フーコー振子の簡単な説明法
宮 坂 忠 昭
( 平成 6 年 9 月 2 9 日 受理)
Ways of Simple Explanations of Foucault Pendulum Motion Tadaaki MIYASAKA
AFo u c a u l tp e nd u l u mu s e dt oe xp l ai nt h ee a r t hr o t a t i o ni sat e a c hi n gma t e a r i a l si n ma n ya p p l i e dp hy s i c st e xt bo o ks . Obs e r v e r so ft h eNo r t ha n dSo u t hPo l e se a s i l yu n d e r ・ S t a n dt h ec ha n ge so fpe n d u l u m mo t i o n,b u tt ho s ewhoa r ebe t we e nt hepo l e sa ndt he e q u a t o rha ved i f B c ul t yo bs e r vl n gi t sc ha n g e s .
Whe nwee xp l a i ns o meo ft h ec ha n ge si nt h es i t ua t i o no f仇eFo u c a u l tp e nd u l u m , t h i spa p e re n a bl e sust ogi v eo ne xpl a nat i o no f仇e mb yr e c o g ni z i n gt hef a c t仇a tl a n d s u r f a c ee xi s t so nt hes u r f a c eo fac i r c u l a rc o ne .
Asar e s u l t ,al o to fs t ud e n t sa r es a t i s f ie dw it h t h i se xpl a na t i o no fFo u c a u l t p e n d u l u mmo t i o ni t s e l fi np r a c t i c a le d uc a t i o no fa p p l i e dp hy s i c s .
1 . 緒 言
フーコー振 亭
・2)は,■ 大 きな質量 の振 り子 と長いひもを用意すれば長時間にわた り振動
3)が 持続するので,地球の自転現象を示す実験 としてよく用い られている.
例 えば,極点 ( 北極)での振 り子の運動 について考 えると,振 り子の振動面 は地球の回転 軸 ( 地軸)に対 して一定に保たれ るか ら , 1 日 1 回転す る地上から観 ると,振 り子 の振動面 が逆向き ( 時計方向)に回転 してゆ くのは,r 容易に説明で き,ふ っ学生に理解 され る.
しかしなが ら,観測点が 日本のように極点 と赤道 との間にある場合には,振動面 の変化 は 極点のそれあ ように簡単でな く,その説明にはなかなかの困難があった. これを解決す る方 法 として,緯度 ( e) ,が 9 0 o( 極点) <e< Oo( 赤道)の地点においては,観測者の立つ地面 が頂角 2βの円錐上 にあるとみなし, この円錐面上にフーコー振子 を置 くことで思考 を進 めると,振動面が変化 してゆ く過程が容易に説明できることがわかった. また具体的には, 紙 とマ ッチ棒があれば更にわか り易いフーコー振子が教材 として用 うることが可能 となる.
これは 2 βを自由に変 えられ る円錐をつ くることで,極点 ( ♂‑9 0 o ,平面)か ら赤道 ( β=
Oo ,円筒)までの全ての地点の振動面 の変化す る様子が,机上で簡単に直視 で きるもので あ り,広範囲の学生への物理,天文教育の一方法 として報告す る.
I1 9 9 4 年 3 月春季 ・第 4 1 回応用物理学関係連合講演会にて発表
日 基礎専門 応用物理 教授
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2・ 理
L革
緯度 ⑳の地球の全ての地点の接線の うち,南北方 向のものを連ねてゆ くと,地軸を中心軸 とす る頂角 2⑳の円錐形が得 られ る. これは球にさまざまな角 で接するような円錐帽子である図 1. この地点 にお ける観測者 は,頂角 2⑳の円錐上 と地球 との接点 を地表 として ,1 日で 1 周す る円で生活 していると 考 えられ る. これ を図 2 で示す と,地球の自転 の向
きに①か ら④へ と観測者はその位置を円錐上で移動 し,かつ フT ‑コ‑振子を観ているのであると考 える 図 3,B.㊥‑9 0 9 においては{ この円錐は平面 とな り,極点での接平面図 3,A,⑳‑ Oo においては, 赤道を接線 とす る円筒 になる図 3,C.
