地球と放射能 : Radiogeochemistryとは何か
著者 波多江 一八郎
雑誌名 静岡地学
巻 9
ページ 1‑7
発行年 1967‑06‑26
出版者 静岡県地学会
URL http://doi.org/10.14945/00026100
地 球 と 放 射 能
Radi
合慈悲むとh ε
臨15
廿y
とは{可か波 多 一 入 部
1
地球化学的生いたち1838
年i とスイスの 0.F.8 chonbe i n , ζ ょっ された地球化学 geochemis t ry は,そ
の後クラ ク数でお患"染の F.W. 01 arke や W. J . Ve rnadsky , V.M.Go 1 dschmi d t , Noddack らの碩学の手によって次第に定量的右近代的自然科学へと発展奇数げたわ
本格的なグ地球化学的研究グがおこなわれるようになってからまだ日の浅いこの 界領域の自然科学で,同じく地球を研究対象とする地質学,岩石学,鉱物学,
はいわゆる境
,気象
,あるいは地球物理学位どの地球科学の一部門ということに在る
Oと同時に化学の一部門である以
,研究手段としては以上に挙げた関連の科学や,さらには基礎的な原子核物理学の知識までも利用 して研究をおこ伝うのであるが,得られたデータの解釈という面ではあくまでも化学的 chemica 1 i と克てゆくのである
Oちょうど地質学ぽどにおいて対象の単位と考えられるものが鉱物であるように,
地球化学の研究においては (原子といった方がよりふさわしいのであるが,本稿ではよく使われ ている,原子の抽象概念としての元素という 在使うことにする)をとるのである
O現在ではさら にオーダーを下げて問位体 isotope がその単位として採用されている場合さえもある
O結局地球化
とは地球という星がこの宇宙に誕生し種々の進化を遂げた現在の状態を経て遂には消滅するまでの ながい一生の開花おける元素の行動(分布,サイクル,化学的性質ぽど)巻研究する化学的地球科学
chemi ca 1 ear t h sc i ence ということができょうや
従って地球各部における元素の存在度 abundance (クラーク数は地殻における存在度を示すーっ の尺度である)とか,それと矛盾し伝い地球の成国論,或はさら K宇宙そのもの‑究極的には元素岳
身ーの生成に関するメカニズムと ~ì ったようとE 原子核物理学 K 関連する一般的立問題が最初にとりあげられる
O地球の生成の最初の段階についてはいろいろと問題があるのでひとまずおいて,現在知られている
地球の帯圏構造 zona 1 s t ruc t u re が,たとえば Go 1 dschmi d t が考えたように溶鉱炉の中におけ
るよう伝分離過程によって達成され,鉄との親和力の強い親鉄元素 siderophile elements は地
球の中心部に集まり心核 core を形成し,その外{閣にマントノレ man t 1 e という地球の主要部が主とし
て Mg や Fe
~L 富んだ珪酸塩によって構成され,最外側部には酸素との親和力の強い(電気陰性度の 小さ~i)陽性元素の珪酸塩によって地穀 crust が完成することにと£る
Oその後温度の低下とともに,
(水の臨界点は
3 74 . 2 o c
,2 1 7 . 5 0 . 3 2 9
)それまでは としてし き/立かったH 2 0
が 遂 に 液 体 と な り 地 殻 の 表 面 に 凝 縮 し て 最 初 の 海 洋 が 誕 生 す る ( 水 留 の 生 成 )0
と同時に の 高 い 揮 発 性 物 質 は そ の ま ま 大 気 簡 の 構 成 成 分 と 伝 っ て 残 留 す るOζ
う し て 生 成 し た 地 球 の 分 化 生 成 物 の 各 部 を 取 り 扱 う 地 球 化 学 の 諸 分 野 が あ るO た と え ば マ グ マ の 分 化 作 用 の 末 期 に 近 く , 熱 気 期pneu m a t 0 1 y t i c s t age
