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ケーブル被覆管の割れ発生原因の調査 阪神高速技術㈱

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅰ‑084. ケーブル被覆管の割れ発生原因の調査 阪神高速技術㈱. 正会員 ○岡本 亮二. 阪神高速技術㈱. 正会員. 高村 義行. 阪神高速道路㈱. 正会員. 林. 訓裕. 1.目的 平成 21 年度,斜張橋のケーブル被覆の高密度ポリエチレン管(以下 PE 管)に,割れと錆汁(図-1)が確認された.この損傷から内部へ水が浸入し,. 140mm. 素線や定着部の腐食発生が懸念されたため,平成 22 年度に詳細点検を実施 した.その結果,素線腐食は非常に軽微であったが,その後の腐食進行や 水浸入が考えられたため,補修工事を実施した.切除した PE 管を観察し 290mm. たところ,ケーブル外面に塗布したと思われる塗料が破面に付着していた ことから,竣工時より割れていた可能性が考えられた. そこで,補修工事にて切除した PE 管を用いて各種試験を行い,割れ発 生の原因調査を実施した.. 図-1. PE 管の割れと錆汁. 2.調査対象 割れが確認されたケーブル断面を図-2 に示す.この 斜張橋のケーブルは全部で 72 本あり,割れが確認され たのは南側の 1 本のみである. 外径 160mm,PE 管厚 6.8mm,グラウト充填された. 外径:160. PWS(φ7-211)である.. PE 管板厚:6.8. 3.調査内容 割れ発生原因を調査するため,「割れ部の観察」「材 料強度」 「材料物性」の3つに着目して調査を実施した. 表-1 に調査項目,箇所,目的などを示す.. 図-2 表-1. 調査項目 割 観れ 察部 の. 調査箇所. 外観/破面観察 ・調査品全体. ・割れ近傍 ・割れ部. 強 度 試 験. 引張試験. 硬さ試験. ・割れ近傍 ・一般部. 物 性 ・ 化 学 分 析. 融点測定. ・一般部. 数量 一式. 調査項目一覧 目的. 損傷状況の 把握. 取得データ ・損傷形態 ・割れの発生起点 ・初期欠陥の有無 ・内外面(段差や塗装) の状況. ・割れ近傍 ・一般部. 引張降伏点の設計値 190kgf/cm2を満足して いるかを確認. ・引張試験機. ・デュロメータ硬さ値. 一般的なPE材との硬 さ値の比較、および局 部的な強度差の有無を 確認. ・デュロメータ硬さ試験機. ・熱重量測定 -示差熱分析装置. 1ケ所. PE管の融点の 確認. ・融点. 塗装時の入熱温度の 影響を知る為、素材の 融点を確認. 各2ケ所. 塗装時の加熱状 況 および 温度ムラの確認. ・熱履歴(最高温度). 塗装時の入熱温度が 最高198℃とあるが、実 ・示差走査熱量計 際は何度であったかを 確認. 各1ケ所. 付着物の含有 成分確認. ・成分元素 ・構造式. 割れの発生・進展を 促す成分の有無を確認. (各外表面/内表面側). ・破面の付着物 破面付着物分析 ・内表面の付着物. 使用機器 ・デジタルカメラ ・走査型電子顕微鏡. 軸方向:6本 ・降伏点 周方向:2本 材料強度(劣化 ・引張強さ 各3ケ所. 評価 外観状況を詳細観察 し、き裂発生原因の有 無を確認. 状況)の確認. 熱履歴測定. ケーブル断面. ・X線分光分析装置 ・赤外分光分析装置 ・X線回折装置. 4.調査結果 1)割れ部の観察 図-3 に示すように,破面観察の結果,広範囲に規則的な縞模様が認められ,PE 管外面の塗料が付着してい た.この規則的な縞模様は,人為的な模様と判断できることから,PE 管の製作から架設までの間に形成され キーワード ケーブル被覆,高密度ポリエチレン管,割れ,素線腐食 連絡先. 〒550-0005 大阪市西区西本町 1 丁目 4 番 1 号. ‑167‑. 阪神高速技術㈱調査点検課. TEL 06-6110-7200.

(2) 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅰ‑084. 内面. 加工面と見られる縞模様. ①. ②. 塗料の付着. 外面. 図-3 破面状況. た加工面と考えられる.塗料の付着状況から,塗装の前段階で既に割れが発生していたと判断した.また,図 -4 に示す SEM による拡大観察の①部に筋模様が認められた.これは瞬間的に生じた損傷でなく,複数回の応 力作用下によるものと考えられ,塗料は認められなかった.図-5 に示す塗料が多く付着している②部は,破 面の筋模様部分に塗料は認められず,塗装後にき裂が進展したものと考えられる. 次に,図-6 に示すように断面観察の結果,PE 管厚 6.8mm に対し,割れ発生部では厚さが約 3mm となって おり,割れを境界として PE 管の厚さが異なっていた.2 箇所の割れ間のみ板厚が薄く,割れ部で段差が生じ ていることから,当該部は継ぎ足し補修された可能性が考えられる.なお,割れ発生と直接に関連しないと考 えられるが,図-7 に示すグラウト注入口接合部にも塗料が侵入しており,接合が不完全であったとみられた. 内面側. 内面側. 塗料. 筋模様. 筋模様 外面側. 外面側. 図-4. 図-5. SEM 観察:① 部. 部. 板厚が薄い範囲 塗料. 外面. 2.9mm. 3.0mm 5.9mm 6.7mm 割れ 6.8mm. SEM 観察:②. 6.7mm. 10mm. 内面. 図-6. 割れ. 塗料の付着. 断面状況. 図-7. 5mm. グラウト注入口. 2)強度試験および 3)物性および化学分析:試験の結果,特異な材料上の問題はなかった. (詳細は割愛) 5.発生原因の推定 調査結果は下記のとおりである. ・塗料の付着範囲から,現場塗装前から部分的に割れが生じていた ・縞模様は人為的模様と観察,筋模様は塗料の付着がないことから塗装後に進展した ・割れ部の PE 管厚が異なることから,損傷部は継ぎ足し補修された可能性がある ・材料上の問題はない また,このケーブルは,素線と押出し成形にて一括製作された PE 管を工場にてリールへ巻き付け,現地へ 輸送し架設が行われていた. 以上のことから,材料特性に起因したものでなく,ケーブル製作時や輸送時または架設時に何らかの理由に より初期割れが発生し,その後の応力作用下で進展したものと考えられる. 参考文献 1)高分子材料の事故原因究明と PL 法,アグネ技術センター1999.5.. ‑168‑.

(3)

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