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第1章  キャリア教育が目指すもの 

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Academic year: 2021

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(1)

はじめに 

 

近年,生き方や働き方に対する夢や希望を抱けない若者の増加を指摘する声が多い。その背景には,

産業構造の変化や厳しい経済状況,個人の生き方に対する価値観の多様化や社会的な自立の遅れなど,

最近の社会環境の大きな変化があると考えられる。このような社会の変化に適応し,自分の持ち味を 発揮できるようになってほしいという願いは,児童生徒を取り巻く大人たちに共通するものである。

その願いが実現した姿を,我々は,「児童生徒が実社会において『明るくたくましい生き方,働き方』

ができるようになる」ことであると考えた。 

児童生徒は,人生の中で自己実現を果たすと同時に,その時々に応じた立場や役割を適切に果たし ていかなければならない。どのように生き,どのように働くのがよいかなどを,自ら考え,判断でき ることなどは大切なことである。中でも,自分の役割を果たす中で自己有用感や自己効力感を味わう こと,周囲の人々と役割を分担し合って困難を克服する達成感や成就感を味わうこと,さらには,そ れらの過程でコミュニケーションを通して望ましい人間関係を築いていくことなどは特に大切である。

あわせて,役割を果たすことが,自分だけでなく,周囲の人々にとってもどのような意味や価値をも つのかを考えられるようになることも必要になる。そのため,我々は,「働く」ということを「収入を 得る」だけでなく,「自分や周囲の人々の役に立つ」という観点からも考えられるようにしなければな らない。 

本稿は,上に述べた生き方,働き方につながる 教育,つまりキャリア教育の推進に資することを 目的として,そのポイントを可能な限り簡潔かつ 具体的に示すことを目指してまとめたものである。

各学校においては,児童生徒の明るくたくましい 生き方,働き方の実現に活用していただきたい。 

 

第1章  キャリア教育が目指すもの 

 

1  キャリア教育とは   

 (1) キャリアの概念 

キャリアとは,一人一人が生涯の中で果た さなければならない,あるいは,果たすこと が期待されている立場や役割の組合せとその 積重なりであり,同時に,それらを適切に果 たすことの意味や価値を考えながら,常に自 分の在り方を見直し,成長させていく過程で ある。 

人はその生涯の中で様々な立場や役割を果 たしていく。それらの立場や役割を職場,家 庭,地域などの視点から見ると,それぞれに

異なる側面をもっている。これらの立場や役割は,生涯にわたって固定されたものではなく,年

家庭での立場や 役割

地域での

立場役割

職場での立場や役割

個人を取り巻く環境(会社の経営状態 ,家族の状況,居住地など) 図2  生涯のある時点における個人の役割の組 合せや割合の例

採用後数年 が経過した会社員の立場や役割を図1と同じ視点からモデ ル的に示したもの。○は立場や役割の種類や大きさを表し,年齢ととも に様々に変化していく 。

会社員

(年齢)  80 

  70 

  60 

  50 

  40 

  30 

  20 

  10 

  0 

子の独立

結婚 子の誕生 親の介護

誕生 家庭

ボランティア活動町内会活動ボランティア

活動

町内会活動

子ども会活動 地域

図1  個人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の積重なりの例 個人の生涯を職場,家庭,地域という視点でたどった場合の立場や役割の変 化とその積重なりをモデル的に示したもの。職場には就学期間を含めて考えた。

年齢とともに幅が広がっているのは,役割の種類や責任の大きさが変化するこ とを表している。図2は    の時点に相当する。

時点

進学(中等教育) 進学(高等教育)

就職 定年退職

就学(初等教育) 職場

再雇用

(2)

齢や社会の変化に伴って様々に移り変わり,累積していくものである(図1及び図2)。  我々は,発達段階やライフステージに応じて,それらの立場や役割を適切に果たしていかなけ ればならない。また,このような立場や役割をよりよく果たしていくためには,それらを果たす ことの意味や価値を考えながら,必要に応じて自らの生き方や働き方を見直し,自分自身を成長 させていくことも求められる。 

キャリアとは,このような立場や役割の総体であると同時に,これらの立場や役割をよりよく 果たすために自分を成長させていく過程でもある。 

 

