長 谷 川 明
An Educational Prograna for W生 ulti― users by the Use of Personal Computers
Akira HASEGAWA*
Abstract
An educational program for multi― users by the use of personal computers is developed This is a program for t、vo students to learn structural engineering using one personal computer at the same tirne̲ Ast、 vo students can use the computer simultaneously and independently each other by the use of this progranl,they can learn structural engineering at the speed according to each ability. And, students can see explanations and use caluculators in the display of the computer during the learning if they need
This paper presents the outhne of this program and the method to use the program
1.は じ め に
構造力学は ,土 木工学の基礎的な教科であっ て ,様 々な応用的教科を学ぶために必須の知識 で ,土 木工学を学ぶ学生には ,ぜ ひ理解 して も らいたい教科である。このため ,本 学のカ リキ ュ ラムにおいて も「構造力学 I」 , これに関連す る
「材料力学 I」 は必修 とし , さらに具体的な構造 物の設計を通 しなが ら学ぶ「構造工学設計・ 演 習」 も必修 としている。 「構造工学設計・ 演習」
は平成 4年 度 に改正実施 された新 しいカ リキ ュ ラムに導入 された教科である。 この教科は ,従
来の土木工学 に関す る設計製図に , これに関わ る演習を加 え ,演 習を強化す ることによって具 体的な理解力を高め よ うとす る目的で導入 され た ものである。理解力を高め るためには , この よ うなカ リキ ュラムの改正による時間的改善 と ともに ,そ こで行われ る具体的指導の方法 と計 画が用意 されなければな らない。
さて , この演習を本学で行 うときの大 きな問 平成 4年 10月 17日 受理
*土 木工学科助教授
題 は次の よ うに考 えられ る。
(1)受 講者が多い。 1
(2)こ のため教員に よる一人 当た りの個別 指導時間が短 い。
(3)レ ポー トや小 テス トを課題 として もそ れを評価・ 整理す るためには多 くの時間を要す る。
(4)理 解の程度が一律でないため ,個 別の学 習進度が期待 され る。
一方 ,こ の教科の講義 には多 くの数式が現れ
,学生か ら難解 な教科であるとの印象を受けがち であるが ,演 習の特徴 として ,数 字で答 える類 の演習問題が少な くない。
そ こで , このよ うな教科の特徴を生か し ,前
記 の よ うな問題 を解決す る こ とをめ ざすため に ,本 学のパ ソコン・ ラボのパ ソコンを活用す ることを考 え ,そ こで使われ る演習 ソフ トを開 発 した。多人数を効率的に指導 して , よ り良い 教育的効果をあげるためには補助的機器を利用 す ることも ,一 つの方法 と考 える。補助的機器 を利用す ることは学生 と指導者の接点を減少 さ せ るもの と考 えがちであるが ,利 用方法によっ
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八戸工業大学紀要 第 12巻
て は ,逆 に ささいな問題 点 の対応 に これ らの機 器 があた る こ とに よって ,学 生 と指導者 の深 く 効果的 な指導 の機会 を生 み 出す もの と考 え られ る。
なお , この よ うな プ ログ ラムは既 に発表 して い るが1),今 回は利 用装置 な どの環境 が大 き く 変わ った こ とに合わせ プ ログ ラムを全面 的 に改 訂す る とともに,機 能 を強化 させた ものであ る。
2.利 用 装 置
