我国の原価計算書を見ると製造間接費の配賦ほむしろ予定配賦を原則とすべきであり又実際上もかくするという
夙に述べられその理由として通例日計算の迅速性㈲生産量の季節的変動に基づく間接費負担額の変動を除去し原価
の比較性を確保して原価管理上又は売価政策上有効なる資料を獲得すること等が挙げられている︒しかしこのよう
な理由を読んだ時何かしら毎月の実際原価計殊による実際配賦率が轟実の原価であって予定配賦率則ち通常意味す
るところの予定正常配賦率は唯単に価格政策とか原価管理のために採用される便宜的な原価であって財務会計上真
実の原価でほないような印象を受けることが多いのである︒しかるに又黒沢教授﹁企業の経営と原価計算﹂を見る
と正しい予定こそ寧ろ真の意味の実際であるとされ何かしら予定正常配賦率がむしろ哀実の原価であって毎月の実
際配賦率が却っで轟実を現わしていないような印象を受けるのである︒とすると製造間接費の予定正常配賦率が果
して財務会計上真実の原価であるか否か︑それほ果して政策上の便宜的な原価妃過ぎないものであろうかという疑
問が生じて来る︒似下においでほこの問題をアメリカの原価計算学者の所説を参照し乍ら検討し併せて之に関連し
て遊休費の問題を考察し度いと思う︒
製造間接費の予定正常配賦率
製造間接費の予定正常配賦率
上︑康 男 井
︵二七︶ 二七
製造間接費の予定配賦率と云えばそれほ次の年度の予想生産崖に基く一カ年の予定配賦率を意味する場合と一経
贋循環期間の年平均生産量に基く山カ年の予定配賦率を意味する場合との二つがあ灯アメリカ原価計算において臥
予定配賦率といえば通常この両者のいずれかを意味している︒ブロッカーほ前者を正常配賦率と呼びその他の学者
は後者の衣を正常配賦率と呼んでいる︒
扱て製造間接翠の配賦に閲しアメリカ原価計算においてほこの予定正常配賦率︵ブロッカーの正常配賦率及び
その他の学者の正常配賦率の両者を含めて意味する︶が広く用いられそれは原則でありオーソドックスでもある︒
そうするとそれは如何なる理由に基くのであろうか︒以下実際原価計算における予定正常配賦率の根拠がアメリカ
においてどのように理解されている秒かを探って見よう︒そのため先ずブロッカー︵B−OCker⁚COStAccOunting
−誤舎を考察しよう︒ブロッカー紅よれば製造企業の大多数ほ製造間接費及び生産量の双方において月々のシーゾ
ナルな変化を有している︒
固定資産税︑減価償却費︑地代︑保険料︑給料等ほ毎月山定不変の傾向を有するが修繕費︑′光熱費︑動力彗問
ひ窪 接材料︑間接労務費等は毎月その金額が変化する︒修繕費ほ生産鼠盟の少い閃な月に修繕がなされること多くして発
生する︒光熱費は比較的生産箪の少い冬期の月に最大となる︒動力費︑間接材料ほ生産量の大なる月は大となって
行くが蟄竺単位当りは逓減して行く場合がある︒叉生産還においても毎月製造間接費に劣らず季節的な変化があ
る︒間接費及び生産還の季節的な変化のあるかような余栄払おいては通例季節が∴循環する期間すなわち一カ年の ′
平均則ち予定正常配賦率を用いなけれはなノらない︒則ちブロッカーは次の山カ年の予想生産畳及び間接費予算紅基
第二十九巻 第.一号︵二八︶ 二八
く平均配賦率を正常配賦率 ︵nOrma−0諾旨ead′rate︶ と呼び将来の一経済循環期間の年平均生産量を基準とす
る正常配賦率を顧慮していない︒しからは彼の意味の正常配賦率を用いる根拠を彼は如何なる点に求めているので
あろうか︒
、−∴ ∵…∴_m・・
製造間接姦偶雪男 製
造
間 接 費 の 予 定 正 常 配
賦 率
$14,9フ3165,100
彼によれば原価ほ工場︑部門︑作業中心点の生産能率を比較す
る目的のためあるいは又価格決定の基礎として経営者に用いられ
る︒斯かる目的連取転役立つため軋ほ配賦率は山原価計算期問則
ち二カ月の実際配賦率であるよりほむしろ平均則ち正常配賦率で
なければならない︒
例えば次の表において実際原価が用いられるならば間接費の配
賦額は毎月生産鼠の高低によって同一種類の製品紅対しても一単
位当り差異を生ぜしめるであろう︒
扱で実際原
う原価高のため不採算であるので経営者は受注を中止しあるいは
売価を引上げようとするかも知れない︒.
