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本稿にて紹介する 特発性肺線維症患者を対象としたオフェブの臨床試験 国内第 Ⅱ 相試験試験 海外第 Ⅱ 相用量反応試験 第 Ⅲ 相国際共同試験 試験 :TOMORROW 試験 試験 :INPULSIS-1 試験 試験 :INPULSIS-2

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(1)

総 合 製 品 情 報 概 要

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 (1) 妊婦又は妊娠している可能性のある女性   [動物(ラット、ウサギ)を用いた生殖発生毒性試験で、催奇形性作用及び胚・胎児致死作用が認め られている(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)] (2) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 【警告】 本剤の使用は、特発性肺線維症の治療に精通している医師のもとで行うこと。 日本標準商品分類番号 87399

(2)

国内第Ⅱ相試験 試験1199.31

海外第Ⅱ相用量反応試験 試験1199.30:TOMORROW試験

第Ⅲ相国際共同試験 試験1199.32:INPULSIS-1試験

試験1199.34:INPULSIS-2試験

(3)

開発の経緯

...4

特徴(特性)

...5

製品情報(Drug Information)

...6 ■警告...6 ■禁忌...6 ■組成・性状...6 ■有効成分に関する理化学的知見...7 ■効能・効果...8 ■用法・用量...8 ■使用上の注意...8

臨床成績

... 14 ■第Ⅲ相国際共同試験:INPULSIS試験... 14 ■ 海外第Ⅱ相用量反応試験:TOMORROW試験... 28 ■ 国内第Ⅱ相試験(安全性および薬物動態試験)... 34 ■ 副作用等... 37

薬物動態

... 38 ■ 血中濃度... 38 ■ 吸収... 39 ■ 分布... 40 ■ 代謝... 41 ■ 排泄... 42 ■ 腎機能障害患者における薬物動態... 42 ■ 肝機能障害患者における薬物動態... 42 ■ 高齢者における薬物動態... 43 ■ 薬物間相互作用... 44

薬効薬理

... 46 ■ 作用機序... 46 ■ 薬理作用... 47

一般薬理試験/安全性薬理試験/毒性試験

... 52 ■ 一般薬理試験... 52 ■ 安全性薬理試験... 54 ■ 毒性試験... 55

製剤学的事項

... 58

取扱い上の注意

... 59

包装

... 59

関連情報

... 59

主要文献

... 60

製造販売業者の名称および住所

... 61

Contents

(4)

開 発 の 経 緯

開発の経緯

オフェブ(一般名:ニンテダニブエタンスルホン酸塩)は、ベーリンガーインゲルハイム社が

開発した、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)α、βおよび線維芽細胞増殖因子受容体

(FGFR)1、2、3 および血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)を標的とする、低分子チロシン

キナーゼ阻害剤です。

オフェブはこれらの受容体の ATP結合ポケットに競合的に結合し、特発性肺線維症の病態形

成に不可欠な機序である線維芽細胞の増殖、遊走および形質転換に重要な細胞内シグナル

伝達を阻害します。

オフェブの特発性肺線維症に対する臨床開発は 2005年に開始されました。特発性肺線維症

患者を対象とした海外第Ⅱ相用量反応試験(TOMORROW試験)を実施後に、第Ⅲ相国際共

同試験(INPULSIS 試験

※ 1

)が実施され、特発性肺線維症に対するオフェブの有効性および

安全性が検証されました。この結果に基づき、海外では、2014年5月に米国食品医薬品局

(FDA)への新薬承認申請を行い、Breakthrough.Therapy に指定され、同年10月に「特

発性肺線維症(IPF)の治療」の適応で承認を受けました。欧州では 2014年5月に欧州医薬

品庁(EMA)への販売承認申請を行い、2015年1月に「成人の特発性肺線維症(IPF)の治

療」の適応で承認を受けました。

日本では、2010 年より特発性肺線維症を対象とした国内第Ⅱ相試験を実施すると共に、

2011年9月には希少疾病用医薬品の指定を受けました。さらに、第Ⅲ相国際共同試験であ

る INPULSIS 試験に参加し、日本人患者に対する本剤の有効性と安全性が検証されました。

これらの試験を含む国内外の臨床試験結果をもとに、2014年10月に製造販売承認申請を

行い、2015年7月に「特発性肺線維症」を効能・効果として、承認を取得しました。

※1.INPULSIS試験は同一デザインによる 2 つの大規模、国際共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、第Ⅲ相試験(試験1199.32 および試験1199.34)です。 【効能・効果】 特発性肺線維症

(5)

特 徴 ( 特 性 ) 5

特徴(特性)

PDGFRα、βおよび FGFR 1、2、3 および VEGFR 1、2、3 を

標的とする低分子チロシンキナーゼ阻害剤です。

.

(p.46~47)

肺線維芽細胞の増殖、遊走、形質転換を阻害し、肺線維化の

抑制が示されました(

in vitro、in vivo/ マウス)。

(p.48~51)

INPULSIS 試験により、特発性肺線維症患者における呼吸機能

低下をプラセボに対して有意に

※2

抑制することが示されました。

※2.INPULSIS-1試験;p<0.0001、INPULSIS-2試験;p=0.0002、併合解析(全集団);p<0.0001(ランダム係数回帰モデル)

(p.14~26)

1 カプセル 1日2回の経口投与製剤です。

(p.8)

安全性

本剤の臨床試験は1,529例の特発性肺線維症患者を対象に実施されました。 第Ⅲ相国際共同試験の 2試験(試験1199.32 および試験1199.34)は 1,061例を対象に実施され、 638例に本剤が投与されました。これらの 2試験は、本剤150mg の 1日2回投与で 52週間の無作 為化、二重盲検のプラセボ対照により実施されました。試験全体での主な副作用は、下痢 342 例 (53.6%)、悪心 122 例(19.1%)、肝酵素上昇 67 例(10.5%)および腹痛 65 例(10.2%)でした。 日本人 126 例中 76 例に本剤が投与され、主な副作用は、下痢 51 例(67.1%)、肝酵素上昇 21 例 (27.6%)、食欲減退11例(14.5%)、悪心9例(11.8%)でした。(承認時) 重大な副作用として、重度の下痢(3.3%※3)、肝機能障害(0.9%※3)、血栓塞栓症(静脈血栓塞栓: 頻度不明、動脈血栓塞栓:0.5%※3)、血小板減少(頻度不明)、消化管穿孔(0.2%※3)、間質性肺炎 (頻度不明)が報告されています。 ※3.特発性肺線維症を対象とする第Ⅲ相国際共同試験(試験1199.32および試験1199.34)の全体集団の発現率に基づく。 .

(p.9~10、p.37)

1

2

3

4

5

「警告・禁忌を含む使用上の注意」、「用法・用量」、「用法・用量に関連する使用上の注意」につき ましてはp.6~12をご参照ください。 副作用の詳細はp.37をご参照ください。 統計解析手法 ランダム係数回帰モデル:投与群、性別、年齢、身長を固定効果(併合解析では試験を追加)、患者効果(切片と傾き)を変量効果としてラ ンダム係数回帰モデルに含めた。

(6)

製 品 情 報

製品情報(Drug Information)

禁忌

組成・性状

販売名 オフェブカプセル 100mg オフェブカプセル 150mg 成分 (1カプセル中) 有効成分・含量 ニンテダニブエタンスルホン酸塩120.4mg(ニンテダニブとして 100mg) ニンテダニブエタンスルホン酸塩 180.6mg(ニンテダニブとして 150mg) 添加物 中鎖脂肪酸トリグリセリド、ハードファット、大豆レシチン、ゼラチン、グリセリン、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄 剤形 うすい橙色不透明の軟カプセル剤 褐色不透明の軟カプセル剤 内容物 あざやかな黄色の粘稠性のある懸濁液 あざやかな黄色の粘稠性のある懸濁液 外形 長径 約16.3mm 約17.6mm 直径 約6.2mm 約7.1mm 重さ 約441.96mg 約626.76mg 識別コード  100  150 この製品情報(Drug Information)は、2016年7月改訂(第3版)の製品添付文書に基づいて作成しました。   「警告・禁忌を含む使用上の注意」の改訂に十分ご留意ください。

警告

【警告】 本剤の使用は、特発性肺線維症の治療に精通している医師のもとで行うこと。 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 (1) 妊婦又は妊娠している可能性のある女性   [動物(ラット、ウサギ)を用いた生殖発生毒性試験で、催奇形性作用及び胚・胎児致死作用が認 められている(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)] (2) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

(7)

製 品 情 報 7

一般名:ニンテダニブエタンスルホン酸塩(JAN)

.

