五島列島における中心集落の分布
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交 通 と 集 落 んどが一日一〜二往復程度の渡海船に依存し︑バス交通はわっかに福江島・中通島の一部・小値賀島・宇久島にあるだけである︒この内︑福江島の交通④については既報したが︑劣悪な道路条件がバスの運行を極端にさまたげている︒また︑宇久・小値賀両島と中通島南部のバス営業は新らしく︑昭和三二年からである︒ 各島懊とも︑沈降性の海岸の発達が著しく︑また断崖も各所に見られ島懊内の地形は複雑である︒比較的単調な地形をみせるのは︑わっかに福江島の福江・富江二二井楽の各半島部のみといってもよい︒特に中五島の十島嘆と中通島はバス交通の条件として︑極めて悪く︑従って渡海船が唯一の重要な交通機関である︒ 集落及び人口分布はは偏在的である︒人口密度の低い地域は玉の浦町・岐宿町・久賀島・日島・旧浜の浦村で︑何れも一平方言当り百〜百五十人程度である︒これに対して︑奈良尾町は六五〇人︑旧魚目村︵新魚目町の南部︶は七三〇人︑小値賀町・宇久町・三江島村は何れも四〇〇人をこえる︒産業別人口構成をみると︑殆んどの町村が第一次産業人口
率七〇%以上で︑農・漁業人口の多い事を示す︒第一次産業人口率の割
合に低いのは旧福江町を始め︑奈留町・奈良尾町で︑至心四八・六四・
六三%を示し︑後二者は共に︑重要な漁業根拠地をなし︑漁業人口が多
く︑且つ漁獲物の加工処理工場に従事する人達が多い︒また旧福江町と
奈良尾町は第三次産業人口率が高い︒集落分布︵第一図︶は地形の制約
を受け︑海岸部の各入江に点在するものが多い︒これらは若干の商業機
能を有するものを介在しながら︑多くは半農半漁の集落である︒然し福
五島列島における中心集落の分布
五島列島における中心集落の分布
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中心集落とその分類
一部の五島列島に適用することによって︑筆者も四域の複合された特性
五島列島における中心集落の分布 グループに分類できるはずである︒然るに比較的単調な福島県に比し︑特殊機能の寄生がみられる浩岸︑島喚地域をもつ広島県に於いては︑サービス設備の段階性が不明瞭となり︑折線の分類に森川氏は困難を感じたことを記されている︒従って︑本島嘆地域に於いても当然分類の困難が予想された︒また本研究の対象地域が狭小なることも作用してか︑その分類は第二図で理解できる様に甚だ困難であったが︑第二表の如く分類しえた︒ これによれば︑ 一般サービス業種の折線群の中にはB群を採り出すことができなかった︒これは商業サービス業種にみられた角群がなく︑碗群のみから構成され︑一般診療所︵八八二︶の様な広島・福島両県で著しく普遍化したものが低い位置にあり︑一方広島県で職に入った中学校
︵九〇二︶の如きが︑離島の交通不便の為に︑高く表われてA群に入
り︑又広島県で恥に属した歯科診療所︵八八三︶の如き業種が低次とな
ってCに属した結果と思われる︒さらに︑広島県に於いてE群に属した
ものの多くは福江を除いて︑他集落には表われず︑指標サービスのグラ
フ表現を不可能にする︒これは五島列島全般のサービス機能の未発達を
示すものであろう︒またこれらの表に示した業種の他に︑食料・飲料卸
売業︵四〇四︶の如く︑業種数一五〜二四の集落中には全く見出しえな
いもの︑或いは内陸水運業︵六四三︶の如く業種数二五〜三四より高次
の集落の中には全く見られなくなるものがある︒これらの現象は後進的
な離島の性格と︑著しい地域的差異を示すものであろう︒
かくて︑折線群の統一を撹乱する業種については除外し︑第一表に分類されたA・B・C・D群によって︑中心集落のクラス分類を行なっ
た︒分類基準は渡辺氏が各グループ内の巽以上のサービスを有する統計
区をOO日℃言さ8暮露︵O︶とし︑%〜垢を厨︒○夷講卑Φ8暮Φ目︵お︶と
されたが︑筆者は画一的な基準を定めず︑森川氏の試みた如く第二表の
通りに行なった︒これによって︑各集落をクラス分類すると︑最高位儀
五島列島における中心集落の分布
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五島列島における中心集落の分布
の福江⑦︵旧福江町域の中心街で︑以後か︑る中心集落の呼称は唯福江
とし︑行政地域としての福江市などと区別する︶を筆頭に︑qまで合計五
九の中心集落を抽出し︑それらをクラス分類できた︒中心集落の分布
分類した各中心集落を図化すると第三図の如くである︒これによって
渡辺氏の云う階層構造の類型化された⁝幾つかのタイプを求めることは珈 か難かしい︒然し乍ら︑統一を破壊するものを含むにしても︑実際に展開するクラス分けされた中心集落の分布からタイプの一つと考えられるもの
を抽出する試みを行なつ
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散在させ︑その外縁部に㎝〜㏄クラスを有する︒然し︑こ
の調和の中に㏄の福江に匹敵するαクラスの富江を含んで