かかる政策が採られれば愈々需要が減退する結果生産量を締少
せざるを得ずかくてほ小単位当り実際間接費も益々高くついて企
業を不幸に導く恐れが存在する︒女八月に率いて一単位当り間接
費〇・一五ドルという原価安のために経営者は高い利益に不当に
︵二九︶ 二九
幻惑されて適正な方策を誤まるかも知れない︒
何れの場合も真の原価は経営者には与えられない︒それ故間接費ほ予算期間別ち通例山カ年の全生産畳において
考えられなければならないという︒
ブロッカーの右のような理由は果して十分なものであろうか︒財務会計においてはその製品を生産するため紅費
潤されその中に価値が流入したものが棚卸原価を構成する︒プロッか卜の説明によればその月の実際原価ではない
が︑能率測定のための原価比較や価格政策に役立つために正常配賦率が財務会計においても真の原価であるという︒
︑ の椰卸原価として真の原価であるということほ必然的には出て来ない︒それ放この点においてブロッカーほ正常配 周知の如く原価計算ほ財務会計に奉仕する原価計算︑原価管理に奉仕する原価計算︑価格政策等の特殊原価調査
﹁ に奉仕する原価計算に大別される︒
そして三つの原価計算蔽おける製品原価の概念は異なり得る筈である︒価格政策に役立つから従って財務会計上
賦率を真の原価であるとし乍ら尚その根拠において十分であるとはいい得ない︒ブロッカーほ大多数の企業正二年
の問私学節的変動が完全な仙循環を経過す・るので正常率引算の期間は山カ年に対してなすのが良いであろ㌢とい
う︒則ち二カ年の各月に対し生産愚が個数︑直接労働時間︑機械運転時問等で予定され合計して十二で割って毎月
の平均配賦基準鼠を算出する︒同様に一カ年の各月に射し間接費予算が個々に設定され合計して十二で割って毎月
の平均の間接費予鈴が算出される︒後者を前者で除して予定正常配賦率が求められる︒正常率の計算が正確に予測
されているならば毎月の超過又は不足配賦差額は存在するにしても一カ年末には実際間接費合計と配賦製造間接費
合計は山致するであろう︒
配賦差額の処理に関しては 第二十九巻 第 仙 骨 ︵三〇︶ 三〇
② 不正確な正常率に.よ▼る配賦差額の処痙
正常配賦率の計算の不正確による差額は補充率法又ほ比率法によって仕掛品−間接費︑製品︑売上原価を正しく
正常配賦額軋訂註する︒︵若し差額が小であれほ直接税益勘定へ落して良いであろう︶
⑨︑異常な条件による配賦差額の処理
火災︑洪水による損失のために要した巨額の修繕費を現わす間接費差額の部分ほ直接損益勘定又は未処分利益剰
余金勘定へ賦課する︒同様にスト⊥フィキ︑原料不補充︑ボイラー爆発による生産棟止のために異常なアイドルタイ
ムが生する︒これ等ほ異常に生産活動を縮め当期の生産亀ほその間接費の割り当てられた分け前を吸収することが
出来ないであろう︒更に異常な従業員の慈恵叉ほ鈍重な怠惰によって異常な間接費配賦差額が生ずる︒これ等の差
額ほ直接損益勘定又は未処分利益余剰金勘定へ賦課する︒
以上のブロッカーの思考において強く見受けられるのは仙年末における実際原価へ伊復帰である︒
以上においてブロッカーの正常率に関する所説を略述した︒彼は正常配賦率の根拠ヒして原価管理︑価格政策等
に役立っ原価であることを挙げている︒そしてそのことが取りもなおさず財務会計において其の実際原価となる理
由であるとしている︒しかし乍らかかる説明ほ正常率が真の原価である理由付けとしては不十分であるとしなけれ
製造間接費の予定正常配賦率 ︵三一︶ 三山
① 季節的な条件による配賦差額の処理
正常配賦率ほ二年間に捗って予定されたものであるからこの配腰率の計算が正確であると考えられる限㌢毎月の
配賦差額ほ繰延べられ月次計瀞番には繰延費用叉ほ繰延負債の形で載せられる︒一年末に尚残高があれほそれほ季
節的な条件によってでほなく正常率の計算の不正確紅よるものであるからこの差額ほ損益勘定へ落す︒︵若し差額が
大であれほ次の②によって棚卸資産の調整をなさなげればならないであろう︶
ばならない︒
マツツ︑カリイ︑フランク ︵Matz﹀ Curry︸ FrankCOSt.AccOunti晶−誤植︶ によれば彼等は製造間接費の配