の サ ン プ ん と し て 火 山 噴 出 物 長 , ま た 熱 水 期hydrothermal
~とは温泉や 岩 奨 水 な ど を , と い っ た 具 合 に と り あ げ るO そ う し て さ ら に 地 球 は 分 化differentiation
が 進 み 生 命 安 維 持 で き る よ う ぽ 低 温 ( た と え ば1 0 0
0C以 下 ) と 伝 っ て 生 物 の 発 生 壱 見 る よ う に 位 り , こ れ を
取 り 扱 う 生 物 地 球 化 学 も 誕 生 し たO さ ら に 現 在 で は 人 類 の 活 動 が さ か ん で か な り 大 き とfエ ネ ル ギ ー を 駆 使 で き る よ う な 段 階 と な っ て 居 り , そ れ に 伴 っ て 種 々 の 問 題 ( た と え ば 公 害 ) が 発 生 し そ れ ら を 広 範 囲 に 取 り 扱 う 社 会 地 球 化 学 と い っ た 分 野 ま で も 派 生 し て い る 。2
地球と以 上 代 述 べ た よ う に 地 球 化 学 の 研 究 に 著 し い 進 歩 が 見 ら れ る よ う に 伝 り , 地 球 外 側 部 と く に 地 殻 中 の 分 布 や サ イ ク ル に つ い て の 知 識 も か な り されてきたO についても 連 科 学 技 術 の 自 ざ ま し い のおかげでかえfり 合 理 的 位 デ ー タ が 得 ら れ る よ う に 仕 っ たO
l
と対i
と端を発し,がそ子場し,
1896
年 にBecqu
引e 1
に よ る ウ ラ ニ ウ ムOur i e
安 婦 に よ るρ
放 射 能ρ
伝 る 全 く 新 し いラ ジ ウ ム 位 ど の 放 射 性 元 素 が 地 球 構 成 元 素 の と し て 加 わ る こ と に 伝 っ たO
i
ζ伝 る ポ ロ ニ ウ ム や じ 年
O.G.Schmidt
に よ り ト リ ウ ム の 放 射 能 が , ま た1905
年にはノレピジウム,そ カ リ ウ ム の 放 射 能 と い っ た よ う に こ れ ま で 安 定 元 素 と 考 え ら れ て い た も の に 放 射 性 核 種 ( の ち に1914
年K
至 っ てSoddy
によって グ 同 位 体 グ す な わ ち ア イ ソ ト ー プ の 親 念 が 提 唱 さ れ る こ と に 在 る の で あ る が ) の 苓 在 す る こ と が 続 々 と 確 認 さ れ る よ うK
伝ったO 現 在 ま で に ウ ラ ニ ウ ム (2 3 8 U
お よ び2 3 5 U
)トリウム( 2 3 2 T h
)をそれl
系列をつくらとfい 天 然 放 射 性 核 種核 種 壊 変 形 減 期 成 核
4 0 K
β,E O 1 . 2X 1 0 9
(年)0 . 0 1 2 (弼) 400 a
,40A r 87Rb 。 6 . 2 X 1 0 1 0 2 7 . 8 8 7 S r 1 1 5 1 n 。 6 X 1 0 1 4 9 5 . 8 1 1 5 S n 1 3 8 L a E 0
, {3" ' ‑ ' 2 > く ' 1 0 1 1 0 . 0 8 9 1 3 8 B a
,1 3 8 Oe 1 4 4 N d α ‑ ‑ ‑ ‑ ‑5 ' > く 10 1 5 2 3 . ヲ
1400e 1 4 7 Sm a 1 . 3 ' > < 1 0 1 1 1 5 . 1 143Nd 1 7 6 Lu 。 4 . 6 ' > く 1 0 1 0 2 . 6 0 176H f
187
Re 。 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 5 ' > < 1 0 1 0 6 2 . 9 1 8 70 s 1 9 0 P t α ' " ' ‑ ' 1 0 1 2 0 . 0 1 2 1 8 6 0 s
