解析学序論2(含演習)
No.0 2012.9.26
担当:市原
日本大学 文理学部 学科専門科目
「解析学序論2(含演習)」
2012
年度 後期水曜
1
時限 (9:00 – 10:30
),木曜3
限(13:00 – 14:30
) コード番号: 0203
担当: 市原 一裕(いちはら かずひろ)
研究室:
8
号館B-218
号室[email protected]
http://www.math.chs.nihon-u.ac.jp/~ichihara/index-j.html
講義について
•
演習(50
点)+ 試験(50
点)で評価.•
試験は,中間試験(20
点)+期末試験(30
点)とし,自筆ノートのみ 持ち込み可.
講義・演習予定
•
第1
回:オリエンテーション,§
1.
一変数関数の積分,1-1.
区分求積法からリーマン積分へ•
第2
回:1-2.
リーマン積分の定義,基本定理,基本性質•
第3
回:1-3.
微分積分学の基本定理•
第4
回:1-4
広義積分とガンマ関数•
第5
回:1-5
曲線の長さ,回転体の体積・表面積•
第6
回:中間試験,
試験解説•
第7
回:§2.
多変数関数の積分,2-0
面積とは•
第8
回:2-1
多変数関数の積分とは(重積分)•
第9
回:2-2
多変数関数の積分の計算(累次積分)•
第10
回:2-3
多変数関数の置換積分(重積分の変数変換)•
第11
回:2-4
重積分における広義積分•
第12
回:2-5
多変数関数の積分の応用(曲面の面積)•
第13
回:2-6
微分積分学の基本定理の一般化(グリーンの定理)•
第14
回:期末試験•
第15
回:試験返却,解説など1
一変数関数の積分1.1
区分求積法からリーマン積分へ復習
:
高校では...
積分とは,「微分の逆操作」(つまり,原始関数を求めること)と定義.
そのあとで,実は,それで「面積が求められる」ことを(ちゃんとした証明なしに)学ぶ.
もともとは..
本来,「積分=面積を求めるもの(求積法)」だった.
つまり,微分と積分は全くの別物!!
(微分とは,「瞬間の変化率(例えば,速度,接線の傾き)をもとめるもの」,)
これらが「逆操作」であること ⇒ 大発見!! (ニュートン,ライプニッツ(
1670
年頃))定理
1 (微分積分学の基本定理)
微分と積分は逆操作(詳しくは,またあとで).解析学序論2の目標:微分積分学の基本定理を理解する 前半:一変数の場合
後半:二変数の場合(グリーンの定理)
今日これからすること
とにかく(一変数関数の)積分を「ちゃんと」した定義する(リーマン積分という).
高校のように,微分の逆操作としてでなく「面積をもとめるもの」として
B.
リーマン(Riemann
)が1854
年に定義復習(高校では..)
面積を求める方法 ⇒ 区分求積法
f : R → R
,一変数関数,y= f(x)
S: x
軸,x = a
,x = b
,y = f(x)
のグラフで囲まれた面積S = lim
n→∞
n−1
∑
k=0
(
f (a + b − a
n k) × b − a n
)
区間
[a, b]
をn
等分して小さな長方形に分割し,その面積(たて×横)の総和の極限この区分求積法で積分を定義して良いか? ⇒ 実は良くない.
例
1
f(x) =
{ 1 x
は有理数0 x
は無理数という関数を考えてみよう(グラフはすぐにはかけない).
(1)区分求積法で
0〜2
の部分の面積を求めてみる.( ) ( )
(2k
n は有理数だから
f(
2kn) = 1
なので)= lim
n→∞
n−1
∑
k=0
( 2 n
)
= lim
n→∞
2(n − 1)
n = 2
(2)区分求積法で
0
〜√
2
の部分の面積を求めてみる.(途中略(上と同様))
= lim
n→∞
n−1
∑
k=0
( f (
√ 2k n ) ×
√ 2 n
)
(√2k
n は無理数だから
f (
√n2k) = 0
なので)= lim
n→∞
n−1
∑
k=0
0 = 0
同様に考えると,
√
2〜2
の部分の面積も0.
