変形するコマを用いて
渦位保存則を直感で理解する方法
三重大学・大学院生物資源学研究科 共生環境学専攻
地球環境気候学研究室 教授 立花義裕
今日の目標
下記の理由を理解する
•
上昇流や下降流は渦(低気圧、高気圧)を発生させることが出来る。
•
渦(高低気圧)が南北に移動すると、渦 が強まったり弱まったりする。•
南風は、高気圧(時計回りの渦)を作り、北風は低気圧(反時計回りの渦)を作 る。
E
C
e
a
摩擦無し
地球上の渦が北上したり、南下したりすると その強さは変化するか?
答え;南下すると反時計回りの渦が強まり、
北上すると時計回りの渦が強まる
∴a
の人から見たコマCの角速度は;2
1
次に、下のコマが何らかの理由で減速したとする
このとき
e
の人からみたコマCの見かけの回転は どのようになるであろうか?Ω
=const
:←角運動量は保存されるから1 0
const
2
1
大 2
回転が加速する!!
増大の時 1 2
減速 1
問1
e
の人から見たコマCの角速度は;
2 2
a
の人から見たコマE
の角速度は ; 1
の時
また、変化後のコマ
C
の角運動量を変化後のコマ
E
の角運動量をとすると
1
2回転が減速する
!!
地球上で考えてみよう
北極上空を
ω
2で回転している 大気の渦があったとするちなみに、地面は
ω
1で廻っている2
1
このとき2
1
const
このときの渦の強さはどうなるか?
この
ω
2で回転している大気の渦がゆっくりと低緯度側へ移動したとしよう。
小 1
2
1
問2
大 2
低緯度側にずれると
渦の回転が加速する
!!
従って、地球上での渦は、南北へ移動するだけで 強まったり、弱まったりする
整理すると
低気圧(反時計回りの渦)
高気圧(時計回りの渦)
低気圧(反時計回りの渦)
高気圧(時計回りの渦)
北上
南下
北上
南下
渦弱まる
渦強まる
渦強まる
渦弱まる
低気圧弱まる
低気圧強まる
高気圧強まる
高気圧弱まる
問3
このコマの半径が 縮んで、上へ伸び たとしよう。
(体積は同じ)
伸びた場合
上のコマの回転はどうなるか?
角運動保存則を使い考えてみよう。
const rv
L
const I
L I r 2 m
r
r v v
r r
増加(加速)
よって
I I
従って、回転は速くなる!!
上昇流
r
r
´
v
v
だから この時
だから この時
I I
ω
ω´
上昇流の場合
I
;慣性モーメントω
;角速度L
;角運動量 r;半径m;質量 v;速度縮んだ場合
上のコマの回転はどうなるか?
角運動保存則を使い考えてみよう。
const rv
L
const I
L I r 2 m
r
r v v
r r
減少(減速)
よって
I I
フィギュアスケートの技を考えると理解しやすい。
下降流
v
だから この時
だから この時
I
ω v
r´
I
ω´
従って、回転は遅くなる
!!
下降流の場合
I
;慣性モーメントω
;角速度L
;角運動量 r;半径m;質量v;速度
r
の場合はどうなるか
伸びた場合
絶対座標からみて、角運動量は保存される
const I
L
I I
気柱が伸びると
1 const
増加(加速)
2
const I
I
( 1 2 ) ( 1 2 )
よって、反時計回りに加速する。
問4
1
1 2
2 v
'
2 I
;慣性モーメントω
;角速度L
;角運動量 r;半径m;質量 v;速度地球 地球
I
大気I´
の場合はどうなるか
縮んだ場合
絶対座標からみて、角運動量は保存される
const I
L
I I
気柱が縮むと
1 const
減少(減速)
2
const I
I
( 1 2 ) ( 1 2 )
よって、縮んだ場合は、時計回りに加速する。
問4のつづき
2 2 v
2 '
I
;慣性モーメントω
;角速度L
;角運動量 r;半径m;質量 v;速度地球
1
地球
I I´
大気
1
の場合はどうなるか?
伸びた場合
2 0
) ( 1 2
I
const
1
止まっている
(渦を持たない大気の塊)が上昇して、気柱が伸びる
const
const I
L
小I
大 2 2 ( o ?)
1
I
正の数 よって、
2
従って、止まっていた大気の塊が反時計回りに、廻り出す。
問5
) (
2
0
止まってる
2 1
1
I I´ I ω
;慣性モーメント;角速度L
;角運動量r;半径m;質量 v;速度
地球上の非回転大気の上昇流の場合
地球 地球
大気
縮んだ場合
上の図はどうなるか?
) ( 1 2
I
よって、時計回りに廻り出す。
I L
I I
) ( 1 2
I
0
逆回転)
たので、負の数になる
減少(最初がゼロだっ
2
2 0
1
問6
地球 地球
大気
1
2
I I´
I
;慣性モーメントω
;角速度L
;角運動量 r;半径m;質量v;速度
地球上の非回転大気の下降流の場合
まとめ
地球上で
(気柱がのびる)
が起こると反時計回りに渦が加速される。
(生じる)
(上昇流)
(気柱が縮む)
が起こると時計回りに渦が加速される。
(生じる)
(下降流)