芸術文化事業の意義に関する考察
〜「はじめての芸術との出会い」事業を例として〜
古 賀 弥 生
1.はじめに
近年、行政をはじめNPO、企業等、さまざまな実施主体によって芸術文 化事業が展開されているが、その意義や成果をいかに測定するかという課題 については、模索されている最中である。
芸術祭等の芸術文化イベントについては芸術面、経済面、社会面の三方向 からそのインパクトを調査した事例!などがあるが、地域社会に与える影響 や子どもたちを中心とした人々への教育効果に関わる社会面からの意義を明 らかにすることは困難な面がある。それゆえに多くの事業で観客や参加者、
実施に関わった関係者を対象にしたアンケート調査等は頻繁に実施されるも のの、比較的数値化しやすい、作品や事業そのものに対する好感度(おもし ろかった、あまりおもしろくなかった、など)のほかは、自由に記載された コメントのなかから事業効果のアピールにつながるものを抜粋して報告書に 掲載するなどの消極的な評価活動にとどまるものが多い。
しかしながら、この種の事業は参加・経験者からの評価は高いものの、関 心を持たない人にはその必要性が伝わらない傾向があり、客観性の高い事業 評価活動が必要とされている。事業の現場においては「来て、見てくれれば わかる」という物言いがなされがちであるが、その結果、事業実施に必要な 予算措置の場面等において説得力のある資料提供ができずに事業継続が困難 になることも少なくない。
筆者は、先行する研究で小学生から高校生の時期に経験した演劇体験事業 が、参加者のその後の変容にどのような影響を与えたかを検証し、参加者個 人の人としての成長はもちろんのこと、進路選択への影響や、社会における 自分の役割に関する意識が芽生えるなどの変容のプロセスを示した"。本稿
― 1 ―(88)
は、この研究と同様に、芸術文化事業の意義に関して可能な限り客観的で説 得力のある資料を提供することを目的とした取り組みのひとつである。本稿 では、事業アンケートやヒアリングに自ら回答することはできない乳幼児を 対象とした芸術文化事業について、その保護者を調査対象に事業の実施意義 の検証を試みる。検証対象としたのは2011年度に福岡市内で実施された「は じめての芸術との出会い」事業で、音楽、演劇ジャンルの3作品4回の公演 である。
2.先行研究について
文化芸術の体験型事業の意義については、財団法人地域創造が2009・2010 年度に国内外のアウトリーチ事業の事例収集と地域創造が実施してきた事業 の関係者を対象としたアンケートからその効果を探り『新[アウトリーチの すすめ]〜文化・芸術が地域に活力をもたらすために〜』!をまとめている が、効果の測定については満足度や当事者が感じる効果に関する定量データ と自由意見のとりまとめとなっている。なお、この調査の対象は主に子ども、
教師、福祉施設の担当者等である。
文化芸術系ワークショップで、文化以外の領域で実施される活動の評価に ついては鈴木理恵子が小児病棟におけるビジュアルアートのアクティビティ について、ファシリテーターがダイヤリーを書くことでワークショップ中に 起きた言動や表情の変化から意味を読み取り、ワークショップ実施の影響を 指標化する試みを行っている。鈴木の提案は子どもの入院患者を対象とした ワークショップを想定したものであり、その活動に固有の指標も含まれるが、
「個人の能力、挑戦や学ぶ意欲を引き出す(意欲)」「個人の社会とのつなが りを拡大させる(社会)」「家族、地域社会への帰属意識を強化させる(家族 地域)」「健康的で活き活きとした生活をもたらす(健康)」の4つのカテゴ リーによる23の指標が提示されている"。
また、学校教育の中で実施される芸術文化事業に関しては、アーティスト をはじめとするクリエイティブな仕事を行う専門家を学校に派遣してきた英 国のクリエイティブ・パートナーシップスの例がよく知られている。同事業
― 2 ―(87)
は子どもたちの学校での学びをより創造的なものにすることを目的に、英国 の文化・メディア・スポーツ省と教育技能省が2002年4月に立ち上げ、具体 的なプログラムの実施はイングランド芸術評議会主導で行われた。同事業の 実施は、経済発展に欠かせない創造的産業の担い手を育成することが視野に 入れられていた!。のクリエイティブ・パートナーシップスに関する吉本光 宏のレポートによると、1万3千人の子どもと教師を対象とした事業の長期 的インパクトに関する調査結果が2006年2月に公表されており、教師たちは
「生徒の自信が向上した」92%、「コミュニケーション能力が向上した」91%、
「やる気の向上が図られた」87%と回答している"。
本稿で取り上げるのは、日本ではまだ例が少ない乳幼児のための芸術文化 事業である。これまで未就学児は芸術文化事業の場から締め出されることが 多かったが、近年は可能な限り幼いうちからの芸術体験の重要性が見直され、
