1
高校生による地域産業の振興の 取り組みに関する研究
-三重県南伊勢町でのソーシャルビジネスプロジェクトを
事例として-
地域イノベーション学研究科
613m004 中沢仁
2
目次
第1章 序論
1-1 本論文の構成 1-2 背景・目的 1-3 方法第2章 事例地の概要
2-1 南伊勢町の詳細2-2 三重県立南伊勢高校南勢校舎の詳細
第3章
SBPの概要
3-1 設立の経緯 3-2 活動の目的 3-3 活動の内容
第4章 セレクトギフトの作成・販売への参加
4-1 セレクトギフトとは4-2 商品の選定 4-3 販売計画・結果
第5章 地域の情報マップの作成
5-1 概要5-2 作成の目的
第6章 考察
6-1 南伊勢町の漁業の現状から考察するSBP
の役割
6-2 SBP
の今後の課題の抽出・展望 第7章 まとめ
謝辞
参考文献
3
第
1章 序論
1-1 本論文の構成
序論にて「地域活性化の拠点として学校を活用した地域づくり事例調査」 (総務省地域力創 造グループ地域自立応援課) 、 「日本の地域別将来推計人口 男女・年齢(5 歳)階級別データ」
(国立社会保障・人口問題研究所) 、 「平成
25年民間給与実態統計調査結果」 (国税庁)に より学校を拠点となりまちづくりを行っている事例を調べ、また南伊勢町の産業の現状か らソーシャルビジネスプロジェクト(以下
SBP)の発足までの背景を述べ、本研究の目的、方法を記していく。
第
2章、第
3章では本研究にて参与観察を行うにあたっての事例地である三重県南伊勢 高校南勢校舎(以下南伊勢高校) 、南伊勢町、SBP の概要について南伊勢町ホームページ 等を参考にまとめ述べる。第
4章、第
5章では実際に
SBPの活動にて参加したセレクト ギフトの作成・販売、地域の情報マップの作成について述べる。第
6章にて第
4章、第5 章を踏まえ、 「第
5次漁業センサス第
3報第
3分冊」 (農林水産省農林経済局統計情報部)
など
1973年から現在の
2015年までに発行されている統計データを参考に全国と三重県と を比較しながら南伊勢町の漁業の現状を明らかにし、
SBPの活動によりどう変化していく のかについて考察を行い第
7章をまとめとする(図
1)。
図
1 論文構成図第
1章
序章
第
5章
地域の情報マップの作成 第4章
セレクトギフトの作成・販売 への参加
第
6章 今後の展望 第
2章
事例地の概要
第
3章
SBPの概要第
7章 まとめ
4 1-2 背景・目的
近年、全国の地方各地では地域産業の衰退、また若者の都市部への流出による人口減少 が進んでおり、疲弊した地域が増加している
1)。しかし、地域によっては高校生を主体と した活動が地域活性化へと繋がっている地域もあり、三重県立相可高等学校の生徒による
「高校生レストランまごの店」 、 兵庫県立龍野北高等学校の生徒による 「まちづくり貢献部」
の活動を挙げることができる
1)。三重県立相可高等学校では食物調理科の生徒の料理技術 向上、兵庫県立龍野北高等学校では総合デザイン科の生徒の授業の成果を発表するファッ ションショーの機会の設置、環境建設工学科の生徒の歴史的建造物への関心を高めるため の「町ぢゅう美術館」展示、といったようないずれも生徒の学習のために高校、 行政、 地 域企業が連携して取り組んだ結果、 地域の活性化へと繋がっている。
本研究の対象地である南伊勢高校においても高校生が主体となり、地域の課題に対しビ ジネスを手法に解決する
SBPが活動している。
南伊勢高校が所在する南伊勢町では、人口減少が進んでおり
2010年から比較して
2040年には約
56%が減少すると予想されている2)。特に
19歳以下の人口は約
