平成
29
年度 学士学位論文梗概 高知工科大学 情報学群ロールオフフィルタを適用したフィルタバンクマルチキャリヤ信号の特性
1180306 香嶋 弘太郎 【 ワイヤレスネットワーク研究室 】
1 はじめに
近年,身の回りのあらゆるものがインターネットに接続 される
IoT(Internet of Things)
が多く活用されるように なってきた.
膨大なIoT
の通信に対応するため5G
ネット ワークが検討されている.
その方式の一つにフィルタバ ンクマルチキャリヤ(filter-bank multicarrier: FBMC)
方式がある. FBMC
方式は, 4G
波形であるCP-OFDM
と比較して,高いスペクトル効率が得られる[1].
本研究室において,ナイキストの第一基準を満たした べき乗ロールオフ
(power roll-off)
パルスが提案されて いる. べき乗ロールオフパルスは,スペクトルのロール オフ特性を調整するパラメータを持つ[2].
本研究では, オフセットFBMC
のフィルタにべき乗ロールオフパル スを適用し,パワースペクトルとビット誤り率(bit-error rate: BER)
について検討する.2 FBMC 方式
オフセット直交振幅変調を用いた
FBMC
方式は,様々 な環境下でスペクトルを効率的に利用できる.このFBMC
方式の送信信号x(t)
は次式で与えられる.x(t) =
∑ ∞ n= −∞
x (R) (t − nT ) + x (I) (t − 1
2 T − nT ) (1)
このとき
, x (R) (t), x (I) (t) (0 < t < LT )
は次式で与えら れる.
x (R) (t) = h (
t − LT 2
) M ∑ − 1
m=0
e j2π
mTt j m b (R) m (2)
x (I) (t) = h (
t − LT 2
) M ∑ − 1
m=0
e j2π
mTt j m+1 b (I) m (3)
ここで
, m(m = 0, 1, · · · , M − 1)
はサブキャリヤ番号, M
はサブキャリヤ数, b m,n
はm
番サブキャリヤによって 伝送されるn
番メッセージシンボル, b (R) m,n = Re[b m,n ], b (I) m,n = Im[b m,n ]
はb m,n
の実部と虚部, T [s]
はメッセー ジシンボル長,L
はオーバーラッピングファクタと呼ば れる数,h(t)
は波形整形パルスである.3 べき乗ロールオフパルス
べき乗ロールオフパルス波形は次式で与えられる.
h p (t) = sin(2πBt) πt ·
{
1 − 4π 2 α 2 B 2 t 2 2 + 3β + β 2 ·
1 F 2 (1; 1
2 (3 + β ), 1
2 (4 + β); − π 2 α 2 B 2 t 2 ) }
(4)
ここで,
B = 1/(2T s ), α(0 ≤ α ≤ 1)
はロールオフ係数,β(0 ≤ β < ∞ )
はロールオフ特性を様々な形状に変形させるためのチューニングパラメータ
, T s
は干渉の生じな い最小のサンプル間隔である. 1 F 2 (a; b 1 , b 2 ; c)
は次式で 与えられる超幾何関数である.1 F 2 (a; b 1 , b 2 ; c) =
∑ ∞ n=0
(a) n (b 1 ) n (b 2 ) n
· c n
n! (5)
ここで
, (x) n = x(x + 1)(x + 2) · · · (x + n − 1), (x) 0 = 1
である.
4 性能評価
4.1
シミュレーション条件サブキャリヤ数は
M = 512,
メッセージシンボルはQPSK,
オーバーラッピングファクタはL = 3,
べき乗ロールオフパルスは
α = 1, β = 2
とし, オフセットFBMC
のパワースペクトルを求める.4.2
シミュレーション結果べき乗ロールオフパルスを適用したオフセット
FBMC (P rolloff FBMC)
と従来のオフセットFBMC
のパワー スペクトルを図1
に示す. べき乗ロールオフパルスを用 いることで従来のオフセットFBMC
のパワースペクト ルの帯域外放射を格段に低減できることが分かる.
(×1/T) 0
-50
-100
-150
-200
-250
-500 0 500 1000
Frequency[Hz]
Power spectrum density
[dB]
P rolloff FBMC
FBMC
図
1 FBMC
方式とP rolloff FBMC
方式の パワースペクトル5 まとめ
本研究では,べき乗ロールオフパルスを適用した