本学 には ,計 算機利用 の指導 と計算機支援演 習装置 として ,写 真 1に み られ る よ うなノくソコ ン・ラボが開設 されてい る。 この ラボ (教 室 )は 2教 室 で構成 され ,各 々の部屋 にパ ソコン(一方 は PC9801RX,も う一 方 は PC9801RA。 いず れ も NEC製 )が 51セ ッ ト(学 生用 50セ ッ トと教 員用 1セ ッ ト )設 詈 Lさ れ て い る。 それぞれ のパ ソコンには 40Mバ イ トの ハ ー ドデ ィス ク と 2 ドライ ブの 5イ ンチ フ ロ ッピーデ ィス ク ドライ ブがあ るため ,開 発 され た プ ログ ラムはノ` ド
デ ィス ク に 登 録 させ ,他 の 指 導 内 容 と は メ ニ ューで選択 で きるよ う準備す る予定であ る。
ま た ,そ れ ぞ れ の パ ソ コ ン に は 640*400
ドッ トの カ ラーデ ィス プ レイが つ い て い るた め,問 題 の提示や解説 の表示 に カラーを使 え,理 解 しやす い演 習 プ ログ ラ ムが 開発 可 能 で あ る。
なお ,数 台 の′くソコン毎 に 1台 の プ リンタ =が
つ いてい るため ,不 明 な問題 をハ ー ドコピー し て持 ち帰 り検討す る ことがで きる。
本 プ ログ ラムは , この よ うな施設 で利用 され る もの として開発 した。
3.開 発 され たプ ログ ラム
開発 した プ ログ ラムは ,手 軽 であ る こ と ,プ
ログ ラムが容易 に理解 で きる こと ,グ ラフ ィ ッ
ク表示 が豊富 で あ るな どの理 由か ら BASIC言
語 で開発す る こ ととした。 ここで は ,既 に開発 されてい るプ ログ ラム 1)に 追 加 され た機能 また これを実行す るための プ ログ ラムの構成 につ い て述べ る。
3.1 機 台ヒ
開発 された プ ログ ラムの もつ主 な機能 は次 の 通 りで あ る。
(1)多 人数 が同時 に演習で きるため に ,1台
のパ ソコンを 同時 に 2人 で利用 で きる。 2人 で 利 用 して い る とき , も う一方 の利用者 の回答 の ため の キ ー入力 を待 つ ことはな く ,2人 の利用 者 が ば らば らに答 えを入力 で きる よ うに した。
ただ し ,実 際 に発生す る ことは少 ない と考 え ら れ るが ,2人 が まった く同時 にキーを押 した と きは一方 の入力 よ り受 け付 lす ない。 この よ うな
2人 が 同時 に 1台 のパ ソコンを使 って演 習 で き る よ うにす る と,教 員 の指導 を考 えなければ,上 記施設 を利用す ることに よって同時 に 200人 の 学 生 が演習で きる ことにな る。
(2)こ の 同時 に使 え る機 能 を整備 す るた め に ,① キ ーボ ー ドの キ ーを 2人 用 に替 え,右 側 の利用者 はテ ンキーを中心 に使用 し ,左 側 の利 用者 はキ ーボー ドの左側 にある英文字 キーを押 す と数字 に変換 す る方 法 を プ ログ ラ ムに組 み
,利 用 者 に対 して は写 真 2(1),(2)の よ うな キー ボ ー ドカバ ーを取 り付 け利用す る ことを考 えて い る。
(3)こ の よ うな機能 を もたせ る ことに よ り
,写真 1 パ ソコン・ ラボ
(1)左 利用者用
丁 、谷 川 研 究 室
*
→ヨロヽ
II阻
辛 冬了 H:IP
リ
(2)右 利用者用 写真 2 キーボー ド
2人 の利用者 は互 いに演 習分野 の選択 ,進 度 の 影響 を受 け ることはな く ,ま た演 習作業 中の操 作 で両者 が相手 に遠慮す る必要 はない。
(4)出 題 された 問題 に対 応 した 解 説 を演 習 中表示 させ ,参 考 にす る こ とが で きる。これ は
,多人数 を考慮 した もので ,そ れぞれの問題 に簡 単 な解説 を表 示 させ る こ とに よって , ささい な 質 問 に対 す る対応 を この よ うな計算機 内で行 っ て しまお うとす るものであ る。 もちろん教員 の 指導上 の役割 は大 きいが ,多 人数 の場合 には こ の よ うな機能 が補助的 な役割 を担 うもの と考 え
られ る。
(5)こ の演 習問題 で は電卓 が必要 とされ る こ とがあ る。 このため演習実施 中に画面 内に電
卓 を表 示 させ簡単 な計 算 がで きる こ ととし ,そ
の結果 は問題表示 に切 り替わ って も画面 に残 る よ うに配慮 してい る。
(6)出 題 され る問題 に使われ る数字 は,利 用 者 に よって異 な る乱 数 に よって作成 されてい る が , この とき表示 され る図形 もこの乱数 に応 じ た表示 とし利用者 が問題 を理解 しやす い よ うに 配慮 した作題 とな ってい る。
