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Academic year: 2021

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Title 破骨細胞の分化とRNA結合タンパクHuRとの関連 [論文内容及び審査の要旨]

Author(s) 養田, 稔

Citation 北海道大学. 博士(歯学) 甲第13880号

Issue Date 2020-03-25

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/78648

Rights(URL) https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

Type theses (doctoral - abstract and summary of review)

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File Information Minoru̲Yohda̲abstract.pdf (論文内容の要旨)

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

(2)

学位論文内容の要旨

博士の専攻分野の名称 博士(歯学) 氏 名 養 田 稔

学 位 論 文 題 名

破骨細胞の分化と RNA 結合タンパク HuR との関連

キーワード(5 つ) 破骨細胞,HuR,ARE-mRNA,RAW264.7,CMLD-2

破骨細胞は生体内で骨吸収を行う唯一の多核巨細胞で, 骨髄由来の単球・マクロ ファージ系の前駆細胞に由来し, 外部からの様々な刺激により破骨細胞へと分化する.

破骨細胞前駆細胞はその表面に RANK を発現しており, 骨芽細胞表面に発現す

RANKLが結合することで分化シグナルが伝達される. 分化の過程では, 様々

な転写因子が重要な役割を果たし, 分化後骨表面に接着し, 融合しながら成熟 破骨細胞へと成長する. しかし, 破骨細胞分化の分子メカニズムについては未 だ完全には不明である. その分化メカニズムを解明することは, 破骨細胞に関連する 様々な疾患の治療につながる. 破骨細胞の転写因子や様々な分化関連因子のタン パクをコードするmRNA にはAU-Rich Element (ARE) と呼ばれるRNA エレメ ントをもつものが多い.

(3)

AREは, mRNAの分解シグナルで, ARE-mRNAは通常転写後すぐに分解され るが, ARERNA結合タンパクHuRが結合すると, ARE-mRNAは核外輸送 され安定化される. 従って, HuRの細胞内での局在はARE-mRNAの安定化を 予想でき, HuRが細胞質に局在している細胞ではARE-mRNAが安定化されて いると考えられる. 細胞にストレスなどの刺激が加わると, ARE-mRNAは一時 的に核外輸送・安定化されるが, HuRにより恒常的に安定化されると, 細胞のが ん化や様々な疾患に関与することが知られている. また, ARE-mRNAは細胞の 分化にも関与することが報告されており, 例えば, 分化中の骨格筋細胞では

HuRが細胞質に局在し, ARE-mRNAが安定化されている.

そこで本研究では, 破骨細胞の分化にHuRがどのように関わるかを明らかに することを目的とした.

ラットの脛骨から連続切片を作成し, TRAP染色, HuRの免疫組織染色を行っ たところ, 破骨細胞におけるHuRの細胞質局在を認めた.HuR局在を検討する ため, 破骨細胞前駆細胞としてRAW264.7細胞を使用し, RANKLで分化誘導を 行い, TRAP染色およびHuRの免疫細胞染色を行ったところ, RAW264.7細胞よ り分化した破骨細胞でもHuRの細胞質局在が認められた. 次にHuRが破骨細 胞の分化に関わっているかを検討するため, RAW264.7細胞に熱ショックによる HuRの分解を促し, RANKLによる破骨細胞への分化を検討したところ,

(4)

RAW264.7細胞の破骨細胞への分化が抑制された. 熱ショックのHuRの分解以 外の作用を否定するために, HuR阻害剤 (CMLD-2) を用いて破骨細胞へ分化を 検討したところ, CMLD-2HuRを阻害しても, CMLD-2の濃度依存的に破骨細 胞への分化が抑制され, さらに分化した破骨細胞で形成されるActin ringの形成 も抑制された. また, 破骨細胞の機能とHuRの関連を検討するため, デンチン スライスを用いてPit (吸収窩) 数を計測することにより, 骨吸収能を検討した ところ, CMLD-2HuR阻害した系ではPit数が減少し,骨細胞の骨吸収能が 低下した. 破骨細胞のアポトーシスとHuRの関連を検討するため, Capase-3

HuRの免疫染色を行い,アポトーシスを起こしている破骨細胞とHuRの局在 との関連を検討したところ, アポトーシスをおこしている破骨細胞では核に局 在するHuRの減少を認めた .

破骨細胞でHuRの細胞質局在を認めたことは, 破骨細胞の分化にHuRを介

したARE-mRNAの核外輸送・安定化が関与することを示している. また, HuR

阻害するとActin ringの形成や骨吸収能が抑制されたことは, HuRが破骨細胞の 分化だけではなく,細胞骨格形成や細胞接着にも関連することを示している.

また, アポトーシスを起こしている破骨細胞では, 核に局在するHuRの低下を 認めたことにより, 分化からアポトーシスまでの破骨細胞の一生にHuRが寄与

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していることが示された.これらの結果より,HuRが破骨細胞分化のマーカー として利用できる可能性が示された.

本研究より,HuRが破骨細胞の分化に重要な役割を果たすことが明らかにな り,破骨細胞の分化の始まりからアポトーシスまで,HuRが関与することが明 らかになった.

参照

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