奈良教育大学学術リポジトリNEAR
学習に関する調査
著者 奈良学芸大学付属中学校
雑誌名 奈良学芸大学教育研究所紀要
巻 2
ページ 93‑111
発行年 1966‑03‑29
URL http://hdl.handle.net/10105/6111
学習に関する調査
奈良学芸大学付属中学校
は じ め に
r学習効果を高め、成績不振の生徒をなくするにはどうすればよいか。」という課題は以前から本 校の成績不振生徒の対策の問題として取り上げている問題である。そこで昭和39年2月にその手が かりを得る一つの試みとして次の二つの第一次調査を実施した。
(調査1) 学習効果の上がらない原因について、
(調査2) 得意な教科、不得意な教科について、
一般的にいって、学習効果のあがらない原因は、生徒個人の素質、能力、努力、学校教育における 教師、教材、施設等の諸問題、生徒をとりまく家庭、社会環境にあると考えられる。また生徒の個人
について考えてみれば、これらの諸問題が複雑に影響し合っているうえに、著しい個人差が見られる のが普通である。
そこで、われわれは、この調査によって、上記の生徒個人の持つ成績不振の原因を集計して、その 共通点を発見し、一般的な学習指導、生活指導の糸口にしたいと考えた。さらにこの一般的な共通問 題に対する対策を立てることと並行して、一人一人の生徒の持つ特殊な問題点を解決するための助言 指導の計画も立案することにした。
この調査を実施するに当ってはさきに予備調査として、1・2・3年の中から各1学級を選び出 し、自由記述式に学習効果の上がらない原因について書かせたものを分析し、委員会で検討し、作間 したもので、単に成績不振の生徒のみに限定せずに全校調査として実施した。続いて第二次調査とし て、第一次の調査結果から成績不振の原因を明らかにするためにr成績不振の原因調査」を昭和40 年2月に実施した。この調査は1・2年生は全員、3年生は1学級にのみ行なった。調査問題は別紙 集計表に書かれた問題で、ねらいは( )の中に示した通りである。
調査1 学習効果の上がらない原因について
この調査は、 r学習効果の上がらない原因」について、集計表に示すように内容を41項目に分け、
選択法により}自分の学習をふりかえって、効果の上がらない(成績の良くならない)原因と思うも のを下から選びO印をつけなさい。(○の数は制限ありません。)なおとくに大きな原因を1つえら び◎をつけなさい。 として答えさせた。
調査結果は、自由選択数と、最大原因選択数とに分け、学級別、学年別、男女別、に集計し、さら に全校生533名について集計して、生徒の考え方の一般的傾向をとらえることにした。なお、学年 別の変化、男女差の有無などについても、あわせて考察できるようにした。
以下<生徒個人の問題〉<家庭・社会環境上の問題〉<学校における問題〉に分け、その実態調査 の結果をもとにして、指導上の留意点をあげてみた。なお、この調査後行なった第二次の調査(成績 不振生徒のための補充再調査)の結果もとり入れ、参考資料とした。
一93一
o⑳ ⑪ 凹 ⑪氏9⑳ ㊥亭弗缶凹
慈泌灘
1器欝轡
⑳先全抑3や ・、・
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個機、妙
学習効果
・11鮒1…1葦鮒籔二1
④鷺微山35 蝦
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①。 ・岨ぜ㎡⑮ 中 ^
争 貼り一 掌 ぴ也。巾帖寄ξ冒
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3.5
⑥復国しない
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〈8 616
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6・黒
⑱ 号⑳
繊1
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纂柵淳鶴鮒
⑳学習滋不明 ・2.