いる︒富江は昭和初期まで︑近海の鰹や男女群島の珊瑚の
漁獲が多く︑町は全盛期にあり︑城下町福江を凌駕する勢いであった︒然し乍ら漁場の移動と日華事変などのために漁
業とその加工業は不振となった︒一方福江は戦後とくに行
政的中心としての性格を明確にすると共に︑昭和二九年に
市制が施かれ︑さらに長崎間の航路は以前の福江経由富江
終点から福江直航の終点と変り︑著しく福江は発展した︒し
かし富江は現在に於ても町の人口が旧福江町域の現在長口
数と同じ一万五千をか︑え︑最盛期から連続した独自の比
較的高次のサービス機能をみせている︒従って現在までは︑ ︶
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五島列島における中心集落の分布
福江に全く従属した中心集落と考えることはできない︒福江島の北東
には現在福江市域に入る樺島.久賀島がそれぞれゆクラスとqクラスを
各一つ有している︒奈留島は鵡クラスの浦とαクラスからなる︒従って
樺島・久賀島・奈留島の三島は浦を中心に展開する如く読みとれるが︑
行政域から考えて︑この判断は多少無理がある様に思われる︒またこの りむ 圏域を是認したとしても第二次階層を欠いている︒次に若松島はCとC ロユ ロユ りむ の両クラスからなる︒中通島南部はC・C・Cからなり︑若松島と共に コユ コユ の 比較的よい調和をみせる︒中通島の中央部・北部に於いてはCクラスの コユ有川を中心に︑㏄の舟方︑㎝の榎津.小串︑そして測〜αクラスの散在
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数所叢事
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0ク 5040鈎 卯 第 2図果たす役場集落への影響も興味ある課題ではなかろうか︒ サ村合併などに伴なう変革が︑將来本域の中心集落において 一 るが︑役場集落の果たしてきた役割は極めて大きいが︑町 ビ ス みるべきものはない︒ともかくも︑一︑二の例外はみられ5業 6種 人口率は一三%を有する︒本町域にはこの二集落以外には 数 と最大の四五%をしめし︑その加工業を中心とした製造業の ρサ ︻狭い地域に奈良尾町を形作り︑町の漁業人口率は五島列島 ビ 岩瀬浦は奈良尾と共に鰯揚繰網漁業によつて栄えた集落で ス 勿事 コユ 業 ヨんどが役場集落であるが︑Cの岩瀬浦がその例外である︒ れた伊福貴に上位をゆつつている︒ 一方C2クラス以上は殆o数3所 ロユ コ とCクラスにあり︑明治以降の五島漁業○発展と共に形成さ の o関ことは当然としても︑中には旧樺島村の役場集落の本窯は 係 一図の通りであるが︑そのほとんどがαクラス以上である なお︑町村合併促進法の実施前の旧町村の役場集落は第 そして両者の間には㏄〜㏄のクラスを介在せしめている︒ 心集落を核として︑その周辺に約四粁間隔でq〜期クラスが散在する︒ 西部︑そして日島近傍に於いて低次の中心集落を欠くが︑前記の高次中 較から理解できる様に︑中通島の西岸の若松と相対する附近︑若松島の る︒地形的に集落立地条件の悪い地域はともかく︑第一図と第三図の比 奈良尾・有川・小値賀島の笛吹のα〜窟クラスの中心集落が分布す 以上の分布上の考察から︑一〇〜一五粁の間隔で福江・奈留島の浦・ 端の津和崎は笛吹の圏域と予想すべきであろう︒ ロユ 笛吹︑第二次階層の平・神の浦︑そして三つのαを有す︒また中通島北 ロユ をみ統一を有した展開である︒宇久・小値賀両島に於いてはCクラスの ヰ
中心集落の機能と規模
これまで考察してきたクラス分類された中心集落が夫汝
の規模において︑如何なる状況にあるか︑即ち機能分化が
qω
む
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一の交通機関である船舶交通の欠陥などから生ずる後進性と︑その為に
五島列島における中心集落の分布 整理中であるので︑これらと合わせた生活圏構造の分析結果に委ねたい︒ 終りに︑これらの調査研究に際し︑長崎大学五島列島総合学術調査団に加えて下さった調査団長の吉田敬市教授を始め︑常に御指導を賜った石井泰義助教授︑又資料の蒐集に関してお世話になった長崎県統計課及び南松支庁︑そして各市町の皆様方に厚く感謝の意を表する次第である︒ 註と参考丈献①長崎大学離島総合学術調査団五島列島総合学術調査報告書e 拙稿・生活関 係圏からみた島嘆交通11福江島の場合 昭33②森川洋広島県における中心集落の分布とその遷移地理学評論第三二巻一一 容子34③渡辺良雄鱒下げ①OΦロ二巴缶一Φ鑓目げ団ぎ国自巨︒・一匹9℃お譜簿霞Φ・東北大学理 科報告 第七輯︵地理学︶第四号 一九五五 D④前掲ω q⑤前掲働及び㈲⑥本調査は昭和三二年五月改訂の日本標準産業分類によったものであるから︑渡 辺・森川両氏の分類番号とは若干相違する︒⑦餌以上のクラスの設定が出来なかったが︑全県的にとれば︑福江は渡辺・森川 両氏のいうC5或いは鮪クラスに属するものかもしれない︒ ︒−
︵昭三五︑二︑二 九受付︶