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フレヒトハイムの責任保険請求権論(こ

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(1)

一般に︑保険契約の締結に際し契約当事者が意図している主たる目的は︑従ってまた契約の主たる効果ほ︑保険  

契約者の保険料の支払を別とすれば︑保険事故発・生の場合に︑保険者が被保険者に対し保険金を支払うということ  

であろう︒このことを責任保険に及ぼして言えば︑責任保険契約では︑′保険事故発生の場合に保険者が被保険者に  

保険金を支払うことが︑契約当事者の澄図する主たる目的であり︑契約の主たる効果である︑ということになる︒  

ところがこのことは︑少べとも今日のヨーロッパ各国紅おいては︑そのまま認められてはいない・〝保険事故が発生  

しても︑保険者が﹁直ち巴保険金を被保険者に支払うことは︑何らかの形で阻止されているのである︵例えば法  

律の明文でこれを明言しているものとして︑フランス保険契約法五三条︶︒﹁藩ち巴とは︑1被保険者がその者に対  

して責任を負担し︑その責任が当該責任保険契約でカバーされることになっているところのその第三者に対し︑被  

保険者が自ら債務を履行するまでほ︑ということである︒このいわゆる被害者たる第三者︵以下では多くの場合単  

に第三者という︶は︑実に︑責任保険契約について特殊げ地位を有する︒第三者は︑責任保険契約の保険契約者で  

もなければ︑被保険者でもない︒従って︑保険者に対して︑契約の効果として︑当然何らかの権利を有するに至る  

阻でないことほもちろん︑また卦然に︑保険請求権に対して︑被保険者の二鱒権者としてより以外の・特別の・カ  

ブレヒトハイムの責任保険請求権論︵こ   三五九︶  ︼    フレヒトハイムの責任保険請求権論︵こ  

中   西   明  

(2)

︵三六〇︶  二   第三十巻 第四号  

を及ぼしうるような地位紅あるものでもない︒しかる紅この第三者について︑右のような配慮をめぐらすととも  

に︑▲あるいは保険者に対する直接の請求権を与えたり︵日本商法六六七条︑同自動車損害賠償保障法二ハ粂川項︑  

スイス白臥車交通法四九条など︒なお︑前掲のフラン遁聴険契約法五三条の解釈としても同様の結果がみとめられ  

ている︶︑あるいは保険請求権上の質権を与えたり︵ス十ス保険契約堅ハ○条︑オトストリー保険契約法一二七条︶︑  

あるいはまた︑被保険者破産の鰯合に保険請求権から別除弁済を受けうるとしたり︵ドイツ保険契約法鵬五七粂︶  

へ⊥︶   等々︑種々の形で特別の法的地位を認めているのは︑一体どうい 

ると考えられる︒まず︑いわば責任保険契約内部の問題として︑責任保険請求権ほ第三者が損害を蒙ったが故に発  

生するものである︑という点︵そもそも責任保険契約が締結されていなければならないのほ勿論である︶︑及び︑責  

任保険契約なるものは︑被保険者が将来特定の種規の責任を負担した場合に︑それを履行するに備える︑という経  

済的目的で締結されるものである︑という点である︒これが第一の理由である︒第二の理由は︑社会が責任保険に  

関連してとる態度に関する︒すなわち︑今日世界の各国は︑個人法的な損害賠償法理のみでほ解決のつかない各種  

の近代的損害を合理的に処理する手段の劇つとして︑責任保険を使おうとしており︑このことは︑被害者たる第三  

者が少くとも事実上責任保険契約の利益を受けることを確保すべく︑童任保険法の構造を変革することを要求せず  

にほおかないのである︒この欝±の配慮は︑必ずしもすべての種類の責任保険軋ついて存するわけではない︒しか  

しヨーロッパの若干の国の法制の発展を見ると︑若干の種類の責任保険︵例えば自動車責任保険︶ において正にこ  

の第二の点が強く前面におし出され︑そこで出された責任保険法の変革の要求︑あるいは変革が︑やがてそのまま  

責任保冷二般に及ぼされるという過程をたどっているものが少くない︒   

私は右のことをドイツ法についてやや立入って検証したいと思う︒ドイツ法は十九但紀の末以来この問題ととり   

(3)

くんで来た︒一九〇八年の保険契約法の下においてほ︑被保険者破産の場合の被害者たる第三者の別除権に関する  

一五七条と︑ライブル︑フレヒトハイムに始まる責任保険請求権免脱請求権論が第三者に特別の地位をみとめる主  

たるものであった︒一九三九年の保険契約法の一部改正に際しては︑自動車所有者の義務的責任保険の導入ととも  

に︑第三者の地位をより強化する諸規定がおかれた︵例えば︑保険請求権の処分を第三者に対する関係において無  

効とする一五六条一項新規定ト1これは責任保険血般に関する蓼−︑また義務保険につき契約上の抗弁を第三者に  

対する関係で排除する山五入粂Cなど︶︒その間を通じて貴慮保険匿おける第三者の地位をめぐって費された紙数  

は極めて多数紅及んでいる︒本稿はそのうち︑十九世紀の後半払おける独立の保険部門としての責任保険の成立か  

ら︑一九三九年の保険契約法山部改正の動きの始まる前夜までの時期を取扱う︒この時期における第三者の地位  

は︑初期を別とすれぼ︑責任保険請求権免脱請求権論紅よって与えられる︑ということができる︒それまで責任保  

険契約の枠内匿おいて第三者の立場を顧慮する試みが殆んど行われなかった軋対し︑山八九八年瞥フィブルが提唱  

し︑一九〇八年にフレヒトハイムによって確固たる基礎を与えられたこの理論ほ︑その後まもなべ通説たるの地位  

︵2︶  

を確立し︑基本的紅はそれが今日に至っているからである︵仰九三九年以後第三者の地位がより強化されたという  

ことは︑これになや著干のものが附け加えられたことを意味する︶︒本稿をフレヒトハイムの責任保険請求権諭と  

適したのもこの事情による︒   

私ほ先に︑責任保険における琴二者の地位如何に関する未熟な考察を公にし︑そこで︑わが商法第六六七条ほ従  

来の契約法の血般理論からだけでは出て来ない特別の請求権を琴二者に与えたものであり︑同条がかかる特別の請  

求権を第三者に認めている以上は︑あるいほ主張され牒が如く︑被保険者の権利と第三者の権利は同じ内容で︒同  

等の力で・並び存すると見るペきではなくして︑むしろ第三者の権利が被保険者のそれに優先すると見る′ぺきであ  

フレヒトハイムの責任保険請求権論︵こ   ︵三六こ  三   

(4)

