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多系統萎縮症の脳内神経回路解析

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金  難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)研究事業  運動失調症の医療基盤に関する調査研究班  分担研究報告書 

 

多系統萎縮症の脳内神経回路解析 

研究分担者:祖父江 元 名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学 

研究協力者:原一洋、今井和憲、川畑和也、米山典孝、桝田道人、坪井崇、 

渡邉はづき、中村亮一、伊藤瑞規、熱田直樹 名古屋大学大学院医学系  研究科神経内科学 

渡辺宏久、バガリナオ  エピファニオジュニア 名古屋大学脳とこころの  研究センタ− 

辻河高陽、加藤重典、安井敬三、長谷川康博 名古屋第二赤十字病院神経内 科 

 

研究要旨 

多系統萎縮症(MSA)においてMean diffusivity(MD)、fractional anisotropy(FA)、

voxel-based morphometry(VBM)を用いることによりこれまで橋、小脳、線条体、

錐体路などでこれらの指標が異常を示し、診断に有用であることを報告している.しか しこのような変性部位がVBMでは萎縮として捉えられるものの、変性部位がどのよう な神経回路の障害を起こしているのかは分かっていない.またその変化が皮質や白質の 変性のどちらが先かといった病態を捉えるまでには至っていない.そこで今回我々は VBMとtract-based spatial statistics(TBSS)と安静時脳機能MRIを施行し、脳内神経 回路に焦点を当てながら皮質や白質の異常を確認した.その結果、VBMでは小脳の萎 縮を認めたが大脳の萎縮は認めなかった.また安静時脳機能MRI では小脳の一部を除 き皮質の機能的回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域を設定すると、淡蒼球、小脳、

および前頭葉の一部との皮質下の機能的回路の障害を認めた.一方TBSSでは小脳から 脳幹、前頭葉を中心とした皮質下の解剖学的回路の広範な障害を認めた.以上の結果か らMSA では、皮質下の解剖学的回路の異常が先行して出現し、進行に伴って皮質・灰 白質病変が出現してくる可能性がある.今後更なる症例の蓄積が望まれる.

A.研究目的 

多系統萎縮症(MSA)は病理学的にオリ−

ブ・橋・小脳系と線条体・黒質系と自律神 経系に高度な変性が認められる変性疾患で あ る .MSA に お い て Mean diffusivity

(MD)、fractional anisotropy(FA)、

voxel-based morphometry(VBM)を用い ることによりこれまで橋、小脳、線条体、

錐体路などでこれらの指標が異常を示し、

診断に有用であることを我々は報告してい る.しかしこのような変性部位が VBM で は萎縮として捉えられるものの、変性部位 がどのような神経回路の障害を起こしてい るのかは分かっていない.またその変化が 皮質や白質の変性のどちらが先かといった 病態を捉えるまでには至っていない.そこ で今回我々はVBMとtract-based spatial statistics(TBSS)と安静時脳機能MRIを施

(2)

行し、脳内神経回

質や白質の異常を確認して病態解明を目指 すこととし

B.研究方法

対象は診断基準を満たした

(64.8±7.6

統計学的に有意差のない正常コントロ−ル 15例(62.7±4.7

が10例、

会の承認の上で 拡散テンソル画像

施行し、解剖学的な容積や皮質下の白質回 路解析である

路解析である

based connectivity analysis

の確認と脳内神経回路解析を行った P<0.05).

(倫理面への配慮 本研究は臨床研究に

ルシンキ宣言に基づく倫理原則を遵守して 実施した.

む研究計画書について 理審査委員会の審査を受け

において収集する各種臨床スコア、認知機 能検査などの臨床情報、および頭部 などは、医師

せられた職種の

C.研究結果

VBM では小脳の萎縮を認めたが大脳の 萎縮は 認め なかっ た.

MRI では

回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域 を設定すると、淡蒼球、

葉の一部との皮質下の機能的回路の障害を 認めた.一方

脳内神経回路に焦点を当てながら皮 質や白質の異常を確認して病態解明を目指 すこととした.

研究方法 

診断基準を満たした 64.8±7.6 歳、男/女

統計学的に有意差のない正常コントロ−ル 62.7±4.7歳、

例、MSA-Pが 会の承認の上で3.0T MRI

拡散テンソル画像、安静時脳機能

解剖学的な容積や皮質下の白質回 路解析であるVBMや

路解析である独立成分分析 based connectivity analysis

の確認と脳内神経回路解析を行った

倫理面への配慮)  本研究は臨床研究に

ルシンキ宣言に基づく倫理原則を遵守して 実施した.研究開始前に同意説明文書を含 む研究計画書について

理審査委員会の審査を受け

において収集する各種臨床スコア、認知機 能検査などの臨床情報、および頭部 などは、医師など法律により守秘義務を課 せられた職種のみが扱い保護される.

