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難病医 療ネットワーク事業は、全都道府県で実施されて いた

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Academic year: 2021

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189

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)

神経変性疾患領域における調査研究班  (分担)研究報告書

難病法施行後の難病医療ネットワーク事業の実態 都道府県アンケートより 研究分担者  吉良潤一(九州大学大学院医学研究院神経内科学分野・教授)

研究協力者:岩木三保、福重麻耶、原田幸子(福岡県難病医療連絡協議会)

小早川優子、山崎亮(九州大学大学院医学研究院神経内科学分野)

A.研究目的

難病法施行後の重症難病患者入院施設確保事 業および難病医療提供体制整備事業(以下、難 病医療ネットワーク事業)の実態を明らかにす ることで、課題を抽出する。

B.研究方法

47都道府県庁の難病担当部局課係を対象とし、

郵送式質問紙調査を行った。難病医療ネットワー ク事業と難病相談支援センター事業について、正 式事業名、事業の運営主体・運営場所、事業内容、

事業費予算、難病医療コーディネーターの配置状 況、両事業の連携実態について調査を行った。

(倫理面への配慮)

九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員 会の承認を受け実施した。調査の趣旨は、趣意書 にて説明した。

C.研究結果

アンケートの回収率は100%であった。難病医 療ネットワーク事業は、全都道府県で実施されて いた。事業名は全国で異なっており、年間予算も 100万未満から2,000万以上まで幅があった。難

病医療コーディネーターは、42都道府県に60名 配置されており、5県では配置されていなかった。

最も実施率が高かった事業項目は、医療・療養上 の各種相談への対応であった(図1)。

課題としてマンパワー不足が48.9%で指摘され、

専門の知識を持った人材の確保が困難という意 見が多かった(図2)。また難病法施行後の難病医 療ネットワーク事業の実施について、不明確な部 分が多いという指摘が散見された。難病相談支援 センターとの連携については、別事業のためルー ルは設けていないとした都道府県がほとんどだ ったが、相互の会議や研修会に参加したり、相談 内容に応じて連絡を取り合ったりしていた。連携 の実態がないと回答した県もあった。

  研究要旨

難病法施行後の難病医療ネットワーク事業の実態を明らかにするため、47都道府県庁の難病担当部局 課係を対象とし、郵送式質問紙調査を行った。アンケートの回収率は100%であった。難病医療ネット ワーク事業は、全都道府県で実施されていた。年間予算は、100万未満から2,000万以上まで幅があっ た。難病医療コーディネーターは、42都道府県に60名配置されていた。最も実施率が高かった事業項 目は、医療・療養上の各種相談への対応であった

以前から課題とされてきた難病医療ネットワーク事業の業務 (難病医療コーディネーターの活動指針) の明確化が急務と考える。

(2)

 

       

190 D.考察

難病法施行後も難病医療ネットワーク事業の県 による差異は大きいが、共通して専門的な知識 を有する人材の確保の困難さが課題であること がわかった。難病相談支援センターとの有機的 な連携も今後の課題であり、ネットワークとの 連携により難病患者の支援体制がより充実する と期待される。

E.結論

都道府県窓口に対する調査で、全国の事業進捗 を把握することができた。さらに、難病医療コ ーディネーターへの実務レベルでの実態調査を 行い、以前から課題とされてきた難病医療ネッ トワーク事業の業務の明確化に努める必要があ る。 

F.健康危険情報

特記事項なし。

G.研究発表

(発表雑誌名巻号・頁・発行年なども記入)

1. 論文発表

1)小早川優子、岩木三保、山崎亮、吉良潤一:ALS医

療ニーズと地域医療資源調査:在宅での医療処置や 意思伝達装置に焦点をあてて.日本難病医療ネット ワーク学会誌(印刷中).

2)小早川優子、吉良潤一:難病新法元年を迎えて.

日本在宅医学会雑誌17(2): 23-26, 2016.

2. 学会発表

1) 岩木三保、福重麻耶、小早川優子、吉良潤一.

難病法施行後の難病医療ネットワーク事業の実 態〜都道府県アンケートより〜. 日本難病医療 ネットワーク学会機関誌, 2016,4(1),p63.

H.知的所有権の取得状況(予定を含む)

1.特許取得 なし。

2. 実用新案登録 なし。

3.その他 なし。

図1 難病医療ネットワーク事業 実施項目 (n=47,複数回答)

(件)

10 13

16 20

23 24 26

35 36 31

41

訪問診療医や往診医の紹介 医療従事者研修会 難病要支援者の平常時災害対策 協力病院等の医療施設拡大 実態把握(調査含む)

難病に関する啓発活動 長期入院先の紹介 難病相談支援センターとの連携 保健所との連携 レスパイト入院事業 医療・療養上の各種相談

0 5 10 15 20 25

無回答 その他 労働環境 都道府県の支援 研修等学習の機会 指導者・助言者 雇用条件 マンパワー

図2 難病医療ネットワーク事業の課題

(n=47,複数回答)

難病法施行後の 実施について、不 明な部分が多い

拠点病院の要件 が国から示されて いないため、事業 の再構築に着手 できない

国の示した基本的 方針に基づく、具 体的な取組例を知 りたい

協力病院の拡充

関係機関との役割 の明確化

(件)

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