1990年 9 月, 世界子供サ ミ ッ トがニ ュ ーヨ ーク の国連本部で行われ, 子供の生存権 ・ 保護 ・ 育成 ・ 貧困等から守る こ と は重大な問題 と な っ て いる。
また, 児童福祉 を語る と き古 く て新 し い 「養護問題」 をぬ きに して は考 え られない。 そ こ には, 時代背景 を写 し出 した社会の さ まざ まな病理 を呈 して いる。 今回は, 表題 にある 「岐 阜県における養護のあ り方」 についての調査研究結果 を報告する。 調査対象は少 し古いが, 大筋で は現在 も大 きな変わ り はない と思われる。
I 。 目的
養護の問題は, 親の 「子の育て方の問題」 で ある と同時にこ のよ う な家庭に育っ た 「子 の育 ち方の問題」 で も あ り, さ ら には地域 における子育て機能の低下の問題で もある。 こ のよ う な観点から岐阜県における養護問題の実態 を総合的に調査 ・ 分析 し, 養護の在 り方 に関する児童福祉行政推進の指針 を得る こ と を 目的 とする。
は じ め に
「岐阜県における養護のあ り方」 に関する調査研究報告
明秀
政仲
野内
星竹 二五〇
V。 児童相談所養護相談調査 (資料参照) 1) 調査対象
昭和58年 4 月から昭和61年 3 月 まで に各児童相談所で養護相談 と して受け付けた全て IV. 調査研究 日程
期間 : 昭和61年12月˜ 昭和62年 3 月
H。 調査研究主体 岐阜県
Ⅲ. 調査研究員
学識経験者
里親連合会代表
児童福祉施設代表 児童相談所
( 4児相よ り 1人づつ代表)
行政担当職員
(注) 全項 目記入児童 と は、 一人子又は長子等で その世帯 を代表す る児童で、 養護相談調査票 |児童票 11
世 帯票 11 泄 帯票 21
の全て に記入 し た児童。
3) 養護相談調査票 (資料参照)
養護相談票の調査項 目 (52項 目) の設定にあたって は, 本研究事業の目的に基づ き養 護問題 を総合的に把握する こ と に留意 し た。 また, 本県の特徴 を全国 と の比較 において 明らかにする ために, 次の調査 を参考 と し, で き得る限 り調査項 目の共通化 を図っ た。
イ。 全国児童相談所所長会 「児童相談調査」 昭和59年 2 月 1 日˜ 29日 口。 厚生省児童家庭局 「養護児童等実態調査」 昭和58年 3 月 1 日現在 4) 調査票の結果と分析
各調査票 をパソ コ ン入力 (NEC
N5200) し, こ れによ り各調査項 目毎に児童相談所
別件数 を作成 し, 調査結果基礎票 と し た。又, 必要に応 じ て二項 目間のク ロス集計 を行 っ た。
調査対象全児童数 全項 目記入児童数
中央児童相談所 331人 223人
西濃児童相談所 133 94
束濃児童相談所 81 53
飛騨児童相談所 45 34
計 590 404
同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号 の事例。
2) 調査対象数
養護問題の背景 について
二四九
児童は, 言 う まで も な く , 身体的 ・ 精神的に未熟であるが故 に, 社会的に保護 さ れ, その 成長発達について保障 さ れるべ き存在で ある。 それ故に, 児童が心身と もに健全 に育成 さ れ る基盤 は, 児童の生活の場で ある家庭で あ り, そ し て, その両親の暖かい愛情 によ っ て養育
- 34 -
は じ め に 1
児童 を と り ま く 諸条件の動向
「岐阜県における養護のあ り方」 に関する調査研究報告 さ れ る べ きで あ る 。
しか し, 戦後40年 を経 た今 日のわが国の家庭は, 社会経済の急激な変動によ って, 日本人 の家族生活や地域の生活 を大 き く 変化 さ せた。 高度経済成長 は, 日本の産業構造 を高度化 さ せ, 工業化 ・ 都市化の進展は, 労働人口を農村部から都市部への大移動 を ま きお こ し, 新た
な都市生活問題 を生み出 した。
農村の過疎化現象の中で は, 長期間の出稼 ぎ労働等による家族機能の歪みや家庭崩壊 を生 み, 児童の成長 ・ 発達に多大な影響を与 えた。 一方, 都市への人口集中は, 都市問題 と言わ れる住宅問題, 環境公害問題, 医療 ・教育問題, 物価問題な どを引 き起 こ し, 都市生活者の 上 に深刻 な生活不安, 生活困難 を も た ら した。
又, こ れら の労働人口の流入 ・ 流出現象は, 地域社会の もつ共同性 ・ 相互援助機能 ・ 教育 機能を失わせ る一方, 児童の生活基盤で ある家族 も核家族化 ・ 小家族化, 孤立化傾向を生み 出す と共に, 家族のもつ 日常生活維持機能 ・ 養育機能等 を弱体化, 脆弱化 させたので ある。
つ ま り, 日常生活維持機能の弱体化は, 生計中心者の事故や疾病, 離婚等 による生活困難が 家庭崩壊 に陥 らせ る と共 に, 家庭養育機能の弱体化, 脆弱化 は, 両親や家族構成が整 っ てい て も, 生活文化や生活規範の世代 間の継承 も困難 と なる ので ある。 又, 地域の相互援助機能 の低下 に伴 う 家庭養育の孤立化は, 親子関係の絆の欠損 を始め, 家族員の意識の個人化が進 み, 家族間の価値観や生活態度の上 にも亀裂 を生 じ させる。
このよ う に, わが国の経済成長は, 都市, 農村 を問わず に, 社会構造上の 「ひずみ現象」
を生 じ させ, 養護問題はその結果 と して生起する ので ある。
それらの養護問題の背景を今 日の児童 を取 り巻 く 諸条件の勁向を通 して, 考察 したい。
1) 児童数, 出生数, 出生率等の動向
厚生省人口問題研究所で は, 昭和61年人口動態統計 について年間推計 を行い, 公表 し た。 出生数は137万 8千人で60年よ り 5 万 4 千人減 と推計 さ れ 「出生率は11. 4で60年の 11. 9を下回ろ う。」 と述べている。 この年間出生数137万 8千人は, 昭和41年 ( ひのえ う ま) の136万人に次 ぐ二番 目に低い数値である。 又, 出生率11. 4は, 「表 1のご と く , 」 最 も低 い値で ある。
その一方で , 「表 2, 図 1 によれば, 」 生産年齢人口の扶養負担の程度 を示す従属人口 指数 (年少人口と老年人口の和の生産年齢人口100に対する比率) は, 昭和25年の67. 7 から昭和45年 の45. 1へ と大 き く 低下 した。 そ の後, 昭和50年には47. 6へ と上昇 に転 じ, 昭和55年 には48. 4へ と更に上昇 した。昭和60年で は46. 7へ と若干低下 している。 しか し, 従属人口の内訳 をみる と老年人口の割合 は急速に高 ま って いる。 人口問題研究所 の将来 人口推計 によ れば, 65歳以上の老年人口が来世紀に総人口の四分の一近 く を占める超高
