<自殺の現状>
1.自殺者数の推移
本市の自殺者数は、近年減少傾向にありますが、自殺死亡率については国や 県の平均より高い状態が続いています。
自 殺 者 数 及 び 自 殺 死 亡 率
*
の 推 移
*自殺死亡率は、人口10万人あたりの自殺者数
地域における自殺の基礎資料(厚生労働省)より(発見日・居住地ベース)
85 71 65 65 53 30.5 25.5
23.1 23.1
18.9 23.5
20.6
19.8 19.7
18.8 24.3 22.0 21.3 19.8 18.7 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0 5 10 15 20 25 30 35
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
市原市 市原市 千葉県 全国
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
市原市
自殺者数(人) 85 71 65 65 53 自殺死亡率 30.48 25.51 23.08 23.13 18.91 千葉県
自殺者数(人) 1,448 1,266 1,235 1,230 1,178 自殺死亡率 23.52 20.59 19.79 19.69 18.84 全国
自殺者数(人) 30,651 27,858 27,283 25,427 24,025 自殺死亡率 24.28 21.99 21.25 19.80 18.74
第4章 生き心地のよいまちづくりの推進
(自殺対策計画)
86
2.男女別の状況
男女別では、男性が 6~8割 と高くなっ て います。男性の 自殺者数 は概ね緩や かな減少傾向にあり、女性も年により変動しつつも全体的には減少しています。
男女別自殺者数
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
男性 65 49 49 47 43 女性 20 22 16 18 10
地域における自殺の基礎資料(厚生労働省)より(発見日・居住地ベース)
3.年代別の状況
年代別では、50~60歳代が最も多く、次いで30~40歳代が多くなっていま す。また、40歳未満の若年層の割合は国や県より高く、約3割を占めています。
4.原因・動機別の内訳
「健康問題」が約 4分の 1を占め 、 次いで「家庭 問題」「 経済・生活 問題」の順 に多くなっています。
~19歳
3.6% 20~29
歳
11.9% 30~
39歳
14.0%
40~49 歳
15.8% 50~59
歳
17.9% 60~69
歳
18.5% 70~79
歳
13.1% 80歳~
5.4% 35,420 1,801 101 99,824 4,533 238
0% 20% 40% 60% 80% 100% 全国
千葉県 市原市
40歳未満 40歳以上
健康問題 101
家庭問題
61
経済・生活 問題
52
勤務問題
12
男女問題
10
学校問題
6
そ の他
11
不詳
154
単 位:人
単 位:人
本市の自殺原因・動機別内訳(2011年~2015年)
単 位:人
(2011年~2015年)
地域における自殺の基礎資料(厚生労働省)より(発見日・居住地ベース)
注)遺書等の自殺を裏付ける資料により明らかに推 定できる原因・動機を3つまで計上可能としてい るため、原因・動機別の和と自殺者数とは一致し ない。
<対策>
一人ひとりがかけがえのない個人として尊重され、早期に「誰も自殺に追い込ま れることのない社会」の実現を目指します。
・2015年において、国全体で2005年からの10年間で自殺死亡率を20%以上 減少させ てきた ことを 踏ま え、本 市では2026年ま での10年間 で、2015年 の自殺死亡率からさらに20%以上減少させることを目指します。
・目標値について、単年では自殺者1人あたりの自殺死亡率の変動の幅が大きい ことなどを踏まえて、連続する3年間の平均値として捉えることとします。
・このうち、 40歳未 満の、い わゆる若 年層 の自殺者数に ついて、 現在のと ころ 国や県の目標はありませんが、現状を踏まえて、市独自に全体の2割以下とな ることを目指します。
● 指 標 ●
項 目 基準値 (2015年) 目標値 (2026年(2024年から2026年の平均)) 出典 自殺者数 53人 42人以下(うち、若年層は2割以下) ⑳ 自殺死亡率(人口10万人対) 18.91 15.13以下( 〃 ) ⑳
【出典】
⑳ 地域における自殺の基礎資料(厚生労働省)
人と人とのつながりで、自殺のない、生き心地のよいまちへ
めざす姿
国の自殺総合対策大綱の基本的考え方に沿って、本市においては、以下の考え 方で自殺対策に取り組むものとします。
1.社会的要因も踏まえ総合的に取り組む
2.一人ひとりが自殺予防の主役となるよう取り組む 3.段階ごと、対象ごとの対策を効果的に組み合わせる 4.関係者の連携による包括的な「生きる支援」を強化する 5.自殺の実態に即した施策を推進する
6.施策の検証・評価を行いながら、中長期的視点に立って、継続的に進める 7.対象となる集団(若年層・中高年層等)毎の実態を踏まえた対策を推進する 8.県(市原健康福祉センター等)や関係団体、民間団体、企業及び市民との連
携・協働を推進する