‑2
ぞ
とする {ウラニウム , トリウム ア ク チ ニ ウ ム 系 列 のし く 登 場 し て い る ) の されている
o (表 1
メンノ、
る と し て も 極 め て 徴 量 と い わ れ る ニ プ ツ ニ ウ ム 系 列 ま で も 出 さ れ , こ れ ら と は 別 に 独 立 し た 放 射 性 元 素 群 の 存 在 も
l
手会) . 1
と,は 何 れ も 極 め て ' ¥ 放 射 能 を )で,カ。イガーとュラー
名は
Geiger
やer
らによる乙
f 自ざまし放
め て 巧 妙 に 科 し1 に よ っ て 我 々 の 前 に そ の ヴ ェ ー ル 告 と る に であるO分布あるいはサイクノレについての研究,または放射能が地球化学の 用 さ れ た に つ い て の 紹 介 在 ニ , 三 の 例 に よ っ て こと
ζ i
しよう O3
地主意外調j部 放射性関放 射 能 発 見 以 前 の
1896
年,Strutt
は ガス中iζHe
がかとCち 含 ま れ て い る こ と を してい たが,すくであとでそれがα
放 射 能 そ の も の で あ る こ とオ l t
こOζ i
にも,宇ーとしてじの ラ ド ン (
222 Rn
)およびTh
系 列 の ト ロ ン(220 Rn
)伝どの ら放出され,
ζ
れ ら と 共 に そζ i
る に わ か る よ う に 伝 っ たOi ζ
される
ある放射性同位体の地球外側部における分布やサイクルがか/立り活発
を牛一じた
Oi ζ
ここでは詳細に立入る 伝 い の で , 二 , 三 の ある を 例 示 す る に と ど め た いO
3 . 1
地穀におけるU
およびTh
の分布火 成 岩 に つ い て は か 仕 り の デ ー タ が 集 ま り あ る 程 度 の パ タ ー ン を 掴 む こ と が で き る 段 階 と 仕 っ て い るO た と え ば 北 米 産 の 各 種 岩 石 型
C
とに見たu
,' r h
お よ びRa
の 平 均 含 量 は 表2
ζf見られるとおり,表
2
火成岩の平均放射能,U
,Th
お よ びRa
(北アメリカ)α 放 射 ム自h
己 Ra U
T h王J..L子i
石 型
( d/mg‑h r.)( 1
0‑1 2
g/g ) ( p p m ) ( ppm )質 損 石 0 . 0 0 3
r、、J0 . 0 1 1 . 0 超 塩 Z μ J T 0 . 0 1 0 . 0 3
ノ、
ン
レ イ0 . 6 1 0 . 3 8 0 . 9 5 3 . 5
中
性0 . 9 0 0 . 5 1
r、、~ r、、dる 花
コ ウ辛
ιi子i2 . 2 1 . 3 7 3 . 5 1 3
い ず れ も 塩 基 性 岩 石 よ り も 酸 性 岩 の 方 tL, す 伝 わ ら マ グ マ の 分 化 過 程 の 末 期 の 方 K濃 縮 さ れ て い る
ζ
とがわかるO 参 考 ま で に 石 質 額 五 の デ ー タ も 加 え で あ る が , 地 球 の 化 学 組 成 に 対 し て 現 在 有 力 な 説 と 伝っているコンドライト模型を考えた場合 ~L,放射能 iと よ り 発 生 す る 熱 の こ と を 考 え 合 せ て 合 理 的 な
値ということができょう
Oこれらの値は地球上における試料採集地の地理的差異によっても変動する が上記の傾向は大体において認められるのが普通である o ! J :お ζ れらの岩石が含む造岩鉱物中でどの ようぽ分布をしているのかという ζ ともかなりよく分ってきている
O火成岩の放射能の約 4 0 婦が希い 酸によって容易に抽出される事実から,それらは鉱物結晶の格子欠陥(天然、の過程あるいは放射能と の相互作用 i とより生じたものなどが考えられる)などの隙間に吸着して存在し,浸出不能の部分はそナズ石,