幼児を対象とした事業も増加しつつある。しかしながら対象が乳幼児となる とその数は非常に少ない。「乳幼児も入場可」というイベントはあっても、
乳幼児のために創作された作品はほとんど見られないのが現状である。乳幼 児のための作品創作やその上演の機会を拡大させるためにも、こうした事業 の意義を検証することは必要であり、本稿ではまだ先例のない乳幼児を対象 とした芸術文化事業の意義・成果の検証を試みる。
3.「はじめての芸術との出会い」事業の概要
! 事業実施の経緯
上述のように、生まれて間もない子どもから青年期までの幅広い子ども期 のなかでも、0〜3歳の子どもが芸術文化にふれる機会は少ないのが現状で ある。しかし、人間形成、発達において重要な時期である乳幼児期に芸術文 化と接する機会を提供することの重要性を鑑み、福岡市においては子どもの 芸術体験活動に関する実績を持つ2つのNPO(特定非営利活動法人子ども 文化コミュニティ、アートサポートふくおか)が行政(福岡市及び#福岡市 文化芸術振興財団)に官民協働による事業の実施を働きかけ、2008年度から 研究会を継続開催してきた。この結果、2011年度「福岡市共働事業提案制度」
― 3 ―(86)
に「はじめての芸術との出会い」事業として応募、採択を受けて事業実施が 実現した。事業の実施主体は特定非営利活動法人子ども文化コミュニティと 福岡市(市民局文化・スポーツ部文化振興課)の2者からなる「はじめての 芸術との出会い実行委員会」であり、協力団体として$福岡市文化芸術振興 財団、アートサポートふくおか、ほかに実施会場として地域の公民館や大学 のサポートを受けて、2011年9月〜12月に事業が展開された。
! 事業の目的
「はじめての芸術との出会い」事業の目的は以下の3点である。
!乳幼児に芸術体験の機会を提供することにより、人間としての感性やコ ミュニケーション力を育むとともに、文化芸術の将来の担い手、受け手、
つなぎ手も育成していく。
"地元アーティストが乳幼児の芸術体験活動の意義を学び、プログラム開発 を行うことをとおして、当該事業を実施できる地元アーティストを増やす。
#地元アーティストとアートNPOとのネットワークを構築することにより、
福岡市における子ども関連の文化芸術の振興ならびに文化環境の向上を図 る。
このように、同事業では乳幼児を対象とした芸術体験活動を行うだけでな く、将来的にこのような事業を福岡市において継続的に実施していけるよう、
地元アーティストの養成にも取り組んでいる。対象を乳幼児とした場合の芸 術文化事業については、高度な専門性が必要とされ、日本全国でも担い手と してのアーティストが少ないために導入されたものである。
" 事業内容
同事業の具体的な実施内容は以下のとおりである。
〈乳幼児親子を対象とした優れた舞台芸術の公演と体験型ワークショップの 提供:3作品4公演〉
!はじめてのストリングラフィ・コンサート(スタジオ・イヴ)
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日程:2011年10月1日&
会場:九州産業大学2号館円形ホール 対象:2、3歳までの子どもと保護者
!ベビードラマ「あ・の・ね」(アートインAsibina)
日程:2011年10月16日$
会場:さざんぴあ博多第一会議室 対象:0〜2歳までの子どもと保護者
"ベビードラマ「あ・の・ね」(アートインAsibina)
日程:2011年10月17日% 会場:堤丘公民館
対象:0〜2歳までの子どもと保護者
#はじめての人形劇「かえるくん・かえるくん」(人形劇団ひぽぽたあむ)
日程:2011年10月22日&
会場:福岡アジア美術館あじびホール 対象:2〜5歳までの子どもと保護者
実施内容の詳細の例として、上記!10月16日に実施されたベビードラマ
「あ・の・ね」の公演の様子にふれておきたい。
実施内容はいわゆる演劇作品の上演にあたる部分だけではなく、上演前の 導入から上演後の出演者との交流までを含め、乳幼児と保護者がゆるやかな ひとときを過ごすものとなっていた。筆者は、実際の公演にスタッフの一員 として立ち会い、様子を観察したが、上演中は多くの赤ちゃんが食い入るよ うに集中してパフォーマーを見つめていた。一部の赤ちゃんがぐずる様子も 見られたが、作品を見ることに集中できない、飽きている、という状況では なく、作品に登場する「ベイビー」の様子に共感し、彼が眠い様子を見せる と観客である乳幼児も同様に眠気を催しているようであった。上演中あるい は上演後の交流では、ボールを転がす、手遊びをするなど公演におけるパ フォーマーの動きを一心に真似る子どもの様子も見られた。
― 5 ―(84)
〈地元アーティスト研修会の実施〉