Nintedanib.Ethanesulfonate(JAN)

化学名:Methyl.(3Z)-3-[({4-[N-methyl-2-(4-methylpiperazin-1-yl)acetamido]phenyl}

.

amino)(phenyl)methylidene]-2-oxo-2,3-dihydro-1

H-indole-6-carboxylate.

.

monoethanesulfonate

化学構造式 :.

分 子 式 :.C

31

H

33

N

5

O

4

・C

2

H

6

O

3

S

分 子 量 :.649.76

性   状 :.あざやかな黄色の粉末

融   点 :.305±5℃

分 配 係 数 :.log.D=3.0(pH7.4)

有効成分に関する理化学的知見

この製品情報(Drug Information)は、2016年7月改訂(第3版)の製品添付文書に基づいて作成しました。   「警告・禁忌を含む使用上の注意」の改訂に十分ご留意ください。

(8)

製 品 情 報

効能・効果

用法・用量

使用上の注意

特発性肺線維症 通常、成人にはニンテダニブとして 1回150mg を 1日2回、朝・夕食後に経口投与する。なお、患者の 状態によりニンテダニブとして1回100mg の 1日2回投与へ減量する。 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)  (1).肝機能障害のある患者 . [肝機能障害が悪化するおそれがある。また、中等度の肝機能障害(Child.Pugh.B)のある患者で. は血中濃度が上昇する。高度の肝機能障害(Child. Pugh. C)のある患者では使用経験がない。 (「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)]  (2).血栓塞栓症の既往歴及びその素因のある患者 . [血栓塞栓事象の発現を助長する可能性がある。].  (3).出血性素因のある患者、抗凝固剤治療を行っている患者 . [出血リスクを助長する可能性がある。]. 2. 重要な基本的注意  (1).AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、 本剤投与開始前及び投与中は定期的に検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。肝機能障 害のある患者に投与する場合は、肝機能検査をより頻回に行うなど、慎重に患者の状態を観察する こと。 <用法・用量に関連する使用上の注意> (1).下痢、悪心、嘔吐等の副作用が認められた場合は、対症療法などの適切な処置を行ったうえ、本 剤の治療が可能な状態に回復するまでの間、減量又は治療の中断を検討すること。治療の中断後 再開する場合は 1回100mg、1日2回から再開することを検討すること。患者の状態に応じて 1 回150mg、1日2回へ増量することができる。再投与又は増量する場合は慎重に投与し、投与後 は患者の状態を十分に観察すること。 (2).AST又は ALT が基準値上限の 3倍を超えた場合は、本剤の減量又は治療の中断を行い、十分な 経過観察を行うこと。治療を中断し投与を再開する場合には、AST又は ALT が投与前の状態に回 復した後、1回100mg、1日2回から投与することとし、患者の状態に応じて 1回150mg、1日 2 回へ増量することができる。再投与又は増量する場合には慎重に投与し、投与後は患者の状態 を十分に観察すること。   [「重要な基本的注意」の項参照]

(9)

製 品 情 報 9

製品情報(Drug Information)

4. 副作用 本剤の臨床試験は1529例の特発性肺線維症患者を対象に実施された。 第Ⅲ相国際共同試験の 2試験(試験1199.32及び試験1199.34)は 1061例を対象に実施され、638 例に本剤が投与された。これらの 2試験は、本剤150mg の 1日2回投与で 52週間の無作為化、二 重盲検のプラセボ対照により実施された。試験全体での主な副作用は、下痢342例(53.6%)、悪心 122 例(19.1%)、肝酵素上昇 67 例(10.5%)及び腹痛 65 例(10.2%)であった。日本人 126 例中 76例に本剤が投与され、主な副作用は、下痢51例(67.1%)、肝酵素上昇21例(27.6%)、食欲減 退11例(14.5%)、悪心9例(11.8%)であった。(承認時) 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 P-糖蛋白阻害剤  エリスロマイシン  シクロスポリン等 ケトコナゾールとの併用によりニン テダニブの AUC が約1.6倍、Cmax が約1.8倍に上昇した。 P-糖蛋白阻害剤との併用時は観察を 十分に行い、異常が認められた場合 は投与の中断、減量又は中止等の 適切な処置を行うこと。 [「薬物動態」の項参照] 本剤は P- 糖蛋白の基質であり、P-糖蛋白の阻害により本剤の曝露が上 昇する可能性がある。 P-糖蛋白誘導剤  リファンピシン  カルバマゼピン  フェニトイン  セイヨウオトギリソウ  (St..John’s.Wort、  セント・ジョーンズ・ワート)  含有食品等 リファンピシンとの併用によりニンテ ダニブの AUC が約 50%、Cmaxが 約60%まで減少した。 P-糖蛋白誘導剤との併用により、本 剤の作用が減弱する可能性がある。 P- 糖蛋白誘導作用のない又は少な い薬剤の選択を検討すること。 [「薬物動態」の項参照] 本剤は P- 糖蛋白の基質であり、P-糖蛋白の誘導により本剤の曝露が低 下する可能性がある。  (2).中等度及び高度の肝機能障害(Child.Pugh.B、C)のある患者には治療上やむを得ないと判断され る場合を除き、使用は避けること。   ..[「薬物動態」の項参照]  (3).創傷治癒を遅らせる可能性があるので、手術時は投与を中断することが望ましい。手術後の投与再 開は患者の状態に応じて判断すること。 3. 相互作用 本剤に関わる主要な代謝反応はエステラーゼによる加水分解であり、加水分解産物はその後グルクロ ン酸抱合酵素(UGT)によりグルクロン酸抱合体に代謝される。また、本剤はP-糖蛋白の基質である。 [「薬物動態」の項参照] [併用注意](併用に注意すること)

(10)

製 品 情 報 (1)重大な副作用 .1) 重度の下痢(3.3%注1):重度の下痢があらわれることがある。下痢症状がみられる場合は速やか に補液やロペラミド等の止瀉剤投与を行い、本剤による治療の中断を検討すること。これらの対 症療法にもかかわらず持続するような重度の下痢の場合は、本剤による治療を中止し、再投与は 行わないこと。 . [「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照] .2) 肝機能障害(0.9%注1):肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を実施し 観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中断し、適切な処置を実施する こと。 . .[「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参照] .3) 血栓塞栓症(静脈血栓塞栓(頻度不明)、動脈血栓塞栓(0.5%注1))):血栓塞栓事象があらわれる ことがある。血栓塞栓症の徴候がみられる場合は本剤による治療の中断を検討し、適切な処置 を行うこと。 .4) 血小板減少(頻度不明):血小板減少があらわれ、出血に至った重篤な症例も報告されているた め、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止す るなど、適切な処置を行うこと。 .5) 消化管穿孔(0.2%注1):消化管穿孔があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認 められた場合には、内視鏡、腹部X線、CT等の必要な検査を行い、本剤の投与を中止するなど、 適切な処置を行うこと。 .6) 間質性肺炎(頻度不明):本剤の癌を対象とした臨床試験で間質性肺炎がみられており、胸部画像 検査や呼吸機能検査で急激な悪化等の薬剤性の間質性肺炎の徴候がみられる場合は、本剤の投 与を中止し、適切な処置を行うこと。 注1)特発性肺線維症を対象とする第Ⅲ相国際共同試験(試験1199.32及び試験1199.34)の全体集団の発現率に基づく。

(11)

製 品 情 報 11

製品情報(Drug Information)

 (2) その他の副作用注2) 以下のような副作用があらわれた場合には、必要に応じて減量又は治療の中断を行うなど適切な処 置を行うこと。   5. 高齢者への投与 高齢者では一般に生理機能が低下しているため慎重に投与すること。 6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与  (1).妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。 . [動物(ラット、ウサギ)を用いた生殖発生毒性試験で催奇形性作用及び胚・胎児致死作用が認めら. れている。]  (2).妊娠可能な女性は本剤の投与中及び投与終了の少なくとも 3 カ月後までは適切な避妊措置をとるこ と。  (3).授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせること。 . [動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。]. 7. 小児等への投与 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児における本剤の安全性、有効性は確立していない。 . [使用経験がない。] 注2)特発性肺線維症を対象とする第Ⅲ相国際共同試験(試験1199.32及び試験1199.34)の日本人部分集団の発現率に基づく。 10%以上 5%以上10%未満 5%未満 代謝及び栄養障害 食欲減退(14.5%) 体重減少 血管障害 高血圧 胃腸障害 下痢(67.1%)、 悪心(11.8%) 腹痛 嘔吐、便秘 肝胆道系障害 肝酵素上昇(AST(GOT)、 ALT(GPT)、ALP、 γ-GTP上昇等)(27.6%) 高ビリルビン血症 皮膚及び皮下組織障害 発疹 神経障害 頭痛 その他 出血

