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継目不整

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Academic year: 2022

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(1)

MTTを用いたレール継目部角折れの整正

四国旅客鉄道 正会員 ○西本 正人 四国旅客鉄道 正会員  高橋 一志

1.はじめに 

レール継目(以下継目)部は、軌道保守上の弱点箇所となっており、特に曲線通過速度の高い振子車両走 行区間における、継目部の角折れ等は著大横圧を発生させ、通り狂い進みの増加を招き、保守量の増大の要 因となるばかりではなく、場合によっては、急激な通り狂いの発生等、走行安全性にも関わる軌道保守上の 大きな課題となっている。そこで今回は、継目部角折れの整正方法について検討した結果について述べる。 

通り狂い(トラックマスタ測定:2m弦)

施工前

施工後

図1:相対基準施工のMTT整正

-2 0 2 4 6 8

25200 25220 25240 25260 25280 25300 25320 25340

-2 0 2 4 6 8

25200 25220 25240 25260 25280 25300 25320 25340 mm

25m

図2:MTT相対基準整正特性(偏心矢弦検測特性)

図3:MTT整正機構

0%

20%

40%

60%

80%

100%

0 5 10 15 20 25 30 35 40

軌道狂い波長(m)

マルタイ相対基準 整正率

5.2m 9.5m

リア ミドル フロント

継目不整

1080 1080 1080

9500 5200

フロント測定車輪 ミドル測定車輪 リヤー測定車輪

リフティング ライニング装置

(クランプ) タンピング装置

作業方向

 

2.MTTによる整正の特徴 

通常、軌道整備については、MTTを主体に行って おり、人力による整正と比較して格段に効率的である。

しかし、継目部角折れが発生している箇所では、MT Tで通常の施工方法(相対基準)による軌道整備を行 っても継目部の短い波長での通り狂いが残存しやすい 傾向にある。(図1) 

これは、レールぐせや端部の偏摩耗等の材料に起因 する原因だけでなく、(1) MTT整正特性(偏心矢弦 検測特性)が継目部角折れのような5m以下の短い波 長帯域でよくないこと(図2)、(2) MTT整正機構上

(図3)、ライニング装置(クランプ)とミドル測定車 輪・タンピング装置は距離を置いて設置されており、

継目部の的確な通り整正をしつつ、つき固めすること ができないこと、(3) 通常の作業では、クランプが継 目板に当たらないように、支障物検知装置により、継 目前後でクランプを開放させており、最も角折れの頂 点位置に近い継目板をはさんだ状態でライニングする ことが出来ないことなどが原因として考えられる。 

 

3.MTTによる継目部角折れ整正 

 以上の考察から、MTTによる継目部角折れの整正は通常方法では困難であると考えられるが、今回は、

その原因を解消する方法として、以下によりMTT施工を行った。 

まず、継目部を適正な移動量でライニングを行うために、継目部での移動量をあらかじめ算出しておき、

MTTに入力してライニングを行う絶対基準による整正を行った。なお、この際、継目部での角折れが早期 に再発するのを抑制するため、30mm程度オーバーライニングした後、計画した移動量に戻すこととした。

また同時に、角折れ頂点の的確なライニングを行うために、支障物検知装置をOFFにし、継目板をはさん でクランプをセットすることとした。 

キーワード:軌道狂い、通り狂い、レール継目、MTT 

連絡先  :〒760-0011 香川県高松市浜ノ町 9-23 TEL 087-825-1681 FAX  087-825-1682 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

‑73‑

IV‑037

(2)

本方法により施工した結果を図4に示す。これより、

継目部角折れ箇所も計画通り移動し、継目不整がほぼ整 正できていることが確認できる。 

 

4.継目部ライニング移動量の算出 

 今回の施工で必要となる継目部のライニング移動量は、

短い波長帯域における復元原波形を用いて、算出するこ ととした。図5に施工箇所をトラックマスタで測定した 値(2m弦)を、復元原波形に加工した例を示す。波長 帯域は1.5m〜10mとしている。これより、波形を 滑らかにするための移動量を継目部前後のピーク値を結 ぶことにより読みとり、継目毎の移動量とした。 

-2 0 2 4 6 8

37300 37320 37340 37360 37380 37400 37420 37440 37460 37480 37500

-2 0 2 4 6 8

37300 37320 37340 37360 37380 37400 37420 37440 37460 37480 37500 継目位置

施工箇所

通り狂い(トラックマスタ測定:2m弦)

施工前

施工後

mm

図4:MTT絶対基準による継目部角折れの整正

25m

図5:復元原波形による継目移動量の算出

トラックマスタ測定

mm

-6 -4 -2 0 2 4 6

37330 37335 37340 37345 37350

2m弦

継目

5m

-6 -4 -2 0 2 4 6

37330 37335 37340 37345 37350

復元原波形(1.5〜10m)

移動量:9mm

継目

 さらに、トラックマスタによるMTT施工前の測定を 省力化することを目的に、マヤ車で測定された10m弦 正矢測定値から移動量の算出を行うことを試みた。ただ し、10m弦正矢は波長5mで検測倍率が0となり、ト ラックマスタでの測定値と同様に波長10m以下の成分 について復元原波形を算出することは難しい。しかし、

一般的な軌道状態においては、極端に短い波長帯域が突 出することはなく、10m弦正矢測定値にも継目角折れ の傾向が現れていることから、今回は、トラックマスタ 測定値の復元原波形とマヤ車の10m弦正矢波形を比較 し、その換算値から移動量を求めることを検討した。図 6は、トラックマスタで測定した2m弦通り狂いを1.

5m〜10mの範囲で復元した波形とマヤ車で測定した 通り狂いを10m以下の波長成分について抽出した波形 を比較したものである。検測特性の差異及び静的値と動 的値の差異等があり、波形のピーク値の差はあるが、両 者の値の比較をした結果十分な相関があり、実用上支障 ない近似的な移動量を算出できると考えられる。なお、

移動量は、今回算出した回帰分析結果から、マヤ車測定 値から読みとった値に0.5を乗じて移動量とすること とした。 

図6:トラックマスタ測定値とマヤ車測定値の関係

-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10

25250 25300 25350 25400

軌道狂い(mm)

マヤ車測定値(10m弦  0〜10m) トラックマスタ測定値(復元 1.5〜10m)

50m

y = 0.4942x R2 = 0.737

-6 -4 -2 0 2 4 6 8

-10 -5 0 5 10 15

マヤ車測定値(10m弦   0〜10m) トラックマスタ測定値 (復元 1.5〜10m)

 

5.まとめ 

 今回の検討により、以下の結果を得た。 

 (1) 継目部の角折れによる短い波長の軌道狂いについて、復元原波形から移動量を算出し絶対基準により MTTを施工することで整正できることを確認した。 

 (2) マヤ車で測定した10m弦正矢測定値を用いて、事前のトラックマスタ等による測定をしなくても、

実用上支障ない近似的な継目移動量を算出できることが分かった。 

 

[参考文献] 1) 日本鉄道施設協会 「新しい線路 ―軌道の構造と管理―」  

土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

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参照

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