2011年9月から12月にかけて、上記公演の見学と出演者との意見交換、演 出家によるレクチャーを経て、乳幼児向け芸術体験プログラムの企画立案と 試演会を実施。
4.「はじめての芸術との出会い」事業の意義―アンケート分析から―
「はじめての芸術との出会い」事業の4公演実施時には、参加した保護者 を対象に公演後のアンケート調査を行った。この調査では、公演に対する評 価を5段階で、また今後のこのような公演への参加意向を定量的に測定した が、ほかに公演への意見・感想、公演中の子どもの様子について尋ねる自由 記述の欄を設けた。本稿では特に保護者による自由記述の感想に着目し、記 入された内容から作品への評価、作品を鑑賞した時の保護者の感情、子ども の様子、子どもの様子に対する保護者の感情などを表現する記述を抽出して 分類し、頻出する表現を明らかにすることにより、同事業実施の意義を分析 した。
なお、同事業においては協力の意思を表明した参加者(保護者)に対し、
公演1週間後にも調査票を送付し、公演後の子どもの様子、変化等を尋ねる 追跡調査も実施した。追跡調査は、公演直後には表出しない子どもの変化や 親子の関係の変化等を探ることを目的に行ったもので、調査票には保護者に 自由に記載してもらい、その内容から同事業がもたらした影響を読み取った。
以下にその調査結果をまとめる。
! 公演当日アンケートの分析結果
!公演に対する評価と次回以降の参加意欲について
まず、公演に対する評価は「とてもよかった」64.8%、「よかった」31.9%
と、合わせて96.7%が高評価であった。
このような公演にまた参加したいかどうかを尋ねると、「また参加したい」
が98.1%とほとんどの保護者が参加意欲を見せている。
― 6 ―(83)
包 括 的 な 肯 定 感
ほか に はな い 体 験
大 人・ 親 も 楽 しめ る
理 解し やす い
共 感で きる
心に 響 く
適 切で ある
安 心 感が あ る
夢 中に なる
体験 後の 影 響が ある
刺 激に なる 25
20 15 10 5 0
N=78 とても
よかった 64.8%
よかった 31.9%
ふつう 3.3%
あまり よくなかった
0.0%
よくなかった 0.0%
N=92
また参加したい 98.9%
特に参加したいと 思わない
1.1%
N=92
図1 公演への評価(4公演合計) 図2 次回以降の参加意欲(4公演合計)
! 作品に対する保護者の評価について
次に、感想等の記載から、保護者による作品の評価に関わる用語を抽出し た。
抽出した用語から読み取ることができる作品への評価の内訳は、肯定的評 価が78件、否定的評価3件であり、肯定的評価が圧倒的に多かった。否定的 評価の内容は「冗長な部分がある」「もう少し短いほうがよい」「大きい舞台 のほうがよい」というものであった。
アンケートに記載された言葉から作成したカテゴリー(同種の意味をあら わす言葉を集めて共通する要素をカテゴリー名としている)をまとめると表 1のとおりであり、カテゴリーをグラフ化したものが図3である。
表1および図3を見ると、包括的に「よかった」と感じているほか、テレ ビなど他のもので代替できない貴重な体験であること、大人・親が一緒に楽 しめるもの(子どもだましではない)ことに対する評価が高かったことがわ かる。
図3 保護者の作品に対する肯定的な評価(4公演合計)
― 7 ―(82)
表1 保護者の作品に対する肯定的評価の内容(4公演合計) N=78 カテゴリー 実数 % 内容(記載された言葉) 実数 包括的な肯定感 23 29.5 ステキ
かわいらしい おもしろい すばらしい 楽しめる 興味ある内容
13 3 2 2 2 1 ほかにはない体験 13 16.7 初めて
貴重な体験 テレビと全く違う
研究された子ども向けの内容 手が込んでいる
7 3 1 1 1 大人・親も楽しめ
る
11 14.1 大人・親が楽しめる 親子で楽しめる
大人もみいってしまった 気がねしないで楽しめる
5 3 2 1 理解 9 11.5 わかりやすい
子どもも見やすい 子どもも理解できる
7 1 1 共感 5 6.4 共感できる
あるある、わかると思える 親しみが持てる
リアル
2 1 1 1 心に響く 4 5.1 心情が伝わる
子どもの心に響く 心温まる
2 1 1 適切 3 3.8 ちょうどいい
長さがちょうどよい
長さも内容も子どもにちょうどよい
1 1 1 安心感 3 3.8 見ていて安心
安定感 やわらかい
1 1 1 夢中 3 3.8 ひきこまれる
子どもが飽きない 子どもが夢中になる
1 1 1 刺激 2 2.6 インパクト
刺激になった
1 1 体験後の影響 2 2.6 家でも楽しめそう 2
― 8 ―(81)
楽 しい
おも しろ い
驚 き
感 動
幸 福 感
ま た聞 き たい
N=34 20
15 10 5 0
!作品を見たときの保護者の感情