賦において仙般に脚力年の予定生産量に基づく予定配賦率又は将末の山経済循環期間の売上予想に基づく年平均生
産最を基準とする正常配賦率︵彼等はこの配賦率のみを正常配賦率と言っている︶ を用いる理由として次の如く述
べている︒山カ月に発生した実際間授費を同月に生産された生産物のみに配賦する事ほ非実際的な手続である︒
例えば地代ほ固定費であるがその発生した月軒のみチャーデすべきであろうか︒然りとすれげ毎月の生産量の増
減紅よってその一単位当り配賦額が変動することとなる︒これは衡平な方法でほない︒叉修繕費ほその発生した月
のみのチャーヂとすべきであろうか︒修繕費は一カ月以上の長期間における摩損の結果であって仙カ月のみにチャ
ーデすべきではない︒こういうような不合理を避けるためにマンスリイレイト軋よらずして劃カ年の予定配賦率に
よ告それは併せて計算の迅速性の要求をも満たすものである︒次の一カ年の予想生産畠に基く予定配賦率は将来
の仙経済循環期間の一カ年当り平均生産藍則ら正常操業度に基づく次の一カ年の予定配賦率即ち正常配賦率に比較
しで理論性を有していない︒それ放それほ正常配賦率程広ぺ用いられていないという∵﹂こに正常配賦率の理論性
とは何であろうか︒それは一指図書又は製品山単位は単年貨産最が今年ほ去年より大であって固定費がより多くの
′ 個外指望支は単位数に割り当てられたからというので去年より戊少い固定費配賦率をチャーデぶれるべきではな
いという主張に基づくものである︒正常庶賦率は次の公式で計算される︒
第二十九巻 第一号
勘轟帯締掃市街耳か
勘轟苅淋陶芦皆耳か躍覿桝傭脚
労㊦−単罰学聯躍如濁溺苅雄謬盛 和讃河東倒 ︵三二︶ 三二一年末における間接費配賦差額の処理はこれを売上原価勘定又ほ損益勘定へ全額落すのが最も通常行われている
一仙つの方法であるという︒
次にローレンス︵WりB.Lawrence⁚COStAccOピntin閃−澄ヰ﹁に移ろう︒ローレンス・は間接費の予定配賦匿おい
てブロッカーの意味ので年の予定生産量に基づく配賦率を予定配賦率として考えている︒彼にょれば製造間接費を
原則として毎月実際配賦率を以て配賦せず蒜の予定配賦率︵不適当な率ならばもっと短い瓢間をとる︶を以て配
賦する理由上して第一に討算の迅速性と・いうことと−年紅十二回も毎月マンスリイレイトを計算サることが煩雑で
あるということを主として述べている︒
そしてこれに附け加えて脚年の予定率は次・のような種々なる会計上の問題を避けることができるとしている︒
−■即ち彼は季節的条件が一年内に循環すること砿主眼を置き生産鼠がシーゾナルに変動する毎月において保険料︑
固定資産税︑減価償却費等の固定費は一年の予定配賦率にょって始めてかかる固定費を期間的計算ではなくして対
象的に計算することができるという︒︵iニspOSSlb−2こbrO烏F−h2uS20巾ann邑む2SこOapp肯t訂in−
directcOStS Onthebasis Of p岩d宍tiOnfOr WEcF−hey w2r2inc彗蒜d rat訂r thanby th2p2riOd in
僅tFeyw2re incu笥ed・︶
又多くの間接費は不瀾則な間隔を置いてその使用に先立って生ずる︒棚卸する軋㍑余りにも煩雑な小器具︑消耗
品︑ドラム錯で工場に渡され︑るがその使用はガロン毎になされる油等はその例である︒かかるものは工場に引渡さ
れた時会計上全額費用として製造原価■に落されるが実際はその渡された月にはその一部分のみが使用されるにすぎ
ないのである︒との欲点は予定率の使用紅よって除去されるⅥ叉修繕瞥は以前の月の生産にょる破損の修理であっ
てその発生した月の生産量bみにチャーデすべきではない︒会計士中ある者は修繕計当金を設けて修繕費の見積額
︵三三︶ 三三
製造間接費の予定正常配賦率
夷際原価でほない︒実際原価と標準原価の混血児よりも実際原価叉ほ療準原価のいずれか∵万札徹する方が会計記 録において竺層望ましいと述べている︒蓋し将来の表済循環期間に渉たる生産量の見積が極めて曖昧であるか らであろう︒間接費配賦差額の処理虹関しては大体ブロッカーと同一の見解を採っている︒
以上のマツツ︑晋イ︑フヰ/ンク及びローレンスにおいて見られる予定正常配賦率の財務会計上原価として正当