(12)

製 品 情 報 8. 適用上の注意   服用時  (1).服薬を忘れた場合は、次の服薬スケジュール(朝又は夕方)から推奨用量で再開すること。本剤の 1 日最大用量300mgを超えて服薬しないこと。  (2).カプセルは噛まずにコップ一杯の水とともに服薬すること。 . 薬剤交付時  (3).PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。 . [PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重. 篤な合併症を併発することが報告されている。]  (4).本剤は吸湿性があるので、服用直前に PTP シートから取り出すよう指導すること。また、アルミピ ロー包装注3)のまま調剤を行うことが望ましい。 注3).1アルミピロー包装中に28カプセル(14カプセル入りPTPシート×2)を含む。 9. その他の注意  (1).本剤との因果関係は明確ではないが、本剤の癌を対象とした臨床試験において顎骨壊死が認められ ている。また、類薬[血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)阻害剤]において、投与後に顎骨壊死が 発現したとの報告があり、多くはビスホスホネート系製剤を投与中又は投与経験のある患者であっ た。  (2).反復投与毒性試験で、ラットでは出血及び壊死を伴う切歯の破折が認められ、ラット及びサルでは、 成長中の骨で骨端成長板の肥厚が認められた。

(13)

製 品 情 報 13

製品情報(Drug Information)

(14)

臨 床 成 績

臨床成績

「警告・禁忌を含む使用上の注意」等につきましてはp.6~12をご参照ください。海外および国内の臨床成績が臨床データパッケージとして審査・評価されました。 一部国内の承認用法・用量と異なる成績が含まれています。 主要評価項目: FVC 年間減少率 重要な副次評価項目: 初回急性増悪発現までの 期 間、52週 時 に お け る SGRQ総スコアのベース ラインからの変化量

R

過去 5 年以内に特 発性肺線維症と診 断された40 歳以 上、スクリーニン グ 前 12ヵ月以 内 にHRCT が実施さ れている患者 スクリーニング 追跡期間(∼28日) ランダム化比 3:2 0 2 4 6 12 24 36 52 オフェブ 150mg 1日2 回 プラセボ (週) 投与期間(52 週) INPULSIS-1 試験:n=515 INPULSIS-2 試験:n=551

HRCT:高分解能 CT、FVC:努力肺活量、SGRQ:St. George’s Respiratory Questionnaire

【試験デザイン】ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験 【実施地域】日本を含む24ヵ国、205施設 【対象】ランダム化までの過去 5 年以内に特発性肺線維症と診断された 40 歳以上の患者 1,066 例(日本 人126例含む) 【方法】対象患者をオフェブ群あるいはプラセボ群に3:2 の比率でランダムに割り付け、試験薬を52週間 投与し、有効性と安全性を検討した(INPULSIS-1試験:515例、INPULSIS-2試験:551例)。用法・用 量として 150mg を 1日2 回投与した。なお、有害事象への対応として試験参加医師の判断で中断およ. び / または 100mg.1日2回への減量を一時的または永続的に許容した。有害事象回復後は、150mg.1 日2回への増量が推奨され、減量後4週間以内であれば増量が可能であった。 【選択基準】 1..文書による同意が得られている 2..40歳以上である 3..ATS/ERS/JRS/ALAT ガイドライン(2011年)6)に基づき、ランダム化の 5年以内に特発性肺線維症と 診断されている 4..スクリーニング前12ヵ月以内にHRCT が実施されている 5..HRCT および外科的肺生検(入手可能な場合)の診断基準に則り、放射線科専門医1名、病理専門医1 名による中央判定により特発性肺線維症と確定診断(p.15~16参照)されている 6..ランダム化前の%FVC が 50%以上である 7..ランダム化前の%DLco(ヘモグロビンで補正)が 30~79%である DLco:一酸化炭素肺拡散能

第Ⅲ相国際共同試験:INPULSIS試験

  (INPULSIS-1試験、INPULSIS-2試験および両試験の併合解析)

1, 2, 3, 4, 5)

試験方法

(15)

臨 床 成 績 15 「警告・禁忌を含む使用上の注意」等につきましてはp.6~12をご参照ください。 海外および国内の臨床成績が臨床データパッケージとして審査・評価されました。 一部国内の承認用法・用量と異なる成績が含まれています。 HRCTでUIPパターンに合致した場合、外科的肺生検が得られていなくても試験に参加できることとしました。 HRCT(全例)および外科的肺生検(可能な場合)は、中央判定され特発性肺線維症の診断が確定されまし た。外科的肺生検が得られていない場合は、HRCTで“UIPパターンに合致”と判定される必要がありました。 HRCT で特別な原因を示唆する特徴的な所見が認められない線維化性肺疾患の場合は、“possible.IPF”と しました。HRCT所見で特発性肺線維症以外のびまん性肺疾患を強く確診させる場合は、“definitely.not. IPF”とみなし、HRCT所見のみの“possible.IPF”と“definitely.not.IPF”は本試験には登録されませんで した。 外科的肺生検が得られている場合、ATS/ERS/JRS/ALAT ガイドライン(2011年)6)に基づいて病理組織 A 肺基底部および末梢優位に明らかな蜂巣肺所見がみられる B 肺基底部および末梢優位の線維化に合致する網状影かつ牽引性気管支拡張の所見がみられる C すりガラス陰影が認められる場合は、網状影よりも広汎でないこと特に結節影やコンソリデーションなどの特発性肺線維症として非典型的な所見がないこと、 【INPULSIS試験におけるHRCT の UIP判定基準】 【解析計画】下記有効性評価項目は試験毎の解析に加え、併合解析を行うことが事前に規定された。主要 評価項目および重要な副次評価項目における部分集団※1解析は併合解析を行うことが事前に規定された。 部分集団解析のうち(日本人集団、日本人以外の集団)は試験毎の解析および併合解析を行うことが事前 に規定された。部分集団解析は、部分集団における治療効果の一貫性を検討するために実施された。 【主要評価項目】FVC年間減少率(mL/年) 【重要な副次評価項目】初回急性増悪発現までの期間(試験参加医師の報告)※2       .52週時におけるSGRQ総スコアのベースラインからの変化量 【副次評価項目】ベースラインから52週後の FVC の絶対変化量、生存率など ※1.部分集団[ベースライン時の%FVC(70%超、70%以下)、SGRQ総スコア(40超、40以下)、低用量全身ステロイド療法の有無、 気管支拡張剤の使用の有無、および性別(男性、女性)、年齢(65歳以上、65歳未満)、人種(白人、アジア人)、喫煙歴の有無] ※2.すべての急性増悪は、事前に規定された感度解析として、盲検下で独立判定委員会により中央判定された INPULSIS試験は、ATS/ERS/JRS/ALAT ガイドライン(2011年)6)が公表される前に試験実施計画書が 作成されたため、特発性肺線維症の画像診断および病理診断の基準はガイドライン中に示されているもの とは若干異なります。 特に、選択基準として規定した HRCT の基準はガイドライン中に示されている「UIP」および「possible. UIP」とは一致していません。

本試験における HRCT に基づくUIP パターンとは、基準A、B かつ C、または基準A かつ C、または基準 Bかつ Cに合致するものとされました。

[INPULSIS試験における特発性肺線維症の診断基準]

UIP:usual.interstitial.pneumonia、通常型間質性肺炎、IPF:idiopathic.pulmonary.fibrosis、特発性肺線維症 1)Richeldi.L..et.al.:.N.Engl.J.Med.2014;.370(22):.2071-2082..本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。 2)Brun.M..et.al.:.社内資料.第Ⅲ相国際共同試験(試験1199.32)[承認時評価資料] 3)Brun.M..et.al.:.社内資料.第Ⅲ相国際共同試験(試験1199.34)[承認時評価資料] 4)社内資料.第Ⅲ相国際共同試験(有効性の併合解析)[承認時評価資料] 5)社内資料.第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析)[承認時評価資料] 6)Raghu.G..et.al.:.Am.J.Respir.Crit.Care.Med.2011;.183(6):.788-824.