(2) キャリア教育とは 

キャリア教育とは,頑張らなくてもどうにか生きていける現在の社会環境に身を置く児童生徒 に対して,変化の激しい,予測のつかないこれからの社会の中で,明るくたくましい人生を歩ん でいけるよう,時代に適応するために必要となる実際的な力(※)を身に付けさせ,自らの立場や役 割を適切に果たしていけるようにすることである。 

児童生徒が置かれている社会状況を考えると,現在は物質的には非常に豊かな社会環境にある。

しかし,これからは,少子高齢社会,国際競争社会など変化の激しい,予測の難しい社会になる ことが考えられる。そのような社会においても,児童生徒が明るくたくましい生き方,働き方を 実現していけるようにするためには,「時代に適応するために必要となる実際的な力を自ら身に付 けさせ,自らの立場や役割を適切に果たしていけるようにする教育」が必要になると考えた。 

特に,「時代に適応する」,「自らの立場や役割を適切に果たしていけるようにする」ためには,

実際的な力が何よりも大切になると考えた。これらが実社会において総合的に機能するとき,自 らの立場や役割を適切に果たせるようになり,明るくたくましい生き方,働き方が実現すること になる。 

 

2  今なぜキャリア教育か   

(1) 学校教育から職業生活への移行の問題 

社会人になるということは,児童生徒の主な生活場面が学校教育の場から職業生活へ移行する ということでもある。その円滑な移行は,今日の厳しい経済情勢や雇用状況,若者の資質や意識 の変化などに伴って難しくなっている。 

ア  就職・就業をめぐる環境の激変 

若者にとって,将来の生活や社会人・職業人としての生き方を描くことがこれまでになく難 しくなっている。 

経済活動の競争が地球規模で展開される中,企業はこれまで以上に経営の効率化を図らなけ ればならない状況に追い込まれている。その結果は,製造部門の海外移転,営業や販売部門の 再構築,それに伴う雇用調整などに表れ,同時に,職業人に求められる資質や能力も大きく変 化している。採用については,即戦力志向の高まりや業務の高度化に伴って,経験者採用や中

(3)

このような状況について,全国的には 改善の兆しが見られるが,本県では,各 学校への求人は厳しい状況が続いており,

併せて,求職希望と求人希望との不適合 が拡大していることから,新規学卒者の 職業生活への移行には,依然として様々 な課題が見られる。また,終身雇用や年 功序列型賃金など,従来型の雇用慣行の 見直しが進む中では,若者が将来の生活 を見通し,社会人・職業人としての生き 方や働き方に目標をもつことが難しくな っている。 

イ  若者自身の資質等をめぐる課題 

働くことへの関心,意欲,態度,目的意識,責任感,意志など,広い意味での勤労観,職業 観の未熟さをはじめ,コミュニケーション能力や対人関係能力,基本的マナーなど,職業人と しての基礎的資質・能力の低下を指摘する声が,これまでになく大きく厳しくなっている。 

このような課題は,程度の差はあるものの,以前から様々に指摘されてきた。かつてのよう に従業員の確保が最優先された時代では,企業が長期的視野に立って教育・養成を行ってきた ことなどから,社会的に大きな関心を呼んだり,厳しく批判されたりすることは少なかった。

しかし,極めて厳しい経済状況の中で,企業が人材養成を担うことが難しくなっている現在,

このような課題が一挙に顕在化したと考えられる。 

年齢別人口構成から見れば,近い将来,若年者の労働力が不足することも予測される。しか し,産業・経済社会の構造的変化が

一層進む中において「七五三現象」

で代表されるような若者の早期離職 の問題(図4)を解消するには,若 者の意識や資質を向上させることも 重要である。その意味から,学校教 育には大きな期待が寄せられている。 

ただ,フリーター志向の広がりや 早期離職などは,今日の経済状況や 労働市場の変化と深くかかわってい ることも認識しておくことが必要で

ある。学校教育から職業生活への移行にかかる若者自身の資質等をめぐる課題を解決するには,

社会全体の動きを考慮しながら,家庭や地域社会,産業界などとも連携した教育活動の工夫,

充実が求められる。 

     

