• 検索結果がありません。

  要旨   (97.29KB)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "  要旨   (97.29KB)"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

題目:白色レグホンのヒナのオペラント行動における履歴効果の制御変数の検討

研究指導教員:中原史生教授 副研究指導教員:島田茂樹准教授

学籍番号:11600026

氏名:中村達大

論文要旨:

ヒトを含む動物の現在の行動は,現在の随伴性だけでなく過去における随伴性の経験である 行動履歴の影響を受ける.これを行動履歴効果という.この行動履歴効果には,過去の随伴性と 現在の随伴性が近接する場合の近接行動履歴効果と,それらの随伴性が時間的に離れている場 合の遠隔行動履歴効果の2つがある.本研究は,これらの行動履歴効果に影響する制御変数につ いて,行動分析学的な観点からこれまでの研究を概観した上で,これまでの実験で用いられてお らず,個体発生的履歴の統制が容易な白色レグホンのヒナを対象として,オペラント行動におけ る行動履歴効果の制御変数を調べた.本研究では,全部で4つの実験を行った.本研究で問題と したのは,反応と後続事象の間の異なる随伴確率の履歴の効果(実験1)と異なる反応率ないし 異なる強化率を生み出すスケジュールの刺激性制御としての行動履歴効果(実験2,3,4)で あった.実験2,3,4では,強化スケジュールがもたらす反応率の違いと強化率の違いの履歴 を問題とした.実験2,3,4のそれぞれの違いは,強化スケジュールが反応率の違いと強化率 の違いをもたらす場合(実験2),反応率のみの違いをもたらす場合(実験3),強化率のみの違 いをもたらす場合(実験4)という点であった.

実験1の結果から,反応と強化子提示の間の随伴確率が 1.0 であると新奇な反応の獲得が促進 され,随伴確率が 0.5 であると逆に阻害されるという近接行動履歴効果と,随伴確率が高いほど 消去下において反応をより多く生起するという遠隔行動履歴効果が示された.さらに,実験2,

実験3,実験4の結果から,履歴確立フェイズにおける異なる反応率の履歴は,履歴検査フェイ ズ1の最初で反応率の分化をもたらすが,異なる強化率の履歴は,反応率の分化をもたらさない ことが明らかになった.すなわち,近接行動履歴効果にとって重要な変数は,強化率よりも反応 率であることが示された.さらに,履歴確立フェイズにおける低い反応率の履歴と,低い強化率 の履歴のそれぞれは,反応が消去された履歴検査フェイズ2において,より高い反応率をもたら す遠隔行動履歴効果を生じさせた.このことから,遠隔行動履歴効果の制御変数として反応率と 強化率のどちらの影響がより大きいのかについては結論することができなかった.

本研究の実験結果から,白色レグホンのヒナのように個体発生的な履歴のほとんどない個体 でも,ヒトを含む成体の動物を対象とした先行研究で示されたような行動履歴効果が示される ことが明らかになった.行動履歴効果の制御変数としては,反応と後続事象との間の随伴性と,

その随伴性においてどのような反応率が示されたかが重要であることが示された.なお,遠隔行 動履歴効果の制御変数としては,過去の随伴性における反応率だけでなく強化率もまた重要で あることが示唆された.

キーワード:行動履歴効果,随伴性,反応率,強化率,白色レグホンのヒナ

参照

関連したドキュメント

市場を拡大していくことを求めているはずであ るので、1だけではなく、2、3、4の戦略も

ƒ ƒ (2) (2) 内在的性質< 内在的性質< KCN KCN である>は、他の である>は、他の

2.1で指摘した通り、過去形の導入に当たって は「過去の出来事」における「過去」の概念は

私たちの行動には 5W1H

現行選挙制に内在する最大の欠陥は,最も深 刻な障害として,コミュニティ内の一分子だけ

 毒性の強いC1. tetaniは生物状試験でグルコース 分解陰性となるのがつねであるが,一面グルコース分

*海外派遣にかかる渡航や現地滞在にかかる手配は UNV を通じて行います (現地生活費の支給等を含む)

線遷移をおこすだけでなく、中性子を一つ放出する場合がある。この中性子が遅発中性子で ある。励起状態の Kr-87