z.3⑮鯛不足
2.3
佃、惨
最大の原因
533人
全学年
③ 努 力 不 足
(37.3〕
、〆が・考、個入(77.、)一
私伸 ◎沓〆㍗篶
⑨妙 ④根気がない
⑤ 巾 すぐあきがくる
喜 (1。.。〕
一94一
り 01
〜
⑩
①
調査1 学習効果の上が ら ない原因 とくに大きな原因1つ(◎)% 成績の上らない原因(○)自由%
(昭和39年2月調査) 1年 2年 3年 全員 男子 女子 1年 2年 3年 全員男子 女子
1、学習する気がしないから (意 欲) 1.9 3.2 4.3 3.2 3.8 2.5 2る 27 3.7 28 3.O 28
2.いくら学習し.ても効果はないので、しないから ( 〃 ) O.6 O.5 O α4 〔L3 O.4 0.6 0.7 0.9 O.7 0.6 0.8
5 努力がたりないから ( 〃 ) 3% 33,8 389 3Z3 31.9 44」〕 13,2 10.1 122 11.9 11.7 12.1
4.根気がないから すぐにあきがくるから ( 〃 ) 124 167 1&2 15.4 14,6 162 8.2 10.1 8.4 8.9 8.4 95
個 5、予習しないから (学習内容) 12 1.1 0.5 O.9 14 0.4 4.5 3.7 6.1 48 47 48 6復習しないから ( 〃 ) 5把 6.4 43 4.9 4.5 5る 5.5 6−6 z9 &6 &9 63 z計画を立てることができないから (計画性) O 0.5 0.5 0−4 0.3 0.4 O.6 0.2 0.3 0,4 0.3 O.4
8。計画を立てて学習しないから ( 〃 ) 3.7 1.6 1.1 23 1.4 2.9 5.6 2.9 己3 4』〕 44 3.5
ネ計画の立てかたがわるかったから ( 〃 ) 2−5 27 22 2.4 2.1 29 3.1 4.6 3.6 3.8 3,5 4』〕
1α学習のしかたがわからないから (学習方法) 3.1 22 1.1 2る 1.4 29 5.3 6.0 2.9 47 4.0 5.5 11.学習がむずかしいから ( 〃 ) O,6 0 0 O.2 0.3 0 0.8 0.9 0 0.6 0.6 0.ア
12.宿題以外に何を学習してよいかわからないから ( 〃 ) 1.2 0.5 0 0.6 1.0 0 2』] 1.6 07 1.4 1.8 1.2 13一他のことをしながら学習するから (興味関心) 0−6 3.2 0.5 t5 1.4 1.6 1.3 2る 2.6 1.9 1.9 2』〕
人 14.学習以外のことに夢中になるから ( 〃 ) 1.2 1.6 3.2 23 2.8 1.2 3.O 3.1 5.1 3。ア 4.0 3.4
15学習の時間が少ないから (学習時間) 3.1 1.6 1.6 2る 3.5 04 51 3.6 3.7 3.5 &8 3.1 16つかれやすいから (身体条件) 0 1.1 1.6 0.9 0.7 1.2 3.0 3.3 2.5 23 2,5 3.4 1ス身体に故障があるから ( 〃 ) 0.6 0 0.5 0.4 0.7 0 0,4 0.4 0.1 α3 α3 α3
18.そ の 他 1.2 0.5 1.1 0.9 1.2 0 1.3 1−8 118 1.6 1.5 1.6
個 人 小 計 % ()内回答数 78.5 76.3 78.0 7714 ア3.8 81.0 63.1 65.0 65.6 64.5 64幻 65.1
(127) (142) (1ψ) (413) (213) (2口0) (672) (660) (641) (19ア3 (1P12 (%1)
19親や家のものが学習のことにかまいすぎるから ( 親 ) 25 1.6 4.9 3,0 4.1 1.6 28 17 24 1.3 3.0 1.6
家 2α親や家のものが学習のことにかまってくれないから ( 〃 ) O 0 0 0 0 0 0,3 α2 0.1 0.2 0 0.4
庭 21.親狐きょうだいや他の人とくらべてとやかくいうか攻 〃 ) 25 22 0 1.5 2.1 08 2.1 22 2.1 211 22 2.O
●
社 22.教えてくれたり、相談相手になってくれる人む狐から (家庭教師) 1.9 1.1 27 1.9 1.4 2,5 22 2.1 29 2.4 1,8 3.0
会
環 25 周囲がさかがしくて学習しにくいから (環 境) 3.7 22 27 2.8 3.2 2.5 2夕 2.8 17 2.5 28 22
境 24.学習する場所が適当でないから ( 〃 ) 2.5 0 05 03 1.4 0.4 2−4 23 2.1 23 24 22