.へ︑  

︵三六二︶  四   琴一事巻東四号  

㌔  被保険者が第三者に賠償をしない間ほ︑被保険者ほ自らに対する保険金の支払を求めえず︑その結果︑被保険  

者転対し︑たん軽罪三者た保険金の支払をなすべきことを請求するの権利を有するにとどまる︑と見るべき所以を  

︵3︶ 論証しょうと試みた︒私の議論は︑その基調を諸外国︑就中スイス︑ドイツ︑フランスの立法・判例・学説の動き  

に︑また特にその後半の部分をドイツにおける責任保険請求権免脱請求権論に︑負うところ多大であるにかかわら  

ず︑紙数の制約から︑それらな詳しく論ずるととほ出来なかった︒本稿ほそれに対する補論の一つでもある︒   

以下まず第二節においてほ︑ドイツにおける責任保険の成立と発展を簡単に概観し︑ついで第三節では免脱請求  

権論︑及び︑その基礎をなすところの︑責任保険のいわぼ利他的な性格の認識の系譜をたどり︑第四節ではフレヒ  

トハイムの議論をやや詳しく紹介し︑最後に滞五節ではその意義を検討する︒  

︵1︶これらについてほ拙稿壷任保険払おける﹁第三者﹂の地位︿香川大学経済論叢二九巻四号︶三七貰以下で簡単疫ふれてお  

いた︒もっとも︑本文に掲げた讐惑の特別の法的地位のなかにほ︑厳密にいえほ︑被保険者に対する保険金の即座の支払  

の禁止ということ自体を達するための法的技術たる意味を有するにとどまるものもある︒  

︵2︶1eib−こu蔓ische蔓urde→HPく⁚Ass−h旨・−P lah膏ngこ00夢SJN翠⁝Wein旨チノ N已二象stisch2コ家宅  

der誉−1ekti言nf苧亡ndHPく.VN買W.巴・Nこ苫N︸S・∽畏∴ヨ2Ch−訂im︸DasA訂呂derungsr2Chtdesもritten︑︑im  

誉n打ursedesHPヂne旨e声PZ.−讐00ーS−霊宝∴n2詔e−b2﹀D12R2Ch−ss邑1仁ngdesDri−ten2u︻易く⁚㌫﹂讐○︸  

s.誓f∴Dernb羞・ぎEe︻﹀≡訂b2r・㌔a−e宇Neic許諾Ch!﹀斉sich2rungSMeCF−undR2C富責fO官n㌘﹈薩摩S・  

害⁚Maier.斉sicFe−⁝応召eCh−:忘亡−S・琶叫∴ScFneide︸野口k告S und弓声†㌣N・−讐N・S・N翠誌chmi宇  

m已ざ De︻geSCh邑g−e D−1−−2und sei完琵gic訂S−2旨義iロd2︻ 宅ヂ㌣Z・−望少S・冨詳−富−Ein  

Beit岩間誓岩︺空軍喜gd2︻2wei−2−旨e−die蒜CglcheBe訂ndどnmd2¢議Pヂansp喜琶︸PZ・−冨︸S・冨∴  

芽rr﹀ヵeCFts邑已des HPヂ⁝pruCざNfく声琴−P∽・βNle−eHS2コJ O2rHPヂaヨ登uCF巴s GegenstanP   

(5)

der Nwa扁Sヨllstreckung iロden 2acEass des くe詔ic訂rten﹀ Hans RN.忘−00.S.N−00f.V Hage3−奄esen u邑  

Ju︻is巾ische2at喜der喜Pく﹀ GrucFOtS出eitr品e厨d.澄.S.∽たf∴ de︻Se−be.くe︻望CFeru品SreC芝肖り Abteiどngu  

−ゆNN﹀ 

S◆ ぴN告∴Seコger.Recぎsstel−喜g des驚SC冨digte〇Dr賢en ln de︻HPく.﹂壷芝.S■−誓∴Sie㌘ A誘StりaEu讃en  

der HPく:−¢∽N−S・遥⁝P邑s∽﹀ <くG:−○やufL−盟戸 Aコm︐−Nu ゆ一念いJae驚ru KOnk焉S雲dn責㌘ふ養千軍  

Men邑﹀賢mme已a︻2︻ReichskOnk已SOHdn喜g︸∽.AufL−¢N00ニーAnm一∽Cd−uS.p 〝念An声呂︸S.N葬甘nas.  

ZPO: ゆ訳−芦 ﹈胃たRG.甲N.−筈¢RGN Bd.8S.N讐⁝RGN.↓.−讐¢RGN監.コS.∽宗RGN00.−.−空也搾GZ.  

Bd.00ーS.Ngf∴ RG N−.P−讐∞RGZ.Bd.諾S.Nロ馴 RG−P∽.−¢N∽RGZ出dJNA S.N∽00⁝RG N可.∽.−篭00 RGZ一  

団d.−∽00S.監.仁SW.  

︵3︶拙稿・前掲︒   ︵4︶本稿が論じょうとする問題に多少とも言及される我国の文献としては︑中川=蓮井・ドイツ保険契約法︵現代外国法典双蛮︶  

二一六真︑山田・ドイツにおける自動車責任︵比較法研究一三号︶四山百などがある︒なお山二頁註︵16︶参照︒  

二   

ドイツにおいて責任保険が独立の保険部門として行われるようになったのほ︑†九世紀の後半以来︑それも仙八       ︵ 

1︶   七一年のいわゆる帝国責任法︵ReichsFaftp2chtgesetz︶ 以来のことである︒山八七脚年の帝国責任法ほ︑それ  

まで趣く控え目な存在であった責任保険を華々しい発展に導くについての非常に大きな要因であった︑ということ   ︵ 

2︶   が出来る︒    この法律は︑当傭各種の方面において機械の利用が一般的になるに伴い多数発生しっつ傷った鉱工業・交通業等  

における死亡・傷害事故紅対処するため︑従来からの過失主義というローマ法的・普通法的原則からの若干ゐ離反  

フレヒ寸ハイムの資任保険請求権論︵こ   ︵三六三︶  五   

(6)

︵三六四︶  六   第三十巻 第四号  

を示しウつ︑右らの事政について企業者濫特別の損害賠償責任を課し鞍ものである︒その第一条紅日く︑鉄道の営  

巣に際し人が死亡した場合︑またほ怪我をした場合匿おいては︑企業者は︑その事故が不可抗力または被害者自身  

の過失によって生じたことを証明しない限り︑それから生じた損害につき責任を負う︒また︑その第二条は次の如  

く規定する︒鉱業︑石切集またほ工業を営む者は︑その︑代理人︑代表者若くは営業逐たは労働者の指揮監督のため  

に選任された者が︑その職務の遂行に際し︑過失にょり人の死亡または傷害を生ぜしめた場合においてほ︑それ軋  

より生じた損害につき責任を負う︒帝国責任法はこのよう紅若干の種頬の企業者に特殊の損害賠償責任を新らしく  

課した′が︑それと同時に︑企業者の貴任を事実上緩和するため︑血八六〇年代のほじめからすでにフランス紅おい  

て行われていたところの労働者災害保険を念頭紅おきつつ︑企共著が保険を利用すべきことを積極的に規定し允の  

であった︒すなわち同法欝四条ほ︑企業者が保険料全額の三分の二以上を出して被害者たるべき者軋災害保険がつ  

けられているときは︑被害者に支払われる保険金は︑これを企共著の支払った賠償額に加算する︵換言すれば︑企業  

者ほ元来賠償すべき額から保険金を差引いた額だけを賠償すれば足る︶とした︒立法者の考えていた保険の内容は  

暫く措くとして︑この第四条は︑企業者なかんずくエ場経営者が労働者の災害に傭えて保険をつけることが如何に  

有利であるかを︑はっきり指摘したものであった︒マーネスの言菜を借りて言えば︑単なる指摘でほなくして︑企  

業者に加えられた道徳的圧迫であり︑国が書いた私保険の推薦状であった︒そして事実その通り︑これを機縁とし  

て既存の保険会社がこの目的のための保険を始めたのほもちろん︑とく誓﹂の種の保険を営むため多くの会社が新  

︵3︶  

らしく設立され︑それぞれ営業を始めることとなった︒学者は︑ドイツにおける責任保険の独立の保険部門として  

の営業はここに始まる︑とする︒   

しかしながら︑ここで広く利用されるよう軋なった保険は︑帝国責任法四条からもわかるように︑必ずしも純然   

(7)

たる責任保険だけではなか1た︒すなわち︑右の法律を機縁として行われるようになったとこ為の保険紅は︑こつ  

の形態があって︑いずれもエ場災害に関するが︑その山つほ︑企業者に賠償義務がある災害についてのみ保険が与  

巧  

︵4︶  

えられるものであり︑もう山つは︑企業者に賠償義務のない災害をも保険の保護の対象とするものであった︒!  