二四八
出生率(人口千対) 出生率(人口千対) 昭秘 咋 (1965)
41 ( 66)
〈丙午〉
42 ( 67) 45 ( 70) 50 ( 75) 55 (1980)
18 . 6 13 . 7
19 . 4 18 . 8 17 . 1 13 . 6
㎜㎜
㎜㎜,- =
昭日56年(1981) 57 ( 82) 58 ( 83) 59 ( 84) 60 ( 85) 65 ( 90) 70 ( 95) 75 (2000)
13 . 0 12 . 8 12 . 7 12 . 5 11. 9 11 . 4 12 . 7 13 . 3 表 1
出生率の推移
同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号 齢化社会になる こ とが予想 さ れる と述べて いる。
人口の高齢化 に拍車がかかる 中で進行する児童数の減少傾向 と い う 人口構造の変動 は, 今後の社会 ・ 経済に大 きな影響 を与え る と考 え ら れる。 と りわけ, 現在の児童 に課 せられる次代の高齢者扶養の負担の増加な どは大 きな問題である。
又, 昭和61年人口動態統計で は, 婚姻数71万 9千組で60年よ り 1万 9千組減 と推計 さ れ, 婚姻率 (人口千対) は5. 9と なろ う。 婚姻数は, 戦後第一次ベ ビーブーム期に生ま れた人たちが結婚適齢期 をむかえた昭和40年代後半 には, 毎年100万組 を超 えたが, そ
の後は減少傾向で推移 している。
婚姻数は, 16万 6千組で, 60年 とほぽ同じである。 離婚率 (人口千対) は, 1. 37とな ろ う。 「表 3 によれば, 」 離婚は, 昭和39年以降, 数 ・ 率 と も上昇 し続けて いたが, 58年 の17万 9千組 (1. 51) をピークに, その後減少に転じている と述べているが, 昭和60年 の16万 7 千件 は, 昭和35年 に比較 し て約2. 4倍 と な っ てお り, し し か も有子離婚が増え て いる。 いずれに し て も, 両親の離婚 は, 単親家庭 と なる こ と によ る家庭基盤の脆弱化, 人格形成の上で のモ デルの不在 な ど子供に好 ま し く ない影響 を与え る ので ある。
更には, 「図 2 によ れば, 」 平均世帯人員 は, 昭和25年には4. 97人で あ っ たが, 昭和55 年には3. 33人にまで減少 し, 核家族化 ・ 少子家族化の傾向が顕著で ある。
その結果, 子供同士の関係 は, 世帯の中において も, 隣近所 と い う 地域の中にお いて も, 以前に比べ, 希薄化傾向が子供の成長, 人格形成に多大な影響 を及ぼすのである。
具体的には, こ れらの動向が児童 ・ 家族 ・ 地域にどのよ う な影響 を与えているのであ ろ う か。
- 36 - 注
昭和60年 まで は実績
昭和65年以降は、 人口問題研究所推計 (昭和56年11月)
二四七
注
国勢調査の結果による。 ただ し、 昭和60年は 1 % 抽出槃計結果による。
1) 総数には年齢 「不詳」 を含む。
2) 旧外地人以外の外国人を除 く 。
3) 年 少 人 口 指 数 ={ 元j4§ ・夕 {} × 100
・) 老 に ln=訳競詣× 100
5) 従 属 人 口 指 数 =(o¯14歳 A?A IU??|以 上 人 口 )× 100
資料
総務庁統計局 「昭和60年国勢調査
抽出速報集計計果」
図 1
人ロ ピ ラ ミ ッ ドで みた年齢化
「岐阜県における養護のあ り方」 に閔する調査研究報告 表 2
年齢階級 ( 3 区分) 別人口及び主要指標の推移
人口 (千人) 割合 ( % ) 年少人口
指数
老年人口 指数
従属人口
総数 o˜ 14歳 15˜ 64 65歳以上 総数 o˜ 14歳 15˜ 64 65歳以上 指数
大正 9年(1920) 14 ( 25) 昭和 5 ( 30) 10 ( 35) 151)2) ( 40) 251) ( 50) 301) ( 55) 351) ( 60) 401) ( 65) 45 ( 70) 501) ( 75) 551) ( 80) 601) ( 85)
55, 963 59 , 737
64 , 450 69, 254 73 , 075 84 , 115 90 , 077
64 , 302 99 , 209 104 , 665 111, 940 117, 060
121, 026 20 . 416 21, 924
23 , 579 25 , 545 26 , 369 29 . 786 30 , 123
28 , 434 25 , 529 25 , 153 27 , 221 27 , 507
26 , 093 32 , 605 34 . 792
37 , 807 40 , 484 43 , 252 50 , 168 55 , 167
60 . 469 67 , 444 72 , 119 75 , 807 78 , 835
82 , 498 2 . 941 3 , 021
3 , 064 3 , 225 3 , 454 4 , 155 4 , 786
5 , 398 6 , 236 7 , 393 8 , 865 10 , 647
12 , 395 100 . 0 100 . 0
100 . 0 100 . 0 100 . 0 100 . 0 100 . 0
100 . 0 100 . 0 100 . 0 100 . 0 100 . 0
100 . 0 36 . 5 36 . 7
36 . 6 36 . 9 36 . 1 35 . 4 33 . 4
30 . 2 25 . 7 24 . 0 24 . 3 23 . 5
21. 6 58 . 3 58 . 2
58 . 7 58 . 5 59 . 2 59 . 6 61. 2
64 . 1 68 . 0 68 . 9 67 . 7 67 . 3
68 . 2 5. 3 5. 1
4 . 8 4 . 7 4 . 7 4 . 9 5. 3
5 . 7 6 . 3 7. 1 7. 9 9. 1
10 . 2 62 . 6 63 . 0
62 . 4 63 . 1 61 . 0 59 . 4 54 . 6
47 . 0 37 . 9 34 . 9 35 . 9 34 . 9
31. 6 9 . 0 8 . 7
8 . 1 8. 0 8 . 0 8 . 3 8 . 7
8 . 9 9 . 2 10 . 3 11. 7 13 . 5
15 . 0 71. 6 71. 7
70 . 5 71. 1 69 .0 67 . 7 63 . 3
55 . 9 47 . 1 45 . 1 47 . 6 48 . 4
46 . 7
二四六
6 5 4 3 2 1 0
0 1 2 3 4 8 6
( 百万人 ) 6 5 4 3 2 1 0
0 1 2 3 4 5 6
( 百万人 ) 人口
(総務庁 「国勢調査」, 厚生省 「 日本の将来推計人口」 よ り)
図 2
平均世帯人員の推移
4.97
t97
.-.