姐家庭内がゴタゴタしていて不安定であるから ( 〃 ) 3.1 27 0.5 23 32 α8 O.7 1.2 O.6 0.8 1.0 α6
26、学習に必要なも?空思うように買えないし・だれかに(経 済) 習いたくても習えない
0 0 0 0 0 0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
2Z そ の他 O.6 0 0.5 0.4 0.7 0一 O.5 0.9 0.9 0−8 0.9 0.5
家庭・社会環境小計%1)内回答数 16.5(27) (1897 11.9(22) 12,5(67) 15.846) 21)&6 14.91鵯) 135)13.3 129126) 409)つ3.4 224)14る 125つ85)
祖先生がこわいから (教 師) 0 0 0 0 0 0 0 0 O 0 0 0 η先生がいやだから ( 〃 ) 0 1.1 1.1 0.8 07 α8 1.3 22 22 1.6 2」コ 1.8
班先生の説明がわからにくいから ( 〃 ) α6 4.3 2フ 2.6 2;4 29 53 5.5 4.1 5」〕 47 5−3
学 31.先生の説明がおもしろくないから ( 〃 ) 25 3.8 1.6 2.6 24 29 3.0 3.4 4.1 35 3.5 55
設.先生の授業の進み方が早いから ( 〃 ) 0.6 1.1 1.6 1.1 1.4 α8 4−8 29 22 3.3 2る 4.4 0 0 0 0 0 0 0.1 0,3 0.3 0.2 0.3 0.2
弘宿題が多いから (宿 題) 0 0 0 0 0 0 1.7 1.2 1.1 1.3 1.7 0.9
砥 宿題が少ないから ( 〃 ) 0 0 0 0 0 0 1.3 0.3 0.3 O.7 0.8 0.5
36一テストの回数が多いから (テス ト) 0 0.5 1.6 α8 α7 0.8 0.3 1.5 3.4 1.6 1.3 2」〕
3Z テストの回数が少ないから ( 〃 ) 0.6 0.5 ・O 0.4 0.3 0.4 2.1 1.5 0.6 1.4 一1.6 1.2
校 38、テストの問題がむずかしいから ( 〃 ) O,6 1.1 0 0.6 O.7 α4 1.9 0.9 0.8 1.2 1.1 1.4
0 O O 0 一0 0 0,3 0二5 0.6 0.5 0.8 0.5
姐学習に必要な施設・備品、図書が自由に使えないから ( 〃 ) O 0.5 0,5 0.4 0.7 0 0.4 0.ア 0.6 0.6 0.8 0.3 41.そ の 他 0 1.1 1.1 O,8 1.1 α4 o.ア O.9 1.1 o.9 1.1 αア
学校小計%()内回答数 5」〕 147 10.819 5399 10.430 2394 23.02蝸 21.8222 21.4 222676 21,8跳 (醐22.4 回答総数(100%) 10晩12 (186)% 185) 533) (289) 2側) 1晒)(1P17)(976) (靱58) 1国2) 1476)
〔1.〕 生徒個人の問題点について
全体の集計表およびそれを円グラフにして示した資料からすぐわかるように、学習効果の上がら ない原因の約70%はこの項によって占められていることが著しい特徴である。しかもその中で努 力がたりないとする者3Z3%、根気がない、すぐあきがくると答えている者が15.4%にもおよ び、両者を合計すれば50%以上にもなることも考えなければならない点である。以下各項に分け て考察を進めることにしたい。
、11〕学習意欲と学習内容および計画性について
r学習する気がしない」とする者は少なく、努力不足・根気がないと答えている者が多数であ ることから、生徒たちの考え方は、一般的に考えて健全であると見たい。しかも成績不振の最大 原因を単に努力不足とはとらえないで、努力すべき内容としての予習・復習および学習の計画性 にまで掘りさげて考えている生徒が、「5、予習しないから」 r6復習しないから」「Z計画を立 てることができないから」 r8。計画を立てて学習しないから」 r9計画の立てかたがわるかった から」r10.学習のしかたがわからなかったから」などの項を選んでいて、その数は全生徒数の 14%にも及んでいることは、生徒の自覚のあらわれである。
しかし、これらの項を学年別に分析して考察すると、r計画牲に関する項」を選んでいる数は、
1年生に多く、2年生・3年生と学年が進むにしたがってわずかながら、減少し、「学習意欲の 欠除」「学習以外のことに夢中になる」などの璋が増加の傾向にあることは、見逃せ・ない。特に、