作品を見たときに保護者が感じたことを表す用語を抽出したところ、表2 及び図4のとおりであった。
一般的な好感を表す「楽しい」「おもしろい」のほか、「驚き」「感動」「幸 福感」というカテゴリーが表出している。これは、親が子育てに対して感じ る肯定的な感情と重なるキーワードであるように思われる。
"公演中の子どもの様子
公演中の子どもの様子を保護者がどのように見ていたかを示す用語を抽出 すると、3作品に共通する内容と、作品固有の内容に分かれた。作品固有の 内容とは、「(曲を聞いて)何の曲か考えている」1件(以上、ストリングラ フィ)「子ども席に1人で座れる」5件「子ども席に1人で座るのを嫌がる」
2件「暗さに怖がる」1件(以上、かえるくんかえるくん)である。
表2 作品を見たときの保護者の感情(4公演合計) N=34 カテゴリー 実数 % 内容(記載された言葉) 実数
楽しい 16 47.1 楽しい 16
おもしろい 5 14.7 おもしろい 5
驚き 4 11.8 驚き 4
感動 4 11.8 鳥肌が立つ 感動
2 2 幸福感 4 11.8 心があったかくなる
幸せ 優しい ふんわりした
1 1 1 1
また聞きたい 1 2.9 また聞きたい 1
図4 作品を見たときの保護者の感情(4公演合計)
― 9 ―(80)
集中して見る 笑う 身体を動かす・行動する 寝る お話に入り込む 言葉を発する 真似する 他の子どもと共感 興味 親の身体に触る・親を意識する 歌う 何かを感じている様子 泣く 親に教える きょとんとしている ぐずる 自分からトイレと初めて言った 特に言葉を発しない
0 10 20 30 40 50 60
N=137
図5 公演中の子どもの様子(4公演合計)
この9件を除いた記述は137件あり、内訳は図5のとおりである。「集中し て見る」「笑う」「身体を動かす・行動する」が代表的な反応であった。「寝 る」は心地よくなったことを示しており、お話に入り込む様子やパフォーマー のまねをする、といったステージで行われていることへの没入の様子も見ら れる。また、他の子と共感するなど、その場で一緒に見ている仲間との関係 が影響している様子も見られ、家庭でテレビを見るなどの経験とは異なる環 境であることの影響も垣間見えた。
!保護者が感じた公演中の子どもの感情
保護者が公演中、子どもが感じているであろうことを読み取った記載を抽 出すると図6のとおりとなった。
「楽しそう」が圧倒的に多く、以下「喜ぶ」「興奮」などが続く。回答数は 少ないが、「何かを感じる」「共感」などの言葉が表れており、単純に楽しむ ばかりではない感情が読みとれたようである。
―10―(79)
楽 しそ う
喜 ぶ 興
奮 飽 き る
不 思 議 そ う
驚 き
︵ 男 性 を︶ 怖 がる
何 かを 感じ る
共 感
N=33 20
15 10 5 0
図6 保護者が感じた公演中の子どもの感情(4公演合計)
!子どもの様子を見た保護者の感情
作品を鑑賞しているときの子どもの様子を見て、保護者が感じたことを表 す用語を抽出してまとめたものが表3である。なお、表3に記載したのは肯 定的な回答であるが、ほかに1件否定的な回答があり、「いつもは集中して 見るのに男性が珍しく、近かったので怖がって泣き残念」というものであった。
この1件を除いた21件の記載を見ると、集中して見ていることや理解して いることへの驚きなど、親が気付かなかった子どもの新たな一面を発見した ことに対する驚きがあがっている。そのほか、子どもが楽しむ様子を見て喜 びを感じたり、次の行動への動機づけ(また見せたい)が行われたことを示 している。
表3 子どもの様子を見た保護者の感情(4公演合計) N=21 カテゴリー 実数 % 内容(記載された言葉) 実数 子どもの新たな面を発見 11 52.3 集中していることに驚き
(笑うポイントなど)意外な反 応に驚き
理解していることに驚き
(何か感じているようだが)ど んなふうに感じているのか
7 2
1 1
子どもが楽しむ様子に喜 び
8 38 楽しそうで(喜んで)よかった 貴重な時間だった
7 1 次の行動への動機づけ 2 9.5 また見せたい 2
―11―(78)
表4 子どもの年齢別 肯定的回答者の割合 年齢別 肯定的回答者数 当該年齢の参加者数 割合 1歳未満 16 21 76.2%
1歳 14 29 48.3%
2歳 44 72 61.1%
3歳 15 34 44.1%
4歳 4 7 57.1%
5歳 8 16 50.0%
合計 101 179 56.4%
!肯定的反応の子どものバックグラウンド分析
ここからは、「公演中の子どもの様子」で回答が多かった上位3件「集中 して見る」「笑う」「身体を動かす・行動する」という様子を見せた子どもに ついて、年齢とこれまでの芸術体験の有無について分析する。これら3件の 回答は今回の事業で実施した公演に対する代表的な反応であるとともに、い ずれも肯定的反応であり、このように反応のよい子どもたちがどのようなプ ロフィールを持つのかを検討するものである。
