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「へんな石」を見よう : 夏季巡検報告2

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「へんな石」を見よう : 夏季巡検報告2

著者 岡田 洋子

雑誌名 静岡地学

巻 58

ページ 25‑27

発行年 1988‑11‑13

出版者 静岡県地学会

URL http://doi.org/10.14945/00025453

(2)

静 岡 地 学 第

5 8

( 1 9 8 8 )

「へんな 」を ょう

一夏季巡検会報告 2

河 田 洋 子 *

日ざしもそろそろ力つきかけた 8月 29日、初めて巡検会に参加した。まだ地図の上の一本の線 としてしか見たことのない中央構造線を見ることができるとあって、前々から楽しみにしていた。し かし、地学について何の知識もない私としては、一日を無駄に過ごしてしまうかもしれないという不 もあった。地学会から送られてきた、詳しい資料やら、妙に難しげな論文に圧倒され、これは勉強 せねばと一夜漬けの予習をした上での初参加であった。

天竜浜名湖線の天竜二俣釈が集合場所であるO 国鉄が民営化された後に造られたのだろう、けばけ ばしい売屈は、木造のひなびた建物にとても不釣り合いに思われた。その駅のホームから、また

りの少ない道路から、三々五々参加者が現れた。

簡単な挨拶の後、案内者の増田先生から本日の巡検の説明を受けるO 色刷りの大きな地質図を持ち しての説明に、参加者はきっとメモをとるO それはちょっとした講演会だった。今自は一体何だね、

と駅員さんまでがのぞきにやってきた。

をタト帯と内帯に二分する中央構造線は、古くから知られている大断層であるO ところが、

は、よく知られているようで実はよくわかっていなし」ある場所の中央構造線が、

4

れた例もあるO 本日見学する水窪地域も、今までわりにずぽら?な研究がなされてきた場

はっきりしない。

さで、この に沿った内帯側に、マイロナイトという石が分布しているO マイ口ナイトと は、

ぶ、さ

n

るこ

、変形変成作用を受けたものであるO その結晶は、すりつ

のかさえもよくわからない。 1~2

km

の幅を持つ を知る上での貴重な手掛かりなのであるO

に見ら

によると、マイロナイトはぐしゃぐしゃにつぶれて、もとの石が何だったのかさえ もわからなくなった「へんな石

J

なのだそうであるO まず、その「へんな石

J

を見るべく、一行は

1 0

に向けて出発した。

1 . へ ん な 石jを見ょう (渇島)

を降りて

5

分法ど魚、な坂道を下ると、翁Jf

l

の小さなJff原に出るO ここでは典型的なマイ口ナイト の

た。少

ることが自的であるO マイロナイト はこの谷川沿いに げるくらいの高さに、自っぽくてひびのたくさん入った

25 

しているとの言兇明かめつ った。自の前にも大きな

(3)

転石があり、 を安全めた。すると、 てシャノてシャと に水をかけ始めるO

と思って聞いてみると、こうすると新鮮な面と同じような色を見ることができるとのことだっ た。採石したばかりの面や、水に濡れた岩には、黒地に自い斑点が無数についていた。正直なところ、

どうということもないただの石だな、と私は思った。しかし、その黒色の部分はすりつぶさ

で、白色斑点はつぶれず]こ残った結品で、さらに、このおを薄くすって検鏡したら、その結品が流れ たり回転したりしているのが見えるよ、という話を聞いて、このマイロナイトを大切に持ち帰ったの だった。この原岩は花腐岩ではないか、という話だった(本誌、地学散歩(掛参照)。

2 .

石の中にいる「マイカの魚

J

長尾:キャン

翁川を

3km

ほど下り、また川原に

i

怒りるO ここでもマイロナイトを見ることが目的であるO ここの マイロナイトの原岩は、領家変成岩ということだ。勢断変形とは「重ねたトランプをずらすような

J

変形だというのが、増田先生の表現だった。中央構造線は、断層面の傾斜がほぼ垂直な横ずれ断層で あるO ところが、この水窪付近の勇断面はほぼ水平であるというO そして、その岩のすべった方向は、

やはり検鏡することで確かめられるそうであるO このマイロナイトの中には、紡錘形の自雲母「マイ カブイツシュ

J

が見られるというO これは、石が変形を受けた時に作られた、運動の痕跡であるO こ の「マイカブイツシュ」は、みな同じ方向を向いているので、その向きによって石が契断変形を受け た方向を知ることができるそうだ。その結果より、この水平ずれ暫新運動はよの岩が南へ動いている

ということだった。このような露頭は、水窪付近で 40~50 笛所見つかっているそうだ。

水平勇断の露頭は、くずれたトランプというほどスマートなものには見えず、むしろ積み上げられ た餅のようだった。聞いはずの石を、あんなに力強く引きずってしまう自然の力に、驚いた。そし日

の中の小さな自いお魚を思い措きながら、)I[のほとりで昼食をとった(地学散歩(38)参照)。

3 .

領家事と三波

1 1 1

帯の境問一一増田説 に

J I /

を下り、今度は

(後河内

1 1 1) 

O 結し に離を止め、二つの露頭を見学した。

つは、領家帯の黒色変成岩、もう一つは り、どちらも三波川帯のものとされていた。

た、というのが、増田先生の説であるO

I [

帯の

を見つけねばならないこともあるというO そして、

これら

ることになるらしい。つまり、その時私達は、まさに

るO 従来、これらは同じもの、つま うものであっ

は従来よりももっと

私にとっては、この二つの岩石が同じだと雷われればそう見えるし、そうでないと言われれば成程 うなあと思えて、実際のところよくわからなかった。ただ、ある一つのことに判定を下す為には、

巨視的な視点と微視的な視点を要するものなのだということを知った。

4.

北条峠より中央構造線をのぞむ

北条峠で車を降り、周囲の山々を見た。なだらかな山の稜線の中に、一箇所へこんだ所があり、そ れが中央構造線だそうだ。遠目で見ると、ただのひと続きの山なのに、あのへこみを境に日本の地質

26 

(4)

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さ れ て い る な ん て 、 不 思 議 な も の だ と 思 うO 会 員 達 は 、 ボ ロ ボ ロ と 青 い 石 が 崩 れ る 露 頭 の 斜 面 に よ じ 登 つ て は 、 遠 く の 山 々 を な が め て い た の だ が 、 そ の 足 場 の 悪 い 露 頭 も お そ ら く 領 家 側 の マ イ

口 ナ イ ト だ ろ う と い う こ と だ っ た ( 写 真 1) 

次 の 見 学 場 所 に 向 か う 途 中 、 急 な カ ー ブ を 曲 が る 瞬 間 、 は る か 彼 方 ま で 連 な る 谷 と そ の 両 脇 に ず ら りと並ぶ山々を見た。これも中央構造線だろう。言葉に出来ぬほど見事な一瞬のパ ノラマだった。

5. 

をまたごう

これま

にしユ のに い。し

、 と いもの

しい に「

さ ん

、 と い う こ と

い で

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このまままっ

」ー

ところ でヂI によ

いよう O いろいろ

るの

、と 日と

こと

O

北条(ほうじ)峠から北東方向を む。写真の中央の集藩(水窪町 奥領家、今田)の上のへこんでい る部分を中央構造隷が通っている というO

は き っ と 、 地 図 の 上 で まさ と い う か ら に は 何 と し でも、ここ

がりく

t

1 5  cm 

というこ

自にもよく カ〉つわ る が

いるO ところカ人 とニ波JI 

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