年齢(歳)90 80 70
同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号
年齢(歳)90
表 3
離婚件数及び離婚率
2) 児童の諸問題
戦後第三に して最大の少年非行は, 58年 を ピーク と して, 減少傾向にある。 その特徴 は, 非行の低年齢化 と女子非行の増大化で ある。 それは, 今 日の学校教育問題, あるい は, 学習権問題等を意味する と共に, 家庭生活 ・地域生活における大人の子に対する養 育機能の問題 を意味する。
しか し, 近年, 学校教育 をめ ぐる社会的関心や問題は, 1970年代の 「落 ち こ ぼれ」 か
- 38 -
二四五
注 「有子離婚」 と は、 20歳末満 の子のある離婚 をい う 。
資料 厚生省 「人口動態統計」
離婚件数 (千件)
有子離婚 離婚率
(人口千対) 件数(千件) 制合( % )
昭和35年(60) 40 ( 65) 45 (
70)
50 ( 75) 55 ( 80) 57 ( 82) 58 ( 83) 59 ( 84) 60 ( 85)
69 77 96 119 142 164 179 179 167
40 45 57 75 96 114 125 125 114
58 . 3 58 . 2 59 . 1 62 . 7 67 . 6 69 . 4 69 . 8 69 . 7 68 . 2
0. 74 0 . 79 0 . 93 1. 07 1. 22 1. 39 1. 51 1. 50 1. 39
昭25
30
85
40
45
50
5S
・・年
資料 : 総務庁 「国勢調査」
「岐阜県における養護のあ り方」 に関する調査研究報告
ら 「校内暴力」 「登校拒否」 を経て, 現在の 「体罰」 「い じ め」 「校則」 問題等に至 って いる訳で, 束京中野の中学生の 「い じ め」 に絡んだ自殺の背景 を考えて も, その一つを 抑え込む と次の問題が生 じ る。 こ れを封 じ込める と, 今度 は別な形 を と って爆発する と い う 状態で ある。 それ故 に, 小手先の技術や方法で は解決で きない, 根 の深 い問題で あ る こ と を認識 し, 高度経済成長期以降に激化 して きた学歴社会に伴 う進学競争等の競争 社会が もた ら した教育体制, 体質の問題 を根本から見直 し, 子供達が将来に対する明る い希望や夢が もて る教育的配慮が さ れない限 り, 子供達の自殺や非行の多 く を未然に防 止す る こ と がで き な いで あ ろ う 。
又, 子供の発達の歪み, つ ま り 身体的, 精神的発達の遅れやア ンバラ ンス は以前から 指摘 さ れているよ う に, 幼児期からの子供の生活 リ ズムや基本的生活習慣等の親子関係
を基本 と して家庭生活環境や学校生活環境の見直 し も急務で ある。
例えば, 幼児や小学生低学年の生徒 においての遅寝, 朝寝坊が一般化 し, 朝食抜 き, 排便な し, 歯 も磨かなかっ た り, 衣服の着脱, 整理整頓がで きなかっ た り, 箸の持 ち方
さ え知 らない とい った状態がある。 そ して, 学校に来て も, 午前中はア ク ビが多 く , 動 作が鈍 く , 勉強に身が入らず, 偏食や忘れ物が多 く , 集中力に欠け, 自己中心的である と保育者や教師よ り指摘 されている よ う に, 子供達の集団が破壊 (人間疎外) さ れ, 正 しい結 びつ き を失 って, 一人 ひ と りが孤立 した状態下 にある。 その結果, 小 さ い時から 人 と人 と のつなが りの中で育て ら れるべ き 「ものを大切 にする」 「自己抑制の習慣 を身 につける」 「人間ら しい思いや り を持つ」 の感情が育たな いのである。 いずれに して も, 家庭や地域の教育力の低下の問題 を抜 きに して は考 え られない訳で, 次 に家庭 ・ 家族の 問題 を考 えたい。
2) 家族の諸問題
前述 した よ う に, 児童の問題は児童の発達保障に関わる家庭や地域の問題, ひいて は, 今 日の政治, 経済, 社会の問題で ある とのべて きた。 正 に, 子供の行動 は, 社会の反映 で ある 。 社会が病 めば子供の心 も病む。 大人の心が乏 し ければ子供の心 も乏 し く な るの で あ る 。
家庭 の本来の機能 を破壊す る よ う な状況 も進 んで いる。 「兎小屋」 と評 さ れる よ う な 貧弱な住宅事情, 父親の連続転勤や単身赴任, 父母の共働 きや労働条件の悪化 な どによ っ て, 核家族化か定着する中で, いつのまにか, 家族の間の孤立化の状態が生 まれる ので ある。 父親が単身赴任で家族 と別居する こ とが異常な こ とで はな く な って きている。 男 女雇用機会均等法で は, 女性の転勤 も止むな しの声がある よ う に, 家族が同じ家に起居 で きない家庭が増加 し, 家族の崩壊による養護問題の多様化, 複雑化に拍車 をかける傾 向にあ る。 そ して 家庭 の孤立化の中で , 親の関心 は, も っ ぱらわが子の学業成績 に集中
二四四
〔地域における子 どもの姿〕
現代の児童の教育のあ り方 を論ず る にあた り、 子供の遊 びや生活の今昔 をみる と 、 次のこ とが考え られる。
同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号
する。 親は子供 を塾やお稽古ご と に通わせ, わが子の成長のみを楽 しみにする傾向が強 く なる。 又すべて を物で充足 し て し ま う 消費性向の浸透 も, 内的条件 と な る。 過保護 と か過干渉 とか言われる親の育児観や子供への関わり方 も多 く は物質を介入させる こ と に よ っ て, 子供の側の自立力の低下 と欲望の増大 を招 く 結果 と な る ので ある。
孤立化 した家族の私生活中心 の態度で は, 隣近所の人た ちが どのよ う に過 ご してい く のか不安にな り, 他人や仲間への同調傾向がみられやす く , 感覚的な判断 を しやす く な る。 皆 と 同じ よ う な持 ち物や服装 を して いない と ひけめを感ず る ので ある。 現代の 「い じめ」 の起 こ り方 にみ ら れる対象が 「勉強が皆 について い けな い」 「皆 と 同 じ行動が と れな い」 「容姿や態度 に皆 と違 う と こ ろ がある」 な ど と い っ た画一主義的な価値観が大 人にも子 ども にも浸透 して いる表れであろ う 。 つ ま り, 均質集団の中に自分 を安定させ よ う と す る意識が強 まる ので あ る。