従って,このままだと,
∫
√2 0+
∫
2√2
=
∫
√20
が成り立たない.
つまり ,このままでは「区分求積法」は積分の定義として不適切ではないか.
⇒ どうしたら良いか....
なにが悪かったか考えてみると,「
n
等分」しただけなのが安易すぎた?より一般の分割を考えてみてはどうか?
区間の分割
閉区間
[a, b] ⊂ R
に対して,{ x
0, x
1, · · · , x
n| x
0= a, x
n= b, x
05 x
15 · · · 5 x
n}
を区間
[a, b]
の分割という.以降,しばしば∆
で表す.
例
2 { 0, √
2, 2 }
は,区間[0, 2]
の一つの分割記号の準備 :区間
[a, b]
の分割∆ = { x
0, x
1, · · · , x
n| x
0= a, x
n= b, x
05 x
15 · · · 5 x
n}
に対して,∆
i:= | x
i− x
i−1| | ∆ | := max
1≤i≤n
∆
i(
∆
iは分割された各小区間の幅,| ∆ |
はそれらの最大値)リーマン和
f : [a, b] → R
,関数(有界(発散しない)としておく)区間
[a, b]
の分割∆ = { x
0, x
1, · · · , x
n}
に対して,P
1∈ [x
0, x
1], P
2∈ [x
1, x
2], · · · , P
n∈ [x
n−1, x
n]
(区間
[a, b]
内のn
個の点.各小区間から1
点ずつ)をとる.このとき,∑
n i=1(f(P
i) × ∆
i)
を(分割
∆
と点{ P
i}
に関する)f
のリーマン和という.これをΣ
∆で表す.
Σ
∆とう表し方は,ちょっと省略しすぎ? 正確には,{ P
i}
もいれてΣ
f,∆,{Pi}と書くべき... リーマン和の図形的な意味:小長方形の面積の総和 ⇒ その極限が求めたい面積の近似リーマン積分
f : [a, b] → R
,関数(有界(発散しない))に対して,ある実数
I
が存在して,
?
∀ ε > 0
に対して,あるδ > 0
が存在して,| ∆ | < δ
をみたす任意の∆
と,∆
の小区間から1
点ずつ 任意にとった点たち{ P
i}
に関して,| Σ
∆− I | < ε
が成り立つ
とき,fは区間
[a, b]
で(リーマン)積分可能といい,このI
を∫
ba
f (x)dx
とかく.
注意
1 ?
がなりたつとき,簡単のため,|∆
lim
|→0Σ
∆= I
またはΣ
∆→ I ( | ∆ | → 0)
などとかくときもある.ただし,この
lim
は,いままで学んできた数列の極限ではないので,注意するこ と.(数列の極限の性質は(そのままでは)使ってはダメ.きちんと証明してからなら使える).注意
2
実は,f
がリーマン積分可能ならば,∫
ba
f (x)dx
は区分求積法で計算した値と一致する.(つまり, リーマン積分可能とわかっていれば 区分求積法で計算してもよい)
1.2
リーマン積分の基本定理と性質(今日の目標)リーマン積分の性質を調べておこう
定理
2 (
連続関数は積分可能)
関数f : [a, b] → R
が閉区間[a, b]
で連続ならば,f
は[a, b]
でリーマン 積分可能.注意
3 [a, b]
で連続,でなくても,例えば,有限個の点において不連続,くらいでも積分可能.つまり,{
連続関数} ⊂ {
積分可能な関数}
.ちょっと大変だけど,(90分かけて)上の定理を証明してみよう.
1.2.1
定理の証明の準備1年の微積の復習(一様連続)
一様連続(
uniformly continuous
)
関数
f
が閉区間[a, b]
上で 一様連続 とは,∀ ε > 0, ∃ δ > 0 s.t. | x − x
0| < δ
をみたす∀ x ∈ [a, b]
と∀ x
0∈ [a, b]
に対して,| f (x) − f (x
0) | < ε
が成り立つこと.
定理(教科書
P 37
)
f
が閉区間[a, b]
で連続⇔ f
は閉区間[a, b]
で一様連続
閉区間上でのみ,この定理はなりたつ.つまり,例えば,開区間
(a, b)
については成り立たない例がある(例えば,y
= 1/x
など)上の定理を使って,次の補題を証明する.
