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で生まれ 教育を受けた人材が都会に出て就職し 居住する都会で納税するという社会構造に原因があります 都会の地方団体は税収を得るが ふるさとの地方団体には税収がないという現実です これが地方だけでなく 国全体の発展を阻害し 生涯を通じた行政サービスと税負担をバランスさせる新しい税制が求められるとしてい

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FOCUS

【 FOCUS地域&経済 】

拡大する「ふるさと納税」の現状と課題(上)

~寄附金と地方税の視点から考える~

ぶぎん地域経済研究所 調査事業部 主席研究員 

松本 博之

 自分が生まれた故郷、育った町や村、応援したい地域、居住地以外の都道府県や市区町村を 選ぶことができ、そこへ寄附をすると一定の限度内での住民税等の控除が受けられ、その上に 寄附をした地方自治体から返礼品(地元の特産物等)が送られる制度、「ふるさと納税」が拡大 しています。  政府の進める地方創生の諸施策と相まって“ブーム”とも言える状況のふるさと納税制度で すが、そこには、自治体は税収増につながり、個人にとっては寄附をすると“経済的な利益” を受けられるという仕組みにもあることが一因となっているようです。  そこで、ふるさと納税について、今回は前半として公表された諸統計をもとに現状を分析し、 次回は後半として寄附金や地方税のあり方から見た課題を中心に考察します。  平成20年度税制改正から始まった制度で、都道府県及び市区町村(任意の地方自治体)に寄 附をすると、寄附金が一定限度に達するまでは、寄附金額から2,000円を差し引いた全額が個 人住民税(地方税)の寄附金税額控除と所得税(国税)の寄附金控除(所得控除)の合計とし て受けられます。減税措置を受けるためには、寄附の受領書を添えて確定申告をすることが必 要でしたが、平成27年度改正からは、政府の進める地方創生の諸施策の関連から、平成27年 1月1日から納税枠が約2倍に、同4月1日からは確定申告をしない方法(制限あり)も選択 できるようになりました。  また多くの自治体が、寄附者に対してそれぞれの自治体の特産品等を返礼品として送ってい ますので、実質的に自己負担額の2,000円を上回る価格(価値)の特産品を手にできる場合が 多く、最近の拡大の一因でもあると言えます。各自治体の返礼品を比較できるウエブサイトも あり、関連本も発売されるなどして、返礼品競争とも言われている状況です。返礼品の送付は、 もともとはふるさと納税制度の「枠外の任意の取り組み」ということですが、これが逆にふる さと納税と返礼品との関係を複雑なものとしています。 ⑴ふるさと納税制度の創設と背景  ふるさと納税は、平成19年5月の全国知事会での提案のあと、総務省による「ふるさと納税 研究会」(第1回から第9回)での議論を経て、平成19年12月に与党の平成20年度税制改正大 綱に盛り込まれました。そして翌、平成20年4月30日の地方税法の改正により「ふるさと納 税制度」が創設されました。  現在の住民税は、毎年1月1日現在で納税者が居住している地方自治体から課税される仕組 みです。ふるさと納税の誕生には、居住地だけでなく、出生地や育った地域、また住みたいと か好きな地域などにも納税できるようにしようという趣旨があります。そこには、現在の地方

