飢餓におけるカテコールアミン代謝とミトコンドリ アエネルギー産生系の相互関係
著者 宮川 和彦
著者別表示 Miyagawa Kazuhiko
雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査
結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科
巻 平成2年7月
ページ 37
発行年 1990‑07‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/14789
学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目
医博甲第942号 平成2年3月25日 宮川和彦
飢餓におけるカテコールアミン代謝とミトコンドリアエネルギー産生系の相互 関係
論文審査委員主査 副査
昂祐二
亮龍谷口
竹田 福田
内容の要旨および審査の結果の要旨
カテコールアミン(CA)の作用は多岐にわたるが,近年CAと細胞エネルギー代謝の密接な 関連性が,認識されるようになった。一方,栄養状態の変化は,CA代謝に強い影響を及ぼすが,
CAと細胞エネルギー代謝の相互関係にどのような影響を及ぼすかは不明である。本論文ではこ の点を解明する目的で,飢餓状態におけるCAと細胞の,特に肝ミトコンドリアエネルギー産生 系との関連性を検討し,以下の結論を得た。
1.飢餓状態におけるCA代謝は,末梢レベルにおいて合成,分泌ともに抑制されていた。
2.絶食ラットに対するノルエピネフリン(NE)腹腔内投与にて肝酸素消費量及びミトコンド リアcytochromecreductase(CR)活性の低下を認めたが,飽食ラットではこのような
変化はみとめられなかった。
3.ATP産生阻害剤腹腔内投与にて,CA合成分泌は抑制され,肝CR活性と副腎tyrosine hydroxylase活性との間に有意の相関関係を認めた。
4.6-ハイドロキシドーパミン腹腔内投与にて肝CR活性,pyruvatedehydrogenase(PD H)活性の低下を認めたが,酸素消費量に変化はなかった。
5.肝灌流系にて,絶食肝においてのみNE負荷によりCR活性,PDH活性,アデニンヌクレ オチド転送の低下を認め,NE腹腔内投与にて認めた変化がCAの直接作用であることが示され た。
以上の結果から,飢餓状態における肝ミトコンドリアエネルギー産生系はCA過敏状態にあ り,合目的的機序によりCAの合成分泌が低下することが示唆されると結論した。
本論文は絶食状態におけるCA代謝の変化が生体維持の面で合目的に調節されていることを解 明するとともに,CAとミトコンドリアエネルギー産生系の密接な関連を明かにした研究でよ り,やせや肥満をはじめとする各種病態におけるCAの果す役割を解明するにあたり資するとこ ろの多い労作と認められた。
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