である理由の説明誉れが価格政策や原価管理の食め担有効だからという理由よりはむしろ予定正常配賦率︵蒜
︵三望 三組第二十九巻 男山号
を予め原価として落すかも知れない︒しかし乍ら修繕費と同じ性格の他の間接費に対しては引当金を設けて予あ原
価に落すことを通常しないのである︒
以上が一年の予定配賦率を採用する理由の大要である︒
山年の予定率は通常次の一年に対する見積にょっては次のよう笹計算される︒
見積直接労務費…u
弗12,000見積間接費
間接労務費
弗2,200消 耗 品
600工具器具 2,000
動 力 費 500
修 繕 費 500
固 定 費 1,200
そ一−の 他
200
合・計
盈_
弗7,200÷弗12,000=60%
直接労務費トドル 当り予定配賦率
間軽費を固定眉七変動費とに分けて各個に配賦率を適用する
ことは原価管理上有効である︒このためにほ間接費の各項目を
個々に固定費と変動費に分けることが必要である︒固定費と変
動費に対し別個の配賦率を用いる時変動費に対しては一年の予
定配賦率を︑固定貿に対しては将来の融経循環期問の平均生産
畳に基く正常配賦率を適用せんとする試みがある︒その結果は
良い原価︵G00dC邑︶を生ぜしめ得るけれどもそれは実際の
アクチュアル・な原放ではない︒それは直接材料琴直接労務費︑
変動間接費紅対しては実際原価であるが固定間接費転関しては
の予定配賦率又ほ一経済循環期間の年平均生産盈紅基づく正常配賦率︶がその響叩を製造するため紅費消せられた 真実の実際原価であるという考え方に基いている点が見受けられることである︒このような考え方則ち予定配賦率
こそ真に費消せられた実際原価を求めんとするものであるとする思考は次のプアソスの所説紅おいて最も明快紅述
プアソス︵LawrenceL.ぎnceいTFe雪yandTecFniq莞=ちC︒StaCC呂ntin甲﹂墨琵︶にょれば彼も叉次の 一年の予定生産量に基く予定配賦率と将来の一経済循環期間則ち幾年間かの年平均生産量に基づく正常配賦率を区
別し前者をア一三アル︑オバヘッド︑レイト︵ann畠−○諾rFead邑e︸後者をノーマル︑レイト︵n︒rma−rate︶
と呼んでいる︒ある月に発生した原価はその後の数カ月の生産のために発生したものがあるかもしれない︒それ敵 毎月記録された間接費をその月の生産物にのみチャーヂするなむば極めて有効な原価を得ることは屡々不可能であ ろう︒季節的条件は多くの場合一年内で循環するが毎月の操業度及び間接費の変動軋基く実際間接費配賦率の変動
は誤っ︑た判断に導き正当ではない︒ それ故通例の実務は一カ年紅対しある一定水準の間接費発生総額とある一定水準の生産量を見積り劇年を通じて
用い得る各部門毎の間接費率を設定することでるる︒ アメリカ原価会討士協会会報山九三八年四月骨申﹁間接費配賦及び正常操業度計算の夷務﹂にょれば調査対象二
首二十四会社中九㌻五%が予定のアニュアルレイト又はノーマルレイトを用い残余の僅か八・五%が一カ月の実
際間接費率にょっているに過ぎなかった︒
又一九三八年以後︑実務は.この点に関してほ明らか紅変化はしていノないという︒更にグアンスは標準間接資率の
設定に関する箇所で次の如く述べてぃる︒
製造間接費の予定正常配賦率
べられている︒︵三五︶ 三五
第二十九巻 第一‖つ ︵三六︶ 三六
正常標準︵nOrma−staロdards︶は長年月に捗る平均率が間接費率設定の基車であることを要求する︒この見地
は固定費の場合において正当である︒何となれほかかる固定費︵例えば減価偵却費の如き︶に対する会計の目的ほ
長年月の・生命を持つ資産あるいは支出の原価をそれにょっ.て可能な打し計られる生産物に割当てることであ毛低
い操業度の期間において生産された生産物が高い操業度の期間において生産された生産物よりも減単位当りより多
くの固定費を持つととを期待されるべきでないと論ずるのは正当である︒如何となれば前者は後者よりその固定設
備からより多くの恩恵を受取
金原価をその設備が廃来される迄の全期間紅捗って割当てることのみが必要なことなのである︒これほ機械時間
法のような減価償却のサービス単位法の結果に導く︒製造間接費はこの理由付けが適用できない多くの変動間接資