これも, 高度経済成長と共に①都市化 とモータ リゼーシ ョ ン, そ して, テ レビの普及,
②塾通いの日常化, ③大人の近隣関係の弱体化, による仲間集団の脆弱化は, 子どもの 遊び活動の衰退 につ なが り, 家庭や地域の生活文化の衰退 と共 に, 子育て機能の低下 に
まで大 きな影響 を与えて いる ので ある。
今 xf11日
○家の中で遊ぶこ とが多い Oほと ん ど外 で遊 んだ
○体 を動かす こ とが少い O体 を動か して遊 んだ O一人で遊ぶこ とが多い ○仲間 と いっ し よに遊 んだ
○既製品で、 買った ものが多い ○手造 りの遊具が多かっ た
○遊 びに金 がかかる ○遊 びに金がかか ら な か っ た
二四三
遊びの今昔 を比較す る と , 昔の遊 びは仲間同志, 皆 んなで遊ぶ良 さ があっ た。
学校の帰 り道で友達 と約束 を交わす, こ の約束は, 昨 日も共 に熱中 し た遊 びで あっ た り, 自分達で考 えた遊 びの約束で ある。
鞄 を家に置 く や, す ぐ何時 もの遊 び場 に集 まる。 少 しで も遅れる と, その友達 の家に 走って いって大声で呼 びかける。 揃 う と, 高学年の子供の指図によ っ て遊びが始 まる。
戸外で体 を動かすのだから極めて健康的であ った。 一年 も二年 も違 う , 時には三年位学 年の違 う相手 と遊ぶ, 「年上の人にも勝 ってみたい」 「年下の者 には負 けた く ない」 と頑
- 40 -
「岐阜県における養護のあ り方」 に関する調査研究報告 張る。 遊 びの中で仲間 との対話が盛 んに行われ, 友達の輪は広 がる。
手造 り の遊具 は, そ の物 によ り, 年齢 によ って は自分で作れな く て親が係 わる, その 時の親子の対話の中で道具の使い方な どを教わる。
今の遊 びについてみる と, 屋内の遊 びや非活動的な遊 びは不健康である。
また, 一人遊びで は, 友達 と の対話 も生 まれず, 仲間意識 も育た ない。 遊具 も, ゲー ム機な ど, 商品である ものが多 く , 遊具 とい う よ り も精巧な機械と いっ た方が適当であ ろ う 。
その本体 に加 えて, 種々な付属部品やカセ ッ ト等が欲 し く な り, 次々に買い求めて遊 ぶか ら, 親の経済的負担 も大 きい。 そのゲー ム機 を動かすため には電気や電池が必要 と な り, 加 えて, 季節によ っ て は冷暖房にも大 きな金がかかる。 テ レ ビゲーム機特有の電 光 に 目を悪 く す る こ と もあ り得 る。
こ の遊 びの今昔の比較について, 最近の遊 びが全面的に悪い と は言え ない。 次々に登 場する各種の遊具は, すばら しい機能を持ってお り, それを使い きるには大変頭の訓練 になる と思 う 。 こ う した点 は結構で あるが, 大人の立場でみる と, 次々に新 しい物 を与 えるので な く , 子供に工夫 させた り試 させた りする方向に働 きかけてい く 方が, 子供達 にと っ て も 自立心 を育てる こ と につ ながるので はないか。 昔の遊びに見 られる よ う に, 競争心 を起 し夢 中になる遊 びの中で の体験 は, 極めて大切で ある。 知 らず知 らずの う ち 他の子供 と上手 に付 き合 う技術 を習得 し, つ らい事があって もそれに耐える力 もつ く ,
また, 身体 を有効に使 う力 もつ く , こ う した子 どもの頃の遊びを通 し, 生涯役に立つ生 活力 まで も身につける こ と になる。
「よ く 遊 び」 「よ く 学べ」 と い う が, 子供の頃充分 に遊 ばなかっ た子が, 問題行動 を起 す と言 われる。
親な ど大人は, 子供の年齢, 状況 を充分考 えた上で関心 を持つ遠 く か ら遊 びを見守っ た り, 時 には, 忙 し い時間 を さ いて も一緒に遊んで やる こ と が大切で ある。
二四二
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J p に川 +忌 闘皿 胞侭 収如 似似 低回 朴巨 F 一
こ のよ う な養護問題発生の理由をみる と, 親自身の様々な生活上の都合から子供の養育が で きな く なっている例が非常に多い。 また, 特異な例 と して, 棄児が 5件あったこ と も注 目 すべ き と こ ろで ある。こ のよ う に親 と して子の養育責任 を果た し得なかっ た こ との背景には, 更にそれぞれな りの理由があっ たものと思われるが, 現実にこのよ う な多 く の子等が親子関 係を絶たれて不幸な境遇 にある と い う こ と は見逃せない。 要はこ う した子供の不幸 を未然に 防げる ものな ら社会的責任において も, 親への指導援助の点で最大の手当が必要である。 多 く の場合, 適当な援助者 も な く 当事者のみが無為 に悩 み試行錯誤 して こ のよ う な結果 を招い ている こ と も考え られる。
こ う し た場合, 児童相談所 を中心 と し た関係機関の連携 ・協 同のなかで のよ り早期, よ り 適切 な指導 ・ 援助が鍵で ある。
2) 児童の状況について (1) 性別
図 1
性 別
「岐阜県における養護のあ り方」 に閔する調査研究報告 ま
と
め
項目名
%
二四〇
麗 男
55.3
凹女
44.7
図 1 によれば590のう ち, 男326人 (55. 3% ) , 女264人 (44. 7% ) で男が多い。
また, 全国児童調査で も, 男54. 8% に対 し, 女 は45. 2% で本県 と の大差 はない。
性別 を年齢別にみる と O歳˜ 2歳 と 5歳˜ 8 歳の小学校低学年 と13歳以上の中学生 には男が多 く , 3歳˜ 4歳の幼児 と 9歳˜ 12歳の小学校高学年では, 女が多い。
参考
岐阜県の調査年度の平均出生率
男6. 2
12 . 1
全国11. 9
女5. 9
児 童 数
図 2 によれば, 0歳の相談が92人で, 全体の15. 6% で最 も多 く , 1歳から14歳 まで の年齢児の相談は26˜ 40人位が多 く , パーセ ン トで は, 4 % ˜ 7 % になる。
15歳以上で は, 更 に減少 し て いる。