保険契約者は企業者である︒保険金は企業者に支払われる︒企業者がその事故について賠償義務を負うときは保険       ︵  5︶   金がその履行に充てられ︑賠償義務がない七きは保険金はそのまま企業者から労働者に支払われる︒右の二つの形  

態のうち︑前者は責任保険と言えるが︑後者は災害保険と責任保険の混合形態である︵従って学者はこれを労災保      ︵5︶a      ︵6︶ 険の先駆としても説くのを常とする︶︒そして実際上はむしろこの後者が広く行われたため︑.純然たる責任保険の  

利用範囲ほそれはど広くなく︑また山般に責任保険の正しい認識ほ妨げられざるをえなかった︒責任保険ほ多くの  

場合災害保険の一亜種とされ︑この保険を営むため紅設立された併換金枚の多くはその商号申に専ら災害保険とい  

︵7︶   うことだけをうち出し︑心保険会社の如きほ︑その営業案内書の中で︑災害保険ほ ︵右に挙げた責任保険との結合  

︵8︶  

形態をも含めて︶生命保険の補充︵Erg旨zung︶だということな強調している︑といった状態であった︒  

るいは保険会社間の競争によって生ずる無理︵当初約款で認められていた企業者の損害防止設備設置義務の撤廃︑  

︵9︶  

とくに責任保険における最高齢補額の制限の排除など︶ から︑次第に成紡不良となり︑劇八七〇年代の終りから二  

八八〇年代のはじめ頃には︑早くも行きづまってしまうこととなった︒ここ紅至って多くの保険金杜は︑責任保険  

を出来るだけおさえ︑それせ災害保険に解消してしまおうとした︒一保険会社の如きは︑政府に対し責任保険の禁  

止を求める請願を出すにまで至っている︒その請願中に臼く︒﹁われわれが固有の災害保険に結びつけられた責任  

保険の営巣をやればやる程︑責任保険なるものが︑そもそも善良の風俗に反するのではないか︑という疑念が強く  

︵三六五︶  七    フレヒトハイムの賓任保険請求権論︵一︶   しかしこの安住保険及び災害=責任保険の営巣ほ︑あるいほ経験の不足︵なかんずく災害統計の不備︶   から︑あ  

(8)

︵三六六︶  八   第三十巻 第四号  

なって来る⁚・⁝人が自らの過失の結果に対して保険をつける︑ということはどう見ても道徳的でほない︒従って︑  

責任保険は国民経済的に見て危険きわまりない︑幸吉わねばならない︒このことは︑例えば︑従来ならば穏かな示  

談ですんでいたものが︑責任保険かあるがためにことさらに訴訟沙汰になることが多い︑という点にも表われてい  

る︒⁚⁝責任保険を禁止すれば︑企業者略その労働者が遭遇すべきあらゆる災害転ついて保険をつけ︑∵冠限度ま  

での填補が痩けられること粧なる︒こうすれぼ︑固有の責任保険について生じた患い結果は生じないであろう︒・  

⁝﹂しかし︑その最後の文章ほ甚だふる?ているぺ ﹁われわれがこのような請願をするのほ︑別段あれわれが責任  

︵10︶   保険の営業で坂失を蒙ったからでほありません﹂︒   

† 線として︑貴任保険がやがてはその固有の形態と存在を確立することとなるのである︒何よりも保険会社は︑存続   資任保険が災害保険と明確に分離され︑独自の発展を示すのは山八八四年以降である︒仙八八由年七月六Hの災   害保険法︵Unfa諾rSic訂r琶gSgeSet巴 ほ労働者の災害保険をすべて公法上のものとし︑企業者のその労働者に  

︵10︶a  

対する私法的損害賠償義務をこの保険でおきかえた︒これによって︑当時災害保険︵戎ほ災害=責任保険︶を営ん  

︵11︶   でいた保険会社はその契約の大部分を失うこととなった︒エーレンペルヒの如き権威者でさえ︑賢任保険ほ︑少く   ︵12  ︶ とも企業者のそれに関する限り︑もうおしまいだ﹂ と考えた︒しかしそれほそうではなかった︒か\えってこれを放  

して行くためには︑契約をとらね渡ならなかった︒そのたぬの努力として︑ドイツ私保険界は︑帝国責任法による       ︵  13︶   企業者の賠償茸任のうら災害保険法による保険のカバーするところとならないもの︵いわゆる昌aftp≡chtr2St2︶  

にまず注目し︑一八八五年にその保険が始められた︒ついで嵩aftpfHchtの意味が︑あるいぼ責任保険によってカバ  

ーされる責任の種類の範囲が次第に拡張されることとなった︒仙八八四年に至るまでの貴任保険でほ︑嵩aftp叫cht  

としては︑帝国責任法から生ずる企共著の損害賠償茸任だけが考えられ︑・従って︑責任保険の対象となるのは︑上述   

(9)

のような災害から生ずる死亡︒傷害が基礎紅なる企業者の損害賠償責任だけであった︒しかしこれには実ほ山つの   例外があった︒それは︑一八七〇年代の終り紅レふレスダイソヒ・ホルンユタインに作られた養蜂家の保険組合の        ︵  ︑︑︑   14︶   ︑︑︑   蜜蜂保険である︒この保険組合は︑蜂について生ずる損軍のほか︑蜂によ?て第三者に加えられる損害にもとずく  

賠償責任をも填補した︒この蜜蜂保険の中配合まれる責任保険の当時の他の責任保険に対する特異性ほ︑次の二点  

紅ある︒すなわら第一濫︑ここでほ脚八七山年の帝国責任法とほ関係のない茸任について保険が与えられるという  

点︑第二紅は︑物的損害から生ずる畳任についても保険が与えられる︑という点である︒仰八八四年以後芸任保険  

を斬らしぃ発展に導いたところのものは︑正にこの二つの視点であった︒   

嵩aftp≡chtの意味が次発に拡張された︒劇八八六年軋は家屋所有者及び賃借人の責任保険︑﹁八八七年にほ医  

者・薬剤師の責任保険︑一八八八年にほ料理店・旅館・酒場の営業者の責任保険︑また∵八八九年には︑物の滅失  

・毀損にもとづく損害賠償責任の保険が始められた︒そのはか︑運送人︑手工業者︑動物の飼主︑教会︑弁護士︑  

公証人紅ついても責任保険が行われるはぅになり︑責任保険を利用tうる人の範囲︑職業の範囲が著るしく拡張さ  

れた︒責任保険でカバーされる責任の種類も多様化された︒これらの発展はお止そ一九〇〇年代の前半頃までにな  

しとげられた︒他方劇八九八年に制定されたドイツ民法典は︑責任保険がカバーしようとする各祥の責任について  

新らしい基礎を与えた︒﹂九〇〇年にはドイツ災害保険会社連合が作られ︑これほ一九〇四年に責任保険の標準的  

︵15︶   な約款と料率表を作るのに成功し︑多数の会社がこの約款と料率表軋よった︒一九〇八年の捉険契約法ほ︑責任保  

険について数ケ粂の規定をおき︑それまで専ら当事者の自治にまかされていた責任保険に法的よりどころを与え  

た︒また一九〇〇年代以降にほ自動貴の利用が︑劇九仙○年代かちは航空槻の利用がようやく普及しほじめ︑責任  

︵16︶   保険はここに新らしい広汎な活動儀域を見出すこととなる︒  

フレヒトハイムの貴任保険請求権論︵こ   ︵三六七︶  九   

(10)