1 ふるさと納税の概要

はじめに

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正という背景も見えます。 ⑵ふるさと納税の理念  総務省は「ふるさと納税」の理念について自己のウエブサイト、ふるさと納税ポータルサイ トにおいて、“ふるさと納税で「地方創生」”、“ふるさと納税で日本を元気に!”として、その 三つの意義を謳っています。それによりますと以下の通りです。  さらに、ふるさと納税は、「納税者と自治体が、お互いの成長を高める新しい関係を築いてい く」、「自治体と納税者の両者が共に高め合う関係」であることに触れ、これを利用しての国民、 一人ひとりの貢献により、地方を変え、よりよい未来をつくること、そして全国の様々な地域 に活力が生まれることを期待することで、ふるさと納税の理念についての項を締めくくってい ます。 ⑶ふるさと納税の仕組み  ふるさと納税と寄附控除についての仕組みは、図表1と2を参照してください。1年間のふ るさと納税の寄附金額から、“利用料”と言うべき自己負担額2,000円を引いた額を、控除限度 額の範囲内で所得税と住民税から全額控除してもらえます。ただしこれには、確定申告が必要 で、所得税は寄附した年の納税額から還付され、個人住民税は翌年度の6月以降に納付する分 から控除されるというものです。  その後、平成27年1月から、同様に自己負担額2,000円で寄附できる上限額が拡大されまし た。また従来は確定申告が求められていましたが、同年4月から「ふるさと納税ワンストップ 特例制度」が導入されました。この特例制度は、年間5団体以下の寄附金の実行であれば、確 定申告をせずに控除が受けられる制度です。ただ、この特例制度を利用した場合、所得税から の控除は行われません。その分を含めた控除額の全額が、翌年度の住民税から控除されること になりました。年収2,000万円以下の給与所得者などは、この制度を利用することにより、確 定申告という手間が省けることになりました。ただ特例制度を利用することにより、従来の確  第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考え るきっかけとなる制度であること。それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分 ごととしてとらえる貴重な機会になります。  第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力 になれる制度であること。それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。  第三に、自治体が国民に取組みをアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間 の競争が進むこと。それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考える きっかけへとつながります。(注:ゴシック体、太字部分は当該ウエブサイトの通りとしています。)

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FOCUS

【 FOCUS地域&経済 】 定申告をすれば、所得税からの控除が受けられ、住んでいる自治体の負担も小さくなっていた わけですが、「特例」によって、確定申告をしないためすべての控除額が住民税(国税である所 得税から地方税へ)からとなり、結果として寄附者の住んでいる自治体への住民税収はいっそ う減少となってしまうことになりました。 ⑷ふるさと納税の節税効果  ふるさと納税は、控除を受けられる寄附金には限度額が設けられています。図表3は、「ふる さと納税額の目安一覧(平成27年以降)」のように自己負担額の2,000円を除いた全額が所得 税(復興特別所得税を含む)及び個人住民税から控除されます。これは寄附者の年収、家族構 成などによって異なります。(図表3に一部の給与収入に対する例を紹介しました。)  ただ、例えば年収300万円独身の限度額が28,000円であるのに対して、年収1,000万円独身 は176,000円、年収2,000万円独身は何と560,000円と限度額は大きくアップします。これ は、ふるさと納税額が所得税と住民税から控除されるという特性から、高額所得者ほど控除限 度額が大きくなり、返礼品の受け取りによって発生する経済的利益も多くなることになります。 返礼品が豪華になればなるほど富裕層にとっての節税効果が高まり、結果として、「金持ち優 遇」制度となってしまっています。  控除限度額は、発足当時は「個人住民税の1割程度」でありましたが、平成27年1月の制度 改正で、約2割と倍増されました。これによって収入の違いによる控除限度額の格差もさらに 図表1 ふるさと納税の手続き 図表2 ふるさと納税の寄附控除 (出所:総務省等の関連資料より当研究所作成) (出所:総務省等の関連資料より当研究所作成) ふるさと納税の手続き(原則) ①ふるさと納税 ③’申告情報の共有 ②受領書 住所地市区町村 税務署 ふるさと納税先の 自治体 ふるさと納税を 行った方 ④ふるさと納税を行った  年分の所得税から控除 ④’ふるさと納税を行った翌年度分の   住民税から控除(減額) ③確定申告 受領書添付 ふるさと納税 (寄附金) 控除額 住民税からの控除 所得税からの控除 自己負担額 2,000 円 住民税からの控除:ふるさと納税を行った          翌年度の住民税からの控除 ❷住民税からの控除(基本分) ❸住民税からの控除(特例分) 所得税からの控除:ふるさと納税を行った年の          所得税からの控除 ❶所得税からの控除