リン灰石,ジルコン伝どの槌伴鉱物中に含まれていると考えられるように伝った
O地殻における存在 度そのものの値もたとえばむ についてはコンドライトのもつ含量 0 . 0 1
ppm.から考えて,そのすべて が地殻(地球の 0 . 4%
R.しか当らない)へ分布したと仮定しでも1. 5
ppm.程度0)j's:
t'値とと
fりそうで ある
O堆積岩
Kついては余りよいヂータが ! J :いが,その生成メカニズムから分類してみると,放射性向位 体が海水中において,
(1)破砕沈積物の中に含まれるもの, ( 2 ) 沈殿性沈積物との共沈によって生成した もの,および ( 3 1 既成沈積物の表面に加水分解ぽどによってあとから沈積したもの,などに分けること ができる
O大体の値を示してみると, T h については 粘 土 質 沈 積 物 . 1 2
ppm,頁岩: 1 0
ppm, 石灰岩:, 1
ppm!J:どで, Ra について筆者らが研究したところでは(結局のところ Ra と放射平衡にあ
る親元素の U 含量ということ
iとなるが) , 本邦産黒色頁岩について 0 . 6 2 x 1 0 て12gRa/g , 有明海海底の第三紀堆積岩のコアー試料 71 コについて 0 . 7 0gRa/g という値が得られその植の変動 は微粒の泥岩: 0 . 9 2 g/g から粗粒の砂岩: 0 . 4 7 g/g といった範閣と伝っており,それらの生成メカ ニズムを暗示している
O3 . 2
水圏と沈積物におけるU 、 h
の平衡関保火成岩の風化によってその中
K含まれる U , Th などは主成分の民化主成物とともに河川水によっ て海洋へと運搬され,その一部は海底沈積物となって沈殿し,その残りが海水中の溶存量ということ になる
Oそこで Koczy ら( 1954 年)は河川水,海水,海底沈積物中の U , T h , 1 0
(230T h ) ,およ び Ra 含量のうち既知のデータを用いて未知のものを推定した
Oその基柏守な考え方は,ある一つの 核種の収支関係について; (海水中に溶存する母元素からの壊変による生成量) + (河川水からの供 給量)ニ(娘元素への壊変による消失量) + (海底沈積物への沈毅量)といったノミランスを考え,つ
ぎのような連立方程式が各核種について成立する
Oすなわち,
U dRu
二 二βOu 九 u
十Su
1 0
(230Th) . s 0 u λu 十 aR 1 0 β o 1 0
九1 0
ート5 1 0
Ra β o 1 0 九 1 0 十 ciRRa = sO Ra九 h
ートS Ra
Th dRTh
二二sOTh
九Th+ 5 Th ζ こで R: 河)[ 1 水中の含量 (g/ηz e) i
~ 0 .海水中の含量 ( g/me ) ト 下つきの文字はそれぞれの核種についての値で 5: 海 底 へ の 沈 積 最 (g 'Y m
2‑year)
Jあることを示す
O4
λ 壊 変 定 数 ( す べ て 既 知 )
ι: 湾Jl
l水の供給量( 8 ' x 1 0 4 mP,/ m
2ye a r )
。:海水量( 4 X 1 0 9 mP,/ m
2 )上式中の R , 0 および S の う ち 既 知 の も の は 僅 か に 5 コ(表 3 参 照 ) で あ る た め , こ の ま ま で は 式が解けなし '0 そこで Th と 10 が向位体(化学的行動が間じ)であることから o 1o/OTh
二 二51o/5Th
P という関係, Ra と 10 開花放射平衡が成立しているという (約 1 ぐらし
1 い す なわら O
RaλRa
二 二010
Ill o といった などを利用して を解いた
Oは表 3 . のようになり,誤
IJ定 の 困 難 な 値 を も 巧 み に そ の 推 定 が 可 能 と な っ た の で あ る