三六八︶ 6   第三十巻罪四号  

︵1︶Am−1ic⁝ei邑⁝Gese−♪bet−effe邑die看bi邑ic−家−N呂Sc註2琵Sa−N冨dlebeidem謬打落⁝EiseP   

baFneコ這e彗e︻ke⁝SW・訂︷b2i鼠賢t2コ→ぎnge⁝邑琴pe︻邑e−昌ge2ぎmごuコニ00声︵R・G・B−・芦Nひ︶  

︵2︶ハーグソは次のような説明をする︒ドイツ語では責任保険のことをHa葺−1cぎe−SIc訂ungというが︑ドイツ賢ける責   

任保険ほ︑このHaf隻icぎe邑cぎunぬという富来の中に︑そ品立の歴史と源を映し出している︒蟹tp芳htという   

言葉ほ︑従来のドイツ民法の領域でほ殆ど使用されなかっ空壷であって︑ス七毒の帝国責任法以来ほじめ七広く使わ   

れるに至ったものであるる︒この法律誓って企業者に課せられた責任な表わすものとして使われたのが︑蟹tp芳Eとい   

う言葉の表的な使用のほじまりであり︑茸任保険の独立の保険としての広範囲の利用もまさ警の点ぬ始まるものであ   

る︑と︵G喜FO−s軍羞e芦岸S・岩宥s昏岩ngSHeCぎやN芦SqaucbMa−e︻︼aa〇・㍍﹂翠憂音ch   

sie㌘aa〇..S盲f−︶︒Haf隻1cFtという言葉の元来の意味が右のようなものであったにせよ︑今日責任保険というとき   

のHaft貰chtほ︑南国茸任法との専属的関係を断ったのほもちろん︑更に必ずしも過失主義よりも高度な何らかの讃任︑   

という意味紅も止らなくなっていることは別に述べる通りである︒しかしそれ驚拘らず︑責任保険及び責任保険法の発展   

を見ると︑若干の例外ほあるが︑やほり高度の損害賠償茸任というものが︑その発展を導き︑そこで得られ年式任保険の形   

態が︑他の分野にも応用される塗る︑という傾向はおおう/べくもないと考える︒脚八八四年までの企業者の賠償去任しか  

り︑近時の自動蕃保有者の損害賠償箕任しかりである︒  

︵3︶保険主体の形態は今問題にしない︒  

︵4︶く已.RGN.望.¢S●㌍誓∴冊芦−NS・讐声  

︵5︶憂・E鼓c罫d羞deのReichs・〇be︻Fandelsge−icb−s喜m↓∴an・忘声Entsclr喜一−S・−琴  

︵5︶a例えば大林・社会保険四〇頁︒  

︵6︶保険金杜の説明誉れば︑企誉紅賠償霧めない災害富あわせて填補すれば︑賠償莞の存否をめぐって企業者と労働   

(11)

者の問に生ずる問題がすべて不要紅なるから︑ということであった︵ROSCFe︻﹀Z已︻警itik de︻〇mueStenWi︻tSC露ftlic訂n  

Entwick−unm im Deu叶∽C訂n Reic訂︸−∞ヨ﹀S.∽彗叫.︶︒  

︵7︶く箪Leibr aa〇.﹀ S.−㌍f.   

︵8︶RO宍he︻﹀ aaOこ S.麗J 会〇.  

︵9︶く箪 Leibr aa〇.S.−黒革∴﹈冨anes.HPくニー筈N−S● NN竹∴RGN.Bd.∽S.謡.   

︵10︶Wa−−man誘くersiche︻喜gSNeitscFrift Bd・−∽−S●缶∽f■A宏N蒜e bei Mane∽.aaOこS.N料⁝J.一岩n Gie︻ke︸ HPヂ und  

旨re Nukunft︸ NfHR.出d.▲岩u S.00.  

へ川︶ a く箪 Reic訂諸星c訂⁝ngSOr旨言こ挙還デー○畏−N−㌘ E呂eCC22S・只ipp・W茎声 ︼訂FbucF des B箕geユic訂n  

Recどs﹀Bd﹂.N.Abt鱒こ一浩∽−S.の㌫fこ外.3芦  

︵11︶ て00des 亡口叫a苦e邑c訂rung品e邑NeS ︵a謬FaひS仁ng︶⁝Die知ecFte und P註cgen aus.宕邑cbe岩ngS諾⁝蒜en︸  

We訂許諾n qnterneFmern der已nter 脚−fal−end訂出etMie訂Oderヨn denin dense冒enbescF監ti的teコ諾rSicheユen  

Pers呂en megen die句○−men de呵in d仙esem GesetzebeNeicFnetendnf昌emitくersiche岩ngSanSta−ten abgescEOS完n  

Sinm−穐e君n nacF dem lnkrafttreten 愈ese朝 Gesetzes auf die 詳r已sgenOS笛nSC訂ft.we訂訂M der Betr世eb  

a虐e芳子 旨eO Wenn di2くe︻S仙c訂rung∽ne訂ヨe︻die諾S bei demぎ邑ande der GenOSSen00Cba叫t beantramen.D訂  

der GenOSSePSC訂ft Fieraus erwachsend2n NaEung笥e旨ind−ichke詳nwerden du岩訂 じ邑age a仁f die Mitg訂der  

de︻Se岩2n︵ゆゆ芦N00︶駕d2Ckt・  

︵12︶Die R告ぎersiche岩n取−−0000ぴ.S.↓Anm.1N.  

︵13︶くg−・Riesenfe声DaのbesOnde︻e 昌a諾pf詳Ftrecbt der dellt∽Chen Arbei訂ヨe邑c訂⊇ng品eSetN.−笠料−S.寛一可翠  

︵14︶くg−︐Fier旨er Manes.aaOこS.思きJ.司On Gie︻ke︸ aaOこ S.篭.い Sieg︸ aa〇..S一彗.  

フレヒトハイムの責任保険請求権論︵一︶   ︵三六九︶ 一t   

(12)

\  

︵三七〇︶ 三   第三十巻第四号  

︵ほ︶責・看護2ntl誉u点des只a旨Iic訂nA思cFtsam−s冨Pri蔓責Siche⁝点㌣山・Ja貫いS・−声−翠  

けるため言引用はしなかった︒本節は︑後段の論述のために必要な限りにおいて︑免脱請求権論が出現する頓までのドイ   ︵16︶本節の叙述ほ︑主として︑ROSC貫〜雲苧tikムe⁝eueS−enwi旨邑tニc訂n賢wicke−羞imD2u富h2nR2i夢   

§↓︸S.∽N翠⁝LeぎA宏d2︻Pra卦d2ニ旨2−en詳言f彗−−G2S2t222bunginD2已schiandundde=岩かaコ  

diese芽anscEiessendeロUnfa守e−∽ic賢u革−∞0000い 芽望Y 謬ぎ芳誉2rのich2言5甲−薫こ・∃n Gi2一打2リ   

Haftp芳htくer00ic首長仁已iF︻e2仁kuき2f冒・芦芦S・−朽∴Si2㌘LどぷS−註−un笥deM珪a富芳誉e告訂rt−萎   

−琵.S.巴ト∴︼紆を旨eckこ三ah︻em監e邑1e斉sic訂−ungS邑sichtN・望⁚富NuS・NO芦にょっているが︑煩を避  

ツ資任保険の発展の忘の概観を試みることを目的とし︑本格的な歴史を讃ぞことを志すものでほないからである︒なお︑日   

本語の文献で多少ともこの点慧れているものとしては︑白杉︒近時における保険の発達︵国民経済雑誌五四巻四号︶︑野  

津・保険契約法諭三七重薫・大林・社会保険三賞以→︑印南・損害保険研究完璧骨完頁以下などがある︒  

三  

責任保険は︑少くともその成立の当初においては︑保険契約者たる企業家′の全く利己的な勤磯から利用されるも  

訂であった︒保険契約者の契約締結の動俄に関する限り︑責任保険は他の種の保険といささかも相違な示さなかっ  

た︒保険契約者は︑帝国責任法によ?て希い貫任を課せられている企業家である︒彼等ほ︑寅任保険をつけておけ  

ぼ︑被害者紅対し責任を負担した場合に保険金を払ってもらえる︑それによって賠償責任から生ずる経済的損失な  

免れることができる︑というつもりで︑責任保険契約を締治したのであった︒このような動機で利用されるもので  

あったにせよ︑それが事実上被害者たる第三者の利益になるこ主はいうまでもない︒しかし︑この讐高が責任保  

険について有する利益ほ敢て問題とされなかった︒保険契約者ほ自らを守ることを欲したのであって︑被害者たる   

(13)