最大原因が「学習する気がしない」と答えている生徒が、一1年生に3名、2年生に6名、3年生 では8名と増加していて、その理由として「おもしろくないから、学習の意義が納得できないか ら、成績がいつもわるいから、どうなってもから、自分の将来が不安だから」などをあげている。
数こそ多くはないが、いまの中学生の不安な心理のあらわれとも、学習効果の上らない生徒の静 かな抵抗の表現とも見られる。これらの生徒は学習指導や生活指導上特に留意して指導に当らな ければならないと考えられる。
この調査集計後行なった成績不振生徒のための原因調査では 「努力しない理由」r根気がな いあきがくるのはどんなときか」について調べた。以下その代表的な理由を摘記して参考とした い。
① 問題の解き方がわからないのでいやになる。 ② する気が全くなくなる日がある。
⑤ 好きな教科からして嫌いな教科はしない。 ④ 気がいらだつとき。
⑤ ねむくなるとき。 ⑥ 他のこと(テレビ・兄)が気になる。
⑦努力してもその効果があらわれない。 ⑧家がさわがしい。
(2)学習をさまたげる興味と関心と学習態度
r15 他のことをしながら学習するから」(自由選択数59 1.9%、最大原因4名 1.5 %)
「14.学習以外のことに夢中になるから」(自由選択数113 3.7%、最大原因11名 2,3形)
この期の生徒がどんなことに気をうばわれるかについて、第1次調査の集計の順序にしたが い第2次調査の集計のうち1年生164名について調査したものを下に示して参考としたい。
一9?一
①ラジオ.テレビ(1C2名(62%))② 読書(10名(6%)) ③ 趣味・手芸・
模型づくり(11名(6%)) ④ 空想する(6名(4%)) ⑥ まんが(5名(3%
)) ⑦ 学校・友人のこと(14名(9%)) ⑧ その他(犬・切手・昆虫・写真・家 .人の話し声)
③ 学習の時間について
r15一学習の時間が少ないから」を自由選択しているのは106で35形、最大原因は11 名で2,3%であるが、この学習時間とは、家庭学習における時間と考えているようであるので、
第2次調査では、家庭学習の平均時間数を調査した。1年生の実態を掲げて参考としたい。
時 間 α5 1 1.5 2 2.5
1年生 8名 65 43 84 11
3 3.5
23 2
(4 学習をさまたげる身体的原因
学業不振の原因が健康上にあることについて調査したr16 つかれやすいから」「1Z 身体に故障があるから」などの項を自由選択したのは99名で3.2%、最大原因では7名で1.3 %である。
この数は予想していた数であるが、ここでは男女差が見られ、男子に比べ少数である女子が、
男子より多い55名が疲労しやすし)と答えていることは、指導上留意しなければならない点で ある。つぎに「つかれ一やすい」を選んだ生徒が書いた摘記事項をあげて参考としたい。
① 睡眠時間が足りない。9名 ② 通学時間が長い。8名 ③ からだがだるい。7名 ④ 運動クラブで疲れる。3名 ⑤ アレルギー体質である。1名 ⑥ 鼻がわるい。
1名
伺 その他の個人的な原因
特色があるので、必要事項を摘記しておく。この時期の生徒の心の動きをとらえる資料とし たい。
① 質問する勇気がない。 ② とりかかりがおそい。 ③ やってもわからない。
④ あせりが出る。 ⑤ 気が散って集中できない。 ⑥ 音楽のレッスンをやらさ れる。 ⑦ 考えることがうるさい。 ⑧ 意志が弱く、すぐねむくなる。
〔2.〕 家庭・社会環境に関する問題点
ここでは、生徒の生活の基地としての家庭を中心とする環境を、生徒たちが学習効果の向上をさ またげるものとして、どのように肥えているかについて考えたい。
全体的に見れば、この項を選択した者は約以であるが、さきに述べた生徒個人の問題点とも微 妙に影響し合っているうえに、選択者が少なかったこととも考え合わせて分析しなければならない。
以下〈親・家族と相談相手>く学習の場としての家庭>く家庭の経済・その他>などに一分けて考 えていくことにした。
11〕親・家族と相談相手
「19 親や家のものが学習のことにかまいすぎるから」(自由選択数70名1.3%、最大原
一g8一
国16名で3%)
「2α 親や家のものが学習のことにかまづてくれないから」(自由選択数6名0.2%、最大 原因0%)
「21。親がきょうだいや他人とくらべて、とやかくいうから」(自由選択数64名2.1%、
最大原因8名1.5%)
