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史的考察による居間空間論 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)史的考察による居間空間論. 播磨 信二朗 1.はじめに. として「居間」という言葉が使われていた。居間が今. 1−1.研究の背景と目的. 日の “ 家族集まってくつろぐ部屋 ” という意味で国語. 近代以降、わが国の居間やリビングルームといった. 辞典に登場するのは昭和 40 年代以降であり 4)、居間. 空間は、住宅内で最も重要な位置を占め、多くの議論. の空間概念が成立して半世紀程度しか経っていない。. や研究がなされてきた。特に 1980 年代の個室成立以. 2−1.大正期の居間空間. 降は、居間の重要さは更に増し、今日においても有意. 大正期、わが国では国策として生活改善運動が進め. 1). 義な研究が多くなされている 。しかし、 「おそらく、. られ、その一環として行なわれた平和紀念東京博覧会. われわれは “ 居間 ” を物理的に確保することに満足し. (大正 11 年)において、わが国で初めて家族だんらん. てしまい、有効活用して独特の居間文化をつくること ができなかった。 2)」 と指摘されるように、わが国. のための室としての居間が具体的空間として登場する. では居住者の住生活に対応した居間という空間が依然. を占めていた接客空間を縮小あるいは他の室と併用す. として確立されていないのが現状である。. ることで、家族だんらんのための居間空間を住宅内で. 5). 。大正期の居間空間の特徴は、住宅内の多くの面積. この要因としては、現在一般的にいわれる居間が普. 最も広い室として南側に確保している点である。. 3). 及して半世紀程しか経過していない為であり 、居間. 2−2.戦後のモダンリビング. は今日においても発展途上の段階にあるのではないか. 戦後、建築家達による公私室型の平面構成やモダ. と考えられる。さらに現在でも、居間空間における住. ンリビング ( 以下、ML) の考え方の中で誕生した居間. 生活は常に変化しているためであると考えられる。. 空間は、後の住宅に大きな影響を与える。公私室型. そこで本研究では、依然として発展途上の段階にあ. や ML では、座敷等の接客空間を廃し、公室としての. る居間を居間空間として捉え、わが国の居間空間につ. 居間空間を平面の中心にとり、ここを家族の生活空間. いて史的考察を行なうとともに、今日の居間空間の一. としてだけでなく接客空間としても利用した 6)。また、. つのあり方について論考することを目的とする。. 戦後の居間空間の最大の特徴は、面積の制約を解決す. 1−2.研究の方法. るために吹抜けが生まれ、平面だけでなく、立体的な. 本研究では、まず居間の史的考察を行なうが、考察. 空間へと変化した点である。居間空間が二階の室とも. にあたり居間を居間空間として捉える。居間空間とは、 連続することで、新たな空間の展開が生まれた。 居間と連続する、あるいは続き間となる空間全体を立. 2−3.1960 年代、居間空間の普及. 体的にとらえたものである。これは、居間での行為が. 1960年代の高度経済成長期では、家電や家具といっ. 周辺諸室あるいは連続する室と密接に関係しているた. たモノの普及、増加により、テレビやソファなどを置. めである。周辺諸室との連結の仕方といった平面的な. く室としての居間と同時に、戦後の個人尊重意識の進. 要素、床のレベル差や吹抜け等の断面的要素を含めて. 展から、次第に個室確保の住要求が生まれ、家族が集. 居間空間として捉えることで、既往研究ではほとんど. まる室としても居間が求められるようになる 7)。この. 対象とされなかった居間の空間全体のあり方について. ような背景から、多くの住宅に居間が普及し、今日の. 考察する。また、本論では既往研究、文献に記載され. 居間という空間概念が一般的になる。住宅においては、. た図面、並びに調査をもとに居間空間の考察を行なう。 ハウスメーカーによるプレハブ住宅、都心部では都 2.居間空間の史的考察. 市型住宅の一つとしてマンションが登場する 8)。また、. 2−0.居間空間の基点. 公団住宅においても、住生活の変化に対応し、DK と. わが国において、 「居間」という言葉は明治時代には. 連続した居間をもつ住戸が、実験的に建設されるよう. すでに存在していたが、今日の居間とは全く異なり、. になる 11)。この時代の居間空間の特徴は、戸建住宅 ( プ. 「主人居間」 「婦人居間」のように居室を意味する言葉. レハブ住宅等 ) と集合住宅 ( マンション、公団住宅等 ) 32-1.