ベき者を守ることを欲したのでほなかった︒賓任保険が被害者たる翠三者の利益となる︑ということは︑殊更には  

意図されない︑せいぜい副次的な目的であるにすぎなかった︒当時の保険会社の約款も︑保険金が誰に支払わるぺ  

︵1︶  

きかという問題に明示的に言及する限り︑保険契約者た竃企業者に支払う︑ということであった︒そして実際上ほ  

これでもさして支博はなかった︑といってもよい︒けだし︑責任保険を利用する者は︑多く︑賠償能力を有する企  

︵2︶  

芙家であったからである︒   

しかしこの状態は変って来た︒被害者たるべき者の地位の保全ということが︑むしろ︑責任保険の本来の目的  

︵gewO−ter Nweck︶ でなければならぬ︑と説く者が現われた︒例えば︑一八八二年紅はトクサンほ︑オースLト=ソ  

ーのHaftp慧c芝gesetNに関してであるが︑企業者は同法の推薦通りすべて保険をつけて︑もって︑その賠償義務  

︵3︶  

の完全な履行を期すぺきである︑と主張している︒われわれはここに︑一八八四年の災害保険法へ︑あるいほ更に   

ー それを支える基礎的見地ほ必ずしも同じでないにしても ー 今日の義務保険的思想へ通ずるものを認めること  

ができる︒また︑茸任保険契約内部のノ問題としても︑少くとも一たん契約が締結された以上ほ︑保険契約者が保険  

金を受取っておきながら︑他の任意の目的にそれを費消し︺被害者たる第三者紅対する賠償に充てないのほ︑ある  

いはそういう事態を防止すべく被害者寵る第三者が何ら特別の地位にないのは︑必ずしも合理的ではない︑という  

主張が現われ始め▼疋︒折しも裁判所は︑帝国貴任法によってますます厳格な賠償義務な企業者に命ずる傾向を示  

し︑また保険思想の普及とともに必ずしも充分の賠償能力を有しない者も責任保険を利用する匿至り︑更に貴任保  

険が帝国責任法との専属的関係を断ったことほ︑右の認識を要求し︑強化することとなった︒   

ところで︑保険事故発生の場合の保険金の支払ほ︑前に二言したよう紅︑当初ほ︑・被保険者に対してなされるの  

が∵般であった︒ところが︑これと異った支払方法をとるものが現われた︒すなわち︑あるいほ︑保険者は被保険者  

フレヒトハイムの責任保険請求権論︵こ   ︵三七こ 一三   

(14)

紅おいて︑山八八三年以後の約款には︑保険請求権は保険者の承認なくしてこれを譲渡し質入することをえず︑と  

︵7︶︒   いう規定を賢くものが少くない︒.これら約款中の撃二者への保険金の直接の支私︑及び保険請求権の譲渡・質入  

の禁止は︑主として︑保険者の利益に出ずるものであるかも知れない︒しかし︑これらほ同時に︑第三者の地位の強  

︵8︶ 化にも好影響を及ぼさずにほおかない︒またこれらほ︑後に述べる責任保険請求権免脱請求権論への道を開くもの  

︵9︶  

であった︵もっとも︑約款中には︑保険契約者が保険者に対してサる相殺を明示的に認めるものもあり︑これほも  

ちろん免脱請求権論にとっては不利に働かざるなえなかった︒︶  

一八九八年に発表された﹁責任保険の法的性質﹂と題するライブルの論文ほ︑責任保険請求権を免脱請求梅と把  

︵10︶   握する立場をほじめてうら出した︒ライブルは︑おそらく右軋述べたような約款の解釈から出発しっつ︑まず責任  

保険を次のよう鱒定義している︒責任保険は︑被保険者が第三者から法的請求をうけた場合に︑保険者がそれに応   ヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽ   ずる給付をなすことを約束する保険である︒保険者の給付ほ︑被保険者をその債務から免れさせること︑あるいほ  

被保険者に生じた損害を填補することを内容とする︑と︒もっともライブルはこのこと自体からほ直接実際的帰結を  

導いてはおらず︑ただ定義として掲げるに止っているよう軋思われるが︑しかし他方︑責任保険匿おける保険請求  

権を論ずるにあたっては︑ライブルほ︑いささか注目に値する発言をしている︑すなわら︑・当時の約款では︑被保険  

者が未だ第三者に賠償をせずとも保険者ほ保険金を被保険者に支払ってもよいとしているものがあるが︑ライブル  

ほ︑これは不都合であるというのである︒彼によれば︑被保険者が自ら第三者に賠償をしない前に保険者が被保険  

ヽヽ 者に保険金を支払うならば︑被保険者が欝三者に賠償するまでほ被保険者紅利得を生ずることとなる︒これは保険    の要求があれば第三者に支払うとし   第三十巻 罪四号  

に支払う代り紅第三者に支払う  

ま で   た き   あ る   る と   し  

︵6︶  

い枚︑保険者は直接第三者に支払う義務を負う︒としている︒他方  

︵4︶  

あるいほ︑保険者は原則として被保険者に支払うが︑被保険者   ︵三七二︶  山四  

(15)

ヽヽヽヽヽヽ   の最高の原則に反する︒またかかる保険金の支払を認めれば︑保険金が被保険者の他の任意の債権者の利益に帰し  

うることとなって︑責任保険の本質転反する結果を生ずる︒そこでライブルは次のような提案をする︒右のような  

保険金の支払は不都合な結果を生ずる︒しかしさればとて︑この場合︑ィ自ら第三者に賠償を1曳ない限り被保険者は  

保険者に対し何らの請求権を有しない︑とするのほことの性質に適しないから︑第三者が保険請求権の上に法律上  

︵11︶   の質権を有する︑とする構成ほこれ・をとりえない︒従ってこの際︑被保険者ほ自ら第三者に賠償した限り軋おいて  

ll﹁  

保険金請求権を取得し︑そうしない問は︑被保険者ほ保険金を第三者に支払うぺきことを請求するの権利のみな有  

︵12︶︵13︶  

する︑という趣旨の規定を約款に設けるぺきである︑と︒  

ヽヽヽヽヽヽヽヽ    右のライブルの所説のうち︑被保険者紅直ちに保険金を支払うことは︑保険の最高の原則に反するから認めがた  

い︑という点ほ︑いわゆる保険の最高の原則なるものが︑保険が被保険者に不当な利得をもたらすものであっては  

ならないということだけを意味するのであれば︑それほ必ずしも正当ではあるまい︒被保険者が未だ第三者紅賠償  

をせずとも︑被保険者にほ債務が生じているのであって︑保険金がたといその債務の弁済に充てられないとして  

も︑債務ほ依然被保険者にかかっており︑被保険者に利得を生ずることにはならないからである︒被保険者に対す  

る即座の保険金の支払に反良俗性を認めることは︑いわゆる反良俗性が専ら右紅いう保険の最高の原則に反すると  

︵14︶   いうことである限り︑今日では支持されえないであろう︒しかし他方ライブルは︑保険金を即座虹被保険者に支払  

うと︑責任保険の本質に反する結果を生ずる︑とも言っている︒責任保険の本質が何かについてほ彼ほとりたて 

明言するところはないが︑右のような立言のうちにほ︑責任保険の保険請求権は少くとも事実上専ら被害者たる第  

三者の利益に帰すべきである︑という価値判断︑あるいほ責任保険請求権の目的拘束性の認識︑があることは明ら  

かである︒この点においてライブルの議論にほ︑責任保険における第三者の特殊の地位の認識がもとになってい  

フレヒトハイムの茸任保険請求権論︵こ   ︵三七三︶  仙五   

(16)