せ含んでいる︒明白な解決策ほ間接費を固定費と変動由紅分ち両者に別々の配賦率を用いることである︒この場合
正常配賦率を固定費及び準固定費に又帥年の予定率を変動費軋適用すれぼよいであろう︒これは良い解決策である︒
しかしそれほ二つの欠点を持っている︒一つは計算労力を多く要すること︑二は将来の幾年に捗るこ讐堕循環期問
の
ることが仙般に好まれる理由であると︒
それ故グアンスの結論としては異常に低い生産水準を除いて一カ年の予想生産量転基く予定配賦率が全ゆる状況
を考慮するせき最も実践的である︒このことほ固定費と変動費之を区分し各々に対して別個の配賦率を用いること
によって一層好ましいものに仕上げられるであろうという︒間接費配賦差額の処理に関してはブロッカーと同山で
ある︒右において明らかな如くグアンスにおいては寧ろ予定率こそ真の実際原価であるという眉え方が強調されて
いるのである︒
ペイトン︑リトルトンの会社会封基準序説 ︵AnintrOducti︒nt︒COrp︒rate aCCe雲ting standaas・AJA︸
A︸ 忘会︶も工場建物機械の減価償却においては生産高法が最も適当な盈準であろうと述べ ︵併し今日のアメリカ
では定額法が最も広く普及ほしている︶又イギリスのビッグ︵Big的⁝COSt AccO仁ntS−党岩︶も予定配賦率として
将来の州経済循環期間の正常操業度に基く正常配賦率を推奨しその理由の第劃として原価計算の主要な目的は製品
の各単位に流れ入った価値を明ちかにすみことであるが正常配賦率にょらないときは各製品の単位原価ほ製造に関
係のない要因によって変動し原価計算の右の主要な目的ほ逢せられないとして毎月の生産品の増減にょる固定費配
賦率の変動を排斥しているのである︒ たと 扱例えば磯城の減価償却費が時の経過と共に発生し期間的に費消されると解するならほ〟カ月の中でも夜間とい
ぅ期間に対応する減価償却費ほ遊休蟄とし昼間に対す古城価償却費のみを製造原価紅算入することが理論的で為
る︒しかるに原価計算が夜間の減価償却費をも製造原価に算入するのほ理論的に言えばその機械の据付より廃棄迄
の年間に生産ざるべき製品のために機械を買入れねのであるからこれ等製品全体に減価償却費は割当てられるぺき
である︒しかも各製品ほその機械から均等な恩恵を受けるのが通例であり例えば同璧耕の製品であり乍らその中
のある製品のみが毎月の操業度の変動によってその機械から特に大なる恩恵を受け取るということはない︒
これが機械の減価償却費の予定正常配賦率が奥の実際原価であると考えられる根拠である︒単に価格政策のため
に配賦額を平均化せんとするのみでほなくしてむしろ均等な配賦額が眞に費消せられた実際原価であると考えられ
るのである︒かかる予定正常配賦率の考え方は少くとも従来の毎月の実際間接費配賦率に比較して山屑適正な考え
方であると思われる︒変動費を生産鼠軋正比例するものと仮定すれぼ間接費の正常配賦率こそ真に貴消せられた実
際原価であるという主張も存在し得るであろう︒正常配賦率は減価償却に閲し定額法と結び付くものであろう︒
製造間接費の予定正常配賦率 ︵三七︶ 三七
︵三八﹀ 三八
第二十九巻第一号 勿論グアンスの言う正常配賦率の板底にほ各経済循環期間毎の生産量ほ同一であるという仮定が構わっている︒ 一般に固定費及び準固定費にほこのようなノーマルレイトの如き考え方を適用し得ると説かれる︒ しからば将来の一経済循環期間の年平均生産量に基づく右の正常配賦率は果して財務会計上少くとも固定費に関
して轟の実際原価であるだろうか︒ ダブンスは固定莞び準固定費転封してほ正常配賦率を︑変警に対してほ毒の予定率を通用することが良い 解決策だとしているが例えば固定資産の減価償却費監常率姦用することが理論的に適正であろうか︒それはそ
の固定資産の取得原価表存価額を除く︶をの生存全期間の蓋可能な製品覧等に倒当てる手段便法として正