さて,観測者 と共に円錐上を移動す るフーコー振 子 は観測者か らどのよ うに見 えるのだろ うか.振 り
チカ
ラ
子に作用する力の うち コリオ リカ と空気による抵抗 力を無祝 し,地球 による重力のみを考 え早と,エネ ルギー,運動量が保存 され るか ら,振 り子 の振動面 は変わ らない.従 って,観測者 は,( 彰で南北 に振 ら せた振動面を②〜④ と観てゆ くと,次第に南北 よ り ずれはじめるように見 える.それは,北半球では時 計回 り ( 右回転)であ り南半球では反時計回 り ( 左 回転)である.
観測者の観 る振 り子の振動面のみかけ上 の変化を 考 えるために,円錐の側面図 と平面図を図 4 に示す.
振動面を南北方向にとると,振動面は側面図の三角 形 ABC で示 され る.平面 図 で は,点 P で の振 幅 BC は t 秒後,地球 の 自転 角 Cとす ると O ‑ut 回 転 し,点 P は Q に移勤 し,振幅 は B′ C ′ とな る. こ の とき振動面 は平行移動 しているから BC/ /B′ C ′ で あ り,従 って B' C ′ は南北方向より wt だけはじめ と ずれたことになる. これを観測者は点 P か ら Q に移
った とき,振 り子 の振動面 が 8‑ ut ,右 回転 した よ うに見 るのである.
次 に, この平面 図におけ る変化角 6‑u iが円錐 面上でい くらの角に相当す るかを求めればよい. こ のために図 5 ( a ) において,円弧 PQ と円錐の頂点 0
を結ぶ扇形 PQO とその投影扇形 P QO ′ を考 える.
図 1 緯度⑳の地点 と頂角2㊥の 円錐との関係
図 2 観測者の移動と 振動の変化
図 3 極点,赤道上,およびその
中間点での振 り子の運動
図4 円錐上の振 り子の
運動とそ の平面図
(ら)
図 5 地球の回転角 β と円錐上の回転角 β ′の関係
観測者 の緯度 ㊥に相 当す る,円錐 頂角 の半 分 を ⑳ とし,
OP‑OQ‑I ,QO′ ‑r とすると,共通円弧 PQ について扇形 PQO の投影図が扇形 PQO ′ となる,従 って平面的に扱 った, 振 り子 の変化角 βは円錐上では β′ に対応 し,観測者 は β′ を 振 り子の変化角 とみなす.
この β′ を求め るために,図 5 ( b) に振 り子 の振動 方向を矢 印で示 し,観測者が点 P か ら Q に移動 した場合を示す.地球 の角速度を G 7とす ると,
△PQO ′ において
S‑r e ( 1 )
△ PQO において
S=l e' ( 2)
( 1 X 2 ) よ り
r e‑l e ′ ∴ e' ‑手 e ( 3) ここで図 5 よ り
† ‑ s i n ⑳ ( 4 ) ( 4 ) 杏( 3) に代入 して
e' =e ・s i n ⑳ ( 5 )
つ ま り緯度 ⑳における振 り子 のみかけの変化角 β′ は平面 的変化角 Cの s i n ⑳倍である.地球 の自転角速度を G 7 ,振 り 子のみかけの角速度を G ) ' とすれば,
6‑ u t , e' ‑a ) ′ t ( 6) ( 6) を( 5) に代入 して
G 7 ' i ‑ ul s i n ㊥ ∴ u ′ =G 7 ・ S i n ⑳ ( 7 ) 地球の自転周期を T ,振 り子の振動面 の周期 を T ′ とす る と,
u ′ ‑ % , ‑ ‑ ♀ ( 8 )
( 7) に代入す ると
% ‑
% sl'nO( 9)
・ T ′ ‑ 孟 a o)
が得 られ る. ㊥ ‑0 つ ま り赤道上では T′ ‑∞,振 り子の振動面 は変化 しない.緯度が増す につれ,みかけ上 の周期 T ′ ほ,地球 の自転周期 2 4 時間,(1時間で 1 5 0 北半球 では振動面 が 時計回 りに変化) に近ず き , ⑳‑9 0 o つま り極点においては ,T′ ‑T で, これに一致す る.
因みに長野高専 ( 応物研究室)で は北緯 3 6 度 4 0 分 2 8 秒,( 東経 1 3 8 度 1 4 分 1 4 秒) を ㊥に代
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D A
(c)
図 6 円鉦の作成法
\
(■)' \
(b)