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広がったと言えます。政府としては、ふるさと創生の観点から、そうしたのかと判断できます。 しかしながら、いろいろな社会的局面で、いわゆる格差が問題視されている昨今、新たな格差 が出現したと取る向きも、少なからずいるものと思います。 ⑴納税額と件数の実態(全国)  ふるさと納税の実態について、グラフや表を使って、考察しましょう。図表4は、全国レベ ルでのふるさと納税の金額と件数の推移を見たものです。初年度となった平成20年度は、件数 が53.6千件、金額が81.3億円となりました。平成22年度までは、件数、金額ともにほぼ横ば いで推移していたことがわかります。  平成23年には、東日本大震災の復興支援をきっかけに増加したと言われています。東日本大 震災の後に、“被災地の復興支援をふるさと納税を利用しよう”という動きも手伝って、23年 度の利用件数で100. 1千件となり、金額も約121.5億円と100億円の大台を超えたのです。し かしながら、その後は受入れ額が減少するなど、伸び悩んでいました。  その後、平成26年度からそれまでの水準を大きく上回る件数、受入れ額の急増を見ることに なります。その理由については、経年による制度の認知度向上がありますが、大きな要因とし ては、ふるさと納税に伴い自治体が実施している返礼品について、多くの自治体がその品目や サービス内容をアピールするようになり、これがマスメディアを通して多くの国民の知るとこ ろとなったことが一つ目としてあげられます。やや行き過ぎも指摘されていまして、この点に ついては後ほど触れたいと思います。二つ目として、先ほど触れましたふるさと納税の制度改 正が挙げられます。枠が約2倍に拡大されたことと、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が 創られ、ふるさと納税に関する確定申告が不要となる手続きの簡素化が図られたことが挙げら れます。以上の要件が奏功し、データが公表されている平成27年4月~9月までの半年では、 件数で約2,274.9千件、金額で453.5億円と、半年間で前年度実績を上回る実績を残している 300万円 28,000 19,000 15,000 11,000 7,000 ― 500万円 61,000 49,000 44,000 40,000 36,000 28,000 700万円 108,000 86,000 83,000 78,000 75,000 66,000 1,000万円 176,000 166,000 163,000 157,000 153,000 144,000 1,200万円 239,000 229,000 226,000 219,000 206,000 197,000 1,500万円 386,000 374,000 370,000 362,000 358,000 346,000 2,000万円 560,000 548,000 544,000 537,000 532,000 521,000 2,500万円 845,000 831,000 826,000 818,000 813,000 800,000

2 数字で見るふるさと納税の実態

(出所:ふるさと納税ポータルサイト(総務省)より当研究所作成) ①「共働き」は、ふるさと納税を行う本人が配偶者(特別)控除の適用を受けていないケースを指す。(配偶者の給与収入が141万円以上の場合) ②「夫婦」は、ふるさと納税を行う人が配偶者に収入がないケースを指します。 ③「高校生」は「16歳から18歳の扶養親族」、「大学生」は「19歳から22歳の特定扶養親族」を指します。 「中学生以下」の子供は(控除額に影響がないため)、計算に入れる必要はありません。