こ れを年齢層別 にみる と, 6 歳未満の乳 ・ 幼児が47. 8% で , 全体の半数 に近 く , 6 歳˜ 11歳 は32. 7% , 12歳˜ 14歳が16. 5% , 15歳以上3. 0% と な り, 低年齢児 の相談が 多い こ とがいえる。
(3) 出生 図 3
出
生
2 52125QI Q CyQ CQ 97 1 同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号
齢 01-叫齢 人109 (2) 年
図 2
年
図 3 に示すよ う に, 嫡出子は79. 8% で最も多い。 非嫡出子のう ち, 認知 さ れて いる もの3. 7% に対 し, 認知 さ れて いない ものが12. 2% あ り, 不明分 の4. 2% を加 える と約 20% の不遇 な出生児がいる こ とが, う かがえる。
二三九
- 44 -
項 目 名 S
認知有 認知無
児童数
図 4 - 2 によれば, 全体の半数 にあたる50. 2% が未就学で し めて お り, 次いで小学 校低学年16. 8% , 小学校高学年16. 4% , 中学校15. 4% の順 にな る。 高等学校は少な く 0. 8% で, その他の0. 3% は中卒後, 遠方よ り職捜 し, 母 を尋ねて きたが, 分 らず帰れ な く な っ た も ので あ る 。
図 4 - 2
就学状況
4884484a
一 ・ ・ 一 一 ・ I呪 45665004 111
「岐阜県における養護のあ り方」 に閔する調査研究報告 (4) 就学状況
図 4
就学状況 1 - 1
口 岐阜県 回 全 国
就学状況は, 図 4 によれば, 就学前の乳幼児が, 全国比で は2 倍位多い状況にある。
また, 小学校低 ・ 高学年及 び中学校 は, 平均16. 2% で, 全国対比で はいずれ も低い 就学率で ある。
二三八
項 目 名
囲 回 四 回 回 ■ 口
未就学 幼 ・ 保育園 小学校低学年 小学校高学年 中学校 高等学校 その他
項
目
名
欠席 していない と き ど き休む よ く 休む 長期欠席 転校届未済 不明
口 囚 口 団 溺 口
図 5 によれば, 欠席 してい ない児童は全体の半数以上 にあた る51. 7% で ある。 問題 ないが, と き ど き休 む34% , よ く 休 む5. 1% , 長期欠席3. 8% をふ まえる と, 約43% が 何 らかの形で休んで いる。
(6) 就学状況 (成績) 図 6
就学状況 Ⅲ- 1
同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号 (5) 就学状況 (登校)
図 5
就学状況 H (登校)
ajjloぷI9g5134530t
項 目 名
学校の成績 は図 6 によ れば, 普通以上が42. 8% , やや低いが36. 6% , 大変低い14. 4%
で, 約半数以上の51% が普通以下 と な っ ている。
また, 前記の登校状況 との関係 をみる と, 休 まない児童で は, 60% が普通以上の成 績で40% が普通以下, と き ど き及 びよ く 休 む児童で は, 普通以上が25% で普通以下の 児童は75% と悪 く な って いる。
二三七
- 46 -
% 42.8 36.6 14.4 6.2
口 係 斤 ﹂
普通以上 やや低 い た いへ ん低 い 不明
口 同 ﹂
Cg ri Q1 1 S1809
図 7 によれば, 健康児が全体の91. 2% で, 何 らかの障害のある ものが8. 0% , その ほか不明 が0. 8% あ る こ と が わかる。
図 7 - 2
心身の状況- 2
項 目名
「岐阜県における養護のあ り方」 に関する訓企研究報告 (7) 心 身の状況
図 7
心身の状況- 1
%
身体虚弱 肢体不自由 視聴覚障害 言語障害 精神薄弱 他の心身障害
二三六
四 回 皿 団 匯 口
岐
阜
県
健 康 (91.2% )
9?W 鴛tり
全 国 里 親
(94.5% )
( 5.5% )
全 国 養 護
(91.0% )
( 9.0% )
全国乳児院
(81.3% )
( 18.7% )
図 7 - 2 によれば, いづ れも健康児が多いが, 全国比の乳児院で は約19% , 養護 ・ 母子寮で は約 9 % , 里親委託で は数% の障害 をも って いる こ と になるが, 本県の養護 に障害 を も っ ている こ と になる が8. 8% あ り, 全 国比 と変 ら ない。
図 7 - 3
心身の状況- 3
項 目 名
530525a e 一 ● 一 ・ e呪 8478384 2
口 囮 口
健康 疲れ ぎみ 病気がち 不明
図 8 によ れば, 全体の93% が健康で あ り, あ と は, 病気で ないが疲れがで た り, 病 気にな り やすい児童が約 6 % いる。
(9) 非社会的問題行動
図 9
非社会的問題- 1
同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号
何等かの障害を持つ 8 % (47人) の内容を図7 - 2 によれば, 身体虚弱が48. 5% で 最も多 く , 次いで精神薄弱が23. 2% であ とは, 他の心身障害8. 5% , 言語障害8. 5% , 視聴覚障害 7 % , 肢体不自由4. 3% の順 となる。
(8) 健康状態 図 8
健康状態- 1
% 93.0
4.1 1.7 1.2 項 目 名
項 目 名
図 9 によれば, 問題な しが全体の83. 8% で, 何等かの問題があるが14. 8% , そのほ か不明が1. 4% で問題児が若干出て いる。
二三五
48
% MU1 481 問題 な し
問題 あ り 不明
冊 限 [ 田 圖 口
登校拒否 孤立 ・ 内閉 夜尿 ・ 失禁 神経性習癖 学業不振 その他
何等かの問題あ りの14. 8% (88人) の内容を図 9 - 2 によれば, 学業不振が半数近 く の43. 9% で最 も多 く , 次いで登校拒否が23. 7% で あ と は, 夜尿 ・ 失禁15. 4% , 孤立 ・ 内閉11. 3% , 神経性習癖2. 3% , その他3. 4% と なる。
図 9 - 3
非社会的問題- 3
0
50
100%
「岐阜県における養護のあ り方」 に閔する訓査研究報告 図 9 - 2
非社会的問題 - 2
項 目 名 %
23.7 11.3 15.4 2.3 43.9 3.4
全国養護
% 77.1 21.3 1.6
二三四
岐 阜 県
岐阜県
門ま乱
% 83.8 14.8
項 目 名