48.0

25.1 15.3

14.5

14.3

11.0 7.9

9.9

9.4

0 20 40 60 80

中学校卒 高等学校卒 大学卒

(%)

1年目 2年目 3年目

図4 平成15年度新規学卒者の離職率(平成18年  厚生労働省)

70.4 

49.3 

35.7 

3 4 5 7 72 102 117 119 115 104

1 7

2 3 29 49

91 98 99

9 7

0 50 100 150 200 250

S57 S62 H4 H9 H14 H15 H16 H17

(万人)

15〜24歳 25〜34歳

図3  フリーター人口の推移(平成18年  厚生労働省)

50  79 

101  151 

208  217  214  201 

(4)

(2) 子どもの生活や意識の変容 

ア  児童生徒の健全な成長・発達への危機感 

身体的には早熟傾向があるにもかかわらず,精神的・社会的自立が遅れる傾向にある。また,

遊びや消費活動,情報活用能力などにおける早熟化が進む反面,生産活動や社会生活に必要な 基本的な技能が未熟であるなど,発達上の課題が一層顕著になっている。 

この背景には,幼少期からの様々な直接体験や異年齢の人々との交流が乏しくなったこと,

豊かな社会の中で人々の価値観や生き方が多様化したことなどが考えられる。それにより,児 童生徒は,自分自身や自分の身の回りにいる人々,あるいは,身の回りの環境などに関心をも ったり,勤労観,職業観を確立したりすることが困難になってきた。 

また,児童生徒は,自らの成長・発達を支えるために欠かすことができない「社会の現実」

に直面したり,異年齢の人々等との多様で幅広い人間関係を築くことができなかったりするた め,自分のモデルとするべ

き生き方に出会いにくい状 況にある。このことは,不 登校をはじめとする生徒指 導上の様々な課題の一因と もなっている。 

一方,主体的に生きるこ とや集団生活における規範 意識などに対する児童生徒 の意識には高いものがある と受け取れる調査結果もあ る(図5)。このことは,適 切な機会や場が提供され,

指導内容や方法が工夫され れば,児童生徒の潜在的な 資質・能力は豊かに開くこ とを示していると考えられ る。 

イ  高学歴社会におけるモラトリアム傾向 

若者が職業について考えたり選択・決定したりすることを先送りする傾向,いわゆるモラト リアム傾向が強くなり,進学も就職もしようとしなかったり,進路意識や目的意識が希薄なま ま「とりあえず」進学したりする若者が増加している。 

児童生徒の発達の変容は,今日の少子高齢社会,高学歴社会とも深くかかわっている。 

昨今は,少子化や家庭の経済的ゆとりの増大,高学歴志向などを背景として,大学,短大,

専門学校などの高等教育機関に進学する者の割合が著しく上昇してきた。それに伴って,若者

あなた自身のことについて,次のようなことは当てはまりますか

8 4 . 5 68.3 67.5 65.1 51.0 49.7 48.3 43.8 38.4 37.1 28.6

84.0 76.1 70.3 69.9 53.1

63.7 45.0 35.0

40.3 56.6 41.4

82.5 72.0

73.8 75.2 48.5

66.9 43.2

32.6 41.4

71.6

53.7

0 20 40 6 0 80 100

自分のことは,

できるだけ自分でするようにしている 好きで,熱中していることがある やる気になれば,どんなことでもできる きまりや ルールをきちんと守る方だ カッとなりやすい つかれやすい いやなことがあっても,すぐに忘れる 運がよい 早く大人になりたい 自分の外見(顔やスタイル)が気になる

つまらないことですぐに落ち込む

とてもそう」+「まあそう」

(%)

小学生 中学生 高校生

図5  自分自身の認識(Benesse教育研究開発センター  2005年)

(5)

子どもの経済的依存を必要以上に許容 する態度など,保護者自身が若者の自 立を遅らせていることも考えられる。

保護者のこのような意識や養育態度の 改善を図るためには,現在は物質的に 非常に豊かであるがこれからは変化の 予測が難しい社会になっていくことを,

積極的に啓発していくことが必要にな る。併せて,そのような社会に適応し ていけるようにするためには,生きる ことへの思いや働く姿を子どもに直接

伝えることが大切であることを,保護者自身が自覚できるようにしていくことも必要になって くる。 

今日,多くの若者が高等教育を志向している。高等教育には,卒業後の進路や職業への系統 的準備という教育の機能が含まれているが,その効果が上がるようにするためには,生きるこ と,働くことへの目的意識を,児童生徒の発達段階に合わせて,十分に高めておく必要がある。 