71%減少と、子供の世代がより多く減少すると考えられている。その結果、南伊勢町の唯一の高校である 南伊勢高校は、在校生の減少により廃校となる可能性がある。この場合、町内には高校は 無くなり、中学校を卒業した段階で町外へ進学することを余儀なくされる。こうして町外 に進学した学生は、その後、都市部の大学や専門学校等へ進学し、さらに就職と続き、町 に若い世代がほとんど残らない仕組みとなりえる。
また産業面では、魚種別漁獲量合計が県内1位を誇る漁業であるが、漁業従事者の数も 減少する傾向にあり、 1970 年代と比較して半数以下になっている。所得面を考えると、
町の約
97%を占める沿岸漁業での漁業所得における全国平均が、約238万円(2012 年現
在)となっており、全国の1年を通じて勤務した一般勤務給与所得者の平均年収
408万円 と比較して経済的な格差がある
3)。
南伊勢高校の生徒らは、疲弊していく地元の地域産業の振興を図り、雇用を増やし、地 元に就職しやすい環境を作っていくために、平成
25年
4月に
SBPを設立し、現在活動し ている。
本研究では
SBPの活動が地域産業の振興へ貢献するのか、また活動を続けることで町
にどのように作用するのかを考察した。また
SBPの今後の課題の抽出を目的とした。
5 1-3 方法
SBP
が設立された平成
25年
4月から平成
27年
3月までの
2年間参与観察を行った (資 料 平成
25~26年度活動記録参照) 。
参与観察の中で行ったセレクトギフトの作成・販売、地域の情報マップ作成をまとめ、
町にとっての
SBPの有用性を考察する。
SBP
の活動の長期的な展望は以下のようになり、本研究では地域産業を「漁業」とし、
振興とは「町外への特産品の情報発信による販売促進・売上増加」として①~③に参加、
④~⑧は①~③を踏まえた上での考察として展開する。
① ヒアリング、インターネット等を活用し地域を知る。
② ビジネスを手法に地域産業の振興を図る。
③ 課題、今後の展望を抽出。
④ ③を踏まえ、継続性を持たせ活動を続ける。
⑤ 売上増加、収入増加または新たな産業のあり方の模索。
⑥ 新事業、企業の増加。
⑦ 雇用の増加。
⑧ 地元での就職、または
Uターン就職のしやすい環境となる。
6
第
2章 事例地の概要
2-1 三重県度会郡南伊勢町の詳細
所在:三重県度会郡(図
2)総人口:14、296 人
4)(2014 年
12月
31日現在)
地目別面積:耕地
6。54k㎡(2。7%)宅地2。47k㎡(1。0%)山林205。68k㎡(84。6%)
人口密度:53。6 人/㎢
自然的・地理的条件:
紀伊半島沿岸東部に位置しており、東に志摩市、北は伊勢市、度会町、西は大紀町に接 している。南側はリアス式海岸を有し、その海岸線を中心に町域の約
6割が伊勢志摩国立 公園に指定されている。町域の
85%を山林が占め、平坦部は少なく海に面した僅かな土地に民家が集中する沿岸部と、民家と耕地が散在する農山村部とに分かれている。
38の集落 で形成される農山漁村地域であるが、山の緑と海岸が織りなす調和のとれた自然は豊かで 美しく恵みに溢れ、 「伊勢の南玄関」として知られている
5)。
2-2 三重県立南伊勢高校の詳細
教職員数:23 人、生徒数:68 人
特徴:南伊勢町の五ヶ所浦にあり海のすぐ近くにあるため自然に恵まれている。南勢中学
校と連携し中高一貫教育を行っている。普通科のみの設置であるが、2つのコースが開設
されている。進学を希望する生徒が進むアドバンスコース、就職を希望する生徒が進むビ
ジネスコースである
6)。
7
図
2 南伊勢町、三重県立南伊勢高校南勢校舎の位置七i'lw.