O3 における U , Th および のバランス
7 ] ( ζ i 功 わ ' j る
核
孫子E 本
河 Jf!( g/ m P , ) ( g
U 9 1 . 0 X 10~9
10 ( 2 3 0 T h 5 X 1 0 1 5 1 . 5 X 1 0 ~ 1 4 Ra 0 . 6 " ' ‑ ' 1 . 0 X 1
O~1 6 1 4 Th 5 X 1 0 1 2 2 X 1 0 1 1
下 線 を 施 し た 数 値 は 既 に されていたもの
物 e ar ) 0 . 8
X1 0 ~4
4 0 X 1 0 1 2
‑6
ヰ
年代決定についての 紙 数 も 残 り 少 な い た め , 放 射 能 の 利 用 例 と し て も う ひ と つ , 近 年 脚 光 を 浴 び て い る 年 代 決 定 の 間 顛 に 簡 単 に 触 れ て み た い
O地 球 物 質 の 絶 対 年 令 absolute age 吾 何 と か 知 り た い と 望 み は か な り古い時代からあった o kelvin 卿が 1899 年 R ,地表からの ζ i
1て グ ' r he Age of
the Earth グなる論文を書いて以来、まも t J : く Ruther ford が現在我々の知っている He 法 の プ リミティブな形で岩石の生成年代を測定した( 1906 年)
01920 年 に な っ て 本 格 的 研 究 が ス タ ー ト す る こ と に な る の で あ る が , 詳 細 は 別 の 機 会 に 譲 る こ と に し て そ の 原 理 だ け を 述 べ る こ と に す る
Oそ も そ も 放 射 能 と は 京 子 核 内 の 核 子 ( 陽 子 と 中 性 子 ) の 結 合 に 対 す る 安 定 度 を 示 す 尺 度 と い う こ と ができょう
Oす な わ ち 極 め て 安 定 な 核 結 合 が あ れ ば そ の 原 子 は 安 定 であり,不安定の種度の大き い 原 子 は 寿 命 の 短 い 放 射 性 原 子 と い う こ と に な る
Oつまり放射能現象は原子核内でのでき C とである た め , 高 温 , 高 圧 , 大 重 力 な ど の 影 響 は 一 切 受 け な い
Oこ の こ と か ら 地 球 内 部 の よ う な 物 理 的 に も 化 学 的 に も 大 変 き び し い 条 件 下 で は 物 質 の 物 理 的 お よ び 化 学 的 性 質 が お そ ら く 我 々 の も っ て い る 知 識 か ら は 澱 り 知 る こ と の で き な い 大 き な 変 化 を し て い る に 違 い な い の に 対 し て , 放 射 性 原 子 は そ の 一 定 の 壊 変 法 射 に 従 っ て 少 し も 変 る こ と な く 崩 壊 し て ゆ く わ け で あ る
Oそ こ で 地 球 物 質 の 行 動 ( 歴 史 ) を 知
るための恰好の目じるしとすることができるのである
OF
放射性原子はつぎのような指数法別に従って壊変する:
Nt=No
ι一 入t ここで、 No および Nt は最初および現在 ( t 時間後)の原子数,九柑壊変定数(単 位 時 間 に 壊 変 す る 原 子 の 占 め る 割 合 ) で 半 減 期 弘 と λ=0.693/ 弘 と い う 関 取 り
Oそこである地球物質中の当該放射性原子の濃度(現在: 0 t , t 年 前 : 00 )を考えると,
Ot/Oo=e
ースt から t ニ ( T y 2 / 0 . 6 9 3 ) 1 n ( 0 0 /0 t )という式
iとより, 0 t , 00 が測定で きれば極めて容易にその生成年代を知る ζ とができる
Oただし 00 を知る ζ とは一般に甚だ国難であ るため, ( 00 0 t ) /0 t ニ (00/0 t )一!なる関係から (00 ‑Ot) すなわち当該原子が t 年 間