(16)

臨 床 成 績 全集団 日本人集団 オフェブ群 (n=638) (n=423)プラセボ群 オフェブ群(n=76) プラセボ群(n=50) 年齢、歳、平均(SD) 66.6 (8.1) 67.0(7.9) 68.4(7.6) 68.2(6.2) 男性、n(%) 507(79.5) 334(79.0) 62(81.6) 40(80.0) 体重、kg、平均(SD) 79.2(16.6) 78.6(16.5) 63.8(11.6) 63.8(11.6) 喫煙歴、n(%)  喫煙歴なし 174(27.3) 122(28.8) 10(13.2) 10(20.0)  元喫煙者 435(68.2) 283(66.9) 66(86.8) 38(76.0)  喫煙者 29(4.5) 18(4.3) 0(0.0) 2(4.0) 小葉中心性肺気腫あり、 n(%) 254 (39.8) 166(39.2) 43(56.6) 21(42.0) 低用量全身ステロイド療法※1 n(%) 136 (21.3) 89(21.0) 9(11.8) 7(14.0) FVC  %予測値、平均(SD) 79.7(17.6) 79.3(18.2) 80.9(16.6) 83.3(22.2)  mL、平均(SD) 2,713.5(757.0) 2,727.7(810.2) 2,421.6(672.1) 2,494.5(741.1) DLco※2、mmol/min/kPa、 平均(SD) 3.9(1.2) 3.9(1.2) 3.3(0.9) 3.4(1.0) SGRQ総スコア※3、点、 平均(SD) 39.5(19.2) 39.6(18.5) 35.1(18.1) 35.0(18.7) ※1.prednisone(本邦未承認)15mg/日未満または同等の薬剤で、スクリーニング前の 8週間以上投与量が安定していた患者 ※2.全集団:プラセボ群.n=422 ※3.全集団:オフェブ群.n=624、プラセボ群.n=419

患者背景

像が確認されました。このような症例では、胸部HRCT の中央評価者1名と外科的肺生検の中央評価者1 名の間で協議を行い特発性肺線維症の診断を確定しました。例えば、HRCT では“possible.IPF”と判定 され外科的肺生検で“UIP”または“probable.UIP”と判定された場合には、両評価者間の協議により“IPF に合致”と判定されれば、登録対象になることが可能でした。 IPFに合致: ・HRCTにおいてUIPパターンが認められる(UIPパターンに合致)

・HRCT において UIP パターンが認められない場合(possible IPF)は、外科的肺生検による病理組織学的パター ンとの組み合わせ

(17)

臨 床 成 績 17

臨床成績

全集団 日本人集団 オフェブ群 (n=638) (n=423)プラセボ群 オフェブ群(n=76) プラセボ群(n=50) 外科的肺生検あり、n(%) 144(22.6) 85(20.1) 4(5.3) 7(14.0) 画像診断(中央判定)、n(%)  UIPパターンに合致※4   基準A、Bかつ C 264(41.4) 199(47.0) 43(56.6) 22(44.0)   基準Aかつ C 62(9.7) 42(9.9) 21(27.6) 15(30.0)   基準Bかつ C 296(46.4) 172(40.7) 12(15.8) 13(26.0)  Possible IPF 16(2.5) 10(2.4) 0(0.0) 0(0.0) ※4.p.15参照

なお、全集団において①UIP パターンに合致(基準A、B かつ C、または基準A かつ C、または基準B かつ C に合致)した患者の割合 は 97.5%、②蜂巣肺所見あり(基準A、B かつ C、または基準A かつ C に合致)の患者割合は 53.4%、③蜂巣肺所見なし(基準B か つ Cに合致)の患者割合は44.1%であった ※5.規定来院日にすべて来院、または試験薬を中止となった場合も52週時までの規定来院日にすべて来院した症例 . 死亡例は完遂例とみなさなかった 全集団 日本人集団 オフェブ群 プラセボ群 オフェブ群 プラセボ群 ランダム化例、n 640 426 76 50 試験薬投与例、n(%) 638(100) 423(100) 76(100) 50(100) 投与中止例、n(%) 156(24.5) 80(18.9) 22(28.9) 11(22.0)  有害事象による投与中止例、n(%) 127(19.9) 59(13.9) 19(25.0) 9(18.0) 試験完遂例※5、n(%) 532(83.4) 353(83.5) 63(82.9) 43(86.0) ※6.投与期間中に実際に投与された試験薬の量/投与期間中を通じて、または試験薬投与中止時まで150mgを1日2回投与された場合の . 試験薬の量 全集団 日本人集団 オフェブ群 (n=638) (n=423)プラセボ群 オフェブ群(n=76) プラセボ群(n=50) 試験薬の曝露期間平均値、月 (SD) 10.29(3.37) 10.83(2.82) 9.78(3.79) 10.81(2.77) 用量強度※6平均値、%(SD) 93.68(11.26) 98.94(4.47) 91.76(14.88) 98.44(4.23) 用量の減量を経験した患者、n(%) 178(27.9) 16 (3.8) 25(32.9) 1(2.0) 治療の中断を経験した患者、n(%) 151(23.7) 42(9.9) 22(28.9) 8(16.0)

患者背景(中央判定による特発性肺線維症診断結果)

患者内訳

薬物曝露および投与状況

(18)

臨 床 成 績 全集団:全集団におけるFVC年間減少率※1は、オフェブ群−113.6mL/年、プラセボ群−223.5mL/年であり、オフェ ブ群は、プラセボ群に対してFVC年間減少率の低下を統計学的に有意に抑制しました(群間差:109.9mL/年、95% CI:75.9–144.0、p<0.0001)。 日本人集団:FVC年間減少率※1の群間差は131.9mL/年(95%CI:50.7–213.1)であり、日本人以外の集団の結果 (群間差:107.7mL/年、95%CI:70.6–144.8)との一貫性を示しました(交互作用p=0.4483)。 ※1.ランダム係数回帰モデルにより推定 INPULSIS-1試験 INPULSIS-2試験 併合解析 オフェブ群 プラセボ群 オフェブ群 プラセボ群 オフェブ群 プラセボ群 全集団 解析対象例数 309 204 329 219 638 423 FVC年間減少率※2 (SE) (15.33)−114.7 (18.71)−239.9 (15.73)−113.6 (19.31)−207.3 (10.98)−113.6 (13.45)−223.5 プラセボとの差※2 125.3 93.7 109.9 95%CI (77.7–172.8) (44.8–142.7) (75.9–144.0) p値 <0.0001 0.0002 <0.0001 日本人集団 (部分集団 解析) 解析対象例数 35 20 41 30 76 50 FVC年間減少率※2 (SE) (45.81)−142.2 (55.99)−282.8 (45.09)−137.6 (53.62)−254.0 (26.42)−135.9 (31.68)−267.7 プラセボとの差※2 140.6 116.4 131.9 95%CI (−6.1–287.4) (−23.2–256.1) (50.7–213.1) ※2.ランダム係数回帰モデルにより推定 【FVC年間減少率(mL/年)】 全集団 −113.6 −223.5 −135.9 −267.7 (n=638) (n=423) (n=76) (n=50) 日本人集団(部分集団解析)# (mL/年) 0 −50 −100 −150 −200 −250 −300 −350 FVC 年間減少率 * ■ オフェブ群 ■ プラセボ群 補正値±SE ランダム係数回帰モデル *p<0.0001 # 治療群間の有意差検定 は未実施 【群間差】全集団:109.9mL/年(95%CI:75.9‒144.0)、日本人集団:131.9mL/年(95%CI:50.7‒213.1) 交互作用p=0.4483(日本人集団 vs. 日本人以外の集団)

FVC年間減少率:主要評価項目

有効性

【FVC年間減少率:併合解析】

(19)