 

(3) 職業生活における充実感と子ども時代の体験との関係 

  児童生徒が将来の職業生活で充実感を味わえるようにするには,親や学校の先生はもちろん,

「親や学校の先生以外の大人と話をする体験」の場を充実させていく必要がある。 

「職業生活の中で充実感が味わえているか」ということは,望ましい生き方,働き方が実現で きているかどうかを判断する指標になる。Benesse 教育研究開発センターの「若者の仕事生活実 態調査」(2006 年 12 月)では,仕事の充実感と子ども時代に体験したこととの関係について分析 を行っている。その中で注目するべきこととして,仕事の充実感に対する自己評価が高い若者ほ ど子ども時代の体験が豊富であり,特に,子どものころから様々な大人と接することが成人して からの目標設定やコミュニケーションに対する自信につながっていることなどを挙げている。変 化の激しい社会を生き抜くための実際的な力を身に付けるためには,より多くの大人との出会い を経験させ,コミュニケーションや人間関係に関する力を高めることが大切になる。 

以下に,調査結果の概要を紹介する。 

ア  仕事の充実感が高い若者は,ふだんの仕事の中でも次のことができていると回答する割合が 高い。 

(ア) 将来の目標をもって仕事をすること(目標設定) 

(イ) 自分の考えを分かりやすく説明すること(表現) 

(ウ) 自分の適性や能力を把握すること(自己理解) 

(エ) 自分の感情を上手にコントロールすること(自己制御) 

(オ) 自分から率先して行動すること(自主性) 

     

8 9 9 1 2 11 10 9

13 12 15 1 7 16 18 1 6

10 10 13

1 8 18 19 2 0

9 9

11

1 7 18 18 1 9

0 10 20 30 40 50 60 70

H5 H8 H11 H14 H15 H16 H17

(万人)

15〜19歳 20〜24歳 25〜29歳 30〜34歳

図6  ニートの推移(平成18年  厚生労働省)

40  40  48 

64  63  65  64 

(6)

イ  仕事の充実感が高い若者は,子ども時代に「親や学校の先生以外の大人と話をする体験」(表 1の  の部分)をしている割合が高い。 

この表からは,目標設定,表現,自己理解,自己制御,自主性のいずれを実現するためにも,

「親や学校の先生以外の大人と話をする体験」が有効であることが分かる。 

 

この調査結果と同様の傾向は,Benesse 教育研究開発センターの「第3回学習基本調査」(2001 年6月)にも表れている。調査本来の目的は異なったものであるが,親とよく話をしている子ど もほど「なりたい職業」をもっている割合が高い。また,「なりたい職業」をもっている子どもほ ど学習に対する関心・意欲が高いだけでなく,学力も高くなっている。 

 

(4) キャリア教育に関する本県の実態 

キャリア教育の必要性については,教職員,保護者ともに認識が高い。また,小学校段階から の必要性についても認識が高い。ただし,その内容については認識の差が見られるため,キャリ ア教育の意義・重要性を保護者へ積極的に啓発する必要がある。 

当センターでは,キャリア教育に関する実態調査を,県内の小学校 22 校,中学校 22 校,高等 学校 15 校,聾・養護学校2校の計 61 校を抽出し,児童生徒,教職員,保護者を対象に行い,合 わせて 6,327 人から回答を得た(平成 17 年9月 26 日〜10 月7日実施)。 

学校用や教職員用については,キャリア教育への認識や取組状況を,児童生徒については,職 業的発達に必要な資質・能力についての自分の状況をどのように認識しているかを,また,保護 者については,キャリア教育への認識や何を求めるのかなどを中心に,質問紙法で問うた。その 中から,次の3項目について

結果の概要を述べる。 

ア  キャリア教育の必要性  図7からは,教職員,保 護者のほぼ9割が,児童生 徒の自立を促す教育,すな わち,キャリア教育が必要

56 69 69 64 54

61

33 23 24 28 31

27 3

3 2

3 3 3

2 2

1 2 1

1

10 7 3 5

3 7

聾・養護

教職員保護者

 