三重県
8
第
3章
SBPの概要
3-1 目的
SBP
では生徒らが中心となり南伊勢町における資源(特産物、産業、人材、風土など 有形無形を問わず地域に関連するもの全般を指す)や課題を調査し、その地域資源を活用 したビジネスプランを考案していく。そこから、そのビジネスプランを高校の教職員、地 元企業、行政など専門知識を持つ人材と共にブラッシュアップを繰り返し、より実現性の あるプランへと仕上げていく。そして、そのビジネスプランを
SBPが中心となり実行し
(地域内外の企業と連携、起業などの方法を用いて) 、衰退しつつある産業の振興を図るべ く「続く」ビジネスの実現を目的としている(写真
1、2、3、4)。
3-2 活動の内容
•
参加人数:14 名(生徒
6名、教職員
5名、南伊勢町役場
3名
2014年度現在)
•
活動頻度:週
1~2回(テスト期間、イベント、視察等ある場合不定期)
•
活動場所:会議は高校内、その他イベント等は高校外
•
参加イベント:おさかなフェスタ南伊勢、サニー市南伊勢町、歳末物産市、さんフェ ア愛知
2013愛知県ハイスクール起業家コンテスト、 全国過疎問題シンポジウム 2014
inみえ、第
1回全国高校生“S”の交流フェア
7)、第
32回地域づくり団体全国研修交 流会三重大会、第2回全国高校生“S”の交流フェア
7)、第
2回人源輝業セミナー、
三重の現場・すごいやんかトーク、南伊勢のつどい(50 音順)
•
活動詳細:セレクトギフトの作成・販売、地域の情報マップ作成、町内の企業へのヒ
アリング、県内外の高校及び団体等からの視察受け入れ
9
写真
1 活動の様子① 写真2 活動の様子②写真
3 活動の様子③ 写真4 活動の様子④10
第
4章 セレクトギフトの作成
4-1 セレクトギフトとは
生徒らが企画、デザインをしたお歳暮やお中元向けの贈答品である。現在販売されてい る南伊勢町の特産物を利用した商品を生徒らが選定し、一つのセレクトギフトとしてパッ ケージングし販売する。 この販売により特産物の地域外への周知、 商品の売り上げの貢献、
また販売により得た利益を
SBPの活動に利用することを目的としている。商品の選定か ら価格交渉、箱のデザイン、付属品の作成、箱詰め、販売まで生徒が一貫して行い、商品 を作り上げていく(写真
5、6)。現在の利益の活用方法は、町のマスコットキャラクター である「たいみー」の人形焼の金型作成が予定されている。
4-2 商品の選定方法
① 南伊勢ブランドという町が認定した地域の特産品の商品を購入し試食。
② 評価基準を設け、
SBP全体で
10段階の評価を行う。また同時に各商品の味、見た目、
販売方法等の意見交換を行う(図
3、4)。
③ 生徒のみの評価、意見を抽出し、8 点以上が採用、8 点未満
7点以上が再検討、7 点 未満が不採用とし選定する。
④ 採用された商品の価格交渉を生徒が行い、最終決定となる。
4-3 販売計画・結果
第一回目である今回の販売額は
3、500円(税込) 、販売目標は
300個とし、販売方法は手 売りのみで行った(図
5)。
結果として、表1に示すように、販売目標の
300個を完売することができた。
写真
5 セレクトギフトの内容写真
6 同封されている「ふるさとからのラブレター」
11
図
3 商品の審査に使用した評価シート①図
4 商品の審査に使用した評価シート②商晶名 富生節
層圏,
写 真3 写真4
審 査 員 置
1
u 盆 鍵 ~ 圃 E 躍 ' 置 1 ." 1 ilIlJ 1会 │
1 .
闘傷者. . 1
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書 董 日
評価
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‑厩宛偏織
‑仕入価格 .仕入方法
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•
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平 成26隼鹿 2014年5月15日 鎗 畢
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510円
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保曹汚量直前日兇署躍11常温.闘封睡眠措置圃.