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FOCUS

【 FOCUS地域&経済 】 のです。  またこのふるさと納税の急増について、総務省が実施した「ふるさと納税に関する現況調査 結果」(平成27年10月23日公表)によりますと、調査に回答した732団体(41%)で、「返礼 品の充実」をあげ、287団体(16%)で「収納環境整備」をあげています。ちなみ収納環境の 整備とは、クレジットでの納付や電子申請の受付などの手続きの簡素化、利便性の向上を意味 しています。  図表5は、都道府県別のふるさと納税の受入れ額と受入れ件数を見たものです。ランキング のグラフ等に置き換えることはしませんが、受入れ額の上位の都道府県を見てみますと、最も 多いのが北海道で147.5億円と頭一つ抜けています。次いで東京都が103.3億円で続いていま す。以下、山形県(87.2億円)、長野県(76.0億円)、宮崎県(63.8億円)など兵庫県、岩手 県や鳥取県まで8都県が50億円以上の受入れ額を記録しています。  また下位の方では、大分県が9.0億円、青森県が8.8億円と10億円に達していない県が最下位 の富山県(5.2億円)まで7県あります。ちなみに最上位の北海道と最下位の富山県とは、ざっ と30倍の違いがあります。  次に受入れ件数についてみますと、当然のことながら受入れ額が上位の道府県が多く顔を出 しているわけですが、最も多いのが北海道で60. 4万件、次いで山形県の53.1万件と、この上 位2道県が50万件を超えています。以下、宮崎県の38.4万件、鳥取県の36.2万件と続き、長 野県(29.6万件)、愛媛県(23.3万件)までの上位6道県が20万件以上となっています。その 後鳥取県や佐賀県など10府県で10万件を超えています。  少ない方では、福井県が1万件に達せず9,584件で最も少なく、また1万件台に受け入れ額 が第2位だった東京都(1.3万件)など富山県、京都府、徳島県、香川県や沖縄県となってい ます。  受入れ額と受入れ件数の関係を見ると、東京都が受入額第2位の103.3億円ながら、受入れ 件数が43位の13,357件となっており、興味深いところです。単純計算ですと、東京都内の各 自治体(東京都も1自治体)受入れ額が1件につき、平均76.1万円とかなりの高額(ちなみに 北海道は1件当り2.4万円)であることがわかります。また愛媛県は受け入れ金額が18.9億円 図表4 ふるさと納税の推移(全国) 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 2400 2200 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 金額(億円) 件数(千件) 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 金額 件数 注:平成27年度は4月~9月まで半年間の数値

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とランキング29位ながら受入れ件数が6位と健闘しています。最後に我が埼玉県はと、見ます と受入れ金額が16.0億円で先ほどの愛媛県についで30位、受入れ件数は5.2万件28位となって います。 ⑵埼玉県内の実態 県内では鶴ヶ島市が受け入れ件数、金額ともにトップ  では、次に埼玉県内の市町村について見てみましょう。図表6は、さきほどの都道府県と同 様に埼玉県及び県内市町村のふるさと納税の受入れ件数と受入れ額を見たものです。受入れ件 数が最も多いのが鶴ヶ島市の14,310件、次いで宮代町が11,071件と、この2市町のみが1万 件を超えています。以下、幸手市の9,973件、羽生市の3,852件が続き、大きく離れて埼玉県 が1,805、白岡市1,581件、美里町1,211件と7つの自治体で1,000件を超えています。  受入れ額でも鶴ヶ島市が2.5億円とトップで、次いで所沢市が1.3億円、宮代町の1.2億円、 幸手市と蕨市の1.1億円と上位5市で1億円を超えています。  上位に顔をだしている市にヒアリングをした結果、鶴ヶ島市では、クレジットカードでの決 済機能に加え、ドコモの携帯電話による寄附ができるシステムなど利便性に加え、市内業者に よる鉄道模型の返礼品が人気となっていることが要因と分析しています。宮代町では初期の平 成20年度から地道に取り組み、ニュースレターなどによりきめ細かくリピーターにサービスを 続けてきた結果と見ています。また返礼品では、米や巨峰などの農産物やアミューズメント施 設のチケットが人気であるとしています。幸手町では、返礼品は米の1種類でありますが、宮 (出所:総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(平成27年10月23日)」より当研究所作成) 岩 手 県 5,558,064 82,718 宮 城 県 2,867,569 66,556 秋 田 県 1,229,935 54,466 山 形 県 8,721,543 530,637 福 島 県 3,581,379 48,118 茨 城 県 2,150,978 102,116 栃 木 県 1,484,762 20,240 群 馬 県 2,486,505 45,059 埼 玉 県 1,604,332 52,208 千 葉 県 2,602,237 49,704 東 京 都 10,333,019 13,577 神 奈 川 県 3,445,151 35,933 新 潟 県 2,054,438 66,786 富 山 県 518,136 10,253 石 川 県 771,473 22,199 福 井 県 743,046 9,584 山 梨 県 1,553,975 79,428 長 野 県 7,597,762 295,812 岐 阜 県 2,281,247 74,173 静 岡 県 3,626,559 167,289 愛 知 県 2,537,100 112,610 京 都 府 1,546,828 18,932 大 阪 府 4,743,811 110,143 兵 庫 県 6,057,064 172,458 奈 良 県 1,009,054 37,156 和 歌 山 県 1,358,703 57,575 鳥 取 県 5,467,377 362,362 島 根 県 3,349,134 199,719 岡 山 県 2,798,303 95,683 広 島 県 2,217,359 29,879 山 口 県 1,229,910 64,775 徳 島 県 739,164 13,592 香 川 県 584,975 12,294 愛 媛 県 1,894,540 232,752 高 知 県 2,138,112 125,504 福 岡 県 3,231,443 101,422 佐 賀 県 4,524,769 175,943 長 崎 県 4,123,951 116,962 熊 本 県 1,098,805 33,417 大 分 県 905,469 31,449 宮 崎 県 6,368,621 383,997 鹿 児 島 県 3,007,041 91,429 沖 縄 県 999,485 13,338