臨 床 成 績 19

臨床成績

FVC の経時的変化:副次評価項目

全集団:ベースラインから52週後の FVC の平均絶対変化量は、オフェブ群−94.5mL、プラセボ群−205.0mLであ り、統計学的有意差※3が認められました(群間差:110.6mL、95%CI:83.2–137.9、p<0.0001)。 ※3.有意差検定は混合効果モデルによる反復測定法(MMRM)により推定 (週) (mL) 50 0 −50 −100 −150 −200 −250 ベ ー ス ラ イ ン か ら の FVC の 変化 投与期間 2 0 4 6 12 24 36 52 評価例数 オフェブ群 626 616 613 604 587 569 519 プラセボ群 417 408 407 403 395 383 345 平均値±SE オフェブ群      プラセボ群 * 【52 週後における群間差】110.6mL(95%CI:83.2‒137.9) * p<0.0001、MMRM 【ベースラインからの FVC の平均絶対変化量の推移:併合解析】 統計解析手法 FVC年間減少率 ・.ランダム係数回帰モデルにより推定:投与群、性別、年齢、身長を固定効果(併合解析では試験を追加)、患者効果(切片と傾き)を変量 効果としてランダム係数回帰モデルに含めた。 ・.交互作用:試験、投与群、性別、年齢、身長、部分集団因子、投与群×時間×部分集団因子の交互作用項を固定効果、患者効果(切片 と傾き)を変量効果としてランダム係数回帰モデルに含めた。 ベースラインから52週後の FVC の絶対変化量 ・.MMRM により推定:試験、投与群、Visit、性別、年齢、身長、投与群×Visit の交互作用項、ベースライン時の FVC、ベースライン時 の FVC×Visit の交互作用項を固定効果、患者効果を変量効果としてMMRMに含めた。

(20)

臨 床 成 績 ●画像・病理診断を因子とする部分集団解析 FVC年間減少率※1を蜂巣肺の有無別※2にみた部分集団解析において、オフェブ群のプラセボ群に対する FVC低下 抑制効果は一貫性を示しました(交互作用p=0.8139)。 ※1.ランダム係数回帰モデルにより推定 ※2.[蜂巣肺なし]とは、HRCTで蜂巣肺所見がなく、外科的肺生検が得られていない集団 . [蜂巣肺あり]とは、HRCTで蜂巣肺所見がある、または外科的肺生検により特発性肺線維症が確定診断された集団 ●ベースライン時の%FVC別の部分集団解析 FVC年間減少率※3を呼吸機能障害の程度別(ベースライン時の%FVC が 70%超、70%以下※4)にみた部分集団 解析において、オフェブ群のプラセボ群に対するFVC低下抑制効果は一貫性を示しました(交互作用p=0.9505)。 ※3.ランダム係数回帰モデルにより推定 ※4.いずれもランダム化前の%FVC が 50%以上の患者 (mL/年) 0 −50 −100 −150 −200 −250 −300 FVC 年間減少率 %FVC≦70% −119.7 −233.2 −111.3 −220.3 %FVC>70% (n=207) (n=154) (n=431) (n=269) 【群間差】%FVC≦70%:113.5mL/年(95%CI:51.3‒175.7)、%FVC>70%:109.0mL/年(95%CI:68.2‒149.9) 交互作用p=0.9505(%FVCが70%超 vs. 70%以下) ■ オフェブ群 ■ プラセボ群 補正値±SE ランダム係数回帰モデル 【群間差】蜂巣肺なし:98.9mL/年(95%CI:36.4‒161.5)、蜂巣肺あり:117.0mL/年(95%CI:76.3‒157.8) 交互作用p=0.8139(蜂巣肺なし vs. 蜂巣肺あり) (mL/年) 0 −50 −100 −150 −200 −250 −300 蜂巣肺なし −122.0 −221.0 −108.7 −225.7 蜂巣肺あり FVC 年間減少率 (n=213) (n=125) (n=425) (n=298) ■ オフェブ群 ■ プラセボ群 補正値±SE ランダム係数回帰モデル 【FVC年間減少率(蜂巣肺の有無別):併合解析】 【FVC年間減少率(ベースライン時の%FVC別):併合解析】

部分集団における FVC年間減少率:部分集団解析

(21)

臨 床 成 績 21

臨床成績

●各部分集団における FVC年間減少率 FVC年間減少率※5を、各部分集団において解析した結果、性別、年齢、人種、SGRQ総スコア※6、喫煙歴、低用 量全身ステロイド療法※6、気管支拡張剤の使用※6において、オフェブ群のプラセボ群に対する FVC低下抑制効果は 一貫性を示しました。 ※5.ランダム係数回帰モデルにより推定 ※6.ベースライン時 男性 334 507 115.7(75.5‒156.0) 0.1911 女性 89 131 90.7(32.1‒149.2)   年齢<65歳 145 258 115.2(55.1‒175.2) 0.3832 年齢≧65歳 278 380 105.9(64.6‒147.3)   白人 248 360 123.4(78.2‒168.6) 0.7184 アジア人 128 194 94.1(33.7‒154.6)   SGRQ総スコア≦40 232 323 100.6(57.1‒144.0) 0.0961 SGRQ総スコア>40 187 301 125.0(69.5‒180.6)   喫煙歴なし 122 174 89.8(32.8‒146.8) 0.4728 元喫煙者/喫煙者 301 464 118.2(76.2‒160.2)   低用量全身ステロイド療法あり 89 136 98.5(24.7‒172.3) 0.9379 低用量全身ステロイド療法なし 334 502 113.1(74.5‒151.6)   気管支拡張剤の使用あり 72 129 95.9(3.5‒188.3) 0.4864 気管支拡張剤の使用なし 351 509 112.7(76.3‒149.2)   全例 423 638 109.9(75.9‒144.0) 交互作用p値 部分集団 プラセボ群 オフェブ群 推定値(95%CI) 解析対象例数 −200 −100 プラセボ優位 オフェブ優位 FVC 年間減少率の群間差(mL/年)および95%CI 0 100 200 300 400 500 統計解析手法 部分集団におけるFVC年間減少率 ・.ランダム係数回帰モデルにより推定:試験、投与群、性別、年齢、身長を固定効果、患者効果(切片と傾き)を変量効果としてランダム 係数回帰モデルに含めた。 ・.交互作用:試験、投与群、性別、年齢、身長、部分集団因子、投与群×時間×部分集団因子の交互作用項を固定効果、患者効果(切片 と傾き)を変量効果としてランダム係数回帰モデルに含めた。

(22)

臨 床 成 績

急性増悪発現までの期間(試験参加医師の報告)

:重要な副次評価項目

全集団:52週間における試験参加医師の評価に基づく急性増悪の発現率はオフェブ群4.9%、プラセボ群7.6%、ハ ザード比は0.64(95%CI:0.39–1.05、Cox.回帰モデル)でした(p=0.0823、log-rank検定)。 日本人集団:52週間における試験参加医師の評価に基づく急性増悪の発現率はオフェブ群3.9%、プラセボ群12.0%、 ハザード比は0.25(95%CI:0.06–1.02)であり、日本人以外の集団の結果[オフェブ群5.0%、プラセボ群7.0%、ハザー ド比0.71(95%CI:0.42–1.22)]との一貫性を示しました(交互作用p=0.3274、Cox回帰モデル)。 評価例数 初回急性増悪累積発現率 (試験参加医師 の 報告) 初回急性増悪発現までの期間 オフェブ群 638 632 627 609 605 595 589 584 580 570 562 553 537 492 プラセボ群 423 419 415 408 407 403 393 389 386 381 376 367 359 341 (日) (%) 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 360 373 オフェブ群 プラセボ群

ハザード比 0.64(95%CI: 0.39‒1.05、Cox 回帰モデル)、p=0.0823、log-rank 検定 【初回急性増悪発現までの期間(試験参加医師の報告):併合解析】 INPULSIS-1試験 INPULSIS-2試験 併合解析 オフェブ群 プラセボ群 オフェブ群 プラセボ群 オフェブ群 プラセボ群 全集団 評価例数 309 204 329 219 638 423 急性増悪を発現した患者、n(%) 19(6.1) 11(5.4) 12(3.6) 21(9.6) 31(4.9) 32(7.6) ハザード比(95%CI) 1.15(0.54–2.42) 0.38(0.19–0.77) 0.64(0.39–1.05) p値※2 0.6728 0.0050 0.0823 日本人集団 (部分集団 解析) 評価例数 35 20 41 30 76 50 急性増悪を発現した患者、n(%) 3(8.6) 2(10.0) 0(0.0) 4(13.3) 3(3.9) 6(12.0) ハザード比(95%CI) 0.86(0.13–5.54) 算出できず 0.25(0.06–1.02) 交互作用p値※3 0.8802 算出できず 0.3274 【急性増悪発現率(試験参加医師の報告)】 【急性増悪発現率(試験参加医師の報告):併合解析】 ■ オフェブ群 ■ プラセボ群 全集団:ハザード比 0.64(95%CI:0.39‒1.05)、p=0.0823、log-rank 検定※1 日本人集団:ハザード比 0.25(95%CI:0.06‒1.02)、治療群間の有意差検定は未実施※1 交互作用 p=0.3274(日本人集団 vs. 日本人以外の集団)、Cox 回帰モデル ※1 初回急性増悪発現までの期間におけるハザード比、p 値 全集団 4.9 7.6 急性増悪発現率 (試験参加医師 の 報告) (n=638) (n=423) 日本人集団(部分集団解析) 3.9 12.0 (n=76) (n=50) (%) 20 15 10 5 0

