ネットワーク符号化協調方式における確率的符号の 性能評価
著者 藤井 洸気
URL http://hdl.handle.net/10236/00026531
2016年度 修士論文要旨
ネットワーク符号化協調方式における 確率的符号の性能評価
関西学院大学大学院理工学研究科 情報科学専攻 井坂研究室 藤井 洸気
本研究では,ネットワーク符号化協調方式において生起する確率的な 符号の性能評価を行う.Baoらによって提案されたネットワーク符号化協調 は,複数の送信端末が一つの共通する宛先端末に情報送信を考える際に,各送 信端末が周囲の端末に対して自身の情報を伝送するブロードキャストフェーズ と,ブロードキャストフェーズにおける受信信号に対する硬判定の部分集合に ついて,排他的論理和を計算するネットワーク符号化を施した上で宛先端末へ の伝送を行う中継フェーズの二つのフェーズで通信を行う.両フェーズにおけ る処理は,各端末のメッセージから成るベクトルに対して線形符号化を行う事 で得られる符号語を,雑音通信路を介して宛先端末に送信する1対1通信系と みなすことができる.このため,宛先端末において,該当する線形符号に関す る復号を行うことで誤り訂正効果が期待される.ここで,各端末における処理 が通信路の状態に依存して決定される場合,等価的な線形符号は確率的に生起 するため,ネットワーク符号化協調の性能を評価する上では,復号誤り確率の 期待値を解析することが求められる.本研究では,Baoらの設定に準じたネッ トワーク符号化協調の基本的なモデル,送受信端末間に中継局が介在する場合 のモデル,最後に,ブロードキャストフェーズにおいて各送信端末が通信路符 号化を行う場合の3つの通信モデルを想定し,ネットワーク符号化協調におい て生起する確率的な線形符号について,その重み分布の期待値を求める事によ り,受信側で最尤復号を行った場合の復号誤り確率の上界を導出した.