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平.26隼鹿
12
表
1 販売結果詳細年 月 日 販売場所 数量
2014 11 5 第2回人源輝業セミナー、 33
8 第2回全国高校生“S”の交流フェア 25 9 セレクトギフト完成発表会
19 第32回地域づくり団体全国研修交流会三重大会 14 29 おさかなフェスタ南伊勢
12 5 南伊勢のつどい 21 サニー市 23 歳末物産市
高校販売分 64
役場販売分 121
三重テラス 5
その他 27
合計 300
11月~
12月
13
第
5章 地域の情報マップの作成
5-1 概要
のアカウントを作成後、Facebook 内のチェックイン機能
aを活用し、 これま
でに
SBPの活動にて得た情報を整理していく。この地図を地域の情報マップと名付け、
生徒が容易に扱え、スマートフォン等で場所を選ばず地図を編集し更新できる理由で
Facebook上に作成することを選定した
8)。
ヒアリングを行った企業の情報やイベントの参加情報などをマッピングしていくことで、
SBP
の活動内容と、高校生の目線で見た南伊勢町の情報が組み込まれた一つの地図を、作 成し、これを外部に発信していく(図
5、6)。
5-2 作成の目的
これまでのヒアリング先の情報やセレクトギフトの選定時の商品の情報は、紙媒体で保 存していた。しかし、生徒は毎年卒業していき、毎年新入生が入ってくるため、その代々 の情報の引継ぎを容易にする方法が必要である。またその活動の周知、地域の情報を発信 する方法が必要である。
そこで今後も増える情報の保存・整理を容易に、また外部への情報発信を可能にするな どの二次活用を目的とし
Facebookを活用し地域の情報マップを作成する。
5-3 作成方法
①
SBPの
Facebookアカウントを作成する。
② 企業へのヒアリング、セレクトギフトの選定の際の意見をまとめる。
③ 地図上にマッピングする。
④ 今後も②、③を繰り返し追加していく。
a
チェックインとは位置情報が登録されている場所を訪れたときにスマートフォン等の
GPS機能を利用して、自身の位置情報を知らせることが出来る機能である。チェックイン
する際にその場所の情報、写真も同時に載せることができる。
14
図 5 地域の情報マップイメージ図
SBP の活動で関わった場所を地図上にマッピングしていき、一つの地図上で今まで得た 情報を一覧できるようにする。
図
6 SBPの活動における地域の情報マップの位置付け
高校と行政や大学、企業との連携を行いながら
SBPの活動を進めていく。
15
第
6章 考察
6-1 南伊勢町の漁業の現状から考察するSBP
の役割
三重県の漁獲量の初めのピークである
1973年から現在の
2015年までに発行されている 統計データ
9)~17)をもとに、全国と三重県とを比較しながら南伊勢町の漁業の現状を明らか にし、SBP の活動により今後どう変化していくのかを以下に考察した。
南伊勢町の漁業は、魚種別漁獲量合計県内
1位、全国
5位であり、魚種別で見てもまぐ ろ類、かつお類、いわし類、あじ類、さば類、いか類が県内
1位の漁獲量で、いわし類は 全国で
1位であり漁獲量が高い(2012 年現在) 。
しかし、1973 年から比較して漁業従事者は半数以下となっている(表
2)。また、経営 組織別経営体数をみると個人経営、共同経営の数は
1973年から
2008年の推移をみると激 減しているのに対し、会社の数は増加している(表
3、4)。さらに、経営体階層別経営体 数でみると、減少している経営体の割合は沿岸漁業層が
97。3%と圧倒的となっている(表 5、6)。しかし、漁獲量は年によって上下があるのみで大きな減少はないことから
1経営 体あたりの漁業の大規模化が起きていることがわかる(表
7)。
つまり、
1973年から比較して減少している主な経営体は、沿岸で漁業を行う小規模な個 人の従事者であることがわかる。
南伊勢町の漁業従事者の
97。8%は個人経営であり、この個人経営の漁業従事者の収入を上げることが南伊勢町の漁業の振興に繋がると考察した。そのために、南伊勢町近海の 海産物を使用した加工食品の売り上げを伸ばすことで、沿岸漁業への需要がより生まれる と考察した。
ここでの
SBPの役割は、町内外への特産品の宣伝による販路拡大である。セレクトギ フト内には商品の説明書、取扱い店舗やホームページの