(23)

臨 床 成 績 23

臨床成績

急性増悪発現までの期間(独立判定委員会による判定

※4

:感度解析

全集団:独立判定委員会により「confirmed. acute. exacerbation(急性増悪)」または「suspected. acute.

exacerbation(急性増悪疑い)」と判定された急性増悪の発現率はオフェブ群1.9%、プラセボ群5.7%、ハザード比 は 0.32(95%CI:0.16–0.65、Cox 回帰モデル)であり、統計学的有意差が認められました(p=0.0010、log-rank検定)。 ※4.事前に規定された感度解析として、盲検下で独立判定委員会により中央判定された 併合解析(全集団) (%) 1.9 5.7 10 8 6 4 2 0 急性増悪発現率 (独立判定委員会 に よ る 判定 ) (n=638) (n=423) ■ オフェブ群 ■ プラセボ群 ハザード比 0.32(95%CI:0.16‒0.65)、p=0.0010、log-rank 検定※5 ※5 初回急性増悪発現までの期間におけるハザード比、p 値 【急性増悪発現率(独立判定委員会による判定):併合解析】 評価例数 (日) (%) 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 初回急性増悪累積発現率 (独立判定委員会 に よ る 判定) 初回急性増悪発現までの期間 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 360 373 オフェブ群 638 634 629 613 610 602 597 593 589 580 572 563 548 503 プラセボ群 423 419 416 409 408 404 396 393 390 384 380 371 363 345 オフェブ群 プラセボ群

ハザード比 0.32(95%CI: 0.16‒0.65、Cox 回帰モデル)、p=0.0010、log-rank 検定 【初回急性増悪発現までの期間(独立判定委員会による判定):併合解析】 急性増悪は以下をすべて含む 1ヵ月以内の説明のつかない臨床像と定義する※6 ● 30日以内の説明できない呼吸困難の悪化または発現 ● 前回来院以降、気胸あるいは胸水(新たなすりガラス陰影の場合)ではない、胸部X線における新たに生じたびま ん性肺浸潤影、かつ / または HRCT上の新たな実質性異常 ● 通常の日常臨床診療および微生物学的検査で以下の他の原因を除外 感染症、左心不全、肺塞栓症、原因が特定できる急性肺障害 ※6.試験プロトコールで規定された定義 統計解析手法 初回急性増悪発現までの期間におけるハザード比 ・.Cox回帰モデルにより推定:投与群、性別、年齢、身長を固定効果(併合解析では試験を追加)としてCox回帰モデルに含めた。 ・.交互作用:試験、投与群、性別、年齢、身長、部分集団因子および投与群×部分集団因子の交互作用項を固定効果としてCox.回帰モデルに含めた。

(24)

臨 床 成 績

SGRQ総スコアの変化量:重要な副次評価項目

全集団:52週時における SGRQ総スコアのベースラインからの平均変化量※1はオフェブ群3.53、プラセボ群4.96、 群間差は−1.43(95%CI:−3.09–0.23)でした(p=0.0923)。 日本人集団:52 週時における SGRQ 総スコアのベースラインからの平均変化量※ 1はオフェブ群 5.81、プラセボ群 9.68、群間差は−3.87(95%CI:−8.51–0.76)であり、日本人以外の集団の結果[オフェブ群 3.24、プラセボ群 4.35、群間差−1.11(95%CI:−2.90–0.67)]との一貫性を示しました(交互作用p=0.7721)。 ※1.混合効果モデルによる反復測定法(MMRM)により推定 【SGRQ総スコアの変化量:併合解析】 3.53 4.96 5.81 9.68 (n=609) (n=413) (n=73) (n=50) 16 14 12 10 8 6 4 2 0 全集団 日本人集団(部分集団解析) SGRQ 総 ス コ ア 変化量 ■ オフェブ群 ■ プラセボ群 平均値±SE MMRM 全集団:群間差 −1.43(95%CI:−3.09‒0.23)、p=0.0923 日本人集団:群間差 −3.87(95%CI:−8.51‒0.76)、治療群間の有意差検定は未実施 交互作用 p=0.7721(日本人集団 vs. 日本人以外の集団) INPULSIS-1試験 INPULSIS-2試験 併合解析 オフェブ群 プラセボ群 オフェブ群 プラセボ群 オフェブ群 プラセボ群 全集団 解析対象例数 289 200 320 213 609 413 SGRQ総スコアの平均 変化量※2(SE) (0.799)4.34 (0.960)4.39 (0.730)2.80 (0.891)5.48 (0.540)3.53 (0.654)4.96 プラセボとの差※2(SE) −0.05(1.248) −2.69(1.151) −1.43(0.848) 95%CI (−2.50–2.40) (−4.95–−0.43) (−3.09–0.23) p値 0.9657 0.0197 0.0923 日本人集団 (部分集団解析) 解析対象例数 32 20 41 30 73 50 SGRQ総スコアの平均 変化量※2(SE) (2.448)6.63 (3.155)10.28 (1.870)5.25 (2.204)9.50 (1.497)5.81 (1.832)9.68 プラセボとの差※2(SE) −3.64(3.985) −4.25(2.891) −3.87(2.351) 95%CI (−11.57–4.28) (−9.97–1.47) (−8.51–0.76) 交互作用p値※3 0.2247 0.5870 0.7721 ※2. MMRMにより推定 ※3. vs..日本人以外の集団 【SGRQ総スコアの変化量】

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臨 床 成 績 25

臨床成績

全生存率:副次評価項目

全集団:52週間での全死亡はオフェブ群5.5%、プラセボ群7.8%、ハザード比0.70(95%CI:0.43–1.12、Cox回 帰モデル)でした(p=0.1399、log-rank検定)。 評価例数 (日) (%) 100 99 98 97 96 95 94 93 92 91 90 0 生存率 死亡までの期間 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 360 373 オフェブ群 638 637 635 632 628 623 620 619 617 612 606 601 591 532 プラセボ群 423 422 420 418 418 416 414 408 406 403 400 394 388 358 オフェブ群 プラセボ群

ハザード比 0.70(95%CI: 0.43‒1.12、Cox 回帰モデル)、p=0.1399、log-rank 検定 【生存率※7:併合解析】 オフェブ群 (n=638) (n=423)プラセボ群 ハザード比(95%CI) p値※6 全死亡例※4、n(%) 35(5.5) 33(7.8) 0.70(0.43–1.12) 0.1399 呼吸器疾患に関連した死亡例※4、n(%) 24(3.8) 21(5.0) 0.74(0.41–1.34) 0.3435 治療期間中の死亡例※5、n(%) 24(3.8) 26(6.1) 0.68(0.39–1.19) 0.1599 ※4.ランダム化から372日後までを集計 ※5.ランダム化から試験薬投与終了後28日以内の死亡 ※6.log-rank検定 ※7.ランダム化から372日後までを集計 統計解析手法 SGRQ総スコアの変化量 ・.MMRM により推定:投与群、Visit、投与群×Visit の交互作用項、ベースライン時の SGRQ総スコア、ベースライン時の SGRQ総スコ ア×Visit の交互作用項を固定効果(併合解析では試験を追加)、患者効果を変量効果としてMMRMに含めた。 ・.交互作用:投与群、Visit、投与群×Visit.の交互作用項、ベ−スライン時の SGRQ.総スコア、ベ−スライン時の SGRQ総スコア×Visit. の交互作用項、部分集団因子、投与群×部分集団因子の交互作用項を固定効果(併合解析では試験を追加)、患者効果を変量効果として MMRMに含めた。 全死亡までの期間に対するハザード比 ・.Cox回帰モデルにより推定:試験、投与群、性別、年齢および身長を固定効果としてCox回帰モデルに含めた。