88
<推進の方向性>
(1)関連施策の連動性の向上推進
社会的要因を含む様々な要因により自殺の危険性が高まっている人に対して、 様々な分野の人々や組織が密接に連携することで、十分な社会的包括支援が受 けられるように取り組みます。
また、相談支援の充実をはかるため、市民・行政・医療機関・関係機関・団 体等とのネットワーク体制を強化し、包括的な生きる支援を展開します。
(2)心の健康の保持・増進
自殺の原因となるストレスについて、ストレス要因の軽減、ストレスへの適 切な対応等、心の健康の保持・増進のため、 学校や地域、職場における体制整 備を推進します。
(3)若年層対策の充実
40 歳 未満 の、 いわ ゆる 若年 層の 自殺 死亡 率に つ いて 、他 の年 齢層 が減 少 し ているにも関わらず、長期的に見てほとんど変化がなく、若年層の自殺の問題 は深刻さを増しています。
対策として、道徳教育の充実、教職員等に対する思春期におけるメンタルヘ ルスリテラ シー
*
等の心 の健康の 保持・増 進 の取り組み を実施 するとと もに、 子ども・若者総合相談窓口等により、学齢期からの切れ目ない、若年層への支 援体制の充実を図ります
*メンタルヘルスリテラシー:心の不調や病気の兆候、症状、特徴と、適切な対処方法の正し い知識と理解のこと。また、それを身につけておくための教育を指すこともある。その人 自身の対処力の向上だけでなく、周りの人への支援にもつながる
● 指 標 ●
項 目 区 分 基準値 (2015年) 目標値 (2026年) 出典 子ども・若者総合相談利用者数 40歳未満 660件 800件以上 ㉑
睡 眠 に よ る 休養 を 十 分に 取 れ て いない人の割合
18歳以上 26.9% 減少 ⑪
こ こ ろ の 健 康 に 関 す る セ ル フ チェックツール月平均利用者数
- - 10,000件以上
【出典】
⑪ 「健康いちはら21」市民アンケート調査 ㉑ 青少年指導センター事業実績
コラム21
自殺の統計
厚生労働省の自殺に関する統計として、「人口動態統計」と警察庁から受けたデータを基に作 成した「地域における自殺の基礎資料」があります。
前者は、死亡届に添付された死亡診断書により自殺と診断されたものを、後者は、警察が捜 査等により自殺と判断したものを、それぞれ計上するもので、一般的には後者で計上する自殺 者数の方が多くなっています。
本市における自殺の統計については、基本的には「地域における自殺の基礎資料」のうち、 死体が発見された日とその人の生前の居住地で整理した数値を用いています。
事業内容 実施機関
各相談窓口の連携・窓口職員の資質の向上等、相談支援機 関の窓口の充実・支援環境を整備します
相談窓口所管課
心の健康に関する市民向けセルフチェックツールを提供し ます
保健センター
目標達成に向けた社会環境の整備 いつの間にか対策
目標達成のための具体策(社会環境の整備)
●ストレスの対処法を身につけます
●自らの心の不調に気づいたら、早めに専門機関に相談します
●自殺の要因となり得る、生活困窮・児童虐待・性暴力被害・ひきこもり・性的 マイノリティ等について理解を深めます
●地域で孤立する人を防ぐため、普段から近隣や身近な人への声掛けなどをしま す
90
(1)ゲートキーパー
*
の養成
自殺の危険性の高い人の早期発見・早期対応を図るため、自殺の危険を示す サインに気付き、声をかけ、話を聴き、必要に応じて専門の相談機関につなぎ、 見守る「ゲートキーパー」を養成します。
*ゲートキーパー:自殺予防における「門番」の役割をする人のことで、悩んでいる人に気 づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る人のことです。
なお、ゲートキーパーには、特別な資格は必要ありません。 (2)市民の横のつながり、地域のネットワークとの連携
自殺は社会全体で防ぐことが出来るという認識を市民一人ひとりに持っても らい、地域のつながりを活用して地域全体で自殺を防ぐ取り組みを推進します。
(3)自殺に対する正しい知識や理解の普及啓発
自分の周りにいる自殺を考えている人の存在に気づき、専門家につなぎ、見 守る役割を市民一人ひとりが持っていることや、自殺は社会全体で防ぐことが 出来ることの理解を促進する必要があります。そのため、広報誌やウェブサイ ト等の媒体を活用したり、学校や地域、職場等での各種研修の機会をとおして 啓発を行います。
(4)相談窓口の周知
ウェブサイト等を活用し、各種の相談窓口の一元的な周知を図り、市民が相 談しやすい環境を整えるとともに、適切な支援につなげていきます。
● 指 標 ●
項 目 区 分 基準値 (2015年) 目標値 (2026年) 出典 ゲートキーパー養成講座累計参加者数 - - 1,5 00 人以上
こころの病気がわかる勉強会参加者数 - 112人 ※ ㉒
いじめ解消率 小中学生 94.4% 100% ㉓
悩みや不安 、不眠 などにつ いて相談で きる人がいる人の割合
18歳以上 70.9% 増加 ⑪
※こころの病気がわかる勉強会参加者数の目標値については、2017年度策定予定の「市原市障が い者基本計画」及び「市原市障がい福祉計画」の指標と整合を図り設定します。
【出典】
⑪「健康いちはら 21」市民アンケート調査 ㉒ 第 3 次市原市障がい者基本計画