URL等の詳細が記載されている 用紙も同封されているため、気に入った商品を個別に再度注文が可能であり、新たな顧客 を獲得できる可能性がある。2014 年度に販売したセレクトギフトの個数は
300個であっ たが、
2015年度には、お中元とお歳暮で各
500個、年間で
1000個の販売を予定しており、
さらに回数を重ねていく上で販売の個数を増やしていく予定である。各イベントでの活動
発表、地域の情報マップでの情報発信も合わせて、
SBPの活動が南伊勢町の特産品の宣伝
となると考察した。
16
表
2 漁業従事者数推移(出典 参考文献10~17参照)
表
3 経営組織別経営体数からみた個人経営体数の推移(出典 参考文献10~17参照)
表
4 経営組織別経営体数からみた会社、共同経営の数の推移(出典 参考文献
10~17参照)
3921 3649 3441 3396
2495 2234
1829 1540
0 1000 2000 3000 4000 5000
1973 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008
人
年
漁業従事者数
1507 1409 1384
1202 1158 965
763
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600
1973 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008
経 営体
年
経営組織別経営体数・個人経営体
該当データなし
17
表
5 1973年~2008 年の経営体階層別経営体数の詳細
(出典 参考文献
10~17参照)
表
6 1973年と
2008年の経営体階層別経営体数の比較(出典 参考文献
10~17参照)
10 9 9 10 13 16 16
24 13
19 12
5 1 1
0 10 20 30
1973 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008
経 営体
年
経営組織別経営体数・会社、共同経営
会社 共同経営
1973年 1978年 1983年 1988年 1993年 1998年 2003年 2008年 1505 1382 1480 1373 1186 1149 963 759
漁船非使用 2 1 1 1 2 4 3
無動力船のみ 23 3 1 1
1トン未満 126 84 91 66 65 97 80 71
1~3 238 231 349 297 278 316 289 194
3~5 31 50 75 56 51 49 54 72
5~10 16 69 56 23 23 25 27 41
大型定置網 5 5 4 3 4 5 4 4
小型定置網 25 28 25 37 31 38 35 38
地引網 1
のり養殖 374 259 204 176 119 67 44 40
かき養殖 1 2 2 7 13
真珠養殖 185 104 124 223 219 220 186 118
真珠母貝養殖 30 14 31 30 26 19 6
わかめ養殖 2
はまち類養殖 421 393 314 163 46 19 10 3
ホタテ養殖 1
たい養殖 199 246 250 231 156 111
ひらめ養殖 12 7 3
まぐろ養殖 1
その他養殖 26 155 23 51 67 39 40 41
31 44 50 41 37 30 20 20
10~20 14 23 24 19 18 14 9 14
20~30 2 1 8 4 3 3 2
30~50 3 5 5 3 3 1
50~100 6 7 5 5 2 3 1
100~200 1 1 2 2 1
200~500 3 5 5 5 5 3 4 2
500~1000 2 3 3 5 5 5 3 1
8 6 7 2 2 2 1 1
1000トン以上 8 6 7 2 2 2 1 1
1544 1432 1537 1416 1225 1181 984 780 大規模漁業層
総数 区分
沿岸漁業層
中小漁業層
沿岸漁業層 △ 746 50.4%
中小漁業層 △ 11 64.5%
大規模漁業層 △7 12.5%
対差 2008-1973
対比 2008/1973
該当データなし
18
表
7 海面漁業漁獲量推移出典「海面漁業生産統計調査」農林水産省(2012 年)
6-2 SBP
の今後の課題の抽出・展望
今後