研究結果 

では小脳の萎縮を認めたが大脳の 萎縮は 認め なかっ た.

では小脳の一部を除き皮質の機能的 回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域 を設定すると、淡蒼球、

葉の一部との皮質下の機能的回路の障害を 認めた.一方TBSSでは

路に焦点を当てながら皮 質や白質の異常を確認して病態解明を目指

診断基準を満たした MSA 15 女 9/6)と年齢と性別で 統計学的に有意差のない正常コントロ−ル

、男/女 5/10

が5例.当病院倫理委員 3.0T MRIを用いて

、安静時脳機能

解剖学的な容積や皮質下の白質回 やTBSSと機能的な回 独立成分分析(ICA)

based connectivity analysisにて萎縮部位 の確認と脳内神経回路解析を行った

本研究は臨床研究に関する倫理指針、ヘ ルシンキ宣言に基づく倫理原則を遵守して 前に同意説明文書を含 む研究計画書について名古屋大学医学部倫 理審査委員会の審査を受けた.また

において収集する各種臨床スコア、認知機 能検査などの臨床情報、および頭部

など法律により守秘義務を課 みが扱い保護される.

では小脳の萎縮を認めたが大脳の 萎縮は 認め なかっ た. また安 静時 脳機能 小脳の一部を除き皮質の機能的 回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域 を設定すると、淡蒼球、小脳、および前頭 葉の一部との皮質下の機能的回路の障害を では小脳から脳幹、前 路に焦点を当てながら皮 質や白質の異常を確認して病態解明を目指

MSA 15 例

)と年齢と性別で 統計学的に有意差のない正常コントロ−ル 5/10).MSA-C 当病院倫理委員 を用いて3D-T1

、安静時脳機能 MRI を 解剖学的な容積や皮質下の白質回 と機能的な回 (ICA)や Seed

にて萎縮部位 の確認と脳内神経回路解析を行った(FDR,

関する倫理指針、ヘ ルシンキ宣言に基づく倫理原則を遵守して 前に同意説明文書を含 名古屋大学医学部倫 た.また本研究 において収集する各種臨床スコア、認知機 能検査などの臨床情報、および頭部 MRI など法律により守秘義務を課

みが扱い保護される.

では小脳の萎縮を認めたが大脳の また安 静時 脳機能 小脳の一部を除き皮質の機能的 回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域 小脳、および前頭 葉の一部との皮質下の機能的回路の障害を 小脳から脳幹、前 路に焦点を当てながら皮 質や白質の異常を確認して病態解明を目指

)と年齢と性別で 統計学的に有意差のない正常コントロ−ル C 当病院倫理委員

T1、 を 解剖学的な容積や皮質下の白質回 と機能的な回 Seed にて萎縮部位

(FDR,

関する倫理指針、ヘ ルシンキ宣言に基づく倫理原則を遵守して 前に同意説明文書を含 名古屋大学医学部倫 本研究 において収集する各種臨床スコア、認知機 MRI など法律により守秘義務を課

では小脳の萎縮を認めたが大脳の また安 静時 脳機能 小脳の一部を除き皮質の機能的 回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域 小脳、および前頭 葉の一部との皮質下の機能的回路の障害を 小脳から脳幹、前

頭葉を中心とした皮質下の解剖学的回路の 広範な障害を認めた.

安静時脳機能

connectivity analysis

域間の機能的結合を可視化し 回 路 解 析 で あ る の に 対 し connectivity analysis

能的結合回路を可視化し機能的な皮質下の 回路解析

皮質下の白質回路解析

TBSS analysis

認める部位及び脳内神経回路障害の有無を 確認した.

が大脳の萎縮は認めなかった.

脳機能

回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域 を設定すると、淡蒼球、

部との 皮質 下回路 の障 害を認 めた .また TBSS

した皮質下回路の広範な障害を認めた.

上から

り大脳皮質は保たれているものの、

うな場合でも前頭葉を主体とした皮質下白 質神経

白質異常が先行する可能性があると思われ 頭葉を中心とした皮質下の解剖学的回路の 広範な障害を認めた.

D.考察  安静時脳機能

connectivity analysis

域間の機能的結合を可視化し 回 路 解 析 で あ る の に 対 し connectivity analysis

能的結合回路を可視化し機能的な皮質下の 回路解析である.

皮質下の白質回路解析 今回の解析では TBSS、ICA analysisを施行し

認める部位及び脳内神経回路障害の有無を 確認した.VBM

が大脳の萎縮は認めなかった.

脳機能 MRI

回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域 を設定すると、淡蒼球、

部との 皮質 下回路 の障 害を認 めた .また TBSS では小脳から脳幹、前頭葉を中心と した皮質下回路の広範な障害を認めた.