表1  職業生活で充実感を味わっている若者が実現できていることと子ども時代の体験との関係  子ども時代に体験したこと(選択肢10項目中の上位3項目) 

できていること 

1 位  2位  3位 

①  目標設定  親と将来のことについて 話をする体験 

自分のやりたいことを大 切にするしつけ 

親や学校の先生以外の大 人と話をする体験 

②  表現  親や学校の先生以外の大 人と話をする体験 

親と将来のことについて 話をする体験 

地域の行事に参加する体 験 

③  自己理解  親や学校の先生以外の大

人と話をする体験  大勢の友達と遊ぶ体験  友だちを大切にするしつ け 

④  自己制御  楽しそうに生活を送って いた親 

地域の行事に参加する体 験 

親や学校の先生以外の大 人と話をする体験 

⑤  自主性  親や学校の先生以外の大

人と話をする体験  大勢の友だちと遊ぶ体験  家事の手伝いをする体験 

(7)

イ  キャリア教育で大切なこと  キャリア教育で大切なこ とについて,中学校,高等 学校の保護者と教職員の意 識とを比較した(図8)。  教職員は,すべての校種 を対象とした複数選択での 回答であったのに対して,

保護者は中学校と高等学校 のみを対象に1項目選択の 回答であったため,その数 値を単純に比較することは 難しいが,「生き方や適性な ど,進路について考える学 習」を最も重視する傾向は

両者に共通している。一方,「将来の仕事に役立つ知識・技術の学習」を重視する割合は,保 護者の方が教職員に比べて高くなっている。 

「生き方や適性など,進路について考える学習」や「将来の仕事に役立つ知識・技術の学習」

を行うことは大切なことであるが,特に,保護者に対しては「変化の激しい,予測のつかない これからの社会の中で,明るくたくましい人生を歩んでいけるよう,時代に適応するために必 要となる実際的な力を身に付けさせ,自らの立場や役割を適切に果たしていけるようにする」

ことの重要性を積極的に啓発する必要があると考えられる。 

ウ  キャリア教育はどの段階から行うべきか  キャリア教育はどの段階から行うべ きかについて,教職員と保護者の考え を比較した(図9)。 

教職員・保護者ともに,「中学校第3 学年からでよい」と考える割合に比べ,

「小学校高学年〜中学校第1・2学年」

を挙げる割合が多くなっている。また,

キャリア教育を何らかの形で「小学校 段階から行うべきだ」と答えた割合は,

保護者で4割強,教職員でも5割強と なっている。調査用紙の中でキャリア

教育の意味を説明してあったことも影響しているであろうが,多くの大人が小学校段階からの キャリア教育の必要性を認識していることになる。 

ただ,それぞれの考え方の内容を具体的に問うてはいないため,児童生徒の発達段階に応じ たキャリア教育を効果的に展開するためには,その目標や内容,方法などについて,教職員と 保護者が共通の認識をもてるような情報発信,意思疎通を十分に図ることが必要であると考え られる。 

教職員

42

57

55

42 49

39

36

25 20

35

39

60 35

21

19

19 7

10

13

7 11

10

15

16 2

6

6

7 3

2

1

2

0 20 40 60 80

聾・養護

(%)

保護者

36

34

16

16 12

12 9

9 7

7 17

16 4

5 1

0

40 30 20 10 0

生き方や適性など,進路について考える学習 働く意義や目的を考える学習

就業体験(インターンシップ)

職業について知るための学習 進路に関する情報や資料の集め方の学習 将来の仕事に役立つ知識・技術の学習    情報センターとしての進路室の整備 その他

図8  キャリア教育で大切なこと 

図9  キャリア教育はどの段階から行うべきか  8.2

7.4

14.0 10.5

11.3 10.5

26.3 23.7

25.4 27.4

5.1 7.8

6.7 8.6

0.6 1.7

2.4 2.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

保護者

教職員

幼稚園(保育園) 小学校低学年 小学校中学年

小学校高学年 中学校第1・2学年 中学校第3学年

高等学校第1・2学年 高等学校第3学年 その他

参照

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