" 年齢別分析
子どもの年齢を「1歳未満」から「5歳」まで1歳ごとに分類し、その年 齢の参加者全体に占める好反応の回答(上位3位までの様子を見せた子ど も)の割合を調べたものが表4である。
1歳未満の子どもが好反応を見せる割合が76.2%と最も高く、他の年齢層 よりも抜きんでている。1歳に満たない子どもは幼いため芸術鑑賞などまだ 早い、と思われがちだが、決してそうは言えず、早期からの芸術体験の意義 があることを裏付けるものである。
―12―(77)
表5 子どもの芸術体験の頻度別 肯定的回答者の割合 芸術体験の頻度別 肯定的回答者数 参加者全体 割合
なし 39 59 66.1%
1、2回 28 51 54.9%
3回以上 34 69 49.3%
合計 101 179 56.4%
表6 子どもの芸術体験の頻度別 肯定的回答者の割合
(2、3歳児のみ)
芸術体験の頻度別 肯定的回答者数 参加者全体 割合 なし 16 25 64.0%
1、2回 20 41 48.8%
3回以上 23 40 57.5%
合計 59 106 55.7%
! 芸術体験の頻度別分析
次に、公演までに子どもの芸術体験がどの程度の回数あったか、展覧会や コンサート、演劇などジャンルを問わず尋ねた結果を肯定的回答者について 重ねてみたところ、芸術体験が「なし」であった子どものうち66.1%が肯定 的回答(好反応)を寄せており、芸術体験が「1、2回ある」「3回以上あ る」子どもより高いことがわかった。
ただし、子どもの年齢が高くなれば芸術体験の回数が多い子が増えること も当然考えられる。そこで年齢による経験の増加を考察の条件から除外する ため、4公演に共通する対象年齢であった2歳と3歳の子どもについて同様 の集計をしてみた(表6)。すると、「1、2回ある」と「3回以上ある」の 順位は入れ替わるものの、芸術体験「なし」の子どもが最も好反応を見せる 割合が高いことは変わらなかった。芸術は鑑賞の経験を積んで「学習する」
ものという印象があるが、今回の乳幼児のための作品に関しては、初めての 経験でも十分楽しめるものであったことがわかる。
―13―(76)
以上に述べてきた公演当日アンケートの分析結果をまとめると以下のとおり である。
〇作品の非代替性、質の高さへの評価
作品に対しては、テレビなどで代替できるものではない(ほかにはない)
経験であること、親の鑑賞にも耐えうる作品であることへの評価が高く、保 護者は「驚き」「感動」「幸福感」など娯楽作品の鑑賞では得られない感情を 表明している。保護者が見た子どもの様子については、「集中して見る」「笑 う」「身体を動かす・行動する」が代表的な反応であった。ほかにステージ で行われていることへの没入の様子やその場で一緒に見ている仲間との関係 が影響している様子も見られ、家庭でテレビを見るなどの経験とは異なるも のを得ている様子がうかがえる。
〇親が気付かなかった子どもの一面を発見する機会
また、そのような子どもの様子を見た保護者の感情としては、集中して見 ていることや理解していることへの驚きなど、親が気付かなかった子どもの 新たな一面を発見した様子が見える。そのほか、子どもが楽しむ様子を見て 喜びを感じたり、次の行動への動機づけ(また見せたい)が行われたことを 示している。
〇早期からの芸術体験の有効性
公演に対して肯定的な反応を示した子どものバックグラウンドを分析する と1歳未満の子どもの反応がよいことが確認され、乳児に芸術鑑賞などまだ 早い、と思われがちだが、早期からの芸術体験の意義があることを裏付けら れた。肯定的な反応を示した子どもの、それまでの芸術体験の多寡について の分析では経験のない子の反応がよいことがわかり、学習の積み重ねによっ て「理解」できることとは別に、「感じる」ことが乳児期から可能であるこ とを示唆していると考えられる。
―14―(75)
表8 公演後の子どもの様子、保護者の変化
子どもの様子 例(公演直後) 例(公演数日後)
見たこと聞いたこと体験したことを家族や周囲の人 との間で話題にする
作品中の体験を真似し、くり返す
言葉が増える、音に敏感になるなどの影響がある
「また行きたい」などの言葉が出る 刺激、興奮が夜まで続く
1歳未満でも、作品から得た経験や記憶が後日に なっても持続する
c13、c29、c32
c12、c25、c27、c28 c11
c31、c34、c44 c4、c26
e20、e41、e42
e13、e18、e29 e10、e19、e22、e40 e32
e3、e7、e8
保護者の変化 例(公演直後) 例(公演数日後)
鑑賞体験を子どもとの共通の話題にする
子どもが気に入った作品中の歌、遊びなどを日常で 積極的に使う