「22.教えてくれたり、相談相手になってくれる人がいないから」(自由選択数72名2.4 %、最大原因10名1.9%)
以上の結果から、全生徒533名中70名以上の生徒が、何らかの形で「親がかまいすぎる」
と感じていると見られるわけである。このことは親として我が子のためと思ってしていることが、
かえってこどもたちには負担となって、成績の向上にはマイナスに作用しているとも考えら払 今後払ナごちがP T Aでの話合い、学級における指導においても留意すべき点であると思われる。
つぎに第2次調査(1年生164名(男子80名・女子84名))の資料の一部を掲げて参考
としたい。
① 親や家の人がかまいすぎる。49名(29%)(母37 父6 兄2 姉2 祖母2)
② 親や家の人がかまってくれない。23名(14%)
○ かまいすぎる内容
。 顔を見れば勉強せよという。 。 雑誌を読まないで勉強しなさいという。
。 テレビを見ていると、高校入試の話をして追い立てるから、意地になって余分に見る。」
。 自分で予定を立てているのに、早く勉強にかかれというから、しゃくにさわる。」
○ かまってくれない内容
・ 勉強のことはよくいうが、勉強の張り合いをつくってくれない。」
。 私が勉強していると、父は私を見てびやかします。」
⑤ 親がきょうだいや他人と比べてとやかくいう。58名(35%)
④ 親がきようだいや他人と比べてとやかくいわない。78名(48%)
○他人と比べる内容
。 成績のこと 。 他人の勉強 ・テストの時の勉強時間 。 口答えのこと 。 近所の友人の学用品
⑤ 家で教えてくれたり、相談相手になってくれる人はいるか、いないか。
○ いる12・7名(78%)(父78 母85 兄29 姉46)
○いない30名(18%)
○ 家庭教師についている66名(40%)(男子4ア名 女子19名)
・ 大学生のアルバイト30名 。 現職または塾の先生26名 。 その他10名 。 学習している教科 英語63名 数学48名 理科7名 社会1名 美術1名
⑥ 親に希望すること
。 うるさくがみがみいわないでほしい。25名 。 勉強部屋がほしい。14名 。 勉強のさいそくをしないでほしい。5名 ・ 勉強の相談相手になってほしい。4名 。 良いところを認めてほしい。 。 他人と比べないでほしい。
一99一
。 大声を出さないでほしい。 。 テレビの音を小さくしてほしい。
。 兄ばかり可愛がらないでほしい。
② 学習環境としての家庭
「23.周囲がさわがしくて、学習しにくいから(自由選択数76名2.5% 最大原因15名 2.8%)
r24、学習する場所が適当でないから(自由選択数ア0名2.3% 最大原因5名0,9%)
「25.家庭内がごたごたしていて、不安定だから(自由選択数25名0,8% 最大原因11 名2.3%)
第一次調査では上のような結果であるが、その内容を具体的に調査した1年生164名につ いての第二次調査の結果を次にあげて、この問題について考察したい。
① 家の周囲がさわがしくて、学習しにくいと思う。ア1名(43%)
② 家の周囲がさわがしくて、学習しにくいと思わない。92名(56%)
○ さわがしい内容
(ブ ラジオ・テレビ 47名 (イ)弟や妹がじヤまをする 20名 (づ 隣家の仕事の音 18名 ■ 家の者の会話 11名
(カ 来客との話し声 6名 (ガ母のしかる声 1名 串赤ちゃんの泣き声 ω 足との争い 1名 ㈲ 自動車の音 (⇒ 父母の口げんか
③ 学習する場所がある。163名(99%) ない。1名(1%)
○ 自分だけの勉強室がある。83名 ○ 自分だけの勉強室がない。78名
○ 自分だけの机・いすがきまっている。159名 ○ 自分だけの机・いすがきまっていない。5名
④ 家庭内がゴタゴタしている。23名(14%) ゴタゴタしていない。139名(86%〕
○ ゴタゴタの内容
ア 父の帰りがおそい イ 家の者の病気 ウ 兄・姉のわがまま
工 父と母との口げんか オ 内容は書けない(5名) カ おぢさんの急死 以上の結果から、次に諸点に留意して対策を立てる必要があると考えられる。
1.P T Aなどの会合の機会に、中学生の感じ方などについて話合い、理解を深め合う。
2.道徳・学級活動などにこの問題をとりあげ、その解決法を生徒たちにも考えさせる。
3。特に学習する場所もないとうったえている生徒については、特別相談の必要がある。
同 家庭における経済問題と家庭教師
r26.学習に必要なものが思うように買えないし、だれかに習いたくても習えない。」の項 を最大原因と考え選んでいる者が2名(1・3年)これを原因のひとつだとしている者は23名 あつた。