上から MSA

り大脳皮質は保たれているものの、

うな場合でも前頭葉を主体とした皮質下白 質神経回路の障害

白質異常が先行する可能性があると思われ 頭葉を中心とした皮質下の解剖学的回路の 広範な障害を認めた.

安静時脳機能MRIでは

connectivity analysisを用いた 域間の機能的結合を可視化し 回 路 解 析 で あ る の に 対 し

connectivity analysisは皮質下構造物 能的結合回路を可視化し機能的な皮質下の

である.一方

皮質下の白質回路解析である.

今回の解析では MSA

ICA、Seed based connectivity を施行し、健常

認める部位及び脳内神経回路障害の有無を VBM では小脳の萎縮を認めた が大脳の萎縮は認めなかった.

MRI では小脳の一部を除き

回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域 を設定すると、淡蒼球、

部との 皮質 下回路 の障 害を認 めた .また 小脳から脳幹、前頭葉を中心と した皮質下回路の広範な障害を認めた.

MSA の萎縮部位は小脳が主体であ り大脳皮質は保たれているものの、

うな場合でも前頭葉を主体とした皮質下白 回路の障害を広範に認めたことから 白質異常が先行する可能性があると思われ 頭葉を中心とした皮質下の解剖学的回路の

ではICAとSeed based を用いた.

域間の機能的結合を可視化し皮質の機能的 回 路 解 析 で あ る の に 対 し 、Seed based

は皮質下構造物 能的結合回路を可視化し機能的な皮質下の

一方TBSSは解剖学的な である.

MSA に対して

eed based connectivity 健常者と比較し萎縮を 認める部位及び脳内神経回路障害の有無を では小脳の萎縮を認めた が大脳の萎縮は認めなかった.また安静時

では小脳の一部を除き

回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域 を設定すると、淡蒼球、小脳、前頭葉の一 部との 皮質 下回路 の障 害を認 めた .また 小脳から脳幹、前頭葉を中心と した皮質下回路の広範な障害を認めた.

の萎縮部位は小脳が主体であ り大脳皮質は保たれているものの、

うな場合でも前頭葉を主体とした皮質下白 を広範に認めたことから 白質異常が先行する可能性があると思われ 頭葉を中心とした皮質下の解剖学的回路の

Seed based

.ICAが領 皮質の機能的 Seed based は皮質下構造物の機 能的結合回路を可視化し機能的な皮質下の は解剖学的な

に対して VBM、 eed based connectivity

者と比較し萎縮を 認める部位及び脳内神経回路障害の有無を では小脳の萎縮を認めた また安静時 では小脳の一部を除き、皮質 回路は保たれていた.ただ被殻に関心領域 小脳、前頭葉の一 部との 皮質 下回路 の障 害を認 めた .また 小脳から脳幹、前頭葉を中心と した皮質下回路の広範な障害を認めた.以 の萎縮部位は小脳が主体であ り大脳皮質は保たれているものの、そのよ うな場合でも前頭葉を主体とした皮質下白 を広範に認めたことから 白質異常が先行する可能性があると思われ

(3)

る.今後更なる症例の蓄積が望まれる.

E.結論 

MSA の萎縮部位は小脳が主体であり大 脳皮質は保たれていた.しかしそのような 場合でも前頭葉を主体とした皮質下白質神 経回路の障害を広範に認めたことから白質 異常が先行する可能性があると思われる.

[参考文献] 

1. Ito M, Watanabe H, Kawai Y, Atsuta N, Tanaka F, Naganawa S, Fukatsu H, Sobue G.  Usefulness of combined fractional anisotropy and apparent diffusion coefficient values for  detection of involvement in multiple system atrophy. J Neuro Neurosurg Psychiatry 2007; 78: 722-8.

2. Ito M, Watanabe H, Atsuta N, Senda J, Kawai Y, Tanaka F, Naganawa S, Fukatsu H, Sobue G. Fractional anisotropy values detect pyramidal tract involvement in multiple system atrophy. J Neurol Sci 2008; 271: 40-6.

3. Watanabe H, Sobue G. A milestone on the way to therapy for MSA. Lancet Neurol. 2013; 12(3): 222-3.

4. Hara K, Watanabe H, Ito M, Tsuboi T, Watanabe H, Nakamura R, Senda J, Atsuta N, Adachi H, Aiba I, Naganawa S, Sobue G. Potential of a new MRI for visualizing cerebellar involvement in progressive supranuclear palsy. Parkinsonism Relat Disord. 2014;  20(2): 157-61.

F.健康危険情報  特になし.

G.研究発表(2014/4/1〜2015/3/31 発表) 

1.論文発表  特になし. 2.学会発表  特になし.

H.知的財産権の出願・登録状況  (予定を含む。) 

1.特許取得  特になし.

2.実用新案登録  特になし.

3.その他  特になし.

     

参照

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