定理
3 (
補題(教科書P52
))
関数f : [a, b] → R
が,閉区間[a, b]
上で連続であるとき,∀ ε > 0, ∃ δ > 0, s.t.
| ∆ | < δ
かつ| ∆
0| < δ
をみたす任意の[a, b]
の2つの分割∆, ∆
0について,(小区間内のどのような点
{ P
i}
,{ P
j0}
をとったとしても)| Σ
∆− Σ
∆0| < ε
が成り立つ.補題の証明
∀ ε > 0
が与えられたとする.このとき,
f
は[a, b]
で連続なので,[a, b]
で一様連続(上の一様連続性の定理より)だから,∃ δ > 0 s.t.
| x − x
0| < δ
をみたす∀ x ∈ [a, b]
と∀ x
0∈ [a, b]
に対して,| f(x) − f (x
0) | <
4(bε−a) が成り立つこの定数
δ
について,補題で示すべきことが成り立つことを,これから示す.そこで,
| ∆ | < δ
かつ| ∆
0| <
2εをみたす任意の[a, b]
の2つの分割∆ = { x
0, x
1, · · · , x
`} , ∆
0= { x
00, x
01, · · · , x
0m}
をとってくる.このとき,
x
0, · · · , x
`, x
00, · · · , x
0mをすべてあわせて,小さい順に並べ直してえられる分割∆
00= { x
000, x
001, · · · , x
00n}
を考える.(つまり,∆
00のほうが∆
より「細かい」分割になっている)さて,2つの分割
∆
と∆
00に関して,それぞれの小区間たちから点{ P
j}
,{ P
i00}
を任意にとる.このとき,| Σ
∆− Σ
∆00| = |
∑
` j=1f(P
j)∆
j−
∑
n i=1f (P
i00)∆
00i|
ここで,
∆
00のほうが∆
より「細かい」分割になっているので,D
j= [x
j−1, x
j]
,D
i00= [x
00i−1, x
00i]
とおく と,D
j= ∪
D00i⊂DjD
00i となっていて,
このことから,∆
j= ∑
D00i⊂Dj
∆
00iとなっていることを使って上式を書き直すと
|
∑
` j=1f (P
j)∆
j−
∑
n i=1f (P
i00)∆
00i| = |
∑
` j=1f(P
j)
∑
D00i⊂Dj
∆
00i
−
∑
n i=1f(P
i00)∆
00i|
さらに2項目の和の取り方をかきかえて
|
∑
` j=1f(P
j)
∑
D00i⊂Dj
∆
00i
−
∑
n i=1f(P
i00)∆
00i= |
∑
` j=1f (P
j)
∑
Di00⊂Dj
∆
00i
−
∑
` j=1∑
Di00⊂Dj
f (P
i00)∆
00i|
整理すると
|
∑
` j=1f(P
j)
∑
D00i⊂Dj
∆
00i
−
∑
` j=1∑
D00i⊂Dj
f(P
i00)∆
00i| = |
∑
` j=1
∑
Di00⊂Dj
(f (P
j) − f (P
i00)) ∆
00i
| =
∑
` j=1
∑
D00i⊂Dj
| f(P
j) − f(P
i00) | ∆
00i
ここで,上式の
P
jとP
i00は,ともに,P
j∈ [x
j−1, x
j]
かつP
i00∈ [x
j−1, x
j]
.さらに,| ∆ | < δ
より,| x
j−1− x
j| < δ
であって,このとき定数δ
のとりかたより,| f (P
j) − f (P
i00) | <
4(bε−a)以上より,
| Σ
∆− Σ
∆00| =
∑
` j=1
∑
D00i⊂Dj
| f (P
j) − f(P
i00) | ∆
00i
<
∑
` j=1
∑
D00i⊂Dj
ε 4(b − a) ∆
00i
= ε
4(b − a)
∑
` j=1
∑
D00i⊂Dj
∆
00i
= ε
4(b − a) × (b − a) = ε 4
つまり,| Σ
∆− Σ
∆00| <
ε4同様にして,
| Σ
∆0− Σ
∆00| <
4ε あわせると,| Σ
∆− Σ
∆0| ≤ | Σ
∆− Σ
∆00| + | Σ
∆0− Σ
∆00| < ε 2 < ε
(補題の証明終わり)
この補題の証明をみると,「一様連続性」の大事さが少しはわかると思う(単に「連続」だけでは証明で きないでしょう).