数は少ないが大切な問題であるので、追跡調査をしてたしかめ得たことは、家庭経済が貧しい ということではなく、家で家庭教師についていないことが自分の成績不振の原因だと考えている 生徒がほとんどであったことである。「自分は英語や数学を、家から習いに行っていないから、
一ユO O一
学校での成績が向上しないのだ。」と思っでいるということである。
この問題の解決については、すでに掲げた40%にもなる家庭教師についている生徒の実態と 対応させて考え、根本的に考えなければならない。ここで深くふれることをさけ、留意点を次に あげるにとどめたい。
1.学校における教科の学習指導・生活指導・個人指導の中で適切な家庭での学習の仕方を具 体的に指導する必要がある。
2.P T Aなどの機会に、学校における学習と家庭における学習のちがいを明らかにし、一家庭 学習のさせ方について理解を深め合う必要がある。
3.生徒個人の指導の機会を多くつくり、その生徒の学業不振の原因を探り、その対策につい て適切な指導をなし、学習意欲を向上させる必要がある。一
〔3・〕 学校における問題点
この領域の選択数を全数調査では22.2%で676回・最大原因としては99%で53名が選ん でいる。割合としては少ないが、考えさせられる諸問題が含まれている。以下く教師に関する問題
〉く宿題の多少の問題><テストの問題〉<教材教具に関する問題〉早乙分けて考察することとする。
11)教師に関する問題点 r28・先生がこわいから。」0%
「29 先生がいやだから。」(自由選択数は57名116% 最大原因とする者4名α8%)
「30.先生の説明がわかりにくいから。」(自由選択数152名5% 最大原因とする者 14名2,6%)
「31.先生の説明がおもしろくないから。」(自由選択数10・7名55% 最大原因とする者 14名2.6%)
r32.先生の授業の進み方が早いから。」(自由選択数102名3.3% 最大原因とする者6 名1.1%)
r33.わからないところを先生にたずねても教えてくれないから。」(自由選択数7名α2%
最大原因とする者0%)
この調査結果で「教師の説明わかりにくい。」「教師の説明がおもしろくない。」「授業の進 み方が早い。」とする者が531名中102〜152名あり、最大の原因だとする者が34名い ることから私たちは第二次調査によってその実態を分析することとした。っぎにあげるものは2 年生177名中より抽出した成績不振生徒39名についての資料である。
① 学校での学習に真剣にとりくんでいる。17名 学校での学習に真剣にとりくんでいない。14名 ○ とりくφない理由
ア 先生の説明がむずかしい。(5名) イ 教室が?かましい。(3名)
ウ 授業は説明ばかりで、おもしろくない。(4名) エ 遊んでいるような授業なので、
力がはいらない。(4名) オ 先生がきらいで、おもしろくない。(2名)
カ やろうとしてもわからない。(1名)
② 先生の説明がわかりにくくて困ったことがある。(全員39名)
一ユOユー
○どんなときか。
ア 数学 8名(比例式・方程式・図形) イ 理科 8名(オームの法則・化学式・実験)
ウ 社会 4名(世界史・板書なし ) エ 音楽 5名(音程と記号・教生の授業 ) オ 国語 2名(文法 ) カ 英語 2名(英文法・文章の意味)
③ 先生の説明がおもしろくないと思ったことがある。(17名) ない。(14名)
英語(6) 数学(3) 社会(3) 美術(2) 音楽(1) 国語(1) 技術(1)
④ 先生がいやだと恩ったことがある。(14名) ない。(20名)
⑤ 授業の進み方が早くて、ついてゆけなかっナこことがある。(24名)
理科 11名(電気・栄養・人体) 数学 5名(図形・代数の練習暗闇)
英語 5名(英文法) 社会 2名(江戸時代末期) 技術(内容の説明)
以上の結果から、私たちは、つぎの留意点を考え、成績不振生徒をなくするよう努める必要があ
る。
1.学習指導にはもっと多く生徒の主体的な活動をとり入れるよう努力する。
2.生徒の思考と教師の思考とのずれをなくし、みぞをうめるよう努力する。
3.抽象的な思考に弱い生徒のために、適切な具体例を準備しておくように努力する。
4.教師が生徒の質問に納得ゆくまで指導できる時間をみづけるよう努力する。
5.教師がこわいと答える生徒が1人も無いのは、どう考えるべきであろうか。「教師のきびし さの不足から来るのか。反対にきびしすぎるためか。生徒がこわいと思うのはどんな内容が。」
などについて研究を進める必要がある。
12)宿題の量の多少と予習、復習について。