(2) で異なる。戸建住宅では、次第に居間と DK は別に設. れ 18)、接客意識から次第に DK から独立した居間空間. けられるようになり DK と続き間、あるいは独立し. へと変化する。これは、当時の住宅において座敷等の. 。一方、集合住宅の居間空間は. 表1.居間空間の変遷. ﹁居間空間﹂の基点. た居間空間となる. 10). LDK のワンルームで、さらに続き間の居室と連続させ、 より広い居間空間確保の要求がみられる 11)。 2−4.1980 年代、個室成立以後の居間空間 1980 年代に入り、個室(私室)の確立がほぼ達成さ. −特徴ー ・「居間」=居室の意味      主人居間、主婦居間。. 座敷 次の間 (主人居間) (主婦居間). れると 12)、個室と対置的関係にある居間は益々重要 食事室. になる。しかし、この時期の居間空間は、住宅の面積 大正期、居間空間の登場. 規模の拡大に伴い、DK や動線空間から独立した居間 空間をもつ L + DK の割合が大きくなる. 13). 。ここで、L. + DK について、二つの場合がある。一方は、居間が 完全に独立している場合である。この場合の居間空間 は、接客空間あるいは親の私室的な性格をもった空間. 居間. 書斎兼 応接間. 居間中心型. 書斎兼 応接間. になる傾向が強い。他方は、居間と DK が続き間となっ. 居間兼食事室. 中廊下型. ている場合である。この場合の居間空間は、家族の生 活空間、接客空間両方の性格をもち、家族生活と接客. 書斎. 戦後の. の重合による問題が生じる 14)。 2−5.2000 年以降、居間空間のワンルーム化 た大きな居間空間の割合が大きくなる 15)。さらに近年、. 居間兼食事室. ML. 2000 年以降は、特に居間と D とをワンルーム化し. 居間兼食事室. のみアクセス可能な位置に設けられる配置の割合が増. DK. 年代、居間空間の普及 1960. 大傾向にある。このような居間空間の拡大傾向は、居 間空間の中心が家族生活に移ったといえる. 15). 。. 3.居間空間における住生活 3章では、居間空間と住生活の関係について考察す るが、考察にあたり行為の対象から「接客を中心とす. 居室. 居間. DK. の二つに別けて分析を行なう。. 集合住宅. 以外の人を迎える行為とする。 大正期の居間空間をもつ住宅では、接客空間を犠牲 にし、居間空間を確保していた。そのため、結果的に 居間空間が接客に使われ、居間空間は「家族だんらん の室」としては確立されなかった 16)。また、接客の相 手が「廉のある來客 17)」の場合もあった。. DK. 年代、個室成立以後の居間空間 1980. 対外的行為とは、接客を中心とした住宅内での家族. 居間. DK. 居間. た接客空間は居間空間へと取って代わった。 1960 年代の高度経済成長期にはいると居間空間 は、ソファ等の応接セットと併せて普及する。その. 居間と DK が続き間. 