常配賦率農用するのであるが.当該固定資産の耐用年数と−魔済循環期問の年数︵又はその倍数︶が表するならば 正常配賦率を適用して実際原価を得んとするごとも理論的ぬ涙妥当であろう︒しがるに実際ほ表せず又蒜済循 磯期間よりも短小数年の耐用年数しか有しない固定資澄も蕗蒸する︒かかる固定墓の減価償却費転関して正常率 を適用してもその固定資産の据付より廃棄迄に生産可能な製品へ固定費を均等紅割当てることは不可能となる︒ 他の固定費及び準固定費に関してもこのことは言い得ることであるひ特竺経済循環期間の平均生産崖墓づく 正常配賦率の主要なる欠陥ほその正常生産量の決定が極めて曖昧なものであるということで雪・︒
それ放我々はプロッカ去ロトレンスやプアソースの最後の結論の如く一カ年の予定生産法正基づく予定配賦率︵
ブロッカー揉これを正常配賦率と呼んでいる︶で我慢しなければならないであろう︒ 併し乍ら言年の予定配賦率を以て真の実際原価であると考えるとしても例えば冬季のみ軋発生する暖房費は如 何に解決し得るであろうか︒季節的変動警告暖房費ほ冬季の芝生じたものは冬季の仕産物の乏チャーヂさ れるぺきであると考えるのが我々の常識である︒しかし工場によっては壁蛋を冬季に特賢して要しない工場も
あり叉要するとしても通例その金額は小であろう︒したがってこれを一カ年の予定配賦率中佐解消しても大して
実際原価をゆがめることにはならないであろう︒︵若しゆがめるような場合は別経理して冬季の生産物にのみチャ
ーヂすべきであるけれども︶以上の如く解することにょっで始めて一年の予定配賦率︵ブロッカーの正常配賦率︶
が奥の実際原価であるという理由が納得できるのであるりそれは併せて事務酪率︑価格政策︑原価の比較性にも役
立らものである︒
途中において消費財の価格が著しく変動したり固定資産を増設した様な場合ほ勿論山年の予定率を訂正すべきで
臥る︒ 三
以上述べた所軋よって一カ年の予定配賦率を適用するのが財務会計上真の適正な実際原価を獲得する所以である
ということが言い得るであろう︒とするならば遊休費を決定する方法紅おいて㌢﹂のことが考慮されなければなら
ない︒遊休費は主として固定費について生ずるめであるが︑
法人税取扱基本通達は次の如く規定している︒
﹃副八〇の五︑次に掲げる費用は﹁山八〇の三﹂ の製造原価に穿入しないことができるものとする︒
H〜内省略
㈲偶発的原因に因り生産を相当期間払わたり休止した場合における当該休止期間に対応する費用﹄
右の規定を解説した梯卸評価の改正通達遜条解説︵湊虎之助氏産業経理欝十三巻第七号︶においては次の如く解
説せられている︒
﹃逐条解説第三章生産した椰卸資産の取得原価
製造間接費の予定正常配賦率 ︵三九︶ 三九
第三疑義のある原価項目
十八スト停電等にょる損費
一八〇の玉田ほ﹁偶発的原因にょり生産を相当期間にわたり休止した場合における当該休止期問に対応する費用
﹂を製造原価紅算入しないことができるこ七を定めている︒
\い 主としてストライキ︑ロックアウて卜︑停電等の場合を想定して規定されたものである︒規定の仕方や表現につい てきだ検討を要するのみならず具体的事例に適用した場合の妥当性の程度も明確に把握できなかったが原価不算入 を認める意図のあることを宣言するとざ竺応の基準を示すこととしたものである︒
先ず﹁相当仇期間にわたり休止した場合﹂を要件としている︒ごく短期間の生産休止であって予定きれた操業度
差異に吸収される程度のもの腰認められない︒相当の期間であるかどうかの判定もこの点から行われなければなら
な︒
大体の眉安としてほストの場合は山カ月程度︵半月を主張している法人もあり必ずしも不当でもなかろう︒︶を考
えている︒停電は単なる停電延日数で判定す㌢﹂とは適当でほないであろう︒休電日を休日として日曜日払出勤せ
しめる等の措置を講ずることができるからである︒
﹁当該休止期間に対応する費用﹂とは若干輿論もあって正確な解釈ほ後日に譲ることになろうが期間的に把握で
きないか︑又堰仙定の仮定の上に立って始めて把握できるような顔用︑例えば棚卸減耗費等迄原価外にすることを
否定しようとする意図にょるものであ竃︒従って当該休止期問において発生したことが明らかである支払経費や期
間比で把握しでも全然疑問の余地のない減価償却費や不劉産賃借料や当該休止期間中における消費量を計量器等に
ょり正確に計算記録している場合の電力料︑水道料︑ガネ料等ほ対応する費用に含めてもよいと考えている︒衛兵 第二十九巻 第一号