︵三七讐 二ハ   第三十巻 常習†  

る︑と言うことがで︑誉Q∵フィブルのかかる論理は︑後笹ブレヒトハイムなどによって承継・発展されることとな  

り︑責任保険請求権免脱請求権論の先駆たるの意義を有する︒   

次いで山九〇二年にはヴァイン∴リソヒも︑責任保険における第三者の地位の強化ということを前面に㌢■ク出し︑      ︵  15︶   被保険者が第三者に賠償しない限り︑保険金の被保険者に対する支払を禁止すべきである︑と説いている︒   

他方ゲオルギイは︑責任保険は法的保護の保険︵村echtsschut誓e訪icherung︶である︑という独特の立場をうち   

︵16︶   出し︑この見方自体ほ広く世の認めるところとほならなかったが︑活瀬な反対論を呼びおこすことによって︑貴任  

保険の正しい認識に資すこととなった︒責任保険が法的保護の保険であるとは︑要するに︑それが︑被保険者が第  

三者に対し責任を負担した場合に︑それによって被保険者に生ずる金銭的損害を填補することを主たる目的とする  

保険には非ずして︑被保険者に対し第三者から加えられる攻撃に対する法的保護を保険者が引受けることを︑主た  

る︑或は第十義的な︑内容とするものだ︑ということを意味する︒ゲオルギイほ次のように述べた︒﹁通常の損害  

保険にあっては︑損害事件と保険事故は山致する︒一箇の事件によって︑被保険者が彼の財産に損害をう吟る︒そ  

れに対し︑責任保険にあってほ︑まず第三者に損害が生ずるのであるが︑それによっては保険事故が発生可能にな  

るだけである︒保険事故は︑琴二者が自ら蒙った損害を被保険者に帰せしめようとしたときにはじめて発生する︒  

従って︑責任保険の目的と第一の任務ほ︑第三者に生じた損害が被保険者に帰せられることを防止するにある︒他  

の損害保険にあっては︑被保険者に生じた撮害の転嫁が問題である軋対し︑責任保険にあっては︑第三者に生じた  

損害が被保険者に帰せられることを防止することが問題である︒責任保険匿おいて被保険者か希求するところのも  

のほ︑第三者の請求から免れさせてもらうこと︵謬f蒜iung三日嵩a叫tp叫cぎa誘pr宍b︶である︒従って責任保険  

の第劇の任務は第三者の請求の阻止であり︑損害の嘆補は︑これが功を奏しないとき紅初めて行われる第二次的な   

(17)

任務にすぎない︒換言すれほ︑資任保険は︑概念上筍二義的にほ法的保護の保険であり︑法的保護の手段がつきた  

時にはじめて ︵しかしあくまで第二義的なものとして︶経済的保詮が問題となるのである﹂と︒   

ゲオルギイのこの見解は︑上に述べたライブルのそれと︑あるいは次に述べるであろうブレヒトハイムのそれと  

一見相似を示す︒しかし実は両者は大いに異る︒ゲオルギイは︑被保険者が第三者から請求を受けたときに︑保険  

者がその請求を拒けるべく努めることが保険者の第一次的義務をなす︑と見るに対し︑ライブル及び後に述べるブ  

レヒトハイムほ︑被保険者に債務が成立することを前提とし︑その場合に︑第三者に対する保険金の支払その他に  

ょって︑被保険者をその債務から免れさせることが保険者の義務をなす︑というにとどまる︒この意味において責  

任保険請求権は免脱請求権︵Befreiu叢sanspruCh︶である︑というにとどまる︒またデカルギイの議論は︑ライブ  

ルのように第三者が茸任保険について有する特殊の利益の認識の上紅たつものではなくして︑私の見るところによ  

れば︑むしろ専ら保険者の利益を守るという見地から出発するものである︒すなわちゲオルギイは︑敢て言えば︑  

第三者の請求は多くの場合理由なし︑或は額において過大である︑という仮定の下に︑被保険者と第三者の問の訴       ︵  17︶   訟遂行上の不手際によって︑保険者が多額の保険金の支払を余儀なくされることを惧れるのである︒このことはま  

た︑ゲオルギイが貴任保険請求権は労音ei∈品∵言nHaftpf−ichtansp2Ch の請求を内容とする︑.としつつも︑し  

かも︑第三者の請求が理由あるものとして確定した後は︑安住保険請求権は他の通常の保険請求権と興る・ところな  

︵18︶   ︵19︶   し︑すや㌘り単なる廃険金請求権︵NaEungsansprucb︶ である︑としていることに見るも明らかである︒   

このよう忙して︑山九〇八年に保険契約法が制定される頃までには︑貴任保険において第三者の利益が特別の考  

︵20︶   慮に催するという思想はようやくにして強まりつつあった︒しかし他方︑着に述べたゲオ・ルギイの立場ほ別として  

も︑責任保険の任務は専ら被保険者の財産を保護するにあると見て︑安住保険のいわば利他的な役割を強く前面に  

フレヒトハイムの貿任保険請求権論︵一︶   ︵三七五︶ 一七   

(18)

︵三七六︶  山八   第三十巻 第四号  

︵21︶   出すことに賛しないものも少くなかっ宅例えばJ・フかソ・ギールケは︑山九〇七各に発表した論文の中で︑将  

来は貸任保険が第三者にも祝福をもたらすも︑のであってはしい︑という希望を述べつつも︑責任保険の利他的なモ       ︵  22︶   メソトほ余り強調すべきではない︑と述べている︒かかる見地からすれば︑責任保険請求権といえども︑他の保険  

請求梅と全く同様に︑被保険者の自由なる財産をなすものであって︑被保険者がそれをどのよ㌢に処分するか︑ま  

た受取った保険金をどのように使うかについては︑第三考ほ︑被保険者の二債権者としてより以外にほ︑いささか  

も容唆すべからざることとなるのはむしろ当然であろう︒   

右のような状態のうちに︑山九〇八年の保険契約法が制定され︑責任保険に特有のものとして十ケ条の規建がお  

かれた 二四九条ないし小五八条︶︒制定にあた?てほ︑責任保険は︑被保険者ないし保険契約者の側から言え  

ば︑第三者に対する弁済の手段を作るという目的で利用されるものであり︑この第三者ほ保険の存続につきか庵り  

︵23︶   の利益を有するということが考慮に入れられたけれども︑第三者の地付二般については︑保険契約法は必ずしも充  

分明確な解答を示さなかっ保険に関する十ケ条のうち︑警一着の地位如何に関係の深い規定は︑妄六条  

と小五七条である︒山五六条は︑﹁保険者は︑ノ保険契約者が第三者に対し給付義務を負う範囲において︑保険契約  

者に帰すべき項補額をその界三者に支払うことが出来る︒保険者は第三者に支払をなすに先だら︑保険契約者に通  

知することを要する︒保険者ほ保険契約者の請求があった場合にほ︑第三者に支払をなすべき義務を負う﹂という  

︵25︶   晩定であり︑一五七条ほ︑﹁保険契約者の財産につき破産の開始あるときは︑第三者ほ保険契約者紅対して生じた  

自己の請求権につき︑保険契約者の填補請求権より別除弁済を請求することができる﹂という規定である︒   

およそ一口に責任保険における第三者の地位を強化すると言?ても︑それをとの程度まで行うか︑あるいほ法技  

術的に如何なる方法で行うか紅ついてほ︑もちろん種々の立場がありうる︒たとえば︑前にふ二言したように︑山   

(19)