1.2.2
定理の証明f : [a, b] → R
を[a, b]
上で連続な関数とする.Step 1:
(連続関数は区分求積可能)∆(n)
を閉区間[a, b]
をn
等分してできる[a, b]
の分割とする.このとき,lim
n→∞Σ
∆(n) は(小区間内の どのような点{ P
i}
をとったとしても)ある実数I
に収束する.Step 1
の証明∀ ε > 0
が与えられたとする.このとき,補題より,
∃ δ > 0, s.t.
| ∆ | < δ
かつ| ∆
0| < δ
をみたす任意の[a, b]
の2つの分割∆, ∆
0について,(小区間内のどのような点
{ P
i}
,{ P
j0}
をとったとしても)| Σ
∆− Σ
∆0| < ε
が成り立つ.そこで,b−a
δ
< N
0∈ N
となる(十分大きな)自然数N
0をとると,m, m
0> N
0をみたす任意のm, m
0に対して,b−a
δ
< m,
b−δa< m
0より,b−am
< δ,
bm−0a< δ
かつ| ∆(m) | =
b−ma, | ∆(m
0) | =
bm−0aなので,| ∆(m) | < δ
かつ| ∆(m
0) | < δ
.すると,定数
δ
のとりかたより,m, m0> N
0をみたす任意のm, m
0に対して,(∆(m)と∆(m
0)
の小区間 内のどのような点{ P
i}
,{ P
j0}
をとったとしても)| Σ
∆(m)− Σ
∆(m0)| <
ε2< ε
が成り立つ.つまり,
{ Σ
∆m}
m=1,2,··· はコーシー列.コーシー列は収束するので,ある実数
I
が存在して,I= lim
n→∞Σ
∆(n)Step 1
の証明終Step 2:
最後に,f がリーマン積分可能,つまり,次を示そう.
ある実数
I
が存在して,∀ ε > 0
に対して,あるδ > 0
が存在して,| ∆ | < δ
をみたす任意の∆
と,∆
の小区間から1
点 ずつ任意にとった点たち{ P
i}
に関して,| Σ
∆− I | < ε
が成り立つ実数
I
はStep 1
で得られたもの(つまり,区分求積法で得られた値)とする.∀ ε > 0
が与えられたとする.このとき,
δ > 0
をStep 1
で見つけた定数(つまり,補題を使ってみつかった定数)とする.| ∆ | < δ
をみたす∆
と,∆
の小区間から1
点ずつとった点たち{ P
i}
を任意にとる.このとき,| Σ
∆− I | < ε
が成り立つことを示せば良い.ここで,b−a
δ
< N
0∈ N
となる(十分大きな)自然数N
0をとると,(Step 1
で示したように)n > N
0な らば| ∆(n) | < δ
.従って,| ∆ | < δ
という仮定をあわせて,補題より,| Σ
∆− Σ
∆(n)| <
ε2 .一方で,
{ Σ
∆m}
m=1,2,···はI
に収束するので,(十分大きな)自然数N
1をとると,n > N
1ならば| Σ
∆(n)− I | <
ε 2 .
よって,
n > max N
0, N
1 となるn
をとってくると,| Σ
∆− I | ≤ | Σ
∆− Σ
∆(n)| + | Σ
∆(n)− I | < ε 2 + ε
2 = ε
以上より,閉区間[a, b]
で連続な関数f
は,[a, b]
でリーマン積分可能.定理の証明終 注意
4
これまでの証明(特に最後の証明)で,リーマン積分可能な場合,区分求積法で積分の値が求めら れることの証明もできている(演習)1.3
微分積分学の基本定理ニュートンとライプニッツによる(
1650
年頃)「微分(グラフの接線の傾き)
⇔
積分(グラフの囲む部分の面積)」これらが逆操作!! 目標:微分積分学の基本定理を証明しよう1.3.1
準備以下,
f : I → R
をある関数とする(ただし,I
はR
上のある開区間).以下は,高校でも習った(はず).