SBPでは、セレクトギフトの継続性の向上、生徒らの自主性の向上、町民への活 動の周知が課題である。
セレクトギフトでは現在、人件費がかからないにも関わらず利益率は低く、また販売方 法が手売りのみであるため遠方からの注文に対応することができない。今後販売個数を伸 ばし、ソーシャルビジネスとして地域のためにセレクトギフトを販売するためには改善が 必要である。ただし、今回のセレクトギフトの販売は初回であったが、予定していた
300個は完売し、販売終了後もさらに問い合わせが多くあったのは次回以降の販売にも期待で きる点である。
また、現状では役場職員、学校職員が必ず参加し会議等が行われているので、一週間に 行える活動の回数も限られていた。特にセレクトギフトの作成時の箱詰めは少ない日数で 集中的に行っていた。今後セレクトギフトの販売個数を増やすにあたり生徒のみの活動の 日を設け、需要に対応する体制を整える必要である。同時に生徒のみの活動時に、活動の 内容についての改善点や提案等の意見をもらうなど、役場職員や学校職員では気づかない ような高校生目線の意見を積極的に抽出していくことが重要だと考察した。このように生 徒らの自主性の向上が今後必要になってくると考えた。
町民への活動の周知の点では、ケーブルテレビ、新聞等のメディアへの露出があるもの の、町民全体に周知されているかは明確ではなく、町民の賛同をどの程度得られているか も明確ではなかった。より賛同を得られるよう地域に貢献できる活動内容としなければな らず、それには学校内のクラブ活動として完結させるのではなく、より外部へ情報発信し 活動内容を明瞭にする必要がある。
0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
トン
年
海面漁業漁獲量
19
今後の展望として、個人経営の漁業従事者と加工業者を仲介し、商品開発を行うことに よってそれぞれの売上増加が考えられる(図
7)。
1つ
1つの個人の経営体の販売力、加工 技術は乏しいが、
SBPが仲介し個人経営の漁業従事者を束ねることによって新しいビジネ スが生まれる可能性も期待できる。仮に漁業従事者への利益が
300円の商品
Aを作成し
SBPが年間で
2000個売った場合
60万円の収入増加になる。
2014年現在の平均漁労取得 は
201万円であるが、
1973年は
133万円であり約
1。5倍となっている。しかし、国立大 学の学費を例に比較すると、現在は
53。58万円、1973 年は
3。6万円であり
18)、約
15倍となっており大学進学させるにあたり負担は大きくなっている。上記の一年間のセレク トギフトの販売分の利益は、国立大学の
1年間の学費を賄えるという計算になり、個人経 営で漁業に従事したとしても大学進学の際の負担を軽減することができるほどの効果であ る。
SBP
の活動を続けることで地域との繋がりを多く持ち、生徒らの地域への愛着、地域の 住民から生徒への愛着を生むこととなると考えた。そして町の主要産業である漁業の振興 に繋がり、雇用の創出、町の活性化となると考察した。
図
7 SBPが個人経営の漁業従事者と加工業者を仲介した時のイメージ図
SBPで今後考えられる活動のひとつであり、現在は検討段階である。
20
第8章 まとめ
本研究では、2013 年
4月から
2015年
3月までの期間
SBPの活動に参加し、参与観察 を行った。活動の中での役割として、セレクトギフト作成・販売のサポート、地域の情報 マップの作成を行い、活動を通して
SBPの活動が地域産業の振興に繋がるか、また活動 を続けることでの今後の展望を考察した。
生徒が活動に参加することにより地域のことを知り、考え、行動することで町に何が必 要なのか、また町で働くためには自分になにが必要なのかを、考える力が付くことも
SBPが活動する重要な意味である。全国的に人口減少を理由に廃校となる高校が増加すると予 想される中、
SBPの活動はこの高校でなければ学べない、この町でしか体験できないとい うような高校に存在価値を生み出すことができる活動であり、その活動に惹かれ志し高く 入学する生徒が増えて来ることも期待できる。
SBP
の活動は南伊勢町、また
SBPに参加する生徒、周囲の関係者の成長を担う有用な 活動であると考察した。
謝辞
2
年間
SBPの活動を共にした三重県立南伊勢高校南勢校舎の生徒みなさん、向井英規先
生をはじめ先生方々、南伊勢町役場の向井将氏、川口朋子氏をはじめ職員方々に心から感