八九八年のあが商法︵四三条︶やフランスの判例法は︑琴二者に保険者に対する直接の請求権を認める︑という  

やり方をとり︑一九〇八年のスイス保険契約法︵六〇粂︶︑完〇八年のオーストヅイ自動車道行者責任法へGesetz  

言mP Augusニ冨52rdie謬ft5gf昏Sch註2nauSd2mBe−rieb2くOn只a迂aFr〜2ugen仙○条︶及び  

それを承継した山九山七年の同国保険契約法︵仙二七粂山項︶は︑第三者に保険請求権についての法律上の質権を       ︵  26︶   与える︑という方法によっている︒ドイツ保険契約法はこれらの道をとらなかった︒明文上は︑被保険者破産の場  

合紅第三者が保険請求権上に別除権を有する︑とするにとどまったわけである︒   

右瞥のげたドイツ保険契約法のニケ条の規定のうち︑山五六条は︑それまで約款で行われていたところの保険金  

の支払方法のうちの中間的形態を明文化したものであるが︑規定の性質上第三者の地位如何については必ずしも直  

接明確な解答を与えるものでほない︒それに対し仙五七条ほ︑被保険者破産の場合紅︑第三者が保険請求権から︑  

︵27︶ 他の破産債権者を排除して︑自己の債権の満足をうけうるとしているC責任保険のいわゆる利他的性格を強調する  

こと紅賛しない者といえぜも︑少くともこの点ほ基本的には認めないわけにほいかない︒しかし︑被保険者が破産  

音奮をうける以前において︑保険請求権は︑疲保険者の他の財産と同様︑債権者の自由なる攻撃にさらされるのか  

︵他面から言えば︑破産宣告前は被保険者ほ保険請求権を自由に処分できるのか︶それとも︑他の別除権の対蘇と  

なるものについての如く︑第三者は保険請求権について何らかの優先的立場にあるのか︒この占抜︑嘉七条によ  

るも明らかではない︒妄寮任保険の利他的性格を否定する見地からほ︑第三者の優先的地位ほ︑被保険者破産の  

場合紅限る︑ということにならざるをえないであろうし︑他方︑第三者の地位を重しとする論者から見れば︑それ  

では不合理だということにならざるをえない︒かくして論議ほ︑⊥五七条が被保険者破産の場合に限る特別である  

か否か︑という点に集中することになった︒  

ブレヒトハイムの責任保険請求権論︵こ   ︵三七七︶ 一九   

(20)

︵三七八︶ 二〇    第三十巻 罪四号  

実際︑学説中には法の規定を極めて厳格に解し︑責任保険において第三者が保険請求権につき他の債権者よりも  

有利な地位に立つのは︑特に法の明定している場合に限る︑と説く者があった︒すなわち︑それによれば︑責任保  

険請求権ほ︑ 

るものはここでは存在しない︒また︑被保険者が破産宣告をうけても︑それ以前になされた保険請求権の他の債権  

者への譲渡・質入は︑被害者たる欝三者に対しても原則として有効であり︑従ってかかる場合には︑一五七条の別      ︵  28︶   除権は実効を伴わなぃものとなる︒別除権が如何なる意味においても働くのは︑破産期間中のみである︒およそこ  

ういうのが責任保険の利他的性格否認論者吼解釈であった︒  

●  それに対しフレヒトハイムは︑右のような解釈から生ずる実際上の不合理な結果を指摘し︑山五七条は必ずしも  

被保険者破産の場合に限る特例と見るべきでない所以を強力鱒論証した︒すなわちフレヒトハイムは︑山九〇八年  

と一九一〇年の両度にわたって発表した論文において︑すで堅剛世紀の終りふ㌢フィプルが述べているところを祖述  

し︑発展せしめつつ︑資任保険請求権は︑被害者たる讐二者が被保険者からその債務の履行を受ける以前において  

は︑免脱請求権︵出efreiun顎anSpruCb︶ である︑すなわら︑被保険者が第三者に対して負担する債務からの免脱を  

求めることを内容とする権利である︑と見ることによって︑被保険者が破産宣告を受けないときにおいても︑被害       ︵  29︶   者たる第三者が保険請求権について特別の地位軋あることを認めようとしたのである︒次にフレヒトハイムの所説  

をやや詳しく見よう︒   

︵l︶言−.Manes.aa〇.uS.N声なお災害保険でも︑被保険者たる労働者にほ︑保険者に対する迫接の請求権は必ずしも与えら  

れなかったようである︵Wein︻巨︸2uニ旨s−ぎben2a−雲d2︻只○−訂賢く亡nfa苧 u邑憎弓声・Z叫く声Bd・Nこ箋N︸S︸  

璧芯︶︒   

︵2︶Senger﹀aaO:S・−たSie的−aaO:S・のーf   

(21)

︵3︶TOuSSaint︸ Entw亡rf de∽Haftpf−icFtmesetNeの﹀ A00SJF︻b.Bd.㌘ S.N讃.  

︵4︶謬ding︒︒g︒ndesぎ乙stein﹀竃︵Sam邑ung言︒宕rsi︒h︒r仁nmSbedin牒ng︒n d︒ut邑︒︻宕︻害訂岩屋ひ呂St︒iteタ  

葛S・NO芋 しかし私ほこの約款集を利用する便宜を持たない︒この約款集の引用ほSieぬ︸B〇・︐S.畏による︒磨−.  

auch宅ein︻icb︸ aa〇.︸ S.∽会.  

︵5︶︸葛ime−ma﹀√Sam邑g・葛S●−辞︵仰ご∵ヨctO−ia=−Sam邑un甲葛S・NN∽ ︵芸︶.SO芸CF S芝zum der Schleswig▲  

HOStein篤hen−mk2︻ゆ彗⁝Dieauf G−巨d紆︻ Haftpf−icど謡邑cFe︻ung2−eistenden Entsch監imungenwerden  

auf Ant;m de∽くm邑c訂ユen unmitte−bむ︻ anden Dritten︸ Zum Sc訂dense蒜atN Berechti聖eP笥︼eistet.Sieg︸  

aaOこ   S.悪J.∃n Gie︻ke.aaOこ S.省.  

︵6︶Ma温eb宍gerA−−ぬemeぎe宕rsicbe︻ung?AG︼ Sむm邑g¶ 宅S.−声 忘○い ○−計nb喜gSC訂Haftp芸cE完︻S山cF2−喜gS・  

ansta声Statutゆ合⁚ロie Aus㌻Eungder宕邑c訂岩ngSS已mmee︻fO−gtunmitte冒a︻anent∽C冨digung各e喜蔓gt賃  

Dritteタn買Eem言−訂︻de︻宕邑cher仁ng呂eFmer⁝⁚benacF︻icht首こst.J.︑3n Gier打eV aaOこS.合.  

︵7︶A葺eme叫neDeutscF2Ⅰ宕r¢ic訂岩ngSくe邑ninSt已tga︻t︸ Bedin篭n笥nヨn−監詳−宮戸−裏革こ重電∴這㌫ Sむm邑g.  

葛S・−ゴrN−∽.N−00.N∽∽∵七ictO︻iむ;−謬dぎgungen∃n−宍戸Sam邑g.葛S.NN∽u.s.w.  

︵8︶SOa亡ChSiem.S.声磨L jedOCF1.くOn Gie︷訂.NfHR.計.芦S態誉  

︵9︶Sieg﹀ aaOこS.3 芦 ∽畏●  

︵10︶Leib︼V 許〇.▼S.−N∽f.  