定理
4 (
平均値の定理) a, b ∈ I
とし,(a, b)
でf
が微分可能ならば,∃ c ∈ (a, b) s.t. f
0(c) =
f(b)b−−f(a)a(
a
からb
までの平均の変化率に等しい瞬間の変化率をもつ点c
が存在する)良く似た形の定理が,積分でも成り立つ.
定理
5 (積分の平均値の定理) a, b ∈ I
とし,[a, b]でf
が連続ならば,∃ c ∈ (a, b) s.t. f (c) =
b−1a∫
ba
f (x)dx
(
a
からb
までの“
値の平均”
に等しい値をもつ点c
が存在する)(「値の平均」=「
a
からb
までの面積」÷
「底辺の長さ(b − a
)」)方針:fが連続であるという仮定しか使えないので,使える定理は「中間値の定理」くらいしかない... 中間値の定理(をすこし一般化したもの)
閉区間
[a, b]
上で連続な関数f
について,f
の[a, b]
での最大値をM,最小値を m
としたとき,∀ γ ∈ [m, M ]
に対してγ = f (c)
となる点c ∈ I
が存在.
これを使うことにすると,あとは,
m <
b−1a∫
ba
f (x)dx < M
を示せばよい...(証明)
f
が[a, b]
で連続より,f
は[a, b]
の最大値M
と最小値m
をもつ(最大値・最小値の定理).つまり,
m ≤ f(x) ≤ M
(∀ x ∈ [a, b]
) このとき,積分の基本性質より,∫
ba
mdx ≤ ∫
ba
f(x)dx ≤ ∫
ba
M dx
ここで等号成立となるのは,
f(x)
が定数関数(つまりf (x) = k
(定数)(∀ x ∈ [a, b]
))のときのみ.このとき,定理はなりたつ(各自で証明してみてください).
等号が成り立たないとき,
∫
ba
mdx < ∫
ba
f(x)dx < ∫
ba
M dx
よって,m(b − a) < ∫
ba
f(x)dx < M(b − a)
. つまり,m <
b−1a∫
ba
f (x)dx < M
がなりたつ.従って,上の中間値の定理より,
∃ c ∈ (a, b) s.t. f (c) =
b−1a∫
ba
f (x)dx
(証明終)
1.3.2
定理と証明定理
6 (
微分積分学の基本定理) f
を閉区間[a, b]
で連続な関数とする.このとき,以下が成立.(1)d
dx
∫
xa
f (t)dt = f(x)
(∀ x ∈ [a, b]
)(2)G(x)を
f (x)
の原始関数(つまり,G0(x) = f(x)
を満たす関数)とするとき,∫
ba
f (x)dx = G(b) − G(a)
((1)の証明)
F (x) = ∫
xa
f (t)dt
とおく.(あとは,
F (x)
を微分したらf(x)
になることを示せば良い)x
lim
0→xF (x
0) − F (x)
x
0− x = lim
x0→x
1 x
0− x (
∫
x0 af(t)dt −
∫
x af(t)dt) = lim
x0→x
1 x
0− x
∫
x0 xf(t)dt
ここで,積分の平均値の定理より,
∃ c ∈ (x, x
0) s.t. f(c) =
x01−x∫
x0 xf(t)dt
これより,lim
x0→x
F (x
0) − F (x)
x
0− x = lim
x0→x
1 x
0− x
∫
x0x
f(t)dt = lim
x0→x
f(c) = lim
c→x
f (c) = f(x)
(最後の等号は
f (x)
は連続より) ((1)の証明終)((2)の証明)(方針:f(x)のリーマン和を考えれば...)