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FOCUS

【 FOCUS地域&経済 】 代町同様にリピーター向けに継続的な取り組みが奏功しているとしています。所沢市では居住 者の一人から1億円の寄附が大きく押し上げています。  これまでは、ふるさと納税を受け入れる側(寄附金を受けた自治体)から、これまでの動向 を見て来ました。次に視点を変えてふるさと納税の寄附者(居住する都道府県)別の動向につ いて見たいと思います。 ⑴寄附者には三大都市圏の住民が多い  図表7は、平成20年から26年までに、ふるさと納税の寄附者を居住地の都道府県別に上位 20都道府県を、図表8は、その人たちの行った寄附金の合計額の上位20都道府県について表 してあります。  居住地都道府県別に見たふるさと納税を行った人たちの数は、最も多いのが東京都で29万7 千人、次いで神奈川県の16.4千人、大阪府の12.8千人と以上が10万人以上です。以下は、愛 知県、千葉県、埼玉県、兵庫県と北海道と続き、北海動までの9都道府県で寄附者が5万人を 超えていることがわかります。  次に実際のところいくら寄附をしているのか、金額ベースで見ますと、東京都(都民)が 416.8億円と2位の神奈川県の127.3億円の3倍を超える金額です。3位の大阪府までが100 億円を超えています。以下、愛知県の91.4億円、千葉県が72.3億円、北海道、64.8億円、埼 玉県の62.8億円、そして兵庫県61.8億円までが50億円を超えていることがわかります。当然 順 位 自治体名 金 額 1 鶴 ヶ 島 市 250,054 2 所 沢 市 125,340 3 宮 代 町 123,295 4 幸 手 市 112,721 5 蕨 市 112,529 6 埼 玉 県 92,725 7 春 日 部 市 63,054 8 戸 田 市 51,872 9 新 座 市 47,571 10 羽 生 市 42,080 11 深 谷 市 40,205 12 川 口 市 38,302 13 川 越 市 37,138 14 美 里 町 34,935 15 さいたま市 34,244 16 本 庄 市 33,219 17 越 谷 市 27,334 18 白 岡 市 22,317 19 入 間 市 21,673 20 日 高 市 21,208 県 全 体 1,604,332 順 位 自治体名 件 数 1 鶴 ヶ 島 市 14,310 2 宮 代 町 11,071 3 幸 手 市 9,973 4 羽 生 市 3,582 5 埼 玉 県 1,805 6 白 岡 市 1,583 7 美 里 町 1,211 8 深 谷 市 920 9 富 士 見 市 698 10 久 喜 市 673 11 坂 戸 市 640 12 伊 奈 町 514 13 鴻 巣 市 486 14 草 加 市 397 15 日 高 市 353 16 さいたま市 307 17 川 口 市 289 18 蓮 田 市 262 19 熊 谷 市 188 20 入 間 市 182 県 全 体 52,208