図 9 - 3 によれば, 全国養護の問題な しの児童は多いが, 本県の調査において も同 様 であ る。
叫
反社会的問題行動
図10
反社 会的問題 - 1
目 吻 口
図10によ れば, 問題 な しが全体 の77. 1% で, 何等かの問題あ りか, 21. 3% と, その ほか不明1. 6% と なっている。 問題あ りが非社会的よ り6. 5% 多い。
問題な し 問題あ り 不明
% 29.0
3.1 40.4 10.7 12.2 4.6
目 圀 同 国 圖 口
窃盗 放火等 無断外泊等 乱暴 ・ 暴行 金品持 ち出し
その他 同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号 図10-
2
反社会的問題- 2
項 目 名
何等かの問題あ りの21. 3% (65人) の内容 を図10-
2
によれば, 無断外泊等が40. 4%
で最も多 く , 次いで窃盗29. 0% , あ と は金品の持出 し12. 2% , 乱暴 ・暴行10. 7% , そ の他が7. 7% と な る。
図10-
3
反社会的問題 - 3
0
50
100%
%0 96 962 U6 1
二三三
% 21.3 78.7 岐阜県
問題 あ り 問題な し等
■ 口
項 目 名 問題な し (11) 友人関係
図11
友人関係- 1
岐 阜 県
全国養護
- 50 -
やや問題 あ り 大変問題あ り 不明
回 国 幽 L
16.0 10.0 44.0
図12によ れば, 特 に問題がな し30% , やや問題がある16% , 大変問題あ り10% と な る が, 不明の44% は乳幼児 と思われる。
なお, 問題あ り は, 継父母にな じ めない, 家出な どがあ げら れる。
叫
親子関係 (本児に対する感情)
図13
親子関係
項 目 別 問題な し
口 脇 U L
「岐阜県における養護のあ り方」 に関する調査研究報告
図11によれば, 特 に問題な しが全体の60. 9% で最も多 く , やや問題あ り26. 9% をふ まえる と約88% が問題 な い と みて よ い と思 われる。 あ との大変問題あ り の6. 1% は, い じ め, 集団にな じ めな い, いたづ ら な どがあげ ら れる。
(1匈
親子関係 (父母に対する感情)
図12
親子閔係
項 目 名 問題な し やや問題あ り 大変問題あ り 不明
s m
図13によ れば, 問題 な し が35% , やや問題あ り23% , 大変問題あ り 18% , 不明24%
と な る 。
なお, 問題あ り と して は, 親の養育及び監護能力が ない, 放任, 暴力な どがあげら
れ る 。
二三二
24.0
Q 999
g a
6c2321回 吻 口 口
やや問題あ り大変問題あ り不明
回 囮 口 霧 一■ 四 回 口 国 圖 口
両親 と一緒 兄弟 のみ 父親のと こ 母親のと こ 父親の親 母親の親 父親の親戚 母親の親戚 父親 の知合 母親の知合
その他 不明
図14によ れば, 両親の と こ ろ25. 8% を除いて は, 親の行方不明, 離婚, 長期入院な どが原因で父子 または, 母子家庭 にな っ たのが44. 5% で 親以外の親戚 ・ 知人の と こ ろ へ預 けら れて いたのが23. 1% で, 全体の67. 6% が家庭環境の悪化 な どが起 因する もの
と思 われる 。 叫
一時保護
図15
一時保護
図15- 2
一時保護
% 25.8
1.9 24.7 19.8 5.8 9.8 2.0 3.4 0.7 1.4 42 0.5 同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号
(14) 現 に生活する場所 図14
現に生活する場所
項
目
名
UW四一
■ 同 ]
相談件数の う ち, 一時保護 を行 な っ たのが46. 6% に対 し, 全国児童相談所調査で は 33. 5% で, 少 ないのは調査期間の差異による ものと 思われる。
一時保護 日数を表15によれば, 4 ˜ 7 日が全体の45. 8% で最も多 く , 次いで 8˜ 30 日が35. 6% と, 2 ˜ 3 日の16% をふ まえた97. 4% の殆んどが, 施設等への処遇のため, 行動視察及 び諸検査 な どが行なわれる。
また, 1 日のみの保護は, 家出な どの緊急保護が多い。
二三一
52
全
国
0
50
100%
岐阜県
岐阜県 全国 あ り 53.4% 64.2%
な し 46.6
33.5
不明
2.3
項 目 名 殆 Jj2jjjQ1 60020741 QU
㈲
相談処理状況
図16
相談処理状況 - 1
「岐阜県 における養護のあ り方」 に関する調査研究報告 表15
一時保護 日数
計 %
1 日 6 2 . 2
2 ˜ 3 日 44 16 . 0
4 ˜ 7 日 126 45 . 8
8 ˜ 30 日 98 35. 6
31˜ 90 日 1 0 . 4
91日以上 0 0 . 0
計 275 100 . 0
囲 回 皿 國 回 ■ 四 因 口
二三〇図16によれば, 養護施設へ は46. 1% , 乳児院へ は10. 2% , そ の他 の施設0. 8% な ど。
児童福祉施設への措置が処理件数の半数以上57. 1% を しめて いる。 その他, 里親委託 は 2 % , 訓戒誓約0. 2% , 児童委員指導0. 5% , 他機関紹介0. 7% , その他が1. 7% と少 な く , 面接指導は37. 8% で全体の約1/3以上 と なって いる。面接指導処理の主な ものは, 夫婦及 び親子関係 によ る問題解決, 親の病気の回復, 家出から の帰宅, 親戚 の援助が え ら れ る よ う に な っ た な ど が あ げ ら れる 。
養護施設 乳児院 訓戒誓約 里親委託 その他施設
゛面接指導 児童委員指導 福祉司指導 その他
﹂rs l e
l l S001
岐阜県 全
国
000000005050505050944332211
% × 10
同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号 図16- 2
相談処理状況- 2
相談のあった児童 (590人) の状況をみる に, 性別で は, 人口動態の出生率 と比較 して も, 男が多 く , 大差はみられない。