f
を閉区間[a, b]
で連続より,[a, b]
で積分可能.従って,リーマン積分可能の定義より,
ある実数
I
が存在して,∀ ε > 0
に対して,あるδ > 0
が存在して,| ∆ | < δ
をみたす任意の∆
と,∆の 小区間から1
点ずつ任意にとった点たち{ P
i}
に関して,| Σ
∆− I | < ε
が成り立つ.(この
I
が∫
ba
f (x)dx
)∀ ε > 0
が与えられたとする.このとき,上を満たすような
δ > 0
が存在する.| ∆ | < δ
をみたす任意の分割∆ = { x
0, x
1, · · · , x
n}
を取ってくる.(方針:f
(x)(つまり G
0(x))がでてきて欲しいので平均値の定理を使ってみる)
このとき,
G(x)
に関して平均値の定理を使うと,i = 1, 2, · · · , n
について,∃ P
i∈ (x
i−1, x
i) s.t. G
0(P
i) =
G(xxi)−G(xi−1)i−xi−1
書き換えると,
∃ P
i∈ (x
i−1, x
i) s.t. (x
i− x
i−1)f (P
i) = G(x
i) − G(x
i−1)
が,i = 1, 2, · · · , n
について成り立つ.これら全ての和をとると,
∃ P
1∈ (x
0, x
1)
,∃ P
2∈ (x
1, x
2)
,· · ·
,∃ P
n∈ (x
n−1, x
n) s.t. ∑
ni=1
(x
i− x
i−1)f (P
i) = ∑
ni=1
(G(x
i) − G(x
i−1))
書き換えると,上のような点
{ P
i}
に対して,∑
ni=1
(x
i− x
i−1)f (P
i) = G(x
n) − G(x
0) = G(b) − G(a)
ここで,左辺は点
{ P
i}
に対するリーマン和Σ
∆なので,仮定より,| Σ
∆− I | = | (G(b) − G(a)) − I | < ε
が成り立つ.任意の正の実数
ε
に対して,| (G(b) − G(a)) − I | < ε
が成り立つ,ということは,つまり,| (G(b) − G(a)) − I | = 0
が成り立つということ(各自で証明してみなさい(ε-δ
論法の練習問題)).従って,G(b)
− G(a) = I = ∫
ba
f (x)dx
((2)の証明終)1.4
広義積分とガンマ関数今後の予定:積分の応用を2回(
10/17
,10/24
)⇒
中間試験(学部祭あと,11/7
(水)9:00
〜 今日の目標
高校までの積分の拡張として「広義積分」を学ぶ
1.5
広義積分高校のないようではない定積分
(1)有界でない関数の積分(発散するような) (2)有界でない範囲での積分 例
3
(1)∫
10 1 x
dx
高校のようにすると,
∫
10 1
x
dx = [log x]
10= log 1 − log 0
(log 0
って??)これではわからない.
(2)
∫
∞1 1 x
dx
高校のようにすると,
∫
∞1 1
x
dx = [log x]
10= log ∞ − log 1
(log∞
って??)では,どうしたら良いだろうか...いったん文字で置いて,極限として考えれば...
広義積分
1. f : (a, b] → R
,(a, b]
で連続な関数 このとき,∫
ba+ε
f(x)dx
を考えて,ε → +0
のときの極限が存在する時,lim
ε→+0∫
ba+ε
f (x)dx
を∫
ba
f (x)dx
と書くことにする.(
x = a
でf
が定義されていなくても良いことに注意)2. f : [a, ∞ ) → R
,[a,∞ )
で連続な関数 このとき,∫
Ma
f (x)dx
を考えて,M→ ∞
のときの極限が存在する時,lim
M→∞∫
Ma
f(x)dx
を∫
∞a
f (x)dx
と書くことにする.同様に,区間
[a, b)
や( −∞ , b]
についても定義する.
例
4
(1)∫
1 0√1
x
dx = lim
ε→0∫
1 ε√1
x
dx = lim
ε→0[2 √
x]
1ε= lim
ε→0(2 − 2 √ ε) = 2
(2)
∫
∞1 1
x2
dx = lim
M→∞∫
M1 1
x2
dx = lim
M→∞[ −
1x]
M1= lim
M→∞( −
M1+ 1) = 1
1.6
広義積分の応用(ガンマ関数)ガンマ関数ー広義積分を利用して定義される関数
・
1729
年、数学者オイラーが最初に導入・階乗の一般化になっている
応用(ガンマ分布) (確率統計序論1でやった(らしい))