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伊藤 絵美 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

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Academic year: 2021

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別紙1

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

報告番号

3232

伊藤 絵美

論文審査担当者

主査 教授 高橋 浩二 副査 教授 菅沼 岳史

副査 准教授 野中 直子

(論文審査の要旨)

論文題名「A novel dysphagia screening method using panoramic radiography」

掲載雑誌名:THE SHOWA UNIVERSITY JOURNAL OF MEDICAL SCIENCES

本論文は摂食嚥下障害の簡便な画像スクリーニング方法について検討した研究であり、パノラマX線画像 から摂食嚥下障害患者を早期にスクリーニングできる方法を確立することを目的としている。調査期間は 20137月から20199月であり、調査対象者は嚥下造影検査(VF)検査群70名と健常者群129名であ る。VF検査群の選択基準は口腔リハビリテーション科受診患者のうちパノラマX線検査とVF検査両方を受 けた患者で悪性腫瘍を含む外科処置例(口蓋裂を除く)とパノラマX線画像が不鮮明例は除外した。

VF検査群の嚥下障害の有無については口腔リハビリテーション科のVF判定結果をもとに評価し、喉頭侵 入と誤嚥のいずれかでも±以上がある場合を「嚥下障害有り群」に、それ以外を「嚥下障害無し群」に分類 した。パノラマX線画像における計測項目は舌骨の上下的位置、舌骨の前後的位置、舌背正中から口蓋まで の距離である。パノラマX線画像における計測結果を嚥下障害有り群、嚥下障害無し群および健常者群で比 較検討したところ以下の結果を得た。

舌骨の上下的位置は嚥下障害有り群では健常者群よりも有意に低く、舌骨の前後的位置では各群間で有意 差は認められなかった。また舌背正中から口蓋までの距離では健常者群は嚥下障害有り群および嚥下障害無 し群に比べ、有意に短かいことが明らかとなった。

本論文について上記の主査1名、副査2名が個別に審査を行い、各委員から多くの質問があり、その一部 とそれらに対する回答を以下に示す。

菅沼委員の質問とそれらに対する回答:

1.舌骨はどの骨にも接続せず、舌も柔軟に動く。側方頭部エックス線規格写真と比較し、パノラマX線検 査では画像の再現性は劣るのでないか。

当科ではパノラマX線検査時に患者頭部をイヤーコーンにて固定し、パノラミックチンレストを使用し顎 を固定、舌や歯列の固定のためバイトブロックを切端咬合させている。さらに額に密着させるヘッドレスト の調整ノブ、水平及び垂直ポジショニングインジケータを使用し、フランクフルト面に合わせ、画像の再現 性・信頼性を高めている。なお、動きのあるものは今回除外した。

2.舌背正中から口蓋までの距離に関して嚥下障害有り群と嚥下障害無し群の二群間で差がほとんど無かっ たことについてどのようなことが考えられるか。

(2)

VF検査の対象患者は日常的に嚥下障害が疑われたため被曝を伴うVF検査を受けている。すなわち今回の VF 検査で嚥下障害無し群に分類された患者においても、日常生活では誤嚥している潜在的な嚥下障害患者 が含まれている可能性があると考える。

野中委員の質問とそれらに対する回答:

1. 舌骨上筋群の各筋の働きと舌骨の運動について述べよ。

オトガイ舌骨筋:舌骨を前方へ引く、(舌骨固定時)下顎を下げる 顎舌骨筋:口底と舌の挙上、(舌骨固定時)下顎を下げる

顎二腹筋:(下顎骨固定時)舌骨の挙上、(舌骨固定時)下顎骨を下制 茎突舌骨筋:舌骨の挙上

2.舌骨の垂直的評価において左右差がある場合は対象から除外すべきではないか、また低位の方を対象 とした理由は何か。

安静位つまり舌骨上筋群の緊張のない舌骨低位状態を選択した。

高橋委員の質問とそれらに対する回答の抜粋:

1.今後の展望・ゴールとそこに到達するために必要なこと

・調査対象者の数を増やす。

・嚥下障害を予測できる他の因子はないか検討する(舌の幅、咽頭腔の大きさ、喉頭蓋の位置、角度など)

・同一患者のパノラマ画像の経年的変化と嚥下障害の頻度を比較する

・舌背から口蓋までの距離についてどの程度増加すると嚥下障害を惹起するか明らかにする。

2.口腔期の嚥下障害を起こす要因

味覚低下,唾液分泌能低下,咀嚼機能低下,舌運動の低下 3咽頭期の嚥下障害を起こす要因

咽頭・喉頭粘膜の知覚低下,嚥下関与筋の筋緊張の低下,靱帯の緩み

主査の高橋委員は、両副査の質問に対する回答の妥当性を確認するとともに、本論文の今後の展開を確認す るとともに本論文の中核をなす嚥下障害に対する知識を確認するために上記の質問をしたところ、明確かつ 適切な回答が得られた。とくに嚥下障害を起こす要因については上記に抜粋のみを記載したが詳細な回答が 得られた。

本論文は本学大学院学位論文(博士)審査基準を満たしており、学位論文に値すると判断した。

(主査が記載)

参照

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