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臨 床 成 績 オフェブ群(n=638) プラセボ群(n=423) 全副作用 455(71.3) 120(28.4)  下痢 341(53.4) 46(10.9)  悪心 122(19.1) 19(4.5)  食欲減退 54(8.5) 13(3.1)  嘔吐 45(7.1) 5(1.2)  腹痛 40(6.3) 5(1.2)  体重減少 36(5.6) 5(1.2) 【いずれかの治療群で発現率5%超の副作用(全集団)】 発現症例数(発現率%) 副作用名はMedDRA.ver.16.1 の「基本語」に基づいて評価した オフェブ群(n=76) プラセボ群(n=50) 全副作用 66(86.8) 18(36.0)  下痢 51(67.1) 5(10.0)  食欲減退 11(14.5) 2(4.0)  肝機能異常 10(13.2) 0(0.0)  悪心 9(11.8) 0(0.0)  肝酵素上昇 8(10.5) 2(4.0)  体重減少 5(6.6) 1(2.0)  腹部不快感 3(3.9) 3(6.0)  消化不良 3(3.9) 3(6.0) 【いずれかの治療群で発現率5%超の副作用(日本人集団)】 全集団における有害事象の発現率は、オフェブ群95.5%(609例/638例)、プラセボ群89.6%(379例/423例)で した。オフェブ群における投与中止に至った有害事象の発現率は 19.3%(123例/638例)、重篤な有害事象※の発現 率は30.4%(194例/638例)、死亡に至った有害事象の発現率は5.8%(37例/638例)でした。 全集団における副作用の発現率は、オフェブ群71.3%(455例/638例)、プラセボ群28.4%(120例/423例)でした。 日本人集団における有害事象の発現率は、オフェブ群98.7%(75例/76例)、プラセボ群94.0%(47例/50例)でし た。オフェブ群における投与中止に至った有害事象の発現率は 25.0%(19例/76例)、重篤な有害事象※の発現率は 43.4%(33例/76例)でした。オフェブ群における死亡に至った有害事象は特発性肺線維症1例でした。 日本人集団における副作用の発現率は、オフェブ群86.8%(66例/76例)、プラセボ群36.0%(18例/50例)でした。 主な副作用(いずれかの治療群で発現率5%を超える副作用)を表に示します。 ※.1名を複数の重篤度分類基準でカウントしている場合がある。

安全性

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臨 床 成 績 27

臨床成績

(28)

臨 床 成 績

海外第Ⅱ相用量反応試験:

  TOMORROW試験

(海外データ)

7, 8)

試験方法

主要評価項目: FVC年間減少率 副次評価項目: 急性増悪発現率、52週時に おけるSGRQ総スコアの ベースラインからの変化量 など R ATS/ERSガイド ライン(2000年) 基準により、過去 5年未満に特発 性肺線維症と診 断された40歳以 上の患者 (n=432) スクリーニング (4日前) (∼14日)追跡期間 0 52 (週) 投与期間(52週) オフェブ 50mg 1日1回 (n=86) プラセボ (n=85) ※DMCレビュー オフェブ 50mg 1日2回 (n=86) ※DMCレビュー オフェブ 100mg 1日2回 (n=86) ※DMCレビュー オフェブ 150mg 1日2回 (n=85) オフェブ投与は最低用量(50mg 1日1回)群から開始し、安全性および忍容性を確認後、150mg 1日2回群まで各用量群を 段階的に開始した。 ※ 用量増量の決定はDMC(データモニタリング委員会)による判断に基づく。 【試験デザイン】ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験 【実施地域】25ヵ国、92施設 【対象】ATS/ERS ガイドライン(2000年)9)基準により、スクリーニング前の過去5年未満に特発性肺線 維症と診断された40歳以上の患者432例 【用法・用量】 通常、成人にはニンテダニブとして1回150mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。 なお、患者の状態によりニンテダニブとして1回100mg の 1日2回投与へ減量する。

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臨 床 成 績 29

臨床成績

【方法】対象患者をオフェブの異なる4つの用法・用量(50mg.1日1回、50mg.1日2回、100mg.1日 2回、150mg.1日2回)またはプラセボにランダムに割り付け、試験薬を 52週間投与し、有効性および 安全性を検討した。オフェブ投与は最低用量(50mg.1日1回)群から開始し、安全性および忍容性を確 認後、150mg.1日2回群まで各用量群を段階的に開始した。有害事象への対応として試験参加医師の判 断で 1段階下の用量への永続的な減量を許容した。減量を行った患者についても割り付けられた投与群に 基づいて解析した。 【選択基準】 1..文書による同意が得られている 2..40歳以上である 3..スクリーニング前の 5年未満の間に、ATS/ERS ガイドライン(2000年)9)に基づいて特発性肺線維症 と診断されている 4..ランダム化前52週以内に胸部HRCT が実施されている 5..HRCT パターンおよび(必要に応じて)肺生検パターンが中央判定により特発性肺線維症診断と合致し ている 6..%DLco(ヘモグロビンで補正)が 30~79%である 7..%FVC が 50%以上である 8..PaO2≧55mmHg(標高≦1,500m)または≧50mmHg(標高>1,500m) 【解析計画】下記評価項目の解析が事前に規定された。主要評価項目の主解析は閉検定手順であり、感度 解析として階層検定手順を行うことが事前に規定された。   【主要評価項目】FVC年間減少率(L/年) 【副次評価項目】急性増悪発現率、52週時におけるSGRQ総スコアのベースラインからの変化量など PaO2:動脈血酸素分圧 7)Richeldi.L..et.al.:.N.Engl.J.Med.2011;.365(12):.1079-1087..本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。 8)Brun.M..et.al.:.社内資料.海外第Ⅱ相用量反応試験(試験1199.30)[承認時評価資料] 9)ATS/ERS.:.Am.J.Respir.Crit.Care.Med.2000;.161(2):.646-664. 試験結果(用法・用量を設定した根拠およびその理由) TOMORROW試験では、有害事象への対応として試験参加医師の判断で 1段階下の用量への永続的な減量を許容しました。減 量を行った患者についても割り付けられた投与群に基づいて解析しましたが、プラセボ群に対してオフェブ 150mg.1日2回群のみ が、主要評価項目である FVC 年間減少率の低下を統計学的に有意に抑制しました。TOMORROW 試験の結果に基づき、 INPULSIS試験ではオフェブ 150mg.1日2回を検証用量として選択し、150mg.1日2回で忍容性が良好でない場合には 100mg. 1日2回への減量を許容しました。

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臨 床 成 績

患者背景

プラセボ (n=85) オフェブ 全体 (n=428) 50mg 1日1回 (n=86) 50mg 1日2回 (n=86) 100mg 1日2回 (n=86) 150mg 1日2回 (n=85) 男性、n(%) 63(74.1) 65(75.6) 62(72.1) 65(75.6) 65(76.5) 320(74.8) 年齢、歳、平均±SD 64.8±8.6 65.3±9.4 64.9±8.5 65.1±8.6 65.4±7.8 65.1±8.6 人種※1、n(%)  白人  アジア人 65(76.5)20(23.5) 68(79.1)18(20.9) 72(83.7)14(16.3) 72(83.7)14(16.3) 61(71.8)24(28.2) 338(79.0) 90(21.0) 体重、kg、平均±SD 77.3±13.3 78.8±13.4 79.0±16.2 76.0±14.5 74.9±14.6 77.2±14.5 診断からの期間、年、 平均±SD 1.4±1.5 1.4±1.3 1.1±1.2 1.2±1.2 1.0±1.2 1.2±1.3 外科的肺生検標本の採取可能、 n(%) 19(22.4) 25(29.1) 27(31.4) 20(23.3) 29(34.1) 120(28.0) 特発性肺線維症の診断※2 n(%)  Definite UIP  Probable UIP  Possible UIP  Definitely not UIP