年以降の居間空間 2000. ち込まれ、これまで住宅内で最も広い面積を占めてい. ため、この時代の居間空間は応接間化が多く指摘さ 32-2. ー背景ー ・家族の小規模化 ・1950 年、住宅金融公庫法を制定 ・建築家の設計への関与 ・ローコストによる建築面積の制限、機能主義 ・新しい生活空間の創造 −居間空間の特徴ー ・吹抜けによる立体的な居間空間 ・居間空間に直接玄関がつく ・居間空間は動線機能をもつ ・居間空間確保のために私室を最小限. ー背景ー ・高度経済成長による生活水準の向上 ・テレビの登場 ・応接セットの普及 ・戦後以降の個室確保の住要求 ・住宅産業の台頭 ・居間の普及. ー背景ー ・住宅面積の拡大 ・個室の確立 ・子ども部屋を中心とする過度な私領域化 ・居間への批判・見直し論  ( 接客と家族生活の重合、多様な家族生活の重なり ) −居間空間の特徴ー ・L+DK の割合の増加 ・居間が周辺諸室から完全に独立 ・居間と DK が続き間の居間空間 →居間へ直接アクセス可能. 居間完全独立. 戦後の ML では、住宅内での接客は居間空間へと持. ー居間空間の使われ方ー ・「居間は家族集まって生活し、食事をする室で、時 には親しい来訪者の応接にも用いられ、裁縫や洗濯 物の火慰斗 ( アイロン ) かけなどもこの室で行なは れるのも一般である。」(※参考文献6より引用) ・「人は裁縫もすれば主人は新聞も讀む、中流の家で は玆で大抵な客にも接する、食事もすることにした い、卽ち居間は住宅の本據」 (※参考文献 18 より引用). ー居間空間の使われ方ー ・居間は DK や私室の面積を補う収納面積にあてられ  ている例がみられる。 ・ミシンなどのセミ・プライベートな生活、たんす、  勉強机といったプライベートな生活が居間に存在する。 ・DK や私室の面積を補う収納面積にあてられている。 ・冬期には家族の生活空間がタタミ敷きの居室へ移動 (参考文献 10 参照). 居間. 3−1.居間空間における対外的行為. −特徴ー ・家族だんらんのための居間の登場 ・接客空間は周辺諸室と併用、又は小規模化し独立  (※小住宅の場合は客間も兼ねる ) ・居間と食堂が続き間、又は居間兼食堂 ・居間中心型の場合、居間空間は動線機能をもつ ・中廊下型の居間空間は独立性が強い. −居間空間の特徴ー ・接客意識より居間と DK は独立 →居間を経由して DK へアクセス ・居間と続き間の居室が多くみられる。 ・集合住宅の場合も DK と居間の間に分離の傾向が見られる. 戸建住宅. 居室. る対外的行為」と「だんらんを中心とする家庭内行為」. ー背景ー ・接客本位から家族本位の象徴としての居間 ・ユカ座からイス座へ ・家父長的家制度から家族だんらんの重視. ー居間空間の使われ方ー ・家族の公的 ( 非私的 ) な生活と接客等. 公私室型. 接客の頻度の低下により座敷等の接客空間は居間から え、家族の生活空間の一部として居間空間はさらに拡. ( 参考文献1参照 ). ー居間空間の使われ方ー ・居間完全独立 →居間の応接間化や親の私室化の傾向が強い ( 参考文献1参照 ) ・居間と DK が続き間 →居間での接客とだんらんが重合 →テレビ視聴とそれに伴う家族の談話や、 改まった客、 夫の友人、親戚等の接客 →子供の遊び、勉強、大人の読書や書き物といった 半ば私的な行為やアイロンや裁縫といった家事行為 ( 参考文献2、3参照 ) ー背景ー ・住宅内での家族生活の優先 ・接客の対象の限定、頻度の減少. D. 居間. 座敷. 居間と座敷の続き間. −居間空間の特徴ー ・居間空間のワンルーム化、拡大傾向 ・居間からのみアクセス可能な座敷 ( 続き間 ) の割合の増加 ・居間に階段 ( 二階への動線 ) が設けられる。 ー居間空間の使われ方ー ・座敷を含め、家族生活に使われる (参考文献5参照 ).