子どもの感性の高さに気づき、それを大切にするよ うになる
b6
d2、d7、d9
d5、d10、d23、d31
注)例示の英字+数字は表7における具体的なコメント内容の所在を指す。
! 公演1週間後アンケートの分析結果
今回の事業では3作品4回の公演の際に実施したアンケートの回答者のう ち、事後アンケートに協力することを承諾された保護者に対して、公演1週 間後を目安に事後アンケートを実施した。
事後アンケートでは、公演の帰り道、その日の夜、しばらく経ったあとに 見られた子どもや保護者の変化、エピソードを自由に記載してもらい、3作 品4回の公演について30件の回答が得られた。そこから読み取れる内容を公 演直後(帰り道やその夜)と数日後に分け、保護者と子ども、それぞれに関 する変化やエピソードを集計したものが表7である。
事後アンケートのコメントは「子どもの様子」「保護者の変化」に分ける ことができる。そのうえで、内容を分類してみると表8のようにまとめられ る。
このように公演を鑑賞したあとの子どもの様子や保護者の変化から、公演 が親子に及ぼした影響について以下の3点を挙げることができる。
―15―(74)
表7 1週間後アンケートの回答内容
番
号 作品名 直後(帰り道、その夜)
保護者 b 子ども c
1 あのね 集中したせいか疲れてよく眠った
2 あのね 3 あのね
4 あのね 夜中に4回泣いて起きた。刺激を受けた様子
5 あのね ハイハイの練習を積極的に始めた
6 あのね 父親も含め公演の話をし、あのねと言 い合って遊んだ
7 あのね 8 あのね 9 あのね 10 あのね
11 あのね あんねーという言葉が出る
12 あのね 糸巻きのしぐさをする
13 ストリングラフィ 体験を他の人に話す
14 ストリングラフィ
15 あのね 声をかけたおじさんに笑顔で接していた
16 あのね 17 かえるくん 18 かえるくん 19 かえるくん 20 かえるくん 21 かえるくん 22 ストリングラフィ 23 あのね
24 かえるくん
25 かえるくん キティのぬいぐるみに、かえるくんがくまく
んにしていたようにいろいろ教えている
26 かえるくん ハイテンションでなかなかベッドに入らず、
遊んでいた
27 ストリングラフィ かえるのうたを一緒に歌う
28 ストリングラフィ かえるのうたを一緒に歌う
29 かえるくん 人形と握手したことを家族に話す
30 かえるくん 人形と握手したことを家族に話す
31 かえるくん かえるくん、また行きたい、何度か言う
32 かえるくん 帰宅途中はかえるくんの話ばかり。帰宅後も
父親に話す 33 かえるくん
34 かえるくん 楽しかった、もう1回見たい、という。
35 かえるくん かえるくん、元気かなと気になる様子
36 ストリングラフィ 体験を他の人に話す
37 ストリングラフィ 38 かえるくん 39 かえるくん 40 かえるくん 41 かえるくん 42 かえるくん 43 かえるくん
44 かえるくん 楽しかった、もう1回見たい、という。
45 かえるくん かえるくん、元気かなと気になる様子
注)調査票回収数は30件であったが、きょうだいで参加した場合、保護者の同じコメントをきょうだ いそれぞれに対応して記載している。
―16―(73)
数日後 年齢 これまでの 保護者 d 子ども e 芸術体験
4カ月 なし 劇中の様子をまねる(だだだで会話
をする、家事をしながら遊ぶ) 5カ月 回数不明
劇中のように話しかけながら掃除機をかけたら
こわがらなくなった 5カ月 回数不明
8カ月 なし 感性を大切にしようと散歩や食事も
工夫するようになった 8カ月 なし
8カ月 なし 劇中の手遊びがお気に入りになった 劇中の手遊びを要求する 8カ月 なし
劇中に出てきたいないいないばあの絵本を読む
とじっと見ている 8カ月 なし
劇中に出てきた手遊びで遊ぶ 9カ月 なし
子どもが指さすものを「あれは○○」
と答え、会話するのが楽しくなった 指を差すことが多くなった 1歳3カ月 なし 1歳9カ月 なし
糸巻きのしぐさをする 1歳9カ月 1回
いろいろなものを引っ張って音を出そうとする 2歳0カ月 13回 音楽を聞いて紙コップの音楽で聞いた、という 2歳0カ月 13回 2歳0カ月 2回 赤ちゃんに関心を示した 2歳0カ月 2回 カエルが出てくる絵本をうれしそうに読む 2歳0カ月 10回以上 劇中に出てきたようにベッドで飛んで遊ぶ 2歳0カ月 10回以上
言葉が増えた 2歳0カ月 10回以上
近所の人にかえるくんの話を伝えようとする 2歳0カ月 10回以上 翌日、昨日何した?と聞くと、かえるくん見に
行ったと答えた 2歳2カ月 1回
音に反応するようになった(○○の音がした) 2歳4カ月 3回 子どもが指さした方向は必ず見て言
葉で共感してあげるように変わった 2歳4カ月 2回