24(28.2) 57(67.1) 4(4.7) 0(0.0) 27(31.4) 49(57.0) 9(10.5) 1(1.2) 26(30.2) 53(61.6) 7(8.1) 0(0.0) 31(36.0) 54(62.8) 1(1.2) 0(0.0) 33(38.8) 52(61.2) 0(0.0) 0(0.0) 141(32.9) 265(61.9) 21(4.9) 1(0.2) FVC  %予測値、中央値  L、中央値 77.6 2.7 79.8 2.8 80.4 2.7 83.0 2.8 78.1 2.7 80.2 2.8 SpO2、%、中央値 96.0 96.0 96.0 96.0 96.0 96.0 DLco、mmol/min/kPa、 中央値 3.7 3.5 3.6 3.7 3.5 3.6 PaO2、mmHg、中央値 75.0 75.8 78.4 80.0 78.3 77.5 併用治療※3、n(%)  いずれかのグルココルチコイド   Prednisone※4 43(50.6)21(24.7) 47(54.7)19(22.1) 42(48.8)14(16.3) 45(52.3)17(19.8) 33(38.8)18(21.2) 210(49.1) 89(20.8) ※1. 人種は自己報告による ※2. Possible.UIPの21例(4.9%)は、試験期間の初期に組み入れられたが、試験期間の後期にpossible.UIPと診断された患者はいなかったため、 オフェブ 150mg.1日2回には割り付けられなかった。特発性肺線維症でない 1例が誤って試験に組み入れられた。 ※3. 試験期間中に少なくとも1回は使用された治療 ※4. 本邦未承認 SpO2:経皮的動脈血酸素飽和度 【用法・用量】 通常、成人にはニンテダニブとして1回150mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。 なお、患者の状態によりニンテダニブとして1回100mg の 1日2回投与へ減量する。

(31)

臨 床 成 績 31

臨床成績

患者内訳

(L/年) (n=83)プラセボ 平均値±SE −0.19 −0.17 −0.21 −0.16 −0.06 オフェブ 50mg 1日1回 (n=85) オフェブ 50mg 1日2回 (n=86) オフェブ 100mg 1日2回 (n=85) オフェブ 150mg 1日2回 (n=84) 0.00 −0.05 −0.10 −0.15 −0.20 −0.25 −0.30 FVC 年間減少率 オフェブ150mg 1日2回 p=0.0639(規定の閉検定手順) p=0.0136(規定の階層検定手順) vs. プラセボ FVC年間減少率※6は、オフェブ 150mg.1日2回群−0.060L/年、プラセボ群−0.190L/年であり、統計学的有意 差が認められました(群間差:0.131L/年、95%CI:0.027–0.235、p=0.0136、階層検定手順)。 ※6.ランダム係数回帰モデルにより推定

FVC年間減少率:主要評価項目

有効性

プラセボ オフェブ 全体 50mg 1日1回 1日2回50mg 1日2回100mg 1日2回150mg ランダム化例、n 87 87 86 86 86 432 試験薬投与例、n(%) 85(100) 86(100) 86(100) 86(100) 85(100) 428(100) 投与中止例、n(%) 24(28.2) 24(27.9) 18(20.9) 14(16.3) 32(37.6) 112(26.2)  有害事象による  投与中止例、n(%) 21(24.7) 20(23.3) 15(17.4) 13(15.1) 27(31.8) 96(22.4) 投与完遂例※5、n(%) 61(71.8) 62(72.1) 68(79.1) 72(83.7) 53(62.4) 316(73.8) ※5.投与期間中に試験薬を中止しなかった症例 統計解析手法 FVC年間減少率 ・.ランダム係数回帰モデルにより推定:性別×年齢および性別×身長の交互作用項を固定効果、患者効果(切片と傾き)を変量効果としてラ ンダム係数回帰モデルに含めた。

(32)

臨 床 成 績 急性増悪の発現率は、オフェブ 150mg.1日2回群2.44/100人・年、プラセボ群15.67/100人・年であり、オフェ ブ 150mg.1日2回群とプラセボ群の間に統計学的有意差が認められました[リスク比0.16(95%CI:0.03–0.70)、 p=0.0150、対数変換したリスク比の分布に正規分布を仮定して算出]。 52週時における SGRQ総スコアのベースラインからの絶対変化量は、オフェブ 150mg.1日2回群−0.66、プラセ ボ群5.46 であり、オフェブ 150mg.1日2回群とプラセボ群の間に統計学的有意差が認められました[群間差−6.12 (95%CI:−10.57–−1.67)、p=0.0071、共分散分析]。 (/100 人・年) プラセボ (n=87) 50mg 1 日 1 回オフェブ (n=87) オフェブ 50mg 1 日 2 回 (n=86) オフェブ 100mg 1 日 2 回 (n=86) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=86) 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 急性増悪発現率 * 15.67 13.03 12.46 7.46 2.44 * リスク比 0.16(95%CI:0.03‒0.70)、p=0.0150 vs. プラセボ、対数変換したリスク比の分布に正規分布を仮定して算出 プラセボ (n=79) 50mg 1 日 1 回オフェブ (n=76) オフェブ 50mg 1 日 2 回 (n=82) オフェブ 100mg 1 日 2 回 (n=82) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=75) 8 6 4 2 0 −2 −4 SGRQ 総スコア変化量 5.46 4.67 2.18 1.48 −0.66 平均値±SE * * 群間差−6.12(95%CI:−10.57‒−1.67)、p=0.0071 vs. プラセボ、共分散分析

急性増悪発現率:副次評価項目

SGRQ総スコアの変化量:副次評価項目

【急性増悪発現率】 【SGRQ総スコアの絶対変化量】

(33)

臨 床 成 績 33

臨床成績

安全性

有害事象の発現率は、オフェブ 50mg.1日1回群90.7%(78例/86例)、50mg.1日2回群90.7%(78例/86例)、 100mg.1日2回群95.3%(82例/86例)、150mg.1日2回群94.1%(80例/85例)、プラセボ群90.6%(77例/. 85例)でした。オフェブ群における投与中止に至った有害事象の発現率は、50mg.1日1回群23.3%(20例/86例)、 50mg.1日2回群16.3%(14例/86例)、100mg.1日2回群14.0%(12例/86例)、150mg.1日2回群30.6%(26 例 /85 例)でした。オフェブ群における重篤な有害事象の発現率は、50mg. 1 日 1 回群 30.2%(26 例 /86 例)、 50mg.1日2.回群26.7%(23例/86例)、100mg.1日2回群20.9%(18例/86例)、150mg.1日2回群27.1%(23 例/85例)でした。オフェブ群における死亡に至った有害事象の発現率は、50mg.1日1回群11.6%(10例/86例)、 50mg.1日2回群4.7%(4例/86例)、100mg.1日2回群5.8%(5例/86例)、150mg.1日2回群1.2%(1例/85例) でした。 副作用の発現率は、オフェブ 50mg.1日1 回群 27.9%(24 例 /86 例)、50mg.1日2 回群 34.9%(30 例 /86 例)、. 100mg.1日2回群47.7%(41例/86例)、150mg.1日2回群64.7%(55例/85例)、プラセボ群29.4%(25例/. 85例)でした。主な副作用(いずれかの治療群で発現率5%を超える副作用)を表に示します。オフェブ 150mg.1 日2回群では発現率10%以上の副作用として下痢(42.4%)、悪心(20.0%)、食欲減退(11.8%)が認められました。 【いずれかの治療群で発現率5%超の副作用】 プラセボ (n=85) オフェブ 50mg 1日1回 (n=86) 50mg 1日2回 (n=86) 100mg 1日2回 (n=86) 150mg 1日2回 (n=85) 全副作用 25(29.4) 24(27.9) 30(34.9) 41(47.7) 55(64.7)  下痢 5(5.9) 5(5.8) 8(9.3) 19(22.1) 36(42.4)  悪心 3(3.5) 5(5.8) 6(7.0) 9(10.5) 17(20.0)  食欲減退 0(0.0) 1(1.2) 2(2.3) 2(2.3) 10(11.8)  嘔吐 1(1.2) 1(1.2) 3(3.5) 4(4.7) 8(9.4)  上腹部痛 1(1.2) 2(2.3) 3(3.5) 1(1.2) 8(9.4)  体重減少 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 2(2.3) 5(5.9)  腹痛 0(0.0) 2(2.3) 2(2.3) 0(0.0) 5(5.9) 発現症例数(発現率%)、試験薬の初回投与後から最終投与の 14日後までに発現した副作用 副作用名はMedDRA.ver.13.0 の「基本語」に基づいて評価した 【用法・用量】 通常、成人にはニンテダニブとして1回150mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。 なお、患者の状態によりニンテダニブとして1回100mg の 1日2回投与へ減量する。 統計解析手法 急性増悪発現率 ・.対数変換したリスク比の分布に正規分布を仮定して算出した。 SGRQ総スコアの変化量 ・.共分散分析:投与群、ベースライン値および地域を固定効果として共分散分析に含めた。

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性状 性状 規格に設定すべき試験項目 確認試験 IR、UV 規格に設定すべき試験項目 含量 定量法 規格に設定すべき試験項目 純度

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