3 寄附者から見たふるさと納税の実態

図表6 埼玉県内のふるさと納税の件数・金額 上位 20 自治体 (平成20年度~ 27年度上半期) (単位:千円) (出所:総務省 ふるさと納税ポータルサイトより当研究所作成)

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のごとく寄附者の人数が多い都道府県が、寄附金額も多いという結果となりましたが、上位に 顔を出している自治体は首都圏を始め、いわゆる三大都市圏の自治体となっています。ちなみ に首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の一都三県を合計しますと、寄附者の人数が 63.9万人で全体の42.1%、寄附金額が679.1億円で全体1,467.5億円の実に46.7%を占めてい ます。4都県で、47都道府県分の半分に近い数値をあげています。地域別には、人口分布が大 きいとは言え、一都三県に大きく偏っていることがわかります。 ⑵住民税控除額も巨額  ふるさと納税の寄附者は、居住地の住民税(都道府県民税と市町村民税)が控除されること になります。ここでは平成20 ~ 26年度の寄附金控除の申告があった寄附金を居住地の都道府 県別に集計しました。住民税控除額の最も大きいのは、東京都の151.7億円、次いで神奈川県 の52.6億円、大阪府の46.3億円、愛知県34.1億円、千葉県30.0億円と上位5都県で30億円を 超えています。埼玉県は27.6億円で第6位となっています。静岡県までの上位11都道府県が 10億円以上となっていることがわかります。  住民税控除額は、寄附者の居住している都道府県や市区町村から見れば、本来は入ってくる べき税金ですが、ふるさと納税によって入って来なくなっている金額の総計であると言えます。 (注:地方交付税を受けている自治体は75%が国から地方交付税の増額によって補填されます。) (以下、次号に続く) 2 神奈川県 163,959 3 大 阪 府 127,557 4 愛 知 県 94,946 5 千 葉 県 90,032 6 埼 玉 県 88,385 7 兵 庫 県 72,769 8 北 海 道 56,272 9 福 岡 県 42,902 10 広 島 県 38,947 11 京 都 府 34,868 12 静 岡 県 31,919 13 岐 阜 県 22,072 14 茨 城 県 21,957 15 奈 良 県 21,103 16 長 野 県 19,354 17 三 重 県 19,273 18 岡 山 県 17,120 19 滋 賀 県 16,163 20 群 馬 県 15,762 *寄附金控除の申告があった寄附金を集 計した *寄附者の居住する都道府県別に集計した 2 神奈川県 127.3 3 大 阪 府 110.4 4 愛 知 県 91.4 5 千 葉 県 72.3 6 北 海 道 64.8 7 埼 玉 県 62.8 8 兵 庫 県 61.8 9 福 岡 県 44.7 10 静 岡 県 31.5 11 京 都 府 30.4 12 広 島 県 23.4 13 岐 阜 県 21.3 14 茨 城 県 18.8 15 長 野 県 16.7 16 宮 城 県 16.3 17 新 潟 県 16.1 18 群 馬 県 15.9 19 奈 良 県 15.7 20 滋 賀 県 14.8 *寄附者の居住する都道府県別に集計した *寄附金控除の申告があった寄附金を集 計した (資料:総務省ふるさと納税ポータルサイトより当研究所作成) 2 神奈川県 52.6 3 大 阪 府 46.3 4 愛 知 県 34.1 5 千 葉 県 30.0 6 埼 玉 県 27.6 7 兵 庫 県 26.6 8 北 海 道 19.1 9 福 岡 県 15.3 10 京 都 府 12.3 11 静 岡 県 10.8 12 広 島 県 9.7 13 岐 阜 県 7.2 14 茨 城 県 7.1 15 奈 良 県 7.1 16 宮 城 県 6.1 17 群 馬 県 5.9 18 長 野 県 5.7 19 三 重 県 5.6 20 滋 賀 県 5.4

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