(7)プ ログ ラムは 1人 用 に も ,2人 用 に も利 用 で きる もの として い る。
(8)演 習結 果 として ,演 習 日時 ,学 籍 番 号
,実 施 した演 習 問題 ,そ れ ぞ れ の問題 に対 す る 誤 った 回答 数 が記 録 で きる。これ らの記録 は,指 導 の改善 に役立 て よ うと考 えて い る。
3.2 プ ログ ラムの構成
この よ うな プ ログ ラムは ,大 き く分類すれば メイ ンプ ログ ラム ,問 題 プ ログ ラム ,お よび解 説 プ ログ ラムが必要 とな る。 これ らを一体 の プ ログ ラム とす ることは ,プ ログ ラムが大 きす ぎ て しまい問題 数 に よって は実行 で きない こ と
,開発 作業 が遅 くな って しま うこ とな どの問題 が 発生 す る。 そ こで , これ らの プ ログ ラムの合理 的 な構 成方法 を検 討 した。検討 された方式 は次 の よ うな ものであ る。
(1)チ ェイン方式
これ は ,前 回 の プ ログ ラムで取 った方式 であ る 1)① この方式 は図 1(1)お よび リス ト 1に 示 す よ うに メイ ンプ ログ ラムを ス ター トさせ た後
,次 々 と必要 な問題 プ ログ ラムを呼 び出 して きて 実 行 させ る もので あ る。この方法 の問題点 は,電 卓機能 な どメイ ンプ ログ ラムに置 かれ て い るサ ブル ーチ ンが チ ェインす る ことに よって消 され て しま うことであ る① このため , この方式 を選 が と各問題 プ ログ ラムに メイ ンプ ログ ラムの一 部 を転載 して置 く必要 が あ り効率的 な プ ログ ラ
ム構成 とは言 えない。
(2)フ ァイル方式
これ は,図 1(2)お よび リス ト 2に 示 され る よ うに プ ログ ラム として は メイ ンプ ログ ラムだ け
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(1)チ ェイン方式 (2)フ ァイル形式 図 1 種 々の プログラム構成 八戸工業大学紀要 第 12巻
リス ト 1 チ ェイ ン方式 の メイ ン プ ログ ラ ム と問題 プ ログ ラムの例
リス ト 2 ファイル方式の メインプ ログ ラム と問題 プログラムの例
(3)マ ージ形式
とし ,問 題 や解説 はデ ータファイル として用意 してお こ うとす るものであ る。 このため , メイ ンプ ログ ラムの内容が常 に確保 されてお り ,前
記 の方式 の よ うな問題 は発生 しない。ところが
,デ ータ フ ァイル の状態 か ら問題 を描 くことや解 答 を用 意す る こ とは不 可能 で は ないが ,問 題 作 成 時 に出題 か らデ ータヘ の変換作業 が必要 で作 業 効率 が悪 い。
(3)マ ージ方式
この方式 は,図 1(3)お よび リス ト 3に 示す よ うな メイ ンプ ログ ラムに必要 な問題 及 び解説 ブ ログ ラムを所定 の位置 にマ ージ させて実行 させ る方法 であ る。 この方式 を採用す る と ,チ ェイ
ン方式 の よ うに ,問 題 プ ログ ラムを呼 び出 した ときメインプ ログ ラムが消 されて しま うことが な く ,ま た デ ータ ファイル と して 問題 を扱 う フ ァイル形式 の よ うな複雑 さやわず らわ しさも な く効率的 な プ ログ ラム開発 がで き ,ま た実行
リス ト 3 マージ方式 の メインプ ログ ラム と問題 ブ ログラムの例
十 r
"MAIN BAS"
100*MIN
l10 1NPUT"問 題 は";MON弘
I120 CHAIN"A:MONDAド +STRS(MONDAl)+■ BAS",ALL,110 130 1NPUT"答 は":ANS
140 END
"MONDA1 l B△ S"
100*Ml'問 題 ‑1
110 ANS=100
120 Xl= 10:Yl= 10:X2=301Y2=30:GOTO *L 180 CHAIN "MAIN.BAS",ALL,130
140*し :LINE(Xl,Yl)― (X2,Y2),7 :RETURN 150 4LB:LINE (Xl,Yl)― (X2,V2).0,BF:RETURN
帷 IN BAS‐
100*泄 IN
l10 1NPUT"問 題 は":MONDAI
120 0PEN"A:MONDAド +STRS(MONDAl)+"BAS‐ FOR 130 1NPUT +1,LINI A
140 1P A=O TIEN ホ END 150 0N A COSUB IL,ホ LB 150 GOT0 130 160 1NPUT #1,ANSS 170 CLOSE