(3) また、ワンルーム化した居間空間は、家族のライフス. 接客空間が面積の制約から確保されているものが少な. かったためであり、同時に、ML の普及とも考えられる。 テージの変化に対応できないといった新たな課題を生 み出している 23)。今後、居間空間は次の段階、つまり、. 1980年代、接客の相手は主に両親、親戚、友人といっ た「親しい客」へと変化する。また、居間空間での接. 住生活やライフステージの変化に対応しうる柔軟な空. 客が定着し、座敷等の接客空間が確保されていても接. 間が求められるのではないかと考えられる。. 客は居間空間で行なわれるようになる. 19). 。. 4.多様な領域のある居間空間 居間空間を住宅内の一つの領域として考察する。住. さらに 2000 年以降では、住宅内での接客自体の頻 度が減少し. 20). 宅の空間構成は、住宅内の領域を区分したものとみる. 、座敷等の接客空間が、家族の生活空間. ことができる。中廊下型住宅では、家族の空間と家族. である居間空間の一部へと変化している。 このように、次第に住宅内での対外的行為の頻度は. 以外の領域が区分されたものであり、公私室型の住宅. 減少し、相手は「親しい客」に限られ、接客空間は家. は、公の領域と私の領域が明確に区分されたものであ. 族の生活空間の中にとられるようになる。. る。食寝分離や就寝分離も領域の区分である。このよ. 3−2.居間空間における家庭内行為. うに、各時代の住生活を反映し、住宅は領域区分がな されてきた。特に戦後以降、わが国の居間空間は住宅. 家庭内行為とは、だんらんを含む家族全員あるいは. 内の公の領域として区分されてきた。しかし、近年の. 個々人の住生活全体とする。 明治から大正期のだんらんは、父親、母親を中心と. 居間空間における対外的行為の頻度の減少や対象の限. する二つのだんらんが存在した。それぞれだんらんに. 定、家庭内行為の多様化により居間空間はこれまでの. おける目的や行為は異なるが、家族が集まり、その中. 公の領域として捉えることが難しくなっている。また、. 21). 。当時、家父長的家制度. 居間空間には様々な行為が持ち込まれているにもかか. や家族本位の中で親を中心とする家族のだんらんは重. わらず、空間側はワンルーム化、拡大傾向にあり、領. 要視され、そのための室として新たに居間が提案され. 域区分が非常に困難なものとなっている。以上より、. たが、当時からすでに家族だんらんだけでなく、新聞. 今後は居間空間内においても多様な行為に対応した新. を読んだり家事作業なども行なわれていた。. たな領域区分が求められるのではないだろうか。. 心には親の存在があった. そこで本研究では、わが国の今日の一つの居間空間. 1960 年代、居間はテレビやステレオなどを置き、 それらを楽しむための室であると同時に、個室確保の. のあり方として、“ 多様な領域のある居間空間 ” につ. 住要求が生じる中で、家族のだんらんのための室とし. いて考察する。まず、居間空間における多様な行為は、. ても要求され、次第に普及した。そのため、居間での. 対外的行為を含め、図2のような属性で捉えることが. だんらんは家族が集まることに変わりはないが、その. できる。つまり、居間空間に求められる多様な領域は、. 中心は親からテレビへと変わった. 時代 大正期. 21). 。. 1980 年代以降の既往文献、既往研究で挙げられて いる居間空間での家庭内行為は、だんらんだけでなく 多様な行為が展開されている. 対外的行為と家庭内行為の関係 居間 + 食事室. 戦後モダンリビング 1960 年代. 行為に対応できるよう、2000 年以降は居間空間はワ. 1980 年代. ンルーム化し、さらに拡大傾向にある。つまり、今日 の居間空間の中心は家庭内の多様な行為そのものへと. 客 応接間 , 座敷等. 居間 + DK. 22). 。その多様な家庭内. 居間空間. 客. その他の室 家庭内行為. DK 居間 DK 居間. 対外的行為. DK. 客. 居間. 居室. 変化したといえる。 2000 年以降. 3−3.小結 居間空間は住生活と同様、常に変化している。特に、. D. 居間. 図1.居間空間における対外的行為と家庭内行為の関係. 近年わが国の居間空間での対外的行為は、対象が限定. 居間空間での行為の属性. 全員 ●食事 ●テレビ ●家事作業 ●接客 ( 親しい客 ). され、頻度も減少している。一方、家庭内行為は、そ の中心が、親からモノ、モノから多様な行為そのもの. 客. ①行為にかかわる人数. ○だんらん.   全員:家族全員で行なう行為   N 人:数人で行なう行為   1人:個人の行為. ○談話 動的. へと変化し、居間空間はそれら多様な行為に対応する. N人 ●子供の遊び ○着替え ○ごろね. ためワンルーム化、拡大傾向にある。しかし、依然と. ●物書き ●勉強 ●PC ○読書 ○軽い読み物. して対外的行為は居間空間に持ち込まれ、家庭内にお いても益々多様な行為が居間空間持ち込まれている。 32-3. 1人. 静的. ②行為の状態.   動的な行為:音や動作を伴う行為   静的な行為:大きな動作を伴わない行為. ③行為にかかわるモノの有無.   家具や家電等のモノを必要とする行為   (※モノを必要とする行為は●、      特にモノを必要としない行為は○). 図2.居間空間での行為の属性.