︵四〇︶ 四〇体的な実例につき判定してケースメソッド的に取扱を追加していき度いと思っている︒
十九︑操短にょる損費 操業短締にょる損費の原脂性についてはかなり問題がある︒操短の目的は不当な競争を防止して売価を維持する
こと軋ある場合が多い︒
従って操短にょり原価高になっても人為的に維持されている高い売価にょってカバーされるからすべて製造原価
に静入せしめても不当ではないという見解も部内軋存在している︒更に操短にょる損皆のうちいかなるものを原価
外にすることを認めるかの基準を算定することも容易でほない︒そこノで操短紅よる損蟄のうち著しいものについて
原価外経理を認める方針は有してい為が具体的基準ほ今後の具体例の研究をまって定めることとして規定を後日甘
藷ることとなった︒﹄
逐条解説は﹁当該休止期問に対応する費用﹂とほ当該休止期間において発生したことが明らかである支払経費や期
間比で把握しても全然疑問の余地の無い減価償却費や不動産賃借料︑一当該休止期間中における消費量を計量器等に
より正確に記録している場合の電力料︑水道料︑ガス料等ほ対応する費用に含めてもよいと考えているとしている︒
しかしながら当月に妄払った支払経費でおる修繕費を当月の生産にのみチャーヂすることは不適当な場合が多
い︒如何となれほ修繕費は稗産の閑散な月に発生することが多いからである︒又期間比で把醸しても全然疑問の余
地のない減価償却欒︑賃借料等の固定費を期間比で遊休費紅含めることほ毎年毎月の生産が同山数鼠である場合ほ
適当であるかも知れないが生産量の季節的に変化する場合掛定瞥の予定正常配賦率という観点から見るときほ不適
当である︒然らば遊休費はかかる場合如何にして求めるべきであろうか︒
ヴアンス ︵前掲書︶ は遊休費に閲し次の如く述べている︒
製造間接費の予定正常配賦率 ︵四こ 四山
で.求められるがとの計算の基礎となる正常操業度人正常生産藍で現わされる︶には次の二つの意味があると言う︒
一︑実際的製造能力︵practica;−antCapacity・p︒tenti莞︒p甥atingCapac首︶注文の欠乏が無いと仮定
した時工場の実際に生産し得る生産盈で最大の一喝論的操業度から修繕︑故障︑材料労務の欠乏︑手待時間︑段取時間
その他の生産準備時間︑労務の不能率等注文の欠乏以外の不可避の立常な作業休止時間に対する余裕を差引いた操 第二十九巻 男山号
︵四二︶ 四二﹁不厨気の状態の時ほ遊休費が存在する︒遊休費が製品に附加される時ほ必ずや販売価格に比較して余りにも高
く恐らく極端になれば販売価格以上に製造原価を上昇せしめるであろう︒その解決策は全ゆる間接費が配賦される
瓢品の生産数量に最定の生産数量を設定することである︒
この事は生爵が最低数畳以下に減退する特用いられあ最大限度の間接疫配賦率を与える︒間接費を固定費と変動
費に分離して別個の配賦率を用いることはこういう場合風解に望ましい︒如何となれは変動費は生産鼠に比例して
増減し固定費は遊休費原価か含むからである︒間接費率を計算するために生産数患に最低限度の制限を置く場合最
低限歴として用いられる生産水準を正確に計算すること尤困難であり憩らく具体的決定に当ってほ個人的判断が混
入してく牒であろう︒しかしながら一般に用いられる最低数畳は金製造原価を回収するに足る収益を獲得するに必
要な山年間の最低生産鼠を現わすべきであろう︒如何七なれほそれより大なる配賦率ほ製造原価聖冗倍以上に上昇
せしめるであろうからである︒この最低生産数慮は価格が変化すれば変更すべきであろう︒
結論としては異常に低い生産水準を除いて小年の予定配賦率が仝ゆる事情を考慮して最も実践的である﹂と︒
ラシグ︵Lan明いCOStAccO喜tantS.Handb00k−誤○︶紅よれは正常配賦率は
臣事薄淋掃閂敏耳か労㊦−払 勘轟締閑帥︵躍東隣儲d園計ヰ︶ 倒㊦細部或苅塘敦盛 勘諌発売磯
八〇%に固定されている︒
各部門の固定費が決定される︒これは監督︑慧等の給料︑固定的間接労賃︑聖的燃料費︑漂償翼
保険料︑固定資産税等を含んでいる︒
毎月作業時問票の分析誓って笑覧励時間+不可避の不働時間合計が決定されて小る︒