︵11︶当時スイス保険契約法草案は︑保険請求権上の法律上の質権を第三者に与えようとしていた︒その五八条小文ほ次のような  

規定である︒AndemE㌫at慧nSp︻uC厨de︻dem £邑c言語n aus der 宕rsicherung駕gen die ﹃倉ende︻  

驚邑N−icben H已tpf−icht NuSt2ht︐b2SitNt d21b200C訂dig−e D︻i−−e k邑−dieses G2Se−NeSぎ Cmfan笥 Seine︻  

フレヒトハイムの責任保険請求権論︵こ   ︵三七九︶ 二山   

(22)

︵12︶Leib一∵心aO:S・−N声﹀−設f・   

その値後に現われ冬フィプル批判として︑冨已en賢PElnig2出eme−kun2N已HP声ゝ邑Frb・芦買S・ヨがある   

が︑フロイデンシュタインは︑責任保険が第三者のためにする契約でもなく︑また岱務引受でもない︑という点を指摘す   

る︒しかし第三者が保険者に対し遍接固有¢権利を取得するとするのならば︑それはもほや︑被保険者が邑︻eiungsan・  

sprucFを有するというに止まるものでほない︒  

︵ほ︶な姦︑フランスの劃八八九年二月〟九日法︵10i邑a−iく2ニa︻2S−︻icti昌dup︻宣ge・duba宕uH dビnfOnds言邑eニ   

ー﹀att︻ib象OndesindemnitかsduespaH Suited︶assurance︶も︑第三者に賠償しないうちほ︑被保険者ほ自らに対する保   

険金の支払を求めえない︑としていた︒三条二項に日く︒En cas dぎ買anCe du−︼Squ︿ニOCatifOudu︻e⁝亡︻Sdu  

象sin﹂ぎsuHかOuSeSむyantSd邑−コ2pO已;〇:OuC訂⁚○已Ou parti2d2−ぎdem邑かsa宏q牒−2p︻Opiかど−ede   

−豆jeニOuかこe象sin呂−elie−SS仁b−品か=の已S drOiJ誅n−憲de旨te︻2SS訂descOnS各層宍eSd仁Sinist声  

︵14︶月明−−Senger﹀aa〇・︸S・芦  

︵沌︶賢−ikdesG2SetZen−wu鼓旨e−d2n宕邑ch2⁝ng雪e︻tra的﹀ 宕曇fentlichu品endesdeut邑en宕邑nsf竺∵<五っ   ︵15︶Wein︻icF aa〇・︸S・∽芦∽翠  

玖c訂岩ngSWiめSenSC訂f−He−tN︸S・芸・N∽Nf・∽曇・ゲオルギイのものとしてはむしろDjeHaf隻−icht諾rSicherul−g im  

Entwurf eines Gesetzesきe︻deコ 宕邑cFe︻uコgS諾rt︻ag﹀−富谷を参照すべきであるが︑私ほそうする便宜を持たない︒   

︵17︶Aa〇・S・会・  

︵18︶Aa9  

︵19︶ゲオルギイの議論に対するその後の動向についてほ註︵24︶参照︒    第三十巻 第四号   ScFadeヨSe︻SatNfO已e⊇ng ein Pf呂d−eCFt・   ︵三八〇︶ こ二  

(23)

︵知こすでにあげたもののはか︑望e−C訂︻.COヨ邑s盲︻bトー宍犀S・告00Hiesta阜NfくW・Bd・∽・S・串など参照︒  

︵聖S2︻ざN−くW・Bd・ご∽﹂芯=ほ青任保険の利他的性格というのは︑単なる広告ないし宣伝の手段で︑昔任保険がすでに相当   

普及した今日でほもう引っこめてもよいと苧えいう︒諾l・a宍FFreude邑e−〇︼AsaF旨Bd・N−uS・−↓・  

︵22︶J・吉n Gie−ke一a邑⁚S・∽∞∵  

︵讐Beg誉d已ngNudenEコtW邑eneiコeSGesetzes旨erdenくersicherungs遥1t︷串S・−芦  

︵警なおゲオルギイ的見解のその後の帰趨について二言するならば︑保険契約法品九条ほ︑﹁昔任保険においては︑保険者  

ほ︑被保険者が︑保険期間中に生じた事実につき第三者に対し負担する責任にもとずいて︑第三者にしなけれほならない給  

付を填補しなければならない﹂と規定した︒これに崩し理由讃二三八頁︶は次のように述べている︒﹁琴二者の詣求が明  

らかに理由ありと考えられる場合には︑去任保険の任務は︑被保険者の第三者に対する給付を填補することだけに存するの  

であって︑第三者の請求を拒けることにあるのでほない︒このような場合においても︑被保険者ほ保険者対第三者間の訴訟  

を前提としてのみ保険者に填補を請求出来る︑というのでは︑それは︑貴任保険の経済的目的にも反するし︑ま空般の法   

律観念にも反する︒保険者が被保険者に対する第三者の詣求に対し法的防禦を講ずるのほ︑保険着日身の利益をはかをため  

にほかならない︒保険者は訴訟遂行に関与することによって︑被保険者の第三者に対する義務が最少限度に止められること  

を欲するにすぎないのであって︑保険者が訴訟の遂行を引受けるという約款の定めは︑必ずしも責任保険の本質をなすもの  

ではない﹂と︒これによって︑立法者の意図がゲオルギィ流の見方を拒けるにあることがうかがわれるが︑仙四九条の右の  

ような規定によりゲオルギイの見方ほその法律的支持を失い︑その後学説上も頓妃力を失うに至った︵諾l・Se義e√aa〇・・  

S.記︶︒ゲオルギイ的見方に反対する論者として︑例えばハーゲンほ次のように説く︒﹁ゲオルギイの見方は︑毘任保険に  

よって果される二つの機能︑︑すなわち︑損害の填補と法的保護を統山的に把握し︑法的保護をもって式任保険の第両次的か  

つ最高の原則としようとするgeist邑cFな試みにょって艮かれてはいる︒しかし︑法律転よるも約款紅よるも︑損害墳補に  

︵三八こ 二三    フレヒトハイムの芸任保険請求権論︵こ  

(24)

︵三八二︶ 二四    第三十巻 第四号  

とって基準となるのは︑損害を惹起する事実の発生であ?て︑第三者の請求があったことではないが︑これほゲオルギイの   

説とは結びつきがたく︑ま尭被保険者ほ刑事貴任を問われた場合にほ法的保護を受けるについて特に大きな利益を有するに   

拘らず︑保険者を訴訟の遂行に協力するよう強制できない点も︑ゲオルギイの説をもってほ説明出来ないであろう﹂と︵Ha・   

驚コ.G岩CFOtSBei≡geBd.声S.警芦⁝derse冒2.宕rsic訂2n顎reCぎS・N遥︶︒しかし私はむしろ︑ゲオルギイの  

いわゆる法的保護︵端的鱒言えは︑被保険者に対する撃二者の理由なき請求の排除︶をあまり強調すると︑責任保険の保険   

たるの性格が疑わしくなって来るのではないかと思う︒−もとより︑いわゆる法的保詭の機能が茸任保険の中に含まれえ  

ない︑あるいは含まれるぺきでほない︑というのでほない︒どちらを主たるものとみ︑どちらを付随的なものと見るかの問  

題である︒なお拙稿・前掲四九貰註︵5︶参照︒  

︵茄︶いうまでもないことであるが︑一九三九年の保険契約法の山部改正で︑一五六条に新らしく第一項として保険請求権の処分  

の効力を制限する規定が加えられ︑本文にかかげた旧規定にあたる規定は︑同条の二項となっている︒  

︵26︶拙稿・前掲三八真以下参照︒  

︵27︶その行使の方法については規定がないが︑質権にもとずく別除権の場合を類推している︒すなわら︑民法山二八二条を類推  

して︑被害者たる第三者は壇接保険者から保険金の支払を求めうる︑とされる ︵Men邑−KOmmentaHNu︻Reic訂kO旨已S・  

〇rdnu点﹀−¢N∞−ヱA〇m.ひCd−.S.P ゆ念An芦呂−S・N遥⁝P違ぷ−て当 Anm・∽・︶︒  

︵嘉︶N.B・Mittle︻−只Omm2ntむr︐S・空中  

︵29︶F−ecbtheim一LN・−苫00ーS・雷−f∴LN・−讐○﹀S・00まf・  

︵未  完︶   

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