(4) 機能に対応した領域ではなく、それらの属性に対応し. ある。続き間や吹抜けといったこれまでの居間空間で. た領域であり、属性に対応した領域は、対外的行為や. みられた空間構成に加え、アルコーブや床の高さや仕. 今後益々多様化する家庭内行為を受け入れる場として. 上げの違い、空間の凹凸、視線の方向等により、それ. の役割を果たし、住生活あるいはライフステージの変. ぞれ質の異なる多様な領域が居間空間につくられこと. 化に対応できるといったことが期待できる。以後、多. で、住生活やライフステージの変化に対応し得る居間. 様な領域のある居間空間をもつ過去の住宅において、. 空間になるのではないかと考えられる。. その領域について考察する。 5.多様な領域のある居間空間のケーススタディ 5−1.ケーススタディ1:L 字型の居間空間 ケーススタディ1では、藤井厚二の第四回住宅につ いて考察する ( 図3)。この住宅では、居間兼食堂と3 畳のタタミ空間が L 字の連続した居間空間となってい る。食堂空間は L 字に曲がったアルコーブ部分に設け られ、タタミ空間は居間兼食堂の床の高さから 30㎝ 程上げられている。ユカ座の場合、このタタミ空間に 座ることでイス座の人と同じ視線の高さになり、イス 図3.ケーススタディ1の平面図. 座とユカ座が一つの空間に共存するよう計画されてい る。このように、アルコーブや床の高さによって質の. 台所. 異なる領域を形成している。また、公室と私室を明確. 食堂. 玄関. 居間. に分割し、居間空間が応接間やベランダといった周辺 諸室と続き間とすることで、住生活に応じて居間空間. ベランダ. 居間兼 食堂. 台所. 女中. 食堂. 応接. 応接. ベランダ タタミ. 居間空間の領域. 諸室を利用した多様な領域がつくられている ( 図4)。. 玄関 居間. タタミ. と周辺諸室との関係を自由に変えることができ、周辺. 女中. 周辺諸室の領域. 全体の領域. 図4.ケーススタディ1:L 字型の居間空間と続き間による領域. 5−2.ケーススタディ2:広さとコーナー ケーススタディ2では、宮脇檀の住宅について考察 する。宮脇の住宅の居間空間は、機能空間を最小限に することで広さを確保している。また、居間空間を回 遊性のある動線の中に配置することで、動線を軸に 様々な方向に向けて設けられたコーナーによって、そ れぞれ異なる質をもつ領域つくられている ( 図5)。. 図5.ケーススタディ2:広さとコーナー. 5−3.ケーススタディ3:吹抜けによる立体的領域 寝室. ケーススタディ 3では、居間空間に大きな吹抜けのあ. 子供部屋 居間空間. る住宅の領域について考察する。この住宅は、居間空. 和室. 食事室. 間の吹抜けを中心に住宅全体がほぼワンルームのよう な空間構成になっている。しかし、食事室と居間は天. 図6.ケーススタディ3:吹抜けによる立体的領域. 井高の違いにより質の異なる領域となり、二階の諸室. - 注1) 参考文献1〜3参照 2) 参考文献4より引用 3) 参考文献1参照 4) 参考文献1参照 5) 参考文献6参照 6) 参考文献7参照 7) 参考文献8参照. は吹抜けを介して居間空間と繋がり、居間空間と連続 したの一つの領域となっている ( 図6)。 今日の居間空間の中心は、家庭内行為そのものにな りつつあるが、居間空間には依然として対外的行為が 持ち込まれ、家庭内行為も更に多様化し、住生活にお いて居間空間の果たす役割は益々重要になっている。 