180 1NPUT"答 は ・ :ANS 190 1END
200 END
210 *L :INPUT 11,Xl,Yl,X2,Y2 220 LINE (Xl,Yl)― (X2,Y2),7 :RETURN 230 キ L :INPUT 11,Xl,Yl,X2,Y2 240 LINE (Xl,Yl)― (X2,Y2),0,BF:RETURN
INPUT AS #1
"MONDAl l.BAS"
100, 110 , 120 , 130 , 140 ,
"皿 IN BAS"
100 *MhIN
l10 1NPUT"問 題 は",MONDAI
120 MERCE "A:MONDAI"十 STRS(MONDAl)+‐ ̲BAS"
130 GOSUB 4MONDAI 140 DELETE 900‑990 130 1NPUT‐ 答 は";ANS 140 END
150*L:LINE(Xl,Yl)― (X2,Y2),7 :RETURN 160キ LB:LINE(Xl,Yl)(X2,Y2).0,BF:RETURN
"MONDAl l.BAS"
900準 MONDAI'問 題 ‑1
910 ANS=100
920 Xl= 10:Yl= 10:X2=30:Y2=30:00TO *L
990 RETURN
O]寺 問制
l風◎成
4置 1己崩
終 了 始
,日
①利用者敷の入力
②学■希号の入力
③「 ]題 選択
④
lol題合成
③キーの初期化
⑦電 表示
⑥ n?脱 表示
図 2 開発 された プログラムの フローチ ャー ト
時 にお け る問題 も見 あた らない と考 え られ た。
この よ うな検討 か ら ,本 開発 で は (3)マ ージ方 式 で プ ログ ラムを構成す る こととした。
3.4 メインプログラム
メインプログラムのフロートチャートを図 2 に示す。メインプログラムには ① 禾」 用者数の 入力 ,② 学籍番号の入力 ,③ 問題選択 ,④
3.3で 述べた問題合成 ,⑤ キーの初期化 ,⑥ 解説表示 ,⑦ 電卓表示 ,③ 解答入力の判定
,③ 成績記録および ⑩ 時間制限の各サブルー
チ ンが用意 されてお り ,利 用者 が選択 した種類 の問題 プ ログ ラムと解説 プ ログ ラムを メインプ
リス ト 4 関題 プ ログ ラムの作成例 (写 真 4の 問題 1‑1の 場合 )
ログ ラムにマージ して実行で きるよ うにな って い る。
3.5 問題 と解説プ ログラムの作成方法 すでに述べた よ うに出題 され る問題 は , メイ ンプログラムとは分離 されたプログラムとして 用意 され る。 リス ト 4は 後 に示す写真 4に 表示 されている問題 1‑1の プログラムである。 これ らの問題 プログラムは今後 の改善 と拡充のため で きるだけ分か りやすいプログラム書式を とっ てお り ,他 の分野の教科への利用 も用意である と考 えている。
4.利 用 例
利用例を利用順序 にしたが って説明す る。
写真 3 演習分野の選択
10060 10070 10030 10090 10100 10110 10120 10130 10140 10160 10160 10170 10180 10190 10200
求ム+++キ │*****キ ││キ
│キ手 +キ │キ │**ホ
│ホ春
│十*ホ **ホ **半 半 *辛 キ半**キ ヤ
│キキキ
*キキ半半 * 半 BANGOUl
NOS=‐
1‐:GOSUB 10PENFILE IP KOTAE(HITO)=O THEN GOSUB *RANSUU RESTORE *ヽ 10NDATl:GOSUB *REA
H・
RI(HITO):X=R2(HITO):KOTAE(Hキ TO)=‖ 半 (10‑X)/10
Xl・ 51+X+20:Y卜 240Hキ 10:X2・ Xl:Y2=240:GOSUB 4YA」 IRUSHl '矢 印 Xl=X2:Yl=Y2 :V2・ 330:GOSUB キ LIN
X3=6+X+2:Y3・ 16‑H:PR$=STRS(II)ギ
t‐:GOSUBキ PRI X3・X+6 :Y3・ 18 :PR$=STRS(X)+・
m‐:GOSUB IPRI RETURN
*ヽ
10NDATl
DATA 4,5,6,‐ 次 の梁の反力 VAを 求めな さい。 ・ DATA 0
'4オ キ
│キ1春 キ │キ ネ *ネ キキキ半
*キ│キ *キ 半手
*羊キホ ││キ **キ ネキ
│キキ ****キ 44キ ホオ │*米***│+半
呻
次の梁の反力 V∩ を求めなさい。
VB
‑101‑
写真 4 出 題
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間 Ⅲ 2J
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