第一次調査では「31.宿題が多いから」は(自由選択数41(1.3%)最大原因なし)
r32.宿題が少ないから」は(自由選択数20(0.7%)最大原因なし)という結果であった ので、第二次調査によってその実態をたしかめることにした。2年生1アア名中より抽出した成 績不振生徒39名についての結果はつぎの通りである。
① 宿題の量は多すぎる(5名) 少なすぎる(14名) 適当である(6名)
○ 多すぎる教科 数学9 国語3 英語3 社会3
0 少なすぎる教科 英語9 社会ア 国語6 理科6 技術家庭4 数学3 音楽3 美術1
この第二次調査の結果は、第一次の結果とは反対の傾向にある。これは成績不振生徒の学習に 対する構え方のちがいによるものと考えたい。宿題の量の不足を成績不振の原因とする考え方は、
個人の問題の中のr12.宿題以外に何をしてよいかわからない。」(自由選択44(1.4%)
最大原因3(0.6%))を選んだ心に通じるものであり、つぎにあげる2年生成績不振生徒29 名の第二次調査の復習・予習の実態からもうかがうことができる。
① 復習している27名 していない2名
英語社会数 学理科国語音楽技術家庭体育美術
する22 24 19 15 8 2 2
しない 3 4 8 1
1 0 12 11 11 11
一ユ02一
③予習している26名 していない13名
している してし菰い
英 語
20
社 会
19
理 科
14
4
数 学 7
12
国 語
14
音 楽
ア
技術家庭 体 育
7
美 術
13
14〕
○復習・予習しない理由
ア あまりする気がしない。 (11) イ ついさぽってしまう。 (6)
ウ 学習方法がわからない。 (5) エ きらいな教科だから (5)
オ テスト前にやれぱよい。 (4) カ しなくてもよいと思う。(4)
キ 教科書以外のことを習うから。(2)ク 復習すると頭がおかしくなる。(2)
テストの回数と難易度について。
rテストの回数が多いから。」(自由選択数51(男21・女30)1.6% 最大原因4名
O.8%)
「テストの回数が少ないから。」(自由選択数43(男26・女11)1.4% 最大原因2名
0.4%)
「テストの問題がむずかしいから。」(自由選択数3ア(男1ア・女20)1.2% 最大原因 3名0.6%)
この結果から、回数が多すぎる、むずかしいとする者が女子にや㌧多い点に特色をみとめるこ とができる。なお2年生に行なった成績不振生徒の第二次調査からもテストの回数は適当である としているが、数学、英語などでは、一一毎週時間をきめて10分間テストのようなものをしてほ しい と希望を述べている生徒のあることを付記しておく。
教材・教具とその他の原因について
「学習に必要な施設・備品・図書がと㌧のっていないから。」(自由選択数14(α5%))
「学習に必要な施設・備品・図書が自由に使えないから。」(自由選択数17(0.6% 最大 原因2(0.4%))
この結果から、生徒たちは教材・教具の不足はあまり感じていないようであるが、教科によっ てその活用の仕方・させ方には研究の余地が感じられる。
つぎにその他の理由を述べた考が自由選択数で28名(0.9%)最大原因とする者4名(0.8
%)あるが、その摘記事項は生徒の自由に書いたものであり、教育上無視できない生徒の声とも 考えられるので、つぎに学年別に列記しておく。
1年生 ア 疑問を聞きに行く時間がない。 イ まちがった答えは、ろくに聞いてもくださ らない、
ウ テスト後答えを教えてくださらなしも エ 先生の説明をしっかり聞かなかったから。
2年生
3年生
ア ウ
ア ウ
先生の教え方がたよりない。
先生の熱意が感じられない。
授業に與味がない。
学校へ来るのがいやだ。
(2)イ
エ イ エ
先生がとびとびに教えられる。
授業をつぶす先生がおられる。
先生がやさしすぎる。
先生が信用できない。
一ユ03一
オ クラスの人がうるさい。 カ 授業中きわがしくて気が散る。
〔4〕 ま と め
調査1の第一次調査第二次の成績不振生徒の原因に関する調査について、各碩域別に考察を進め て来たが、これを総合的に考察してまとめとしたい。
11)調査前に予想していた結果と調査後の結果はほぼ一致していて、特に新奇なことがらはなか ったが、や㌧不明瞭であったことからも明確になったので、今後の指導に生かすことができる。
② 成績不振の原因には個人差があるが、共通の問題点も多いので、学校教育の場で集団的にぞ の盾コを除去して、成績向上の方向へ向けさせることができる。その代表的な対策として考え られるのは、つぎの諸点である。