対し、史的考察から考えられる今日の一つのあり方で. 15) 参考文献5参照 16) 参考文献15参照 17)「廉のある來客」とは、ワケ ありの客といったような意味。 参考文献15より 18) 参考文献10,16参照 19) 参考文献3,17参照. 20) 参考文献17参照 21) 参考文献5参照 22) 参考文献4参照 23) 参考文献18参照. - 図版出典表1 筆者作成/図1 筆者作成/図2 参考文献1をもとに筆者作成/図3 参考文献18より引用/図4 筆者作成 図5 参考文献20より引用し、筆者加筆/図6 筆者作成. 6.まとめ. 多様な領域のある居間空間は、そのような居間空間に. 8) 参考文献1参照 9) 参考文献9参照 10) 参考文献8参照 11) 参考文献9 〜 12参照 12) 参考文献13,14参照 13) 参考文献5参照 14) 参考文献2、3参照. - 参考文献1)竹下輝和:個室成立以降の家族コミュニティーに関する実証的研究⑴-⑵、住宅建築研究所No.13、14、1987-1988、財団法人新住宅普及会 2)鈴木成文、初見学:住居における公室計画に関する研究、財団法人新住宅普及会 住宅建築研究所報No. 8、1981 3)江上徹:多目的空間としての居間に関する研究、住宅研究総合財団研究年報No.16、1989 4)内田青蔵: 「間取り」 で楽しむ住宅読本、2005、光文社新書 5)鈴木義弘、岡俊江ほか:居間中心型住宅普及の動向と計画課題に関する研究 第1-9報、日本建築学会九州支部研究報告、2007-2011 6)九州大学青木研究室:中流住宅の平面構成に関する研究⑴-⑶、財団法人新住宅普及会 住宅建築研究所報、1983-1985 7)宮脇檀 他:日本の住宅設計 作家と作品−その背景、1976、彰国社 8)金沢良雄、西山夘三、福武直、柴田徳衛:住宅問題講座6 住宅計画、1968、有斐閣 9)西山夘三:すまい考今学―現代日本住宅史、1989、彰国社 10)扇田信:公私室型住宅の分析(公室部分について) 、日本建築学会論文報告集、1960 11)松村秀一:工業化住宅・考 これからのプレハブ住宅、1987、学芸出版 12)川添登、黒川紀章:プレハブ住宅、1964、東京中日新聞出版局 13)鈴木成文 他:公団住宅における住み方プロセスの調査分析、日本建築学会論文報告集、1975 14)住田昌二 他:3LDK型民間マンションの住み方 - (その1)住み方のパターン化、日本建築学会近畿支部研究報告集、1978 15)青木正夫ほか:中廊下の住宅―明治大正昭和の暮らしを間取りに読む、2009、住まいの図書館出版局 16)「家庭科教育 新しいすまい方」 、1967、家政教育社 17)鈴木義弘、岡俊江ほか:座敷とだんらん空間からみた新築分譲住宅の平面構成の変容過程に関する研究 第1-5報、日本建築学会九州支部 研究報告、2001-2006 18)佐野利器:住宅論、1925、文化生活研究会 19)藤井厚二:日本の住宅、1928、岩波書店 20)宮脇檀建築研究所:宮脇檀の住宅設計テキスト、1993、丸善株式会社. 32-4.

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参照

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