靭の時間合計を正常時問で割る︒ 不可避の作裟休止
製造間接費の予定正常配賦率
C遊休能力 ↓、
†的能♯ ▲Tl−1⊥際造 実製力
D
ー ←
A A
祐生産する能力に基そ。
業度で現わされる︒ 二︑平均能力︵a竃ageCapac草Capclty訂se?OnnOrma−
sa−ese蔓CtanCy二〇f aperiOd︶季節的又経済的原因写る生産量 の増減を平均化する程十分長い将来の壷済循環期間の平均の需要を
満たすに必要な平均的操業度︵年平均生産量で表わされる︒一般ぬ 正常配賦率の計算′驚いては竺の意味の操業度が採用される︒以上 の概念の相違にょって遊休費の出し方が相違して来るのである︒ラン グの原価会封士ハンドブックには遊休費の求め方として次のような方 法が紹介せられている︒
﹁アルデソ︵a−den∵芦A・C・A・Yea昌00k−竪︶造休費の計 算方法を次の如く述べている︒ 叫工場は各部門に分れ各部門の言月の正常時間は理論的能力の
︵四三︶ 四三
を求める︒
㈲ 遊休時間比率を固定費に掛けて遊休費を出す︒
補助部門においては工場全体の遊休時間比率を用いる︒﹂
以上のアルデソの正常時間ほ理想能力の八〇%となっているので実際的製造能力に基いていると思われる︒
一般賢−マルな生産上の損失は製造原価\に算入しアブノーマルな損失︵abnO呂a=OSS︶ほ製造原価に算入し ないことが一般に認められた会計実務であるとラングほ述べている︒
とするならばアルデンの方法誓って計算された遊休費申ノーマルなものほ製造原価へ算入⊥なけれぼならない であろう︒以上のような事を考えるならば例えば次の如く固定費によって生ずる遊休費を封算できるのでほあるま
いか?由定費ほ将来の最大需要を満たす生産鼠をも含んで将来の生産のために支出せられ牽経営準備の費用であ る︒従・つて生産畠及び間接費の季節的紅変動する企業匿おいて
餌例えば部門毎紅固定費について言年の予定配賦率を決定する︒訂場合遊休設備の固定資警除くことほ 勿論である︒
㈲現在の月の予算監ける見積生産量︵配賦基準で表わす︶申ストライキ︑停警卜異常な操短等によって
製造不能となった生産畳︵配賦基準で表わす︶を決定する︒
○ ㈱㈲の製造不能とな?た配賦基準率竺カ年の予定配賦率を乗じて遊休費を出す︒
逐条解説の﹁当該休止期問に対応する費用﹂中に期間比で把握した減価償却費や不動産賃借料等を含めるという
第二十九巻 第仙 骨ー00竣− 秀吉蒜警寧坤聖 勘誠意蜃 =轍蔀昂溺拝蘭 ︵四四︶ 四四
考え方ほ少くとも生産量の季節的に変動する企菜の場合一年玖予選配賦率が正当であるという立場からは適正であ
るとは言い得ないと思われるのである︒
遊休費の計算はむしろ適正なる原価計算基準に任せるという風に解説されるべきではなかったであろうか︒
四
以上において製造間接費の予定正常配賦率が財務会計上真実の原価であるかどうかの根拠を検討し更に進んで遊
休費の問題に触れてみた︒
その内容を今二炭要約すると次の如くである︒
叫 我国の現場のエ場ほ製造間接費の配賦において毎月の実際配賦率にょるむのが相当数あると思われるがそれ
は理論的には特に生産皆の季節的に変動する企業に於いて濾正当性に乏しい︒・一カ年の予定生産鼠に基づく予
定配賦率︵その計算が正確である限りにおいて︶こそ真の実際原価であると考えるのが適正でありそれは叉事
務能率︑価格政策︑原価管理等にも役立つものである︒而して予定率の計算が正確である限り一カ年の決算期
未払於いて実際間接費合計と配賦間接費合計は一致するものである︒
㈲ 糾によって間接費配賦差額の処理に関してはブロッカーの方法が妥当である︒
朗 遊休費の決定の仕方紅ぶいて法人税取扱基本通達山八〇の五鱒における﹁当該休止期間に対応する蟄用﹂を
固定費に閲し厳密な期間比にょって算定せんとする考え方は再考を要するものがある︒
︵一九五六・二・二こ
製造間接費の予定正常配賦率 ︵四五︶四五
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溝口一雄著 改訂原価計算一四五首∵
井上︑番場︑掛本共著 例儲原価計算精義・八八負及び劇二四貫
黒沢括著 企業の経営と原価計算一入〇景 ︷四六︶ 四六