① 学習意欲を喚起するように学習指導法の研究を進める必要がある。
② 生徒の心情の理解に、教師・保護者ともずれが見られる。機会をとらえ、話し合いなどに よって、生徒の心情を理解し、それに応じた適切な指導法のくふうが望まれ乱
⑤ 生徒相互の集団思考の場をつくり、生徒が主体的な活動のできる環境をつくる必要がある。
局 個人差に応ずる指導につき、教師集団は保護者と協力して、早期治療の対策を立て、実践に 移す必要がある。特にr学習する気がしない」とする学習意欲喪失生徒の発見と治療には、全 力を尽くすべきである。
調査2 得意、不得意な教科について
この調査は、調査1に続いて、あなたの得意な教科と不得意な教科を2つずつあげ、なぜそうなっ たかを書かせたものである。
集計は教科別で、学年別、男女別に集計して、その百分率を出して全体的な傾向を知ることにした。
別表はその集計表で、帯グラフはそれを図式化したものである。
なお、得意、不得意の理由も、類型的に集計して参考資料とした。これらの処理後、各教科の担当 者において、調査にあらわれた問題点をどのように考えるか、またその問題点を処理するために対策 を立てることにした。
この調査にあらわれた問題点を列記して参考としたい。
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64.2 調査2 得意の教科と不得意の教科 (㊥・・・…得意・θ・・・…不得意) %
国 語 社 会 数 学 理 科 音 楽 美 術 保・体 技・家 英 語
㊥ G ㊥ θ ㊥ θ ㊥ θ ㊥ θ ㊥ θ ㊥ θ ㊥ θ ㊥ G
男(93) 24%14 3そ、1狩 3そ。討 2ア 19
i十8) そ一。拝 5 13
i一8) 18 4
(十10) (一14) 1そ一任 2ε十。ろ1
一
女(86) 42 20 12 45 1モー。蕎号 12 48 28 9 11 1 10 12
(十19) (十10) 11 1ア
(一2) 37 11
年 (十22) (一33) (一36) (一6) (斗26)
計(179) 30 17 24 33 25 29 2と1。弓3 1そ一1評 8 7 14 8 14 17
(一9) (一4) (十1) (十6) 31 17
(十13) (一。3) (斗14)
男(94) 11 28 32 25
i十7) 3ぞ一言S 38 16 11 21 2 11
(一10) (一9) 10 6 14 18
(十22) (斗4) 22 27
二 (一17) (一4) (一5)
女(87) 23 11 29 32 17 48 10 53 26 10 9 2 8 8
i±0) 11 15
年 (十12) (一3) (一31) (一43) (十16) (十ア) (一4) 36 21
i十15)
計(181) 17 20 30 28 25 43 25 34 18 16 6 ア 9 7
(一9) 13 1ア
(一3) (十2) (一18) (十2) (一1) (十2) (一4) 28 24
(十4)
男(88) 7 30 48 1ア 21 22 4そ。。〃 11 28 5 23 8 11
(一1) (一17) (一3) 17 23
一一 (一23) (十31) (一18) (一6)
2そ一1。ろ6
女(81) 20 11 30 19 19 38 5 32 29 8 23 6
i十17) 16 20 12 10
(十11) (中19) (一27) (十21) (一4) 23 46
年 (十9) (十1) (一23)
計(169) 13 21 39 18 20 30 24 21 20 19 13 15 12 15 15 17 25 41
(十8) (十21) (一10) (十3) (十1) (一2) (一3) (一2) (一16)
男(。。舌)計 14 24 38i。1今1) 3是。多S 3そ。。8チ ぞ一。討 4 15 12 7
(一11) (千5) 1そ一㌶ 24 28
(一10) (一4)
女し。。貢)計 2ε、1.15 24i一3夕) 1そ一。身1 9.44(一35) 2ぞ。1。デ 14 3
i斗11) 11 13
i一2) 12 14
(一2) 3ぞ。。ろ5
総 計 (529) 一21 19(十2) 31 27(斗4) 21 34(一13) 2し邦 1そ一符 9 11(一2) 12 10i十2) 14 1ア 28 27
(一3) (十1)
鰯得意 慶嚢萎望不得意[ニコどちらでもない
〔国語〕 〔社会〕 〔数学〕/理科〕
男 子
女 子 100
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