釈であると思われる。

なお,本決定の後,裁判所によって同種の三つの判断が下 された。 その一つ は,本件の特別上告審における最高裁決定

1

) であるが,そこで最高裁 は本決定

◆の判断を正当なものとして抗告を棄却 している。また,他の二つ は ,3 0 年 を超 える平葎氏の拘束 は遵法であるとしてなされた国家賠償請求事件 における一 ・ 二審判決 2) であるが,この二つの判決 も,本決定定の論理をほぼ全面的 に踏襲

している

このように,これまで出された四つの裁判所の判断はいずれ も時効不完成説 をとるものであった。 しか し,上記国家賠償請求事件 は現在,最高裁に係属 中 であ り,その正当な判断が期待 されるところである 。

1) 最高裁,昭 6 0 .7.1 9 決定,判時 1 1 5 8 ‑ 2 8

2 ) 東京地裁,昭 6 1 .3.2 8 判決。東京高裁,昭 6 1 .6.2 0 判決,判 夕6 2 4 ‑ 2 6 3

0

(24)

2 4 商 学 討

第 3 9 第 1 号

参考文献

( 丑 遠藤誠 「 刑の時効 」 『 法学セ ミナー 』1 9 8 4.1 0 .1 1 2 .

② 奥平康弘 「 『コー ド』 と 『コンテクス ト 』 」 法学セ ミナー 』1 9 8 4 . l l .8.

⑨ 遠藤誠 「 刑の時効再論 ( 上)( 下) 」 『 法学セ ミナー 』1 9 8 5 .3.3 4,4.7 1 .

④ 庭山英雄 「 刑の時効 」 法学教室 』1 9 8 5 .6.1 1 8 1 .

⑤ 大谷賓 「 死刑の時効について 」 判例 タイムス 』5 5 2 .l l .( 1 9 8 5 )

⑥ 沢登佳人 「 死刑囚 の時効 について ( ‑ )(二 ) 」 『法政理論 』1 8. 2 . 2 , 3. 4 6 . ( 1 9 8 5 )

⑦ 西村克彦 「 刑の時効 という制度について 」 『ジュリス ト 』1 9 8 5 . l l .1.3 2 .

⑧ 瀧賢太郎 「 死刑の確定判決を受 けた者につき刑法 1 1 条 2 項による拘置がなされてい る場合における死刑の時効の進行の有無 ( ‑)( 二)( ≡) 」 『研修 』1 9 8 5.4 4 5 .7 1, 4 4 6 .5 9 ,4 4 7 .5 5 .

⑨ 同 「 死刑の時効について 」 『 警察学論集 』3 8. 1 0 . 41 . ( 1 9 8 5 )

⑲ 福田平 「 死刑の時効について 」 『 判例時報 』1 1 6 5. 3.( 1 9 8 5 )

⑪ 佐藤昭夫 「 三〇年の拘置 と死刑の時効 」 『 早稲田法学 』1 9 8 6 . 2.1.

⑫ 初宿正典 「 帯鋸事件』人身保護請求事件 」 『ジュリス ト 』1 9 8 6 . 6.1 0 .2 5 .

⑬ 宮津浩一 「 死刑判決確定後拘置 されたまま三〇年を経過 した場合 と刑 の時効の成 否 」 『ジェ リス ト 』1 9 8 6 . 6.1 0 .2 5 .

⑭ 大谷宴 「 死刑判決確定後拘置されたまま 3 0 年を経過 した場合 と刑の時効の成否」

『 法律のひろば 』3 8.l l .6 5 .( 1 9 8 7 )

⑮ 高田卓爾 「 帝銀事件の残 したもの 」 法学教室 』1 9 8 7 .9.6.

参照

関連したドキュメント

Nintendo Switchでは引き続きハードウェア・ソフトウェアの魅力をお伝えし、これまでの販売の勢いを高い水準

森 狙仙は猿を描かせれば右に出るものが ないといわれ、当時大人気のアーティス トでした。母猿は滝の姿を見ながら、顔に

(2)特定死因を除去した場合の平均余命の延び

ことで商店の経営は何とか維持されていた。つ まり、飯塚地区の中心商店街に本格的な冬の時 代が訪れるのは、石炭六法が失効し、大店法が

点から見たときに、 債務者に、 複数債権者の有する債権額を考慮することなく弁済することを可能にしているものとしては、

本プログラム受講生が新しい価値観を持つことができ、自身の今後進むべき道の一助になることを心から願って

・カメラには、日付 / 時刻などの設定を保持するためのリチ ウム充電池が内蔵されています。カメラにバッテリーを入

  支払の完了していない株式についての配当はその買手にとって非課税とされるべ きである。