㉓ 文部科学省「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」
事業内容 実施機関 自殺予防におけるゲートキーパーを養成します
市原市自殺対策 庁内連絡会議
*1 自殺や自殺関連 事象に関 する正しい 知識の普 及啓発をします
相談窓口や支援事業を周知します
うつ病など精神疾患に関する正しい理解を促進します (こころの病気がわかる勉強会 等)
障がい者支援課
児 童 ・ 生 徒へ の 、い じ め を許 さ ない 風 土を醸 成 し ま す( い じめゼロ運動・ハイパーQ-Uアンケート
*2
等)
小中学校 指導課 *1 市原市自殺対策庁内連絡会議と、その構成機関については、93ページ参照
*2 ハイパーQ-Uアンケート:よりよい学校生活と友達づくりのために生徒を対象に実施する アンケート。「やる気のあるクラス」「居心地のよいクラス」をつくるためのアンケートの
他に、「日常の行動を振り返る」ためのアンケートからなる。 Q-Uは「Questionnaire-Utilities」の略。
コラム22
自殺の基本認識
国の自殺総合対策大綱には、次の3つの項目が挙げられています。 1 自殺はその多くが追い込まれた末の死
・自殺は個人の自由な意思や選択の結果と思われがちですが、実際には様々な要因が複雑 に関係しており、その多くが追い込まれた末の死と言えます。
・自殺者の多くは、自殺の直前にうつ病などの精神疾患を発症しています。 2 自殺は、その多くが防ぐことができる社会的な問題
・健康問題や家庭問題など、一見個人の問題と思われる要因であっても、専門家への相談 など社会的な支援の手を差し伸べることによって、自殺を防ぐことが可能です。
3 自殺を考えている人は何らかのサインを発していることが多い
・特に中高年男性は、心の問題を抱えやすい上、相談することをためらうため、問題を深 刻化させがちだと言われています。
・家族や職場の同僚など身近な人でも、自殺のサインに気づきにくい場合もあり、身近な 人以外の人が自殺のサインに気づき自殺予防につなげていくことも必要です。
目標達成に向けた社会環境の整備
いつの間にか対策
目標達成のための具体策(社会環境の整備)
●自殺に対する正しい知識や理解を深めます
●いじめは人権を侵害する決して許されない行為であると認識します ●児童や生徒が健やかに成長できるように地域で見守ります
●いじめを発見した場合等には、学校や関係機関等に速やかに連絡を取るように します
●身近な人の変化に気づいたら、声をかけ、話を聴き、悩んでいたら専門機関に 相談するよう勧め、温かく寄り添いながらじっくり見守るようにします
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◎相談窓口について
本市においては、以下の庁内組織が主な窓口となり、各種相談に当たっています。 (相談によっては、予約の必要なものもあります。)
なお、庁外の相談先については、市ホームページ内「あなたのこころ、お元気で すか?」(自殺対策関連情報)に掲載していますので、参考にしてください。
http://www.city.ichihara.chiba.jp/kenko/00_kurasi_top/kokoronokenkou.html
内 容 所 管
健康に関する相談 保健センター
こころの健康に関する相談 障がい者支援課
家庭面
子どもの養育や家庭に関する相談
家庭児童相談室 児童虐待に関する相談
ひとり親・寡婦家庭の生活に関する相談 子ども福祉課
育児面
育児に関する相談全般
子育てネウボラセン ター
保育課 保育所
子育て支援センター 幼稚園
発達に心配のある子に関する療育相談 発達支援センター
配偶者などからの暴力に関する相談 人権・国際課
経済面
多重債務問題等に関する相談 消費生活センター
生活困窮からの自立に関する相談 自立支援室
生活保護に関する相談 生活福祉課
学校生活
教育相談 教育センター
いじめホットライン 指導課
非行に関する相談 青少年指導センター
特別支援教育電話相談 教育センター
労働問題に関する相談 商工業振興課
人権上の悩み事に関する相談 人権・国際課
法律上の問題に関する相談
市民相談室 交通事故に関する相談
子どもや若者(40 歳未満)の悩み事に関する相談 青少年指導センター
高齢者に関する相談
高齢者支援課 地域包括支援セン ター
女性のための相談
<その他の留意事項>
以下の事項にも配慮しながら、施策の推進に努めます。
・自殺の実態について出来るだけ詳細に分析した上で、計画の見直しに反映させ ていきます。
・自殺予防以外の分野(遺された人たちへの支援など)についても実施が可能か どうか検討していきます。
<推進体制>
○市原市自殺対策庁内連絡会議(事務局:保健センター)
自殺予防などについて庁内関係部局が共通の認識を持ち、緊密に連携して取り組 み、対策を円滑に推進するために、市原市自殺対策庁内連絡会議を設置しています。 (構成)
人権・ 国際 課、 市民 相談 室、NPO ・ボ ラン ティア 支援 室、 保健 福祉 課、 高齢者 支援課、生活福祉課、自立支援室、障がい者支援課、保健センター、子ども福祉 課、家庭児童相談室、保育課、商工業振興課、消費生活センター、教育委員会指 導課、教育センター、生涯学習課、青少年指導センター、警防救急課