K壊変して生じた娘核種の量を測定すればよいことになる
O具体的な年代測定法としては He 法(d...放射能は核から He 什が放出される現象であるからその畜積 から計算できるいは C 法 3H 法, 40K‑40 A
r法 , Rb S
r法,各種の鉛法,また最況では Re
‑Os 法といったものまである
Oζ こでは 1 4 0 法と K Ar 法について簡単にそのアウトラインを述 べる ζ とにする
Oι1
炭素‑14
法1 4 0 は高層大気中で宇宙線中の硬い中性子と N 原子とが 1 4 N (
n,
p)1 4 0 という原子核反応をおこ なって絶えず生成している
O生成した 1 4 0 は半減期約 5000 年で
β線を放射しながら壊変しでもとの
は N R もどる。生成と壌変の開には平衡が生じて常に大気はー完の 1 4 0 濃度を示している
Oそこで 物は 1 4 0 を普通の 1 2 0 原子とともに炭素同化作用によって体内にとり込み,その 1 4 0/ 1 2 0 は大気中 のそれと同じになる
Oところがその植物が枯死するとは Cの植物体内へのとり込みが停止しその濃度 は半減期 5000 年の割合で減少するばかりである
O故に木材などの試料中の 1 4 0 濃度が測定できれば 窟易にその生育年代(厳密には枯死した時期)がわかる
Oζ の結果たとえばこにジプトの遺跡に使われ ている木材などの年代がかなりよく調査できるよう
Kなった
O4 . 2
カリウムーア}!;コン法40K は半減期1. 2X 1 0 9 年で地球生成以来その大部分が壊変して普通の K 中には僅か 0 . 0 1 2 係しか 含まれて居らず,その放射能は極めて弱いのである
Oと ζ ろが K は造岩鉱物中の主成分の一つである f こめ 4 0 K ヱ ヱ ヰ 9Ar という
められたことになり,種々
在利用して 40 A
rの量を測定すれば, ζ れが上記の (00 ‑Ot )が求 または鉱物の生成年代を知ることができる。技術的な問題,たとえ の生成 Ar を定量的に抽出すること,抽出した 4 0 A r を質量分析によって精度よく測定する ζ
となど,のほかに Ar そのものが不活性ガスであるため永い地質年代の聞に散逸するのではないかと いう疑問などに対して種々検討すべき点が多いが,現在ではかなり信頼度の高い方法として極めて有 用となっている
O‑6
5
お わ り に以上放射能在巧みにとり入れた地球科学ともいうべき Nuclear Geology または Isotope Geo‑
logy について簡単記述べてみたが,筆者はこれに対して地球化学と放射化学 Radi ochemi s t ry と の境界領域という意味から Radi ogeochemi s t ry (放射体地球化学)という名称を提案したい
Oこ れに合まれる問題は極めて豊富で,現在は宇宙時代といい,原子力時代という,その両方の基礎とむ
るべき領域ともいえよう
Oピキニのまぐろ以来,当地では放射能が身近なものに感ぜられているが,
そうした放射性降下物の問題,地理の高層大気圏外空間を幾重にもとり間んでいるパン@アレン放射 能帯,宇宙線の問題 (X 線壱出す星もある)といった天空における種々の問題から,自を地上に転じ て原子炉からの放射性廃棄物,あるいは放射性鉱物の採鉱@冶金というような実用的な面,およびそ れらに共通な放射線障害 K対する IAEA (国際原子力機関)を中心とする活動など,数えあげれば限
りないが,常にこうした問題の基礎ともいうべき天然放射能の開題はノミックグラウンドとして 性から常に忘れる ζ とができない。ともすればあまりに地味立ためと
fおざりにされ勝ちなこの方面の 研究を,今日こそ益々進めてゆく必要性のあることが痛感される次第である
O最後に, ζ のったない
よって悶好の士を得ることができるなら のよろこび ζ れに過ぎるものはない
O岩 石 園 紹 介 。 )