これを年齢別にみる に, 0 歳児が15. 6% で最 も多 く , 1歳から14歳 まで は, 5 % 前後で平 均 した数である。 更に 6歳未満の乳幼児は全体の47. 8% にな り, 低年齢層の相談の多い事が いえる。 これは人間の発達特性から特 に人的庇護が要求 さ れ, その生命の脆弱性が う かがえ, 要養護の発生から時間的余裕のない背景があろ う。
子の出生 をみる と, 嫡出子 は約80% で問題はないが, 生 まれた非嫡出子 は, わずかながら 認知 さ れて はいる が, 約20% に及 んで いる 。
出生状況か ら非嫡出児 の相談がある こ と は, 少 く と も そ う した ヶ - ス について は, 子供の 生 まれて きた環境 に不安があ り, 心理的に温い親子関係が望 まれて い ない こ と が推察 さ れる。
就学状況で は, 約半数にあたる50. 2% が未就学児で, あ と は, 小 ・ 中学生で しめている。
また, 登校状況 をみる と, と き ど き休 む, よ く 休 むと で は約40% にあた り, こ れが原因 し。
- 54 -
二二九
ま
と
め
他機関送紹
面接指導
訓戒誓約
福祉司指導
里親委託
他の施設
教 護 院 乳 児 院
養護施設
相談処理状況を図16-
2
によ れば, 全国児相調査で みる と, 養護施設 で は, 29. 8%
のと こ ろ本県は46. 1% で, 処置率が高い。 乳児院で は, 19. 5% に対 し, 本県 は10. 2%
と低 い。
一方, 相談件数 を養護施設 と乳児院に分けてみた場合, 養護施設へは54. 6% に対 し, 乳児院へは53. 2% の措置率 にな り, 大 き な開 きは, みられな い。
項
目
名
届出婚姻 内縁 相手既婚者
2 5 52259Q1 78749りβD
519454一131120Qり 4
「岐阜県 における養護のあ り方」 に関する調査研究報告 学校 の成績にも大 き く 影響 して いる。
児童の健康面で は, 殆ん ど問題ないが, わずか身体虚弱がみられる。
また, 非社会的問題行動で は, 上記に述べたよ う に, 不登校 によ る学業不振がみられ, 反 社会的問題行動で も, 家庭環境の歪から, 無断外 泊のほか, 盗みな どの問題行動がある。
ギャ クタイ
親子関係で は, 親に対す る問題 と して, 虐 待, 継父母 にな じ めないな どがあ り, 親が本 児に対す る問題で は, 親の養育及 び監護能力のな いも の, 放任或い は暴力 によ る ものがある。
年齢が高 く なる に したがって, 親子関係の心理的 ト ラブルが表出さ れ, 要養護 と その子供 の生活環境に不安 と なる学校生活, 日常生活での性向等の問題がでている。
本児童達の生活の場所 をみる と, 親の離婚, 行方不明な どから起 きる, 父子 ・ 母子家庭 と, 親以外の親戚 ・ 知人な どに預け られて いたのをふ まえ る と , 約70% が家庭崩壊の中で の生活 が う かが われ る 。
相談による処理状況では, 養護施設へが最も多 く , 次いで乳児院とな り, その他の施設を ふまえる と約57% が措置さ れている こ と にな り, ほかに里親委託な どがあるが僅かで あ り, あ と は面接指導によ り処理がな さ れて いる。
3) 家族の状況について A. 実父母の状況 (1) 実父母の婚姻状況
図17
実父母の関係- 1
目 圀 両 目 ﹂
二二八合
計 値
家族構成の基本で ある実父母の婚姻関係 をみる と , 78. 0% は届 け出による通常の婚 姻関係で あるが, 内縁関係7. 7% , 相手が既婚者4. 7% , 相手が不特定な どが3. 5% あ り, 全体の15. 9% がス タ ー ト時点から養育義務上の問題 をはらんでいた こ とが窺える。 こ
れを不明 を除いて全国調査 と比較する と, 正式婚姻 は殆 ど同 じ で ある が, 内縁関係が 若干少ないのに対 し未婚等が0. 8ポイ ン ト多い。
207
e l l
g
Lrs cy3 8 89
正式婚姻 内縁 相手が既婚者 相手が不特定
母 48.4 % 35.7 15.9 父
50.3 % 29.9 19.8 (2) 子出生当時の親の義務履行状況
図18- 2 0
50
100%
0
50
100%
図17- 2
同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号
県
県
全國
83.1% 83.3%
二二七 人0000000000000032109876543211111
口 父
回 母相談の対象になった子供 (兄弟の場合は年長児) が生 まれた時の父親の年齢は30歳 から34歳が一番多 く (25. 4% ) , 母親で は20歳から24歳がピークになっている。
- 56 -
45以上
40/44
35/39
30/44
25/29
朗/24
10 代
■ 圏 口
父
㎜ 靉
子供が生 まれた当時の親の義務履行の状況 は, 「あま り よ く な し」 が父親よ り母親 の方に5. 8% 高 く , 「問題多 し」 は逆に父親の方が3. 9% 高 く なっている。 いずれに し て も, 父親の49. 7% , 母親の51. 6% が子供の出生時点で既に問題 を持 っ て いた こ とが 窮える。
(3) 子出生当時の親の年齢 図18
親義務履行状況 3
母
特に問題な し あま りよ く な し 問題多し
項 目 名
ヒ
S ll t 目内外i臥畿私東皿項県国一̀一中近東関4四吻口田回■口口 9 tM5qr171 r199 88114751435
、 四国
Eコ 県内 C勿 国外 口 九州 日i 中国 l忽 近畿
■ 東海 (4) 出生地
図19- 25
「岐阜県における養護のあ り方」 に関する調査研究報告
母 s a3 6m3 95 3muu
父
県 5j % 94.5 0
50
100%
母
県
全国
1に
全国 5.6 % 94.4
二二六
親自身が施設での経験を有する者は, 不明を除 く 596件 (父親270件, 母親326件) 中, 父親13人 (4. 8% ) , 母親18人 (5. 5% ) と な ってお り, 全国の調査 と較べる と父親が 高 く , 母親は若干低 く な っ て いる。
乳児 院, 養護施設, 教護院に限 っ てみる と, 不明 を加え た全体で, 父親2. 9% , 母 親3. 7% , 平均 して3. 3% が経験 しているが, ちなみに, 県下の児童数549, 167人 (60 年10月 1 日国勢調査) と, 昭和62年 2月末の施設入所児544人から入所率をみる と0. 1%
