• 検索結果がありません。

増田 絵美奈 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "増田 絵美奈 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

別紙1

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

報告番号

甲 第 3248

増田 絵美奈

論文審査担当者

主査 教授 荒木 和之

副査 教授 中村 雅典

副査 教授 高橋 浩二

(論文審査の要旨)

論文題名「Computational fluid dynamics analysis in patients with nasal disease」

掲載雑誌名:Rhinology (投稿中)

上記の主査1名、副査2名が個別に審査を行った。

上気道流体シミュレーション解析(CFD)は通気障害の評価方法の1つである。鼻閉を伴う鼻副鼻腔疾 患患者にCFD を用いて上気道の通気性を定量評価した研究は報告されていない。そこで、本研究は、鼻閉 を伴う鼻副鼻腔疾患患者にCFD を行い、鼻腔通気度検査(RM)と鼻腔音響検査(AR)と比較することで 鼻副鼻腔疾患患者におけるCFD の有用性を検討した。【方法】CT 撮影が必要な鼻副鼻腔疾患患者20 名に RM 及びAR を行った。CT データより500 cm3/sの体積流量の吸気条件でCFD を行った。鼻腔から咽 頭の間を4部位に分け、圧力と速度を測定した。先行研究より圧力 -120Pa 以下かつ速度12 m/s以上を通 気障害部位(障害部位) とした。また、各部位の圧力及び速度と RM ARの結果を比較した。【結果】

CFD の結果 14 名は鼻腔に、2名は上咽頭部に障害部位があった。鼻腔に障害部位があると,咽頭部でも 高い陰圧が維持されていた。CFDにおける鼻腔の圧力とRM で測定された鼻腔抵抗値は強く相関していた

(R=0.853)。【考察】CFD を用いることで、鼻副鼻腔疾患患者における通気障害の評価が可能であった。

また,CFD では鼻腔以外の上気道の通気障害も評価することができた。吸気時の高い陰圧は気道閉塞を促 す事が知られている。CFD はその陰圧を定量評価することが可能であった。加えて CFD は従来の鼻閉の 検査方法と強く相関があると示された。よって, 鼻副鼻腔疾患患者において上気道の通気状態の評価に CFD は有用であると示唆された。

本論文の審査において、副査の中村委員および高橋委員から多くの質問があり、その一部とそれらに対する回答を以 下に示す。

中村委員の質問とそれらに対する回答:

1.対象とした患者20名の中のCFDで通気障害のない4名の結果はどうであったか。

鼻閉を主訴に来院していたが、鼻腔通気度検査や音響検査でも異常が検出されなかった。そのため、鼻閉感(主観評価)

と検査の客観評価の不一致は報告されている通り存在すると考えられる。

2.CFD、RM、ARの間にはどういう関連性があるのか。

CFDARRMと同等に鼻腔通気障害を検出可能であった。またCFDで算出される圧力とRMで算出される鼻腔抵抗値の 相関から、算出された値が妥当であると言える。

3.鼻副鼻腔疾患の種類(発生機序)による相違はないのか。

現状解析していないが、炎症部位も異なるためあると考えられる。アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの複数

(2)

の疾病が対象者にあるため、1つの疾患毎の件数が少ないこと、併発している場合が多いことから難しいと は思うが、今後検討していきたい。

高橋委員の質問とそれらに対する回答:

1.CFDは粘膜の粘弾性などを考慮せず、すべてを硬質なものとしてシミュレーションしているのではない

か。

一律で硬質なものとしてシミュレーションしているため、実測のデータとはいえない。しかし、すべての組 織の粘弾性を表現するには実際に個々の粘膜の弾性率を部位ごとに測定する必要があり、不可能である。研 究限界として記載を追記していく。

2.上顎洞・篩骨洞・前頭洞(発育不全などにより大きさ、形は多様)・蝶形骨洞のうち個別の洞の通気障 害をCFDで評価することは可能か。

可能である。分析部位をそちらに焦点を当てると速度や圧力が計測可能である。

3.解剖学的な部位の名称が異なっているのではないか。OA と記載がある部位は Hypopharynx であ り、RAの部位がOropharynxではないか。

解剖学的な部位の名称には表記に分野によって違いがあり、先行研究及び矯正歯科学の表記を参考に しているが、今回指摘された表記名の方が本研究にはあっていると思ったため、今後論文の投稿状態 によって再検討していく。

両副査は、上記を含めた質問に対する回答が、いずれも満足のいくものであることを確認した。

主査 荒木委員の質問とそれらに対する回答:

1.CFDARRMと比較した利点は何か。

ARRMは鼻腔の前方部のみの評価しか行うことができない。一方でCFDは鼻腔後方や咽頭部などの通気状 態も評価することが可能である。鼻閉は主観評価との一致が起こりにくい事が知られており、鼻閉が主訴で あっても上気道の他部位が閉塞している可能性がある。鼻腔以外の部位の閉塞が原因になっている可能性も 含めて検討できるのは現状CFDのみである。

2.本研究は鼻副鼻腔疾患患者における研究であるが、口腔衛生学における本研究の発展性は何か。

鼻閉は口呼吸を促し、口腔内や顎顔面の発育に影響を及ぼす。RMARは幼児への利用は未だ確立されてい ない。RMARは機能検査であり、意思疎通が困難な幼児への適応は難しい可能性が高い。しかしCFDCT さえ撮影できれば適応可能である。よって今後は幼児でもCFD、AR、RMの関連性について検討し、幼児でも 早期に鼻閉を検出できるような方法を確立することは幼児の口呼吸の早期発見・早期介入に繋がる。

主査の荒木委員は、両副査の質問に対する回答の妥当性を確認するとともに、本論文の主張をさらに確認 するために上記の質問をしたところ、明確かつ適切な回答が得られた。

本論文は本学大学院学位論文(博士)審査基準を満たしており、学位論文に値すると判断した。

(主査が記載)

参照

関連したドキュメント

コード 疾病分類 1006 アレルギー性鼻炎 アレルギー性鼻炎 花粉症 季節性アレルギー性鼻炎 1007 慢性副鼻腔炎

慢性閉塞性肺疾患 (chronic obstructive pulmonary disease; COPD) は、種々の臨 床病型が混在した複雑で不均一な疾患であり全身性炎症が特徴である。好中球

上記手法で解析した結果、虚血性心疾患患者の

本論文の著者は糖尿病が口腔の感覚に影響を及ぼしているのかを明らかにするために,糖尿病患者 (diabetes mellitus : DM) と糖尿病に罹患していない者 (non

実験 1 では OA 治療を依頼された OSA 患者の鼻閉を確認するために, OSA 患者群とコントロール群に

(副 査) 教授 落合 智子 教授 坂巻 達夫 教授 平塚

計測状態は鼻閉を認めず安静時鼻呼吸を行う状態 (Nasal breathing condition :以下 ; NB) とノーズクリップ による実験的鼻閉を行った状態 (Nasal obstruction condition

成長期における鼻閉塞は, 正常な鼻呼吸を阻害し口呼吸を引き起こし, 頭位, 顎位ならびに舌位を