謝申し上げます。また本研究を進めるにあたり的確なアドバイス、叱咤激励をくださった
医学系研究科西村訓弘洋先生、地域イノベーション学研究科矢野竹男先生、多気町まちの
宝創造特命監の岸川政之氏に心から感謝の気持ちと御礼を申し上げたく、謝辞にかえさせ
ていただきます。
21
参考文献
1)
「地域活性化の拠点として学校を活用した地域づくり事例調査」
総務省地域力創造グループ地域自立応援課(2013 年)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000222444.pdf
2)
「日本の地域別将来推計人口 男女・年齢(5 歳)階級別データ」
国立社会保障・人口問題研究所(2013 年)
http://www.ipss.go.jp/index.asp
3)
「平成
25年民間給与実態統計調査結果」
国税庁(2013 年)
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan/top.htm
4)
南伊勢町役場
HPhttp://www.town.minamiise.mie.jp/
5) Wikipedia
南伊勢町
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E4%BC%8A%E5%8B%A2%E7%94%B A
6)
三重県立南伊勢高校南勢校舎
HP http://www.mie-c.ed.jp/hnanse/7)
全国高校生“S”の交流フェア
HP http://s-kouryu.net/top8)
「Facebook ページ運用」
ソーシャルメディアマーケティングラボ
http://smmlab.jp/?cat=1749)
「海面漁業生産統計調査」
農林水産省(2012 年)
http://www.maff.go.jp/index.html
10)
「第
5次漁業センサス第
3報第
3分冊」
農林水産省農林経済局統計情報部(1975 年)
11)
「第
6次漁業センサス第
5報」
農林水産省経済局統計情報部(1980 年)
12)
「第
7次漁業センサス三重県結果概要」
22
三重県企画調整部統計課(1985 年)
13)
「三重県の漁業 第
8次漁業センサス結果報告書」
三重県地域振興部統計課(1990 年)
14)
「三重県の漁業 第
9次漁業センサス結果報告書」
三重県地域振興部統計課(1995 年)
15)
「三重県の漁業 第
10次漁業センサス結果報告書」
三重県総合企画局統計調査室(2000 年)
16)
「三重県の漁業
2003年漁業センサス結果報告書」
三重県総合企画局統計調査室(2005 年)
17)
「三重県の漁業
2008年漁業センサス結果報告書」
三重県政策部統計室(2013 年)
18)
国立大学授業料 年次統計(2013 年)
http://nenji-toukei.com/
23
資料
平成
25~26年度活動記録
月 日 場所 月 日 場所
2 多気町役場 9 三五七屋
3 南伊勢町役場 9 鶴路米
9 多気町役場 30 モクモクファーム 16 多気町役場 1 南伊勢町役場
17 高校 6 南伊勢高校
22 三重大学 7 南伊勢高校 23 南伊勢町役場 10 愛知県 24 南伊勢高校 14 岡水産 25 三重大学 14 干物の山眞
1 南伊勢高校 25 南伊勢町役場
7 多気町役場 5
8 南勢養鶏 6
13 南伊勢町役場 14 南伊勢高校 16 南伊勢高校 19 南伊勢高校
21 多気町 10 南伊勢町役場
22 南伊勢高校 17 南伊勢高校 29 土実樹 22 南伊勢高校 6 4 多気町役場 30 マサヤ
4 南島西中学校 3 南伊勢町役場
4 万協製薬 5 多気町役場
5 南伊勢高校 7
12 竹炭工房竹取物語 8
14 南伊勢町役場 9
19 南伊勢高校 11 南伊勢高校 26 南伊勢高校 18 南伊勢高校 26 内瀬柑橘組合 20 南伊勢町役場 10 アッパッパ屋 21 南伊勢高校
10 23 浮島パークなんとう
11 1 南伊勢高校
17 南伊勢高校 14 南伊勢高校 8 7 総合文化センター
2 京都
11 南伊勢高校 18 相可高校
南伊勢高校 27
28
平成25年度
5
2
佐賀県
3 4
7
和歌山県 かつらぎ町
9
多気町
10
11
12 和歌山大学
1
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