不明を除 く 659件 (父親304件, 母親355件) を対象に して内容をみる と, 県内が父 親で は52. 6% , 母親は48. 7% を占めて いる。
県外 についてみる と, 近県の東海, 北陸地区よ り も, 九州出身者が上 まわってお り 父親の場合 も母親の場合 も共 に14% 強 と な っ て いる。
(5) 施設経験 図20
施設経験
0
50
100%
■ 東海ヽ北陸 [ :l関東 [ :l北海道、 東北
父
県 ̲
全国
̲ …
1 1に
全国 3j % 96.5 県
4.8 % 95.2
全国
父
母
県
% %
″ 詣 29
1gl S 216 1 a
県匹jjjjj 県脇︒XjjoXj67031711 17631510 同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号
とな り, 施設経験者が極めて高率で ある こ とが分かる。
(6) 最終学歴
- 間 隔 J a L
県
義務教育未終了 中卒 高校中退 高卒 短大卒 大卒
全国
969gj5613 19 ︒ʻ5L13
口吻口回国■口回口口
母親の同居が38. 9% に対 し, 父親の同居 は41. 1% と高 く な って いる。 また, 別居等 の理由のう ち, 父親における離婚 (19. 6% ) と母親における行方不明 (17. 6% ) は共 に一番高率 にな って お り養護相談の特徴が現 われて いる と い えよ う。
- 58
二二五
項 目 名 Eコ 同居 E勿 病死 父親も母親も中卒者が圧倒的に多い。
不明を除 く 父親 (276人) の70. 0% , 母親 (332人) の76. 2% が中卒者で, 高卒以上 が父親20. 2% , 母親18. 1% と な っ て い る。
全児相調査 と較べる と父親 も母親 も学歴の低い こ とが窺 われる。
(7) 同 ・ 別居等の区別及びその理由
図22
%8 9U0 50 7M6 89 4g0 29 4 Q41 11 20 71 2
項 目 名 同居 病死 交通事故死 その他 の死亡 行方不明 離 婚 長期入院 長期拘禁 長期就労 その他の別居
項
目
名
農業主 他の事業主 常用勤労者 パー ト等 その他 不就業
不明を除 く 431人 (父親196人, 母親235人) についてみる と, 父親で は, 1年よ り 以前が40. 8% と一番多 く , 次いで 1 ヵ 月以内が28. 6% と なっているのに対 し, 母親で は 1 ヵ 月以内が43. 3% で 1年 よ り以前が27. 7% と逆転 して いる。
母親がいな く な っ た場合 は早 く 相談 に来て いる が, 父親がいな く な っ た場合 は相談 に来る のが遅い こ とが窺われる。 これは, 育児の特性の他, 母子家庭に対する制度的 な保護がある こ と も要因 と して考 え ら れる。
(9) 職業 図24
職業- 1 父
四 回 口 m 一回 ■
殆 2029737a ・ ・ 嘩 ・ @ 一 ・1726191612279363Q6102 1 71 1
40.8
27.7
父 28.6
8.2 11.2 11.2
「岐阜県における養護のあ り方」 に関する調査研究報告 (8) 死亡 ・ 行方不明 ・ 別居の発生時間
図23 0
50
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158
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図24-
2
職業- 2 母
口 不明
合
計
値
項
目
名
匠]農業主 1Ξl他の事業主
[コ 常用勤労者 111 パート等 匝 1その他■ 不就業 [ ]不明
合
計
値
%
他の事業主 常用勤労者 パ ー ト等 その他 不就業
%
同朋学園佛教文化研究所紀要第十三号
父親の過半数 (62. 2% ) が常用勤労者, 次いでパー ト等 (16. 9% ) となってお り, その他の職業 も含めて89% が就労 して いるが, 不就業 も9. 3% みら れる。
母親は育児がある為か不就業が43% と一番多 く 次いで, パー ト等34. 2% , 常用勤労 者8. 9% と な っ て いる。
口 罪業ま
図24- 3
職業 - 3 全国比
全国比 をみる と, 傾向 と して は似通 っ ているが, 父親 も母親 も就業率が高 く , それ に伴 って不就業率は低 く な って いる。
回 圀 回 一} 一忽 ■ 口
二二三
養護問題が発生する前の状態 をみる と, 欠損のない家庭が48. 5% と半数に未たず, 再形成家庭 (3. 5% ) を加えて も52% にすぎない状態で, 親族や知人等に預けられて
いた者 も6. 7% み ら れる。
- 60 -
B. 家庭の状況 (1)同居家族類型一前
図31
同居家族類型一前
項
目
名
欠損な し
196
父子家庭
65
母子家庭
98
再形成家庭
14
親族
16
その他
11
不 明
4
合 計 値
404
513507{Uび
lO l S I l l l
g
S816 c s c a087 父子家庭
母子家庭 再形成家庭 親族
その他 不明 合
計
値
101 110
回 吻 皿 一} 一回 ■ 口
「岐阜県における養護のあ り方」 に関す る調査研究報告 図31- 2
同居家族類型一後 ・後
項
目
名
欠損な し
%
21.5 25.0 27.2 4.5 11.9 7.9 2.0
養護相談が発生す る前 と現在の住居 について みる と, 持 ち家18. 6% , 公営賃貸住宅 10. 6% は変化がないが, 民間賃貸住宅で は55. 2% から48. 8% に減 り, 親戚な どのその 他が5. 2% か ら9. 7% に増 えて いる。 また全国 と の比較で は, 持ち家, 公営賃貸住宅が 少な く 民間賃貸住宅が多いこ とが窺われる。ʼ
二二二
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相談があっ た時点で は, 欠損のない家庭は21. 5% と以前の半数以下に激減 し, 母子 家庭27. 2% (2. 9% 増) , 父子家庭25% (8. 9% 増) になってお り, 親族や知人に預け
られた り親の行方不明な どは19. 8% と激増 して いる。
(2) 住居 図32
住居一前
項
目
名
Eヨ 持ち家
75
c 図 公営賃貸
43
皿皿民間賃貸
223
屁n給与住宅
12
厖§ lその他
21
口 不明
30
合 計 値
404