くまさんがいなくなったときにざわ ざわする、という説明を聞き、その ような子どもの行動を観察してみよ うと思っている
かえるのキャラクターがますます好きになった
様子 2歳4カ月 1回
2歳6カ月 8回 2歳6カ月 8回 2歳8カ月 なし 2歳8カ月 なし 祖父母の家に行ったとき、ベッドで「かえるの
ぴょーんぴょーん」とはねていた 2歳8カ月 4回 祖父母の家に行ったとき、ベッドで「かえるの
ぴょーんぴょーん」とはねていた 2歳8カ月 4回 トイレトレーニングの効果がある
か?と思い、チラシをトイレに貼っ たが、トイレに行きたいとは言わな かった。
公演中に気になっていた「こぐまくんは帰って からパン食べたのかな?」はその後も気になっ た様子
2歳10カ月 5回
今度はいつ行く?また行こうよ、と話す 2歳11カ月 なし
「バイバイってさみしいね、でもくまちゃんみ たいにまた帰ってくるもんね」と2日後に言っ ていた*日ごろからバイバイは淋しいらしく好 まない
3歳2カ月 15回以上 3歳2カ月 なし 3歳2カ月 なし いろいろなものを引っ張って音を出そうとする 3歳6カ月 13回 音楽を聞いて紙コップの音楽で聞いた、という 3歳6カ月 13回 カエルが出てくる絵本をうれしそうに読む 3歳6カ月 10回以上 劇中に出てきたようにベッドで飛んで遊ぶ 3歳6カ月 10回以上
言葉が増えた 3歳6カ月 10回以上
話の内容を伝えようとする 3歳6カ月 10回以上 幕間の話、オランダの子どもレストランのこと
を話す 4歳6カ月 6回
もらったポストカードを部屋に貼りじっと見て
いる 4歳8カ月 3回
5歳9カ月 なし 5歳9カ月 なし
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○親子のコミュニケーションの促進
公演から帰宅したあとに、子どもが同行していなかった家族等に公演の様 子を話す(c13ほか)などの反応や、数日の時間経過後も公演で見聞きした 手遊び等を親子で行う(e13ほか)など、親子間のコミュニケーションを促 進する効果が見られた。こうした様子は子どもが1歳未満の場合にも表れて おり、ごく幼い時期にも芸術体験の影響が持続することを示唆している。
○子どもの感性、言語感覚、音感などへの刺激
作品中の言葉やしぐさを真似る(c12ほか)、言葉が増える、音に敏感にな る(c11ほか)などの反応が見られ、感性や言語感覚、音感への影響があっ たことがうかがえる。
○子どもの感性などを大切にするよう、保護者が変化
変化があったのは子どもだけではなく、保護者の子どもとの接し方にも影 響が見られる。例えば、「感性を大切にしようと散歩や食事も工夫するよう になった(d5)」「子どもが指さした方向は必ず見て言葉で共感してあげる ようになった(d23)」などがその例である。
5.今後の展開〜子育て環境に芸術文化事業を組み込む可能性を探る〜
「はじめての芸術との出会い」事業を通じて見えてくる成果を、公演当日 及び1週間後アンケートを通じてまとめると前項との一部重複にはなるが、
以下のようになる。
・親子のコミュニケーションの促進
・子どもの感性、言語感覚、音感などへの刺激
・保護者が子どもの新たな一面を発見する機会→子どもとの接し方の変容
「コミュニケーション」「感性」といったキーワードは、これまでも芸術 文化事業に関する表現として頻出するものであったが、「新たな一面の発見」
から「子どもの接し方への変容」に至る親子関係への影響については、これ まであまりふれられることがなかった重要な芸術文化事業の意義であるとい えよう。芸術文化事業への参加が、保護者が子どもといかに接するかを学び 見直す機会となるのであれば、子育て中の家族にとっての芸術体験の重要度
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は高い。
また、公演当日アンケートに表れていたように、保護者にとって「親も楽 しめた」ことに対する満足度が高い。このことは裏を返せば、乳幼児だけな く子育て中の保護者にとっても芸術体験の場が少ないことへの欲求の高さと も読みとることができる。子育て中であるために、保護者にはさまざまな行 動の制約があり、そのことが子育てに対するストレスとなる場合もあること は容易に想像され、乳幼児と保護者対象の芸術文化事業がそのようなストレ スの緩和に役立つことも十分に期待できる。
さらに、はじめての人形劇「かえるくん・かえるくん」を上演した人形劇 団ひぽぽたあむ主宰の永野むつみ氏によれば、乳幼児対象の人形劇作品など を鑑賞した後、大人が感想を語り合う場が必要であるという。「芝居や絵本 について語ることは、自分は何に感動するのかを語ることであり、生きるう えで大切にしていることを語ることである。そこから子育ての軸になるもの が見えてくる」!
例えば、現在、地域で行政やNPO等により開催されている育児支援活動 は、子育てに便利な情報の交換や育児相談が行われているが、そういった場 で芸術文化事業を実施し、作品の感想を語り合う場にするなど、子育て中の 人々によるより深い交流の場とすることもできるのではないか。
こうしたことも含め、乳幼児を対象とした芸術文化事業の意義に照らして 今後の展開を考えてみたい。
「はじめての芸術との出会い」事業は、将来の文化芸術の鑑賞者、あるい はアーティストを養成することを第一の目的とするものではなく、乳幼児の 健やかな育ちや親にとっての子育て環境整備の側面に関する効果を重視した ものである。将来的には、例えば「ブックスタート」事業のように文化芸術 にふれる機会を子育て環境のなかに組み込まれたものとすることを目指すべ きではないだろうか。
「ブックスタート」事業においては、図書館、保健関係機関、読書ボラン ティア等の連携のもと、乳幼児の健診時にブックスタートパック(絵本と絵 本リスト、よだれかけと子育て情報等がセットになっている)を配布し、そ
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の場で読み聞かせを行うなどの働きかけが実施されている。その効果として は、絵本や読書に関する興味関心を高めるだけでなく、絵本を通じて親子の 絆を高める育児支援の側面が強調されている!。
乳幼児のための芸術文化事業を「ブックスタート」事業のように子育て環 境のなかに組み込むためには、2011年度の「はじめての芸術との出会い」事 業における実施体制と同様の官民協働による取り組みが必要であるが、行政 の所管部署としては、文化振興所管課だけでなく子育て支援関連部署による 積極的な関与が求められ、NPO側もアートNPOと子育て支援活動を行う NPOとの協力関係の構築など連携の輪を広げていくことが必要となるだろ う。
なお、子育て支援を目的とした芸術文化事業の例としては、横浜市栄区と 鎌倉女子大学の連携による「アート・キャラバン」"等があり、行政とNPO のみならず、地域の大学等教育機関も含め、より幅の広い連携のあり方を探 ることも重要である。
6.おわりに
本稿では、「はじめての芸術との出会い」事業を事例として、乳幼児を対 象とした芸術文化事業の意義を検討し、子育て環境に芸術文化事業を組み込 むことの必要性についてふれた。
先述の英国におけるクリエイティブ・パートナーシップスは、経済発展に 欠かせない創造的産業の担い手となるクリエイティブな人材を育成すること が視野に入れられていた。乳幼児をはじめとする子ども時代からの芸術体験 は、クリエイティブ・パートナーシップスと同様に、創造的産業、ひいては 創造的な社会の担い手として柔軟な発想やコミュニケーション能力に長けた 人材を育成することにつながる。また、芸術文化事業の子育て環境への組み 込みは、創造的な環境で子育てをしたいと考える保護者たちをその地域に惹 きつけ、クリエイティブな人材の集積につながる。
変化の激しい現代社会にあって、新しい時代を切り拓く鍵となるのは人材 である。数十年後の私たちの国、そして都市の姿を考えるとき、芸術文化事
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業の意義はもっとクローズアップされるべきではないだろうか。
! 演劇フェスティバル(国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ「キジムナーフェ スタ」)の分析によりフェスティバルの多面的な影響を評価したもの。
勝村(松本)文子、後藤和子、吉川郷主「観客アンケートにもとづく子どものための演 劇フェスティバルの評価についての分析―キジムナーフェスタを事例として―」『文化 経済学』(第6巻第3号(通算第26号)文化経済学会〈日本〉 2009年3月)参照。
" 「演劇を通じた表現活動における参加者の変容プロセスに関する研究」(活水論文集第
54集 現代日本文化学科編 2011年3月)参照。
# http://www.jafra.or.jp/j/library/investigation/20-21/index.php 参照。(最終確認日 2012年 1月15日)
$ 鈴木理恵子「ダイヤリーを『書くという行為』によるワークショップの評価方法の意 義」『アートミーツケア』Vol.3(アートミーツケア学会 2011年11月)参照。
% 2010/2011年度をもって国の予算は打ち切られた。
& 吉本光宏「 アート から教育を考える―国内外のチャレンジから―」『ニッセイ基礎
研REPORT 2007.7』参照。
なお、ほかに子どもの芸術体験の効果を測定した例としては、企業メセナ活動として 実施されている、中学生を対象とした文化・芸術創作体験活動において、参加した中学 生の感想文をテキストマイングによって分析し、企業及び企業関係者など「他者」がど のような傾向をもって文中に出現しているかを明らかにした吉村真也の研究がある(吉 村真也「企業メセナ活動における『企業』と『子どもたち』の交流―『TOAトライや る・ウィークシリーズ』の感想文分析―」『アートマネジメント研究』第12号、2011年 12月)。
' 2011年10月22日*に実施された人形劇「かえるくん・かえるくん」上演の後、地元アー ティスト研修の場での永野氏の発言。
( ブックスタート事業が親子に与える影響に関する研究の例として以下を挙げておきた い。
秋田喜代美、横山真貴子、ブックスタート支援センター「ブックスタートプロジェクト における絵本との出会いに関する親の意識+,―4カ月時での親の読み聞かせに対する 考えと行動―」『日本保育学会大会発表論文集』第55号 2002年
) 矢野真、高垣マユミ、田爪宏二「造形ワークショップを通した大学と行政、地域の連 携による子育て支援―横浜市栄区・鎌倉女子大学連携事業『アート・キャラバン』の実 践を通して―」『鎌